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[15474] 「大阪都構想」に関して返信 削除
2011/12/4 (日) 01:16:01 徳翁導誉

> > 維新の会二名が当確のようです
両名の当選は、事前に予想は付いていたのですが、
さすがに、府知事選の方までゼロ打ち(開票開始即当確)になったのは驚きました。
投票日直前のゴールデン・タイムにセットされた市長選の生討論番組を、
現職市長側がドタキャンして潰した事が、知事選の方にも影響したんですかねえ?
知事選は接戦が予想されていたものの、フタを開けてみれば圧勝でしたし。


> 橋本弁護士と松井氏ですね。良かったですが都構想実現のための法改正のために国政進出も視野に入れるそうですが、
> そこまでいくと「独裁」も必要と言っている人が政権を握る可能性もあるわけで外交や安全保障の方が気になってきます。
> まぁ、法改正に影響出来る勢力を国会で作りたいそうですが、もしそれぐらいの勢力になったら
> 外交・安全保障に影響出ないのかなもしくは影響してしまうのかな?

まあ実際の所、そこまで案じる必要は無いと思いますよ。
あれはあくまで、国政側にプレッシャーを掛ける為のパフォーマンスですし、
仮に国政へ打って出たとしても、独裁できるような議席数の確保は非現実的です。
有権者の直接選挙で選ばれ、強大な権限を与えられる知事に比べれば、
首相は権限が少ない上、衆参両院の過半数を押さえる必要がありますからねえ。
と言いますか、橋下だって、そんな国政の仕組みは百も承知な訳で、
「国政で独裁をする」なんて事は、恐らく発言した事が無いと思いますよ。
「首相を公選制にしろ」くらいの事は言ってますが。

とは言え、国政に出て議席数を確保し、連立与党に参加する可能性はあるでしょうね。
(そのシナリオを最も恐れているのは、同じ風頼みの「みんなの党」でしょうけども)
それでも、小政党では外交・軍事への発言力は弱いでしょうね。
小政党で連立に参加しても、押し通せるのは党是に関わる政策くらいでしょうし、
そうした政策であっても、社民党や国民新党の現実を見れば・・・・
それにそもそも、維新の会の党是は「地方分権」なので、
仮に連立参加したとしても、外交・軍事面まで強行に口を挟むように思えません。
現段階での橋下の発言を見ても、そちら方面への関心は薄そうですし。
でもまあ、その辺を杞憂するよりも、現実的にもっと心配なのは、
外交・軍事を専門と自称する面々の認識っぷりかと(特に前原とか)・・・・
まあ取り敢えず、今の段階で橋下が目指しているのは「地方分権」の実現でしょうし、
「国政参戦」を匂わせるのは、それを実現させる為の交渉カードに過ぎないと思います。
私個人の好き嫌いは別としても、その辺の橋下の「したたかさ」は小泉同様に凄いです。
あとは、その目指している地方分権のゴールが、どのレベルに有るかという事ですよね。
「大阪都」なのか? 「関西州」なのか? 「日本全体の道州制」なのか?

仮に、「大阪都」が最終目標であるのなら、
その実現性は、言われているほど困難では無いと思います。
大阪都の実現には、「地方議会で可決→住民投票で過半数→国会で法改正」という、
3つのハードルが有ると言われていますが、
困難さで言えば、「地方議会で可決>住民投票で過半数>国会で法改正」でしょうね。
単なる「府市統合」であれば、地元の議会と住民が賛成するなら、
国政側がそこまで頑なに拒否するような案件でも無いですし・・・・
地方自治法を読んだ限りでも、特別区を制定し、府を都に改称すれば済みそうですので。
都の量産を防ごうとか、都以外の名称にしようとすれば、もう少し面倒な改正になりますが、
そうであったとしても、作業量が増えるだけで、そこまで困難さが増す訳ではないかと。
国や他県からすれば府市統合など、「やりたきゃ、やれば」という範囲の事ですし。

