▽ 2011/7/19 (火) 19:17:06 ▽ リューケン(龍眷) |
| 南北分断ってのは想像力を働かせる余地がありますね。
ネタになるだけあって、まったく現実味が無いわけでも無いですから。
まず思うのは、キリスト教右派についてですね。
南北分断の主役になるのは間違いなく彼らでしょう。
というより、彼ら以外にアメリカを分裂させるような要素があるでしょうか?
彼らには国を割るに足りる十分な要素が備わっています。
>1.政治を動かすに十分な情熱と、政治的実力を備えていること。
宗教的情熱が政治を動かすのは歴史でよく見られることですし、彼らはアメリカ人口の何分の一かを占める勢力を持っています。
キリスト右派の政治的実力は胚細胞問題、中絶問題、創造論教育、若い地球論、核戦争肯定論、同性愛差別……数え上げればキリが無いほど、彼らの影響が及ぶ範囲と大きさは凄まじい。
そして、その言動は大統領すらも自らの信条に屈させることができます。
オバマ大統領の言動がそのことをよくあらわしているでしょう。
彼は上院議員選で「宗教的見解を他人に押し付けることは出来ない。私が立候補しているのはイリノイ州の牧師では無く、イリノイ州の上院議員だ。」と言っていました。
ところが、その後、その発言を撤回して、
「進歩主義者が政教分離で宗教を切り捨てたのは間違いだった。」
「宗教の匂いを嫌う進歩主義者のせいで、われわれは道徳的な言葉で問題に対処することができなくなった。」
と態度を変更せざるを得ませんでした。
実はこれ、白熱教室で有名になったベストセラーの『これからの「正義」の話をしよう』に、政教分離を否定する文脈でそのまんま載っているんですよね(笑)
>2.煽動に動かされるに十分な無知さを備えていること。
「無知は力」(IGNORANCE IS STRENGTH)とジョージ・オーウェルの小説にはありますが、そのまんまですよね(笑)
煽動されて、暴力と権力を一極集中させるには何は無くとも、まず無知でなくてはなりません。
下手に各個人が知識をつけて独自見解を持ち出すと「内ゲバ」になりますからね。
オバマがコミュニストだとか、オバマが国家社会主義者だとか、オバマはイスラム教徒だとか、オバマは実はアメリカ人では無いとか…。
あれだけの矛盾した事実を疑いなく鵜呑みにできるなんて「二重思考」(double-think)を実践しているとしか思えませんよ。
こうした間違いは政治的言説には常に付きまといますが、それにしても、いかに彼らが物事を鵜呑みにできるかは明白です。
今でもオバマの出生証明書が明示されたのにも関わらず、それが偽者だと唱えてますし、嫌がらせのように裁判もかなりの数起こしてます。
出生証明書など、オバマがアメリカ人で無いという「直感」「霊感」に比べれば、彼らにとってはゴミのようなものですw
意外なのですが、オバマに関することで無くとも、「ヒトラーは無神論者」を信じている人は日本にもいますね。かなり根強いです。
(http://www2.biglobe.ne.jp/~remnant/076mushinron.htm)
アレも虐殺をしたので無神論者に違いない、という霊感が働いているんでしょうかね。
>3.宗教を絶対視する原理主義的な過激さを備えていること。
コーランを焼き捨てる集会を作って法王からお叱りを受けたのは最近のことですし、リベラル派議員の集会での銃乱射と暗殺未遂。
実際にあったことですが、「小児性愛」と「小児医院」を間違えて放火した事件は笑い話ですね。
「無垢な胚細胞、受精卵を救う」ために退職した産婦人科医を銃殺した事件と、それを擁護する世論が湧き上がった件は原理主義の風を感じさせます。
宗教の権威と命令が人間としての倫理に打ち勝ったんですよ!
これならば、宗教の権威が愛国心に打ち勝つのも可能です。
国という権威を超克できる宗教という権威を、彼らは称えているのです。
さて、こんな彼らですが、当然ながら彼らの代表者が実権を握っている時、彼らは反乱までは起こしません。
流石の彼らでも、よっぽどのことが無い限りは。
しかし、ついに誕生したのです!
『黒人』大統領が!
ミドルネームに「フセイン」を持つ男が!
過去に「政教分離」を口にした男が!
彼は「統合」をテーマにしていますが、黒人大統領ほど「分裂」を促進するものはありません(笑)
オバマは彼自身の存在が「青いアメリカ」を許せるかどうかを、キリスト教右派の「赤いアメリカ」国民に突きつけているのです。
あまり自分だけ熱くなって、長くなりすぎるのもアレなので、ここは「アメリカのタリバン」というウェブサイトから箴言を持ってきます。
(http://adultthought.ucsd.edu/Culture_War/The_American_Taliban.html)
>We should invade their countries, kill their leaders and convert them to Christianity.
(訳・われわれ(アメリカ国民)は、彼ら(異教徒)の国を侵略して、彼らの指導者を殺し、キリスト教に改宗させるべきだ。」
今でも一部で根強く信じられているぐらいですから、「オバマは本当はイスラム教徒」と吹き込むのは、宗教の指導部からしたら訳の無いことです。
そして、もし、彼らがスイッチさえ押せば、「赤いアメリカ」の「青いアメリカ」に対する反逆が始まるのです。
イスラム教徒に乗っ取られた聖なるキリスト教国家・アメリカを「回復」するための「聖なる戦い」が。
「アルマゲドン(終末戦争)」の色合いを持つその戦いは、まさに熾烈を極めるものになるでしょう。
いや〜、ロマン。 |
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