▽ 2012/3/31 (土) 16:07:40 ▽ 徳翁導誉 |
| > 赤い嵐では日本の工業力って結構上でしたが実際にはどうだったのでしょうね?
その辺に関しては、企画コーナー内の「数値で見る国力の推移」をご覧ください。
http://www.geocities.jp/kingo_chuunagon/kikaku/kokuryoku.html#industry
※ 1938年の工業生産比と人口(共に本国のみ) ※
[]内は日本を100とした場合の1人あたりの生産力
米:31.4% 1億3048万人 [333]
独:12.7% 6856万人 [257]
英:10.7% 4749万人 [313]
露: 9.0% 1億8850万人 [ 67]
日: 5.2% 7188万人 [100]
仏: 4.4% 4196万人 [146]
中: 3.1% 5億1334万人 [ 8]
伊: 2.8% 4342万人 [ 89]
印: 2.4% 3億7610万人 [ 9]
他:18.3% 8億1827万人 [ 31]
この工業生産比の歴史的変遷に関しては、
「工業生産で見る世界史」として動画化していますので、
視覚的に見た方が、解り易いかも知れませんね。
・解説あり http://www.nicovideo.jp/watch/sm4158133
・解説なし http://www.youtube.com/watch?v=V-3emf5f2PY
> 日中戦争中の1935年のデーターでは金属18%機械13%
> と国家総動員法前の事を考えても低めでしたし、
これって恐らく、工業生産自体の内訳ですよねえ?
「工業」と言いますと、金属や機械などの「重工業」をイメージしがちですが、
繊維や食品といった「軽工業」や、その他にも「化学工業」も含めて工業ですからねえ。
特に軽工業などは、人件費の安さがモノを言ったりしますので、
途上国の工業となると、金属・機械よりも繊維・食品の世界になりますし。
ですので、ゲームの方でもその内、軽工業と重工業を分けるかも知れません。
> 兵器のバネ等の部品も鉄の純度が低いため外国製品と比べてすぐ錆びたり
> 折れたりしてトラブルが続出したそうですが。
う〜ん、この辺の話を本気でし出しますと、
「日本の近代工業史」になっちゃうので、控え目にしておきますが(笑)、
戦前の日本のイメージって、工業力だけに限らず、何だか両極端な気がします。
例えば、現在の感覚のまま戦前を語られれば、それは違うと思いますし、
一方で、戦中のイメージで戦前を語られても、それも違うと思いますので。
例に挙げられている「鉄」の製造に関しても、
「戦艦大和とか作れるから凄いはず」とかいう人も居れば、
「すぐ折れ、すぐ錆びる軍刀の質を見ればダメだろ」という人も居ると。
まあ前者に関しては、戦艦建造に用いる屑鉄とかはアメリカから輸入しており、
北部仏印進駐で屑鉄の対日禁輸を喰らった事を思えば、そんな高いレベルには無かったですし、
一方で後者に関しては、戦時中の物資も施設も労働力も不足する中、
粗製濫造された時の品質レベルなので、戦前でも平時ならそこまで酷いレベルでも無い訳です。
明治中期までは輸入一辺倒でしたが、日清戦争の賠償金により八幡製鉄所が作られ、
日露戦争の軍需により鉄が増産され、第1次大戦の欧州混乱により活況を迎え、
戦前でも昭和に入った頃には、欧米列強のモノとは比較にならないものの、
それなりの量と質の鉄は、日本でも作れるようになってましたので。
まあ、機械工業に比べれば、金属工業はまだハードル的に低いですから、
製鉄所さえ出来れば、あとは原料となる良質な鉄鉱石を手に入れられるかの問題で・・・・
結局の所、戦前の日本が頼った中国の鉄鉱石って、そんなに質が高くなく、
良い鉄鉱石が手に入る欧米諸国に比べると、技術差以上に品質差のある鉄しか作れず、
造船などの高品質な鉄が必要な場合には、アメリカの屑鉄を混ぜるしかありませんでした。
しかも戦争となれば、そんな中国の鉄鉱石すら、日本へ海上輸送するのが困難になりますし。
とは言え、全ての鉄が高品質を求められる用途ばかりでも無いですので、
要は「それなり」って事ですよね(あくまで「それなり」ですけど・笑)。
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