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[17513] 東アジア史観や歴史ゲームの話返信 削除
2013/4/26 (金) 20:06:05 徳翁導誉

> > まあ誤解を恐れず語ってしまえば、いわゆる「中華・熟蕃・生蕃」の話をしていた訳ですね。
> > 同じ蕃族でも、文明化された蕃族が「熟蕃」で、文明化されてない蕃族が「生蕃」です。
> > で、熟蕃である武川鎮軍閥は、北方からの生蕃による侵攻を防いでいた訳で、
> > それが時代を下り、唐初の北方征伐が行われた際にも、結局は「熟蕃と生蕃」の戦いであって、
> > 「中華と生蕃」の戦いでは無かったのでは?というのが、ざっくりとした主旨でした。
> > 厳密に言えば、唐は中華と熟蕃の中間で、征伐された突厥・吐谷渾は熟蕃と生蕃の間くらいでしょうが。

> 武川鎮軍閥の出自から話すとそういうお話になるんでしょうね。

北魏に始まり、北斉や北周を経て、隋・唐に至るまでの、
拓跋氏族による一連の王朝の事を、「拓跋国家」とも言ったりしますからねえ。
もちろん、一言に「唐」と言っても、そこは300年近くも続いた王朝なので、
南朝で成熟された江南の六朝文化も取り込み、安定期を迎えて以降の唐王朝は、
一般的にイメージされる中国的な王朝と言っても良いかも知れませんが、
李靖が活躍した頃となりますと、それこそ唐の建国期ですからねえ。
序盤も序盤なので、まだ拓跋国家としての色彩も濃かった時期だと思いますよ。

しかも、唐王朝の建国を前にした東晋滅亡後からの300年間は、
華北へと異民族が流入した歴史的な「民族移動時代」ですからねえ。
同時期にユーラシアの西部で発生した「ゲルマン民族の大移動」は有名ですが、
同じユーラシアでも東部で発生した大移動の方は、何故かあまり注目されてません・・・・
こうした大規模な民族の南下が、気候変動(寒冷化)で起きたのであれば、
大陸の東西を問わず、同じ視点で注目されても良い気はするんですけどね?
そもそも南下という行為が、南北の緯度と東西の経度との、気候的な違いから来ている訳ですし。
(平時には気候の変わらない東西への移動が楽ですが、変動期は気候帯自体が南北に移動します)

・・・って、話題的に少し脱線してしまいましたが(笑)、
要は何を言いたかったというと、「武川鎮軍閥の出自」という話だけではなく、
北方から大量の遊牧民族が流入していた特異な時代だという、当時の華北の状況。
そして以前にも書きましたが、後漢の頃から騎兵は、そうした異民族による傭兵の傾向が強く、
唐の開祖・李淵が蜂起した「山西地方」は、特に異民族の入植が激しかった地域だったという、
様々な複合的要素によるモノだという事ですね。

> 今まで中国の一部または全体を統治していた政府として見ていましたけれど、そういう見方もあるんですねぇ。
確かに「中国史」として見てしまうと、華北は中国の北部であり、
華北の北にある内蒙古の遊牧民などは、北方民族として見てしまいがちです。
しかし、これを「東アジア史」とし見てみると、
更に北の外蒙古には、中華文明との接点に乏しいものの、内蒙古以上に精悍な遊牧民が居ます。
こうして、北の遊牧文化圏と、南の農耕文化圏とで比較すると、
華北から内蒙古にかけての範囲は、両文化圏がぶつかり合う「真ん中」なんですよね!!
そして両文化圏を掌中に収めるべく、その真ん中に作られた都こそが、
フビライ・ハーンが築いた「大都」、つまりは現在の「北京」であると。


> > ゲーム的に言えば「移動力と攻撃力は最高だが、防御力は最低」って感じですね(笑)。
> > 他にも、離れた安全な所から攻撃できる反面、その威力は小さい「砲兵(弓兵)」とか、
> > 可もなく不可もなくの「歩兵」とか、攻撃力も防御力も高いが移動はノロい「重装兵」など、
> > 兵科の特色を際立たせる事で、「用兵の妙味」が却って如実に表現できると思います。

