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[12358] 民主党の政策に関して返信 削除
2009/9/5 (土) 17:11:30 徳翁導誉

ようやく日本でも政権交代がなり、新たに民主党政権が誕生すると言う事で、
国民生活を大きく左右する政治への関心が、これから高まっていく事は良い事ですし、
民主党が掲げる政策も、「賛同あり・反対あり」の是々非々で討論される事は、
そうした政治を健全的な方向へ導く上で、とても大事な事だと思います。
とは言え、民主党の政策を良い悪いと語る前段階として、
まずは少しでも、民主党の政策を覗いてみた方が良いのではないでしょうか?
ハッキリ言って今の状態は、目次だけ読んで本の内容を批判をしているように見えます・・・・

でもまあ、そうは言っても、なかなか読む人はいないでしょうから、
ちょっと簡単にですが、私が民主党の政策を説明してみます。
とは言っても、別に私も民主党の支持者って訳ではないので、
そこまで詳しく把握してませんし、間違ってる部分もあるかも知れませんので、
その辺は考慮の上で読んで下さいね。


▼ 高速道路の無料化
> 明らかな人気取り政策ですよね。
「賛成3割・反対7割」という高速道路の無料化が、
果たして「明らかな人気取り政策」と言えるんですかねえ?

> 無料化の費用は何処から出し続けるのか
一応民主党は、以前より「原則」無料化としており、
無料化したら渋滞するであろう首都高速と阪神高速は、この原則から除外されました。
で、この両高速から上がる料金収入は4200億円くらいで、
一方、全国の高速道路を維持管理するのに掛かるのが5800億円ほどだとか。
無料化すれば、料金所に掛かるコストは掛からなくなる訳ですし、
利権の温床となっている部分にもメスを入れる事で、
必要経費を両高速の料金収入に抑えられると考えているみたいです。

> 料金所の人たちの雇用はどうするのか
こう言っては何なんですが、あれも一種の「天下り」なんですよ。
理事長とか会長とかに天下れるのは、本当に一握りの人だけなので、
普通の職員は、定年間際にああいう所に天下るんです。
ですので、既に年金を貰えている人も多いですし、
それに放っておいても、何年かすればETCに移行する予定なので、
最近ではバイトの比率も上がってきていると聞きます。
確かに、そこで働く人たちの雇用を守るのも凄く大事ですが、
現状でも完全失業者と実質失業者を合わせて500万人の失業者が居る訳ですし、
国土交通省の試算では、8兆円近い経済効果があると言っているので、
その経済効果で雇用を生んだ方が、現状よりも良くなると考えているんだと思います。

> 車以外の運送業はどうするのか
産業構造の変化だから、生き残れなければ仕方ない・・・ってスタンスだったかな?
それと同時に、再雇用は面倒を見るといった感じで。
まあ鉄道はまだしも、フェリーとかは確かに厳しいでしょうねえ。
とは言え、「フェリー業界を守るため、高速道路は有料」というのも、
さすがにちょっと難しい気もします。

> そして何よりも増加分のCO2をどう処理するのか
二酸化炭素の排出は、渋滞発生(特に一般道)によって格段に増えます。
ですので民主党としては、高速が無料化する事で車の通行が分散され、
逆にその分だけ、二酸化炭素の排出量を抑えられると考えているみたいです。
まあ、高速が無料されたからと言って、
そこまで自動車の通行量が増える事はないでしょうしねえ。
無料化で通行量が増えても、渋滞削減でお釣り来ると考えているのかも?
また、「無料化で高速が渋滞したら」という件に関しては、
渋滞が起きるような、その区間は有料に戻すかも・・・と言っていますね。
民主党は高速無料化を「社会実験」と唱ってますからねえ。
ですので、一気に全て無料化する訳ではなく、
効果が出そうな所から、段階的に無料化をしていくそうです。
ちなみに、そう言う事なので、ETC廃止とかは考えてないみたいですね。
個人的には、実験結果がどうなるか、興味のある所ではあります。


