| > > ただ個人的な主張を言うと、北方領土はロシア領で、
> > 竹島・尖閣諸島は譲歩せずの姿勢でいくのがいいんじゃないかと思ってます。
> > なぜなら、北方領土は第二次世界大戦の結果ですから、
> > 戦争の結果でまた領土の所有者は変わるでしょうから。
> 私もほぼ同感です。
日本が国境問題を抱えるロシア・韓国&北朝鮮・中国&台湾のうち、
問題解決に最も乗り気なロシアに対して、北方領土を諦めちゃうんですか?
確かに日本は、サンフランシスコ講和条約で「千島列島」の領有権を放棄しましたから、
「南千島(北方領土)は、日本が放棄した千島列島に含まれない」なんて主張は、
国際司法裁判所に持ち込んでも、そこで勝訴を勝ち取るのは現実的に困難だと思います。
しかし、ロシアはプーチン政権になって以降、周辺各国と次々に国境線を画定させていて、
中国・カザフスタン・ノルウェーとは、国内の反対派を押し切り、面積2等分で解決させました。
南オセチアやクリミアの件で新たに対立が生じた旧グルジアやウクライナとも、
(当時のグルジア大統領サーカシビリが、今では亡命帰化したウクライナで州知事に・笑)
一旦は国境問題を解決させており、解決に至らなかったのは日本だけ・・・と言うか、
そもそも日本側が全く乗り気でなく、解決以前に交渉すらまともに進みませんでした・・・・
小泉政権あたりで本気に交渉してたら、今頃、北方領土が日本に帰ってきてた可能性が高いかも?
ただ、こればかりは本当に「政権基盤・解決意欲・タイミング・信頼関係・決断力」が、
係争する双方に揃っていないと、妥結にまで至るのは困難なので、
戦後歴代内閣の中でも安倍政権は、長期政権を築き、問題解決への意欲を見せてますけど、
後の3つが高いハードルとして残っている為、期待はするものの、実際には難しいでしょうね。
> 但し、ロシアとの交換条件として、石油のパイプラインでも要求するのがいいと思います。
石油のパイプラインって、沿海州から日本海なり、樺太から宗谷海峡なりを通すとして、
その建設工事や建設費用の負担は、一体どちらが持つんですか?
日本側だと交換条件にならないですし、ロシア側だと整備面で不安でしょ?
それにそもそも、島国である日本のパイプライン輸送網は、大陸みたいに整っておらず、
特に石油用は乏しく、基本的に海路でタンカーか、陸路でタンクローリーや貨物列車なので、
備蓄基地までパイプラインを引くだけなら、従来通りの海上輸送で良いと思います。
パイプラインに拘るのであれば、まだ天然ガス用の方が整ってますね。
ちょうど先日、震災対策用に3大都市圏のガス管を結ぶ整備計画が発表されましたし、
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150928-OYT1T50060.html
現状だと海外から天然ガス輸入は、一旦液化してからの海上輸送なので、
気体のまま直接輸入できれば、パイプラインを建設しても費用対効果が得られるかも?
とは言え、石油にしても天然ガスにしても、日本はあくまで受け取る側ですから、
「ロシア側に止められたら終わり」という大前提を考えると、交換条件には向かない気がします。
エネルギー戦略として、日本は購入先の多角化を、ロシアは売却先の多角化を、
それぞれ目指してますから、ここは普通にビジネス関係で行くのが妥当じゃないですかねえ?
もし仮に領土放棄の交換条件を求めるなら、オホーツク海の共同水域化でしょうね。
国後と歯舞・色丹に囲まれた「三角水域」は、世界でも有数の漁場ですし、
全島放棄なら千島列島全域の、択捉放棄なら択捉島の経済水域を求めても良いと思います。
中国・カザフスタン・ノルウェーとの前例のように、「面積2等分」で解決できた場合、
日本側は国後・歯舞・色丹の3島と択捉島の25%を得る事となり、一応これで返還は4島です。
でもまあ、この案だと択捉島にロシアと陸上の国境線を持つ事になるので、
「そこを貿易特区にしよう!」と考えるなら、これはこれでメリットですが、
「ロシア陸軍と睨み合うなんて!」と考えるなら、3島+択捉島の共同水域でも良いかと。
日本が最も欲しいのは、漁業資源的に3島の三角水域ですし、
ロシア海軍としても、これなら国後水道が日本の内海化する事を防げます。
そもそも、基本的に無人島だった竹島や尖閣諸島とは違い、
1.7万人の島民が住んでいた北方領土は、まさに日本の領土問題の象徴である上、
総数100万人超、死者35万人超とも言われるシベリア抑留者の真相解明と、
それに対する謝罪&賠償の問題が付随してますので、放棄の決断が最も困難な領土問題です!!
