| > ところであの政治家は政経塾出身だとかって授業でもよく聞くんですが
> それってどういう意味があるんですか?
> 松下政経塾出身だとこういう意見を持ちやすいなどといった傾向があるんでしょうか?
う〜ん、松下政経塾の出身者となると、どうしても、
「一山当てて、ビッグになってやろう」という野心的な「山師」タイプが多いと思います。
実際問題、戦後昭和の日本政界と言うのは、
世襲議員・実業家・官僚出身・団体推薦などでないと、国会議員になるのが難しく、
コネや後ろ盾のない一般人が国会議員になろうというのは、非常に難しかったんですよ。
だからこそ、それを求める人間にとっては、松下政経塾の存在は大きな魅力でした。
ここを卒業して「政経塾出身」の肩書きが付けば、政治家になれる可能性がグッと上がるので。
とは言え、「一般人だけど政治家になろう」という時点で、世間的にはかなりの野心家ですよね(笑)。
もちろん、だからと言って、その志自体は決して悪いモノでは無いですのが、
市民運動や社会活動の延長として、実現したい政策があって政治家を目指す訳でも、
一般人だけど勉強して官僚になり、そこで経験や人脈を作り、政治家を目指す訳でもなく、
「とにかく政治家になりたい」というタイプの人間が、政経塾に多く集ったのも事実です。
そうした若者たちが、実社会の経験を積まないまま、塾内で理論と自尊心を高め、選挙に打って出ると。
でもまあ、そうは言っても、出て来た当初は「汚れてない新鮮さ」が魅力であったのは事実です。
政治家になれる人間は限られるという日本の政界が、しがらみで淀んでいたのも確かですしね。
ただし、そんな彼らが実際に政治を取り仕切る立場になったら、どうなったかは・・・・
実権に乏しい野党議員であれば、明瞭で爽やかな弁舌が好感を呼ぶかもしれませんが、
いざそれを実行する立場になると、実経験が乏しい為、どうすれば上手く行くかも解らず、
その一方で自尊心だけは高いので、周囲を無視して突っ走り、結果として失敗に終わる事が多いと。
まあ失敗しても、そこから学び、失敗を再び繰り返さないようにすれば救いがあるのですが、
高い自尊心が邪魔するのか、反省という意識に乏しく、何度でも同じ失敗を繰り返すんですよねえ。
しかも、そうした事しか学んでいない為、「政治家以外に生活するすべが無い」人材を量産してしまったんです。
ですが、そうは言っても、初期のメンバーはまだ見所があると思うんです。
立ちあがったばかりで、海の物とも山の物とも解らぬ政経塾に飛び込んできた人材ですし、
彼らはまだ松下幸之助が生きていた頃に、彼あの最終面接を通ったという自負を持ってますからねえ。
その後、政経塾らか政治家になる道が確立され、そのレールに乗っかろうと集まってきた人材に比べれば、
ずっと面白い存在に思えますからねえ。
逆に言えば、だからこそ前回、「何だかんだ言って、野田も」と書いた訳です。
野田は政経塾の1期生で、昨今の塾出身者に比べれば、まだ使い道のある政治家だと思う一方、
そうは言っても、やはり松下政経塾の出身者である事に変わりは無いという意味で。
・・・って、これはあくまでも私個人の見解ですし、政経塾出身者はみんな同じとも思っていませんので、
一応、その辺は気を付けて、話を鵜呑みにせず聞いて下さいね。
まあ、もっと詳しく知りたい場合は、「松下政経塾とは何か(新潮新書)」でも読んで下さい。
http://www.amazon.co.jp/dp/4106100924
それと、「政経塾出身者の意見傾向」に関しては、
塾の方針として、これと言うモノを指導している訳では無いですが、
松下本人や、その下で働く江口克彦などの影響もあり、保守的思想を持つ傾向が強いですね。
松下が目指したのは、浄化された自民党(保守政党)であり、下手をすると自民党よりも右寄りでした。
それなのに現在、民主党の方に政経塾出身者が多いのは、
以前の自民党からは、出馬の機会がほぼ得られなかった為ですね。
> それと私は松下幸之助がどんな人かあまり知らないので教えてほしいです!
> してることと言えばパナソニックの創業者でしたっけ?^^;
> それを世界的な大企業にした人物!
まあ一言で言えば、「経営の神様」の異名で知られてますね。
その通り、奉公人として9歳から働き始め、
そこからパナソニック(松下電器)を創業した立志伝の中の1人です。
そして、その代名詞とも言える経営理念が「水道哲学」ですね。
簡単に言えば、水道から出る水のように、安くて豊富な商品を提供する事で、
誰でも幸せに生活できるようにしよう、って感じですね。
その一方で、従業員だけでなく、その家族の事まで考えなければならないという姿勢でした。
ですから、従業員には出来るだけ高い給料を払い、消費者には出来るだけ安く商品を提供し、
そのバランスがちょうど取れる所で両者が協力し合えば、みんなが幸せになれるって考えですね。
まあ、松下本人の哲学は、かなり宗教っぽい部分もあるのですが(笑)、
とは言え、利益を優先するには、給料は安く抑え、商品を高く売るという経済の常識は人間的かも?
まあ、こちらに関しても、詳しく知りたいなら本を読むのが1番ですよ。
松下幸之助の場合は、自分自身でかなり本を書いて出してますからねえ。
その経営理念について知りたければ「道をひらく(PHP文庫)」を、
http://www.amazon.co.jp/dp/4569534074/
その人生経歴について知りたければ「松下幸之助 夢を育てる 私の履歴書(日経文庫)」を、
http://www.amazon.co.jp/dp/4532190983/
とりあえず、紹介しておきます。
あと、経営者が政治に関わろうとするのは、日本ではかなり異色の行動ですよね?
それでも、その晩年に政経塾を作ったのは、戦争を体験した経験から、
「政治がダメだと、いつか日本もダメになり、一般市民の生活が脅かされる」と考えた為です。
ただ問題だったのは、日本の政治をどうにかしたいと思いつつも、どうして良いかは解らない。
でも、明治27年の生まれなので、幕末・維新の志士たちに、物凄く強い思い入れがある。
その結果、設立した当人の意向がどうかは別として、政経塾はああなってしまったと・・・・
> > > それと消費税増税すると私は景気が悪くなると考えていますが管理人さんはどう考えてますか?
> > > 野田さんは上がるとか言ってますが…
> > まあ、まず無理でしょうねえ。
> 禁じ手使うなら一部の債権デフォルトして円暴落させつつ
> それによるインフレを消費税増税で相殺して
> 物価安定させながら輸出力を高めて景気浮上狙えますが、
> インフレ率と国債信用下落の幅を読み違えると
> 即死しますから余程計画練らないとこんな荒業無理だろうな
理屈上では不可能とは言えないものの、その実現性をリアルに考えれば、
「禁じ手」や「荒業」と言う言葉すら生ぬるいほどに、無謀な空論だとは思いますけどね。
これならまだ、ギリシャの「ドラクマ復活で景気回復!!」とかの方が、実現性が高いかと(笑)。
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