> 後、弓兵も使ってみたいですね。

弓や鉄砲など、遠距離攻撃が可能な兵科を入れるのであれば、
通常戦闘では「反撃を受ける」要素を組み込む必要があるでしょうね。
そうしないと、攻撃力は乏しいものの、離れた位置から反撃を気にせず攻撃できる
それらの兵科の特徴を表現できませんから。

> > あと、輸送兵は無くても良いですが、「兵糧」の概念は別途あっても良いかも知れませんね。
> > そうする事で、兵数を増やして短期決戦に賭けたり、兵糧十分で長期戦にも対応可能、とか出来ますし。

> 輸送兵や兵糧は取り入れたい所ですね。
> 今期の終盤に蜀はゲリラ戦術で魏の田畑を荒らし続けたんですが、滅亡した国の将兵っぽさを少しは表現出来たかなと思っています。
> まあやられた魏側にとっては迷惑この上ないプレイでしたでしょうけれど・・・
> 滅亡後も蜀プレイヤーの士気が高く、まだまだゲームを続けたかったんですよねぇ。
> 士気が低ければ、そのまま解散するのでしょうけど。
> 滅亡された恨みもありますかね?(笑)
> 一応、勝利を目指してはいたんですけどね。何回か城を奪い返しましたし(笑)
> でまあ、兵糧や輸送兵が無ければ動けないシステムになれば、そういうプレイにも制限はかけられるのかなと思ったりしています。
> 撃破されても死亡しないので、無限に続けられるのもアレですしね。

まあゲーム自体は、それを考慮の上で作ってありますので、十分にアリな作戦ですよ(笑)。
おっしゃられるように、士気が低ければ、そう続かないでしょうし・・・・
あと、兵糧の部分に関しては、「現地調達している」と脳内変換ですね(笑)。
まさに田畑を荒らす行為などは、苅田狼藉にも通ずる所がありますし。
実際に兵糧のシステムを入れたら入れたで、そうした行動に輪を掛ける事になるのかな?
でもまあ、天下を統一する為に都市を落とすというよりも、
兵を食わせる為に都市を落としていく方が、史実っぽさが増しますけど(笑)。

> > 用兵家とまでは言えませんが、劉邦がまさにそんな感じですね。
> > 覇王・項羽を破り、天下を統一した所までは良かったんですが、
> > その後の北方への親征で匈奴の冒頓単于に敗れ、屈辱的な講和を結ばされましたから。

> 劉邦は裸一貫から王朝を立てた人物として歴史に名を残していますね。
> 劉邦も有能な将帥を使って統一したまでは良かったんでしょうけれど、皇帝になった後が散々ですよね。
> 言行は色々後世にまで伝わっていますが、数多の権力者同様に粛清もしてますしね。
> 良い部分と悪い部分のどちらも十二分に発揮されてるような印象ですね。

でもまあ、王朝自体の安定化を考えると、粛清というのも結構重要な作業なんですよねえ。
初代の頃はまだしも、これが皇帝も臣下も2代目・3代目とかになってくると、
皇帝を脅かすほど大きな力を持つ家臣がゴロゴロしているなど、それこそ不安定化の素ですし。

逆に言えば、そういう所まで表現できるゲームがあれば面白いんですけどね(笑)。
ほとんどの歴史ゲームは、天下を統一して一件落着ですが、
現実ではそれこそ、その後の方が、一筋縄では行かない事が多いですから・・・・
ただ、そこまで含めると、戦乱期とはまた異なるゲーム・システムが必要になるでしょうし、
それならそれで、幕府なり、王朝なりを、出来るだけ存続させるゲームが、単品で出来そうですけども。

> > 漢王朝の開祖として名を残している劉邦は、まだマシな方なのかな?
> > 隋の煬帝など、その後半生の悲惨さから、前半生の功績は覆い隠され、
> > 中国史を代表する「暴君」としてのイメージが定着しちゃいましたからねえ。

