| > > いや、寝ころんで戦った事を「ズル」と言われても・・・・
> > 別にルール違反でも何でも無いですし、
> > 異種格闘技とは、ああした「間」や「空気」が面白いのであって、
> > アリと猪木がボクシングの試合をした所で、全く面白くない訳ですからねえ。
> う〜ん、そういうもんなんですかね・・・。
> 私としては真剣勝負でアリと猪木が本気でやりあったら
> どっちが強いのか?どの様な苦戦を強いるのだろうか?等と
> 思っていただけに、この試合は残念な結果でありました。
え〜と、何と言いますか、
「真剣勝負」と「真っ向勝負」とを混同されてませんかねえ?
また野球の例えになって悪いのですが、
オールスター・ゲームなどで、ストレート1本勝負をするのは、
真っ向勝負であり、そう言ったお祭りでの演出としては良いのですが、
日本シリーズの緊迫した場面で、同じくストレート1本勝負をする事が、
果たして真剣勝負と呼べるでしょうか?
真剣勝負とは、両者が真剣に勝利のみを追求して対峙するからこそ価値があり、
単に真っ正面からぶつかり合えば良いというモノではないはずです。
そう言った意味では、あの「猪木vsアリ」戦というのは、
真剣勝負の格闘技としては、本当にすばらしい試合ですが、
これを視点を替え、エンターテイメントとしてのプロレスという視点で見た場合、
真っ向からぶつかり合わず、面白くも何ともない試合に変わると思います。
ですが正直言って、やる方からすれば、後者の方が遙かに楽なんですよ。
それはお互いが、単なるショーを演ずれば良いだけですし、それでウケますから。
ですが、ショーではなく真剣勝負を行ったからこそ、
エンターテイメントとしては、あそこまでつまらない試合になった訳です。
> > 例えとしては少し違うかも知れませんが、
> > 変化球を投げたピッチャーに対して、「ズル」というようなモノかと。
> でも投手の変化球は打者にとって予測範囲内だと思います。
> どちらかと言うと投げてくるボールが変っていることに近いかと思います。
> それだけ猪木は有り得ない行動をしていると思うんですが、違ってますか?
> 同じ土俵で戦う以上、ボクサー相手に寝転ぶのはやはり「ズル」としか考えられません。
格闘技とは主に、「打つ・投げる・極める」の3要素から為っており、
プロレスや総合格闘技は、その全てを対象とします。
一方でボクシングとは、3要素のうちの1つである「打つ」に全てを集約し、
更には、「使用は拳のみ&攻撃は上半身正面のみ」という、
これでもかと言うほど、その要素を絞り込んだ格闘技です。
だからこそ、その中身は濃密となり、そこがボクシングに大きな魅力を与える訳です。
前述の言い方を用いれば、要素を絞る事でルール的に「真っ向勝負」を生みだし、
その縛りの中で「真剣勝負」を行わせる事で、両面を共存させる格闘技の芸術であると。
ですが逆に言うと、3要素全てが認められた戦いですと、そこが大きな弱点へと変わります。
文字通り「総合的な格闘技」である総合格闘技とは違い、
言うなればボクシングとは、非常に「専門的な格闘技」なんです。
ではここで、「猪木vsアリ」戦の巷間伝わるルールを列記してみます。
1.ボクシングと同じ3分15ラウンド制
2.投げ技の禁止
3.関節技の禁止
4.ひじ打ちの禁止
5.立った状態での蹴り禁止
6.頭部への蹴り禁止
7.グランドの攻防は10秒以内
8.これらのルールは非公開
このルールを見た場合、
実質的に、3要素のうちの「打つ」しか許されていません。
しかも、ひじ打ちや立った状態での蹴りも禁止。
これはもうほとんど、ボクシングのルールに近いです。
パンチ以外に認められるのは、タックル、ラリアート、
そして最後に、あの「寝転がった状態でのキック」です。
