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[18928] Re2:言語と民族返信 削除
2014/4/11 (金) 20:23:43 徳翁導誉

> > 北京の冬季五輪招致の件と、満州族の事は、何の関係性も無いですよ・・・・
> > そもそも現在、満州族は実質的に漢民族とほぼ同化し切っており、
> > 満州語を母語とする人は、既に数十人に過ぎなくなっています。

> まあ確かに、チベットやウイグルに比べると独立意識は低いですよね。

中国の少数民族居住地は、規模に応じて「自治区>自治州>自治県」が設けられており、
チベットやウイグルに関しては、5つしかない最大単位の自治区があるのですが、
満州族の方は、自治区どころか自治州も無く、自治県レベルしか存在しません。
要するに満州族の場合、民族単位でまとまって生活している地域が少なく、
ほとんどは都市部で漢民族と混在しているのが実際で、文化的にも大きな違いが無いんですよ。
まあ元々、清朝時代は満州族が支配階層だった訳ですからねえ。
現状を見れば、満州族が漢化されてたようにも見えますけども、
反対側の視点で見ると、清朝300年の統治により漢民族が満州化されたとも言えるんです。
なので、文化的に大きく異なるチベットやウイグルの事情とは、満州族はかなり違いますね。

もちろん、中には民族的な意識が強い満州族の人も居るでしょうけど、
そうした「民族意識」よりも強いのは、「エリート意識」の方だと思います。
100年前に清朝が崩壊するまで、彼らは支配階層だった訳で、
日本風に言えば、数代前までは大名だったり、幕臣だったりした人たちなんですよ。
その為、旧名門として家柄を誇る自尊心は未だ少なからず残っているでしょうし、
支配階層だった歴史的背景から教育意識が高いので、
漢民族を含めて全民族の中でも、満州族は特に教育水準(識字率や大学進学率)が高いんですよ。
混血し、混在し、同化した現状を考えると、こちらの意識の方が強いような気がするんです。

あとの民族は、歴史的に「国家」をもった民族が少ないですし(日本だと琉球とアイヌの違い)、
100年前までは「漢族・満州族・蒙古族・回族(ウイグルなど)・チベット族」で
「五族」とされてましたから、そこで1つのラインがあるのは確かでしょうね。
前回、ハプスブルク家の帝国は同じ人物が君主を務める国家の連合体だと説明しましたが、
ある意味では大清帝国というのも、そうした「同君連合」と似た感じでして、
満州を統一した愛新覚羅家が皇帝として中国を統治し、大ハーンとしてモンゴルに君臨し、
仏教の保護者としてチベットを支配し、ウイグルは新たな征服地(新疆)として扱っていました。
要するに清朝とは、「満州&中国・モンゴル・チベット・ウイグル」の4つに分かれていた感じで、
その体制が未だに現在の中華人民共和国にも、影響を及ぼしているとも言えます。

> (そのチベットやウイグルも、徐々に漢民族に呑まれつつありますが。)
地域的にという事でしたらイエスですが、民族的にという事でしたらノーでしょうね。
入植政策により、チベットやウイグルにおける漢民族の人口自体は増えてますけど、
それが即ち、チベット族やウイグル族の同化・消滅などに直結している訳ではないので。
まあさすがに、内モンゴルのように漢民族が大多数を占めるようだと、少し事情は異なりますが。

> 一説によると、ネイティブな漢民族は周の時代に滅んでおり、
> 現在の漢民族10億人は、東西南北の異民族の混血であるともいわれていますから。

「ネイティブな漢民族は周の時代に滅んでおり」って、
漢王朝が誕生する前に滅んでるんじゃ、順序が逆じゃ無いですか!?(笑)
まあ、漢民族の元となった「華夏族」の方だったとしても、
殷周革命により、文化も言語も宗教も異なる殷と周が混ざり合って誕生した民族なので、
「滅ぶ」とかそういう表現も、ちょっと違うようには思いますね。

例えば、この殷周革命や、その後の春秋戦国の動乱により、
大陸を逃れ、海を渡った人たちが日本へと辿りつき、
縄文人と混ざり合う事によって、弥生人になったと言われていますが、
この事から「ネイティブな日本民族は弥生時代に滅んでいる」と言っては、
やはり、おかしな表現だと思われますよねえ?
まだ百数十年の歴史しか無い近代的な民族意識で歴史を見てしまうと、
古代なんて混血しまくりですから、地球上の全ての民族が滅んだ事になっちゃいます(笑)。