それよりも問題なのは、住民投票と地方議会ですよね。
大阪市と堺市が大阪府に吸収合併される府市統合が行われれば、
大阪市と堺市が抱えている借金を、府民全体で背負う訳ですし、
大阪市や堺市から上がる税収を、府全体にバラ巻かれる訳ですので、
府民にも、両市民にも、デメリットが無い訳ではないですが・・・・
そもそもモデルとなる東京都制は、戦時体制で生まれたのでシステムであり、
トップダウン的な統治には最適でも、住民にとって最適な訳では無いので、
逆に東京では、世田谷区が政令指定都市になろうという動きもあるくらいで。
また、大阪市と堺市を統合して、構想通りに11の特別区に再編すれば、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Osakato24ku_koso_02.png
2人の市長と2つの市議会が、11人の区長と11の区議会に増えますけどね。
(特別区ではない政令指定都市の区には、区議会がなく、区長も市の役人)
でもまあ住民投票の方は、風さえ起こせれば、そこまで難しくないのかな?
私も何年か関西に住んでましたけど、大坂の政治風土を考えればねえ(笑)。

やはり、最も困難ハードルは、地方議会での可決ですよ。
大阪府議会、大阪市会、堺市議会の全てで、過半数を占めなければならないので。
ここで、各議会での大阪維新の会の議席数を見てみますと、以下の通りです。
・大阪府議会:56議席(51%で過半数確保)
・大阪市会:33議席(38%で過半数まで10議席)
・堺市議会:13議席(25%で過半数まで13議席)
府議会は良いのですが、両市議会では全然足りません。

で、ここで注目なのが「公明党」の存在なんですよねえ。
公明党は大阪市会で19議席、堺市議会で12議席を持ってますから、
「維新+公明」で、大阪市会は過半数を越え、堺市議会は過半数まで1議席になります。
(足りない分は、今までのように自民党から維新へ引き抜けば良いでしょうし)
一方、公明党にとって大阪は、まさに大票田なのですが、
前回の衆院選、大阪19選挙区の中の4選挙区に現職候補を立てたものの、
党No.2の幹事長を含む4人すべてが、民主党候補に全敗を喫しました。
まあ民主の候補は、次の衆院選では相手にならないかも知れませんが、
もしもここに維新の候補を立てられでもしたら、再びの全敗も想定されます。
しかし橋下は元々、府知事選の時に自民・公明の支援を受けて当選しましたし、
衆院選で4選挙区には候補を立てない代わりに、市議会での賛同を要求するかも?
逆に言えば、だからこそ「国政進出」を匂わせる必要があるのかも知れません。
出るつもりが有ろうが無かろうが、「出ない」となれば交渉カードになりませんし。
そして、この辺の戦術は、自民党にも民主党にも用いるでしょうね。
と言っても、こちらの方は「国会での法改正」を推進させる為の道具でしょうけど。

でもまあ、本当に「大阪都」が最終目標なんですかねえ?
「大阪都」はあくまで踏み台で、それを足場に「関西州」を目指し、
最終的には「日本全体の道州制」を実現させたい考えはあると思いますよ、橋下には。
とは言え、国政からではなく、地方政治から動かそうとすれば、
大阪都はまだしも、関西州や道州制の実現は本当に困難ですけど・・・・
今回の方法でやるにしても、関西各府県の知事職と議会を押さえ、住民投票で勝つなど、
ちょっと現実的では無いと思いますからねえ。
兵庫県や京都府なども統合し、州都を大阪特別区にでもされれば、
神戸や京都のカネが、大坂に吸い込まれて行くのは目に見えてますし、
関西州へと舵を切れば、大阪都に賛同した関西広域連合の知事たちを、
今度は敵に回す事になりますので。
そうなると、やはり国政側からの道州制の導入ですよねえ・・・・
今の二大政党は、実行力(経験)はあるものの、地方自治には消極的な自民党と、
地方分権に積極的だが、実行力のない民主党(ただし現主流派は無関心)ですからねえ。
現段階での橋下は、「国政進出」カードを使って両党をうまく競わせる形で、
それを実現させたいのかも知れませんが、果たしてどうなる事やら?
大阪都だけなら地方からでも出来ても、道州制となるとやはり国政へ行くのが現実的かと。
ただその場合は、大阪都構想とかは放ったらかしになりそうですが(笑)。
逆に言うと、いったん大阪都を作ってしまうと、関西州への移行は却って面倒になりますし、
何やかんやと理由を付けて放り出し、関西州実現への新たな「敵作り」に走るかも?
まあ、その辺の方向性は、そう遠く無い時期に明らかになると思いますよ。

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