> 煬帝も良い所と悪い所が出た人なんでしょうね。
> 運河開通の事業や張須陀とのエピソードを見ているとまるっきり駄目な皇帝というわけでも無さそうなんですけど。
> 後世につけられた評という部分も強そうですよね。
> まあ煬帝という諡の時点でアレですよね・・・。

それでも日本では、そこまで悪いイメージを持たれていないのも、
聖徳太子が遣隋使を送ったエピソードとかが残っているからえすかねえ?
中国の史書には、編纂当時の中国側の事情を踏まえて書かれますが、
日本の史書だと、日本側の事情は踏まえても、中国側の事情を踏まえる必要は無い。
つまりは、わざわざ煬帝を暴君に仕立てる必要が無いですので。
とは言え煬帝も、1400年後の日本で、
こんなネタ扱い↓されてると知ったら、さすがにビックリでしょうけど(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=H6WROHj8hTM

ついでに、日中でのイメージの違いで言えば、曹操なんかが特に顕著な例ですかね?
まあ日本では、中国史の中でも、三国志の人気度や知名度が図抜けている上、
典型的な悪役イメージの濃い中国と違って、日本だとその有能さが人気だったりしますので。
http://blog.livedoor.jp/kashikou/archives/51216880.html


> > > ああ、すいません、私の説明が悪かったと思います。
> > > 二重箱庭ではなくて、今の銀河英雄大戦のように「旧方式」と「新方式」の併設をイメージしていました。
> > > 両方作るとさらに人口が減りますかね・・・。

> > 銀英大戦のは、新仕様が軌道に乗るかどうか事前に予測できなかったので、
> > 念の為に旧仕様を凍結して残していただけなので、ちょっと事情が違うかも?

> そうですね、ちょっと流れは違います。
> 銀英大戦の旧方式は閉鎖の方向ですかね?

旧仕様版を開放して、参加者が集まるのであれば別ですけど、
そうはならないでしょうから、現状では閉鎖の方向で考えています。
仮に1人1キャラ制を残すにしても、同じ仕様なら三国大戦の方を優先すると思いますし。

> > > 全世界版だとややMAPが広くなり過ぎますかねぇ。
> > それでも理想にあるのは、「チンギスハーン・蒼き狼と白き牝鹿4」なんですよねえ。
> > あれがユーラシア大陸限定でなく、地球上すべてをフィールドとして、
> > 更には全時代に対応すれば、歴史好きにはたまらないゲームになると思うので。
> > どうせもう、光栄はこのシリーズの新作など出さないでしょうし、

> チンギスハーンが来ましたか(笑)
> チンギスハーン好きなプレイヤーも居るんですかねぇ?

一応「蒼き狼と白き牝鹿」は、「信長の野望」や「三國志」と並び、
「光栄・歴史3部作」に名を連ねるシリーズだったんですけどね・・・・
(まあ、いまでは完全に死語ですけども)
ちなみに、蒼き狼シリーズの人気は、チンギス・ハーン自体が人気というよりも、
他の2シリーズに勝る世界観の広大さや、オルド・システムなどが源でしたが。
で、その第4作であり、現状では最終作(1998年発売)である
「チンギスハーン・蒼き狼と白き牝鹿4」は、
箱庭内政の採用と共に、拡張版でオリジナル・シナリオを作れる所から、
「歴史SLGツクール」化して、地味に歴史ファンからの支持が高い作品でした。
http://www41.atwiki.jp/bluewolf/pages/23.html
http://blog.goo.ne.jp/chinta2005/e/d0c376001f142847c16de9bd58ae261c


> > まあ、もっと私の個人的な趣味に走るなら、
> > 「テラフォーミング(地球化)後の火星」とかが、対象になりそうですけど(笑)。
> > 以前、地球化した火星のマップ↓を自作しましたが、なかなか面白い地形なので。
> > http://www.geocities.jp/kingo_chuunagon/mars/mars.html