タックルにはそれ自体に攻撃力はなく、ラリアートは非実用的である事を考えれば、
このルールとは則ち、「ボクシング+寝転がった状態でのキック」となります。
これで、そのキックまで駄目となれば、それこそ本当にボクシングの試合です。
で、前回書いたように、アリと猪木がボクシングの試合をした所で全く面白くないと。
とは言え、アリ側としては、
「寝転がった状態でのキック」というのは、想定外の事だったでしょうね。
総合ルールから、これでもか、これでもかと縛り上げ、
実質、ボクシング・ルールに仕上げたと思っていたでしょうから。
これには1つの複線があり、試合数日前の公開スパーリングで、
猪木がアリ対策として編み出した「延髄斬り」を披露したんです。
で、そこから4と5の禁止項目が生まれたと。
そして、その両項目の穴こそが、「寝転がった状態でのキック」だった訳です。
ですが、この寝転がった状態でのキックというのも、
猪木の発言を借りれば、事前に考えていた訳ではなく、
試合展開上の自然な流れ中で、偶然そうなったとの事。
それを証明するかのように、あの所謂「猪木アリ状態」は、
未だに総合格闘技の定石として残り、真剣度が高まるほど多用されます。
まあ、エンターテイメント的に言えば最悪ですが、
逆にだからこそ、あの戦いが如何に凄い真剣勝負であったかを表すモノでもあります。
猪木側からすれば、まさに雁字搦めなルールだったでしょうけれど、
前述のように、ボクシングという格闘技の専門性を考えますと、
「ボクシング+α」というルール設定こそ、ちょうど良いバランスとなり、
あのような名勝負を生んだと言えなくもありません。
もし、そのような縛りのないルールで試合を行ったのであれば、
勝負は間合いのせめぎ合いとなり、一発で決まってしまうでしょうね。
まあ、それはそれで面白そうですが、これまたエンターテイメント的かどうかは・・・・
事前に相手の情報を調べ、お互いが手の内を知りつつ戦うのも良いですが、
相手の力を皮膚感覚でリアルタイムに感じ合いながら、
ピリピリとした空気の中で、ジリジリとした間合いの勝負というのは、やはり面白いですよ。
野球にしても、毎年何度も対戦するプロ野球なら別ですが、
対戦経験や情報も乏しいアマの試合や国際試合などは、それに近いモノがあります。
だからこそ、WBCでは日本以外の試合も楽しみですよ。
まあ野球で、日本ほどそうした「間の駆け引き」を行う国はないですけど(笑)。
> > でもまあ現実にも、自身の通算500号本塁打まであと1本と迫る中、
> > 「巨人 2-10 阪神」で迎えた終盤の7回裏、二死満塁カウント2-3の場面で、
> > 藤川が自慢のストレートではなく、フォークを投げて三振を奪った事に対して、
> > 「ケツの穴小さいわ、チンポコ付いてんのか」と発言した清原なんて選手もいましたが(笑)。
> これは有名ですね(笑)
> 野球選手でもあれだけ言える人物も引退しましたからね・・・。
> 次はどんなパフォーマンスを見せる人が現れますかね。
そのパフォーマンスとは、言動ですか? プレイですか?(笑)
まあ私が応援する中日には、言動の方ならドアラと英智がいますので、
あと堂上あたりが、プレイの方で魅せてくれれば・・・・
打者であれば、今年巨人に入った大田が面白いですね。
昨年の神奈川予選で見た時、かなりの衝撃を受けました。
あの大柄な身体から繰り出される柔らかな打撃フォーム。
個人的に、高校生打者の中では、福留以来の衝撃でしたね。
前年に騒がれた中田翔は、注目が大きくなるほど力任せになっていくように見え、
私個人の評価としては、高校1年夏の頃から年々下がってましたので。
いや勿論、中田が凄い素材である事は間違えないんですけどね。
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