▼ 最低時給を1000円に
> 最低時給1000円にすると他の労働者の給料も上げ無ければならなくなるので
う〜ん、これって逆じゃないですか?
民主党などは「同一労働同一賃金」を掲げてますし、
もしもオランダみたいな形を目指しているのだとしたら、
結局、「派遣社員の時給を上げ、正社員の時給を下げる」という形になります。
で、給料を下げた分だけ正社員の労働時間を減らし、
結果的にワーク・シェアリングとなって、最低賃金を保証しながら失業率も下がると。
そして企業には、人件費が浮いた分で社会保障費を払わせて、
派遣のクビ切りに対して、失業保険を十分に確保する・・・って感じですけど、
そもそも民主党が、どんな国家将来像を描いているかが解らないんですよねえ・・・・

> 時給1000円に関しては、無理な人件費コストの拡大は日本の国際競争力を
> 著しく低下させるだけかと。
> 企業が生き残っているからこそ、日本は維持できていると考えても相違ないかと。

「大企業は軒並み過去最高収益を上げる一方、世帯平均所得は100万円ダウンしました」
こんな状態で、国際競争力がとか、企業の生き残りがという以前に、
まずは「富の再分配」だけでも、うまく機能させるべきと言う話なのでは?

> 仕事はいくらでもあると思いますよ、大卒だから・・・というプライドさえ捨てれば。
7月の有効求人倍率は0.42倍なのですが・・・・
つまりは1つの求人に、2.5人の求職者がいるような現状です。

> 中小企業をつぶして、なにをするのやら、中小企業が民主党の敵なら理解できますげとね。
別に、「中小企業を潰せ」と言っている訳では無いですけどね。
と言うか、「中小企業を立て直して、最低時給を1000円に」と考えているみたいです。
具体的に、どうやって中小企業を立て直すかというと、
まずは中小企業の法人税を18%から11%に下げて、
公正取引委員会を厳格に機能させ、大企業の不公正が罷り通り現状を解消し、
政府系の金融機関では、私財担保や連帯保証が無くても金を貸す・・・って感じだそうです。
でもまあ、これで(これが)本当にうまく行くかは解りません・・・・
とは言え何もやらずに、いきなり最低時給を1000円に上げる訳では無い事は確かかと。
実際問題、そんな事が現実的に不可能な事くらい、民主党だって解ってますし。

> いつから日本は社会主義国家になったんですかね〜。
経済に関してなら、1930年代くらいからですかねえ?
完全にそうなるのは、太平洋戦争が始まってからですけど。
特に満州ではうまく行き、そのノウハウが戦後復興や高度経済成長に活かされ、
それこそが、日本経済をここまで引き上げた主要因であり、
50年経ってそれがうまく機能しなくなった事が、現在の混乱の原因でもあります。

> 要は時給1000円未満の人は時給1000円未満の能力しか持っていない場合が多いです。
失礼な言い方になるかも知れませんが、こう言う考え方は、
視点が上がれば、中小企業に跳ね返ってくる危険性もあるように思いますが?
「時給1000円で潰れるなら、その程度の能力しか持っていない企業」って感じで。
何かもう、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」状態になっちゃいますよ・・・・


▼ 二酸化炭素排出量の削減
> 25%という目標は明らかに大き過ぎ、急すぎるものなんですよ
ぶっちゃけた話、政権にいるかどうかも解らない10年後の事なんて、
努力目標や方針表明くらいのものですからねえ・・・・
実際に示された任期4年間の工程表にも、これについて特に書かれませんし。
ちなみに、削減目標が「大き過ぎ」という話であれば、
自公政権が既に「40年間で60〜80%削減」なんていう法律を作ってますので(笑)、
最初の10年間でとなると、掲げる目標は最低でもそれくらいになりますよねえ。

> 大体、国際炭素市場とか言って、市場メカニズムを使って、
> 削減した分の権利を売ろうとかいう時点で、資本家の匂いがします。

「匂い」と言いますか、それは具体的に「排出権取引」というモノです。
何もない所から金を生み出す、ある意味で「錬金術」ですね(笑)。
また、新たなハードルを設ける事で、
その為の技術開発が行われ、そして市場も生み出すと。
「三種の神器だ、新三種の神器だ」と、欲しい商品が次々ある時代ではないので。