> 趣味に走り過ぎです(笑)
> こういうゲームもどこかにありそうですけどねぇ。

火星をテラフォーミングする過程を楽しむゲームであれば、
私は未プレイなものの、「火星計画」↓というPCゲームがありますね。
http://www.kogado.com/html/kuma/mars/marsindx.htm
ただし、続編の「火星計画2」↓では、何故かギャルゲー要素が加わっています(笑)。
http://www.gameliner.jp/a/strategysimulation_DL/mars2

> > 「オイル共和国」より、もっと取っ付きやすそうなのですと、
> > その3・11後に書いた、「8日間東北一周」のゲーム案ですかねえ?
> > http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=r14637
> > って、私が東北地方の観光地について、詳しく無かった事もあり、
> > こちらも提案だけで終わってしまいましたが・・・・

> 色々考えますね(笑)
> こちらもやはり初見さんの食いつきが悪そうですよねぇ。
> 実際遊んでみたら面白いかもしれませんが。

1本作るのにも、かなり労力が必要なので、
現状では正直、そこまでの冒険は出来ませんね(笑)。


> > > > 例えば戦国時代であれば、「信玄の野望オンライン」で作ろうかなあ?と(笑)。
> > > 個人的には信玄の野望よりも、謙信の野望の方が好みですね(笑)

> > 「謙信の野望」ですかぁ・・・・
> > 上杉謙信というと、最初にイメージするのは「関東出兵」ですかねえ?
> > 一般的には川中島の方が知名度が高いでしょうが、あれは実質的に国境紛争ですし。

> 謙信といえば、川中島と関東出兵は外せないでしょうね。
> まあ野望ってネーミングにしちゃいましたけど、信玄や信長のように天下統一は考えてなさそうですよね(笑)
> 頼まれて仕方なく、あちこちに出兵の繰り返しってイメージですから。

まあイメージ的には、「野望」という言葉から、
最も遠い戦国大名にあるこそが、上杉謙信でしょうからねえ。
逆に言うと、それを踏まえての書き込みなのかな?と思ってました(笑)。

> > まあそれをやるなら、もともと銀英対戦は2勢力以上の戦いにも対応可能なので、
> > 七国大戦のように7つの大名を用意して、
> > 各大名に固有の武将(=銀英対戦の将官キャラ)を付けても良いかも?
> > ただその場合、大名7人で、合従連衡が起きやすくするには、
> > 細長い日本地図は不適なので、関東・東海・近畿の限定地図が適当そうですが。

> これぐらいが一番良いかもですね。
> 武田、上杉、今川、北条、里見辺りをベースとして、関東三国志的な感じになりそうです。

限定地図で大名7人だと、武田信玄・上杉謙信・織田信長・北条氏康の4人は鉄板として、
残る3人分を、どの時代を舞台に選ぶかで、
徳川家康・今川義元・斎藤道三・浅井長政・朝倉義景・三好長慶が奪い合いそう?

> > もしも日本地図に拘るなら、「徳川家康vs.石田三成」で関ヶ原が題材になるでしょうけども。
> > その場合、恩賞で諸大名を奪い合う要素も強くなりそうですが(笑)。

> 知名度、戦略的な要素、戦の規模から言って、戦国時代のフィナーレを飾る大一番ですね。
> 戦略ゲームとして扱うべきか、戦術ゲームとして扱うべきか迷いそうですが、
> いっそのこと両方の要素を詰め込みたくなりますねぇ。

これが3人となると、事情は大きく変わってきますけども、
1対1のゲームであれば、それこそ2つのゲームが1つになったようなモノも可能ですよ。
解り易く言えば、前半の戦略パートと、後半の合戦パートとに分け、
前半ではスゴロく画面で、仲間を増やしたり、行軍したり、決戦場を選んだりし、
後半ではHEXマップ上で、決戦場に集結した大名を駒として扱う戦術ゲームにと。
もちろん、戦術ゲームの最中でも、戦略パートで寝返りを約束させておけば、
戦局を一変させたりとかも出来ますけども。

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