> 日本は、アメリカの占領下に置かれた時代を除き、
> 占領、植民地の経験がないといわれています。
> (蒙古襲来など、あと少しでということはありましたが。)

戦後に一世を風靡した「大和朝廷の騎馬民族征服王朝説」なんてモノもありますけど(笑)、
日本は島国ですから、大陸にある多くの国々とは事情が異なりますよねえ。
特に日本の場合、中国大陸との間に朝鮮半島があった事から、
文化は入って来るけど、軍事的脅威は受け難いという、なかなかの好立地でしたので。
(イギリスの場合は欧州大陸に近過ぎて、フランス貴族の植民地だった時代もありましたし)
とは言え、外部からの襲撃は有り、代表例は上記にあるモンゴルによる2度の元寇ですが、
他には、平安中期(藤原道長が摂政の頃)に女真族(満州族)が襲来した「刀伊の入寇」や、
朝鮮の混乱期に海賊が続発した「新羅の入寇」(日本で言えば戦国時代の倭寇)がありますね。
まあ、日本本土はそこまで被害を受けないのですが、通り道にある対馬は毎度酷い目に・・・・

って、その対馬が一番危なかったのは、幕末のロシア艦隊による占領事件かも?
幕府は自力で問題を解決できず、イギリスの介入でロシア艦隊が撤収するまで、
半年に渡って、対馬の一部を占領され続けましたからねえ。
歴史の展開次第では、そのままロシアの租借港と化してたかも知れませんし、
もしも日露戦争で日本が負けていたら、対馬の割譲を要求された可能性もあったでしょうから。
でもまあ、第二次大戦の敗戦時に、ドイツ同様の「日本分割統治」↓が計画通りに行われていたり、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%88%86%E5%89%B2%E7%B5%B1%E6%B2%BB%E8%A8%88%E7%94%BB
ヤルタ会談でスターリンが要求した、千島・南樺太だけでなく「北海道半分」↓のソ連併合が通っていたら、
http://blogs.yahoo.co.jp/nakamushyh/GALLERY/show_image.html?id=36067679&no=9
それどころのレベルじゃ無かったでしょうけどね(笑)。

・・・と、if話にズレてしまいましたが、史実でも幕末には他の例がありまして、
長州藩が英・仏・蘭・米の四国連合艦隊と争った馬関戦争では、下関を占領されてしまいましたし、
プロイセン人に北海道の開墾農地を租借する事件があったりしました(後に賠償金を払って契約を破棄)。
でも、一時的に終わったそれらの件よりも、問題が深刻だったのは、
横浜や神戸などの開港地に作られた「外国人居留地」の方でしょうね。
確かに江戸時代にも、似たような感じで「出島」がありましたけど、
日本人側が外国人を押し込めた出島と、外国人側が日本人を追い出した居留地では、意味が大きく異なり、
実質的には、植民地とまでは行かなくとも、租借地には近い状態でしたからねえ。
中国で言えば、まさにマカオが同じ感じでした(名目的には居留地だけど、現実的には租借地)。
つまりは、日本の近代化が上手く行かなければ、中国と同じようになっていた可能性もあった訳です。
(ちなみに、現在でも神戸や横浜に中華街が残っているのは、その頃の名残りですね)

ですが忘れてはならないのは、現在の日本にも実質的な「租借地」が存在するという事実です。
言うまでも無いですが、それは「在日米軍基地」の事です。
正直、私もあまり実感はありませんけど、GHQ統治下の6年間を除けば、
現在は日本の歴史の中で最も、国家的な主権が蔑ろにされている時代だとは言えます。
歴史地図では、高麗がモンゴル帝国と同じ色で塗られているモノがありますが、
未来の歴史教科書だと、今の時代の歴史地図では日本も、アメリカと同じ色に塗られているかも?(笑)


> > まあ、メーカー市販のゲームだと、この辺を表現するには困難だと思いますが、
> > (コーエーのゲームでも、大航海時代から奴隷が消え、帝国時代から慰安コマンドが消えました)