> 私は地球温暖化については懐疑派です。
何を言っているんですか!?
高炭素生活が温暖化を呼び、温暖化が海面上昇をもたらすんです!!
見て下さい、縄文人の高炭素生活っぷり↓を(笑)。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/special/img/163_zu02a.jpg

> それが自然界の基本的な摂理である弱肉強食です。
> 例外も多々ありますからね。
> ただ、無視出来ないほどの法則・摂理であることは間違えないでしょう。

100年前の優生学の時代じゃないんですから・・・・
って、こう言う事へ変に科学を混ぜ込む事は、
理系の人間として、あまり好きではないのですが、
とりあえず、それに対しては「エントロピーは増大する」と答えておきます。


▼ 出産一時金
> 年額31.2万円の子ども手当、出産一時 (初年度は半額)
> 効果どれだけあるのだろうか?

子供を産むとなれば、検診と出産でおよそ50万円くらいは掛かります。
「出産は病気ではない」という理由で、保険が効かないんですよ。
最近では経済的理由から、満足に検診を受けないまま、
危険な「駆け込み出産」となるケースが社会問題化してますし、
出産一時金により、誰でも満足な検診や出産に備えられる事は、
少子化問題に挑む上でも、大変重要な事だと思いますよ。


▼ 高校授業料の無償化
> 公立高校の実質無償化
> 私立高校生にも相当額助成
> 効果がありそうですが、いまさらする意義がわからない。

これはもう、完全に自公政権のツケです。
高校授業料の無償化は、10年近く前に国連で推進していく事が決まり、
先進国でまだ実現していないのは、確か日本だけなはずです・・・・
金にも票にもならず、単に出費がかさむからと、
これまで放置してきた事自体が、日本国として恥ずかしいように思いますよ。
当時、「米百俵の精神」とか言っていて、やってる事がこれですからねえ。


▼ 暫定税率の廃止
> ガソリン税などの暫定税率の廃止・減税2.5兆
> 減税した穴は何で埋めるのでしょうか?

取り敢えずは埋蔵金で補うみたいですが、
最終的には、文字通り「廃止」でしょうね。
道路を作るのに金が足りないから行った暫定税率が、
恒久化する事により、金があるから道路を作る格好になっちゃいましたし。
ただ国の方はまだしも、この財源を当て込んでいる地方は困りますよね。
ですのでその代わりに、国の直轄事業への地方負担金を撤廃するそうです。
大阪の橋下知事が「ぼったくりバー」と言っていたアレですね。
道路の新規建設に関しては、道路特定財源も一般財源化してしまい、
「必要なモノだけを作る」という形に持って行くんでしょうね。
予算はこれを気にゼロ・ベースで見直すらしいので(これが出来れば凄いです)。


▼ 農業の戸別所得補償
> 農家の所得捕捉率は一般のサラリーマンよりも低いです。
> それで農家の所得ってわかって戸別所得補償できるの?

これは本当、どうなるんですかねえ?
代表当時の小沢がこれを提案した時には、
農協の既得権益に手を突っ込み、日本農業の競争力を高めようという、
「農業政策改革」への第一歩としての意味があったんでしょうけど、
代表が交代し、選挙直前に日米FTAの件が後退した事で、
単なるバラマキに終わる危険性はありますね・・・・


▼ 衆議院の比例を80議席削減
> 少数意見を無視するつもりですか?
> 比例の方が少数意見が通りやすいのに、
> だから大政党は大嫌いです。

この件は、もう散々書いたから中身は置いておくとして、
社民党などの小政党と連立を組む以上、
「80議」も削減するのは、まあ無理でしょうねえ。
逆に言うと、比例削減は社民党にとっては死活問題でも、
民主党にとっては優先課題ではないので、社民党用の手綱に使うかも?
以前の自民党も、まずは「比例50削減」を掲げる小沢自由党と連立して、
その比例削減案をエサに公明党を連立へと呼び込みましたから。
結局その時は、公明党の意見を入れて「比例20削減」となりましたし、
今回は「比例30削減」くらいが妥協点になるんじゃないですかねえ?
比例が選挙区のちょうど半分となり、数字的にもキリが良いでしょうから。

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