> あと私が好きなゲームの、コーエーの蒼き狼。
> の、オルドとかも、現代なら問題視されていたでしょうね。

いや別に、オルドは現在再販されているバージョンでも、普通に入ってるはずですし、
復刻盤でも姿を消してる奴隷や慰安とは違いますよ。
とは言え、シリーズを重ねたり、家庭用に移植されたりする度に、
表現がソフトになってますけどね(その代わり、絵の可愛らしさはアップしてますが)。
まあ、オルド方面の充実度を望むのであれば、「鬼畜王ランス」でもプレーして下さい(笑)。
エロゲー・メーカーが作った、架空世界の歴史シミュレーション・ゲームで、
「よく出来ている」という評判は聞きますね(私は未プレーなので保証はできませんが)。
20年近く前のWindows95用ですが、逆に古過ぎて、メーカーが無料配布してます(エミュは自前で用意)。
ttp://www.retropc.net/alice/ (一応18禁なので直リンは避けます)

> > 赤い嵐にしても陸地エリアは200個ありますが、200人のプレイヤーが必要な訳ではありません。
> > 欧州の封建制における爵位と言うのは、日本で言えば「○○守護」とか「××探題」に近いモノで、
> > 基本的には領地単位ごとに「○○公」や「××伯」など、統治者の官職が定められており、
> > 各家が特定の爵位を持っているように見えるのは、単に領地が世襲化されているからに過ぎず、
> > 実際には、1つの家で複数の「領地=官職(爵位)」を持っている例は実に多いです。
> > 誤解を恐れず簡単に言ってしまうと、西欧の爵位は家ではなく領地に付属している訳ですね。

> ですから、土地が2000くらいでプレイヤーが50くらいな感じですか?

エリア数が2000もあったら、多分まともにプレーできませんよ(笑)。
現在の日本の市町村数が1800を切ってますから、2000ものエリアとなると、
仮に戦国時代のゲームで考えれば、市町村よりも小さな単位を奪い合うゲームになる訳で、
そうなるとハッキリ言って、コア・ゲーマーにしか向かないハードな内容になると思います。
以前のように、そうしたコア層も多かった時期なら、頑張って作ったかも知れませんが、
プレイヤーがゲーム性を持て余してしまうと、その苦労も報われませんので・・・・

> > 失礼ながら、文章を読まずに単語だけ拾って返信されている印象を受けますが、
> > ここで語っている内容は、武将の一代記といった数十年規模の一般的な歴史ゲームに対して、
> > 王朝を主題とするような数百年規模の歴史ゲームがあっても良いという話をしている訳で、
> > 別に「歴史隆々」のような神の視点で歴史を眺めるゲームを語っている訳ではありません。

> そういえばそうでした。
> しかし、王朝を主題とする数百年規模のゲーム=「歴史隆々」と変換されてしまったので。
> すいません。

言い方を変えれば、「歴史ゲーム」とは言っても、
実際はほとんどが「戦争ゲーム」ばかりなのが実情なので、
戦国時代や三国志も良いですが、その後の幕府や王朝を存続させるゲームがあっても良く、
平時の権力争いと言うのも、題材として決して悪くはないでしょうし、
それが欧州史であれば、国家間のパワー・バランスみたいなモノまで生じる訳ですね。
ハプスブルク家なんて婚姻政策を繰り返す事で、あれだけの大国を築き上げたのですから。

> > そういうのは多人数ゲームよりも、1人用ゲーム向きですね。
> > 多人数ゲームの重要ポジションを占めながら、そんな感じでボーっとしていると、
> > それだけで他のプレイヤーに悪影響を及ぼすので、批判の対象となりますから(笑)。

> あ、そうでした。
> まあ、ゲーム的には、
> 暇な時に確認しに来るという風な感じでしょうか。
> (多分WW2オンラインや赤い嵐オンラインのような一日一ターンでしょうから。)
> そして、起きている時は何回見ても公式の一つもないのに、
> 寝ている間に奇襲された、何処かの国が滅んだ、なんてことはよくあります。

ただ1つ言っておくと、頻繁にゲームに参加できない事と、
登録したきり放置したり、通信が来ても返信をしない事とは、まったく別だという事です。
もちろん、それを不正な行為で補おうというのは、以ての外ですが・・・・
(他のプレイヤーの迷惑を意識できていないという面では、放置も不正も根源は同じかも?)
特にWW2系や赤い嵐は「外交ゲーム」として作ってありますので、
外交を疎かにすると簡単に滅びますし、通信も数より質が重要だったりします。

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