竹島0.2ku、尖閣諸島5.5ku、北方領土5036kuと、面積的にも段違いな存在ですしね。
(東京都と大阪府の面積を足しても4094kuだと言えば、その広さが解るかと思います)
それに日ソ共同宣言で、「平和条約締結後に日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す」と決めた以上、
最低限でも、その2島は日本に返してもらわないと・・・・
特に歯舞の貝殻島なんて、北海道との距離がわずか3.7kmしかなく、
その中間線に事実上の国境が引かれてますから、漁業も危険と隣り合わせですから。
> > 竹島・尖閣は怪しいですよね。地図を持ってきて、固有の領土と・・・。
> > 一歩間違えれば、もう片方は主張の余地が無くなりそうです。
日本側からすると難しいのは、尖閣と竹島とでは立場が逆転する事であり、
竹島での日本側の主張は、尖閣での中国側の主張に通じてしまい、
尖閣での日本側の主張は、竹島での韓国側の主張に通じてしまいます。
竹島と尖閣でダブル・スタンダードな主張を、いつまでも続けていてもねえ・・・・
竹島・尖閣に関しては、両件とも、2国間の交渉で解決するなど無理でしょうから、
本気で解決させる意欲があるなら、国際司法裁判所に持ち込むのがベストだと思います。
中韓は知りませんが、日本国民は仮に不利な判決が出ても、それには従うでしょうし、
少なくとも尖閣の方は日本が実効支配をしているので、こちらは裁判に持ち込めます。
もちろん、国際司法裁判所に掛けるには日中両国の同意が必要ですけども、
国連内では常任理事国として有利な立場にある中国に対して、
実効支配する日本の方から裁判決着を持ち掛ければ、中国側はまず拒否できませんからねえ。
そしてそれは、竹島の裁判を拒否する韓国側に対しても、強烈なプレッシャーにもなります。
ただ、出来る事ならこの方法は、皇太子妃の実父である小和田恆が、
国際司法裁判所のトップを務めていた2009年から2012年の間に、やりたかったですけどね。
ただし国際司法裁判所に持ち込んでも、前回「竹島は7:3、尖閣は6:4」と書いたように、
必ず日本側が勝訴できると、確信を持って言うことは出来ないと思います。
まず最初に重視されるのが、譲渡や交換などの「条約」ですけども、
日本はサンフランシスコ講和条約で、朝鮮や台湾などの植民地を放棄しましたが、
千島列島のように直接明記はされていないものの、そこに尖閣や竹島が含まれるか?ですよね。
日本がソ連に「歯舞・色丹は千島列島でなく、根室半島に付属」という主張を通したように、
「竹島は欝陵島に付属」とか、「尖閣は台湾島に付属」という主張も、出来なくはありません。
でもまあ、竹島の方は講和条約の草案段階で明記されていて、最終案では削除ですから、
これを根拠に判決が出る可能性は相当低いと思いますけど、
下関条約で日本に割譲された「台湾及び付属島嶼」に、
尖閣諸島も含まれていたと解釈されてしまうと、尖閣の方は無くはありません。
続いて重視されるのは、「平穏な実効支配」ですけども、
竹島は韓国が実効支配しているものの、日本もキチンと抗議を続けている一方、
尖閣も日本が実効支配しているものの、やはり中国・台湾は抗議をしてますからね。
定期的に抗議を行っていれば、前提条件の「平穏な」には該当しませんから、
この実効支配という事実のみで決まる事は、過去の裁判例から見て有り得ないかと。
次に出てくるのが、恐らく最大の焦点となる「近代的な領土権原」ですが、
日本側の主張としては、尖閣は1895年の、竹島は1905年の閣議決定が根拠となっています。
まず竹島の方は、韓国側に通知はしていないものの、島根県への編入は告示されており、
当時の韓国は日本の保護国として外交権を制限されていたという事実を考慮しても、
やはり日本の方が圧倒的に有利だとは思います。
ですが尖閣の方は、1895年に編入が閣議決定されたと言っても、
それが公表されたのって戦後になってからなんですよねえ・・・・
1月に尖閣編入、4月に台湾割譲ですから、中国側がこれらを別件と認識するのは困難であり、
そもそも当時の清王朝は、冊封国である琉球の日本併合(琉球処分)すら認めてませんでした。
前アメリカ大統領グラントの仲裁を受け、先島(宮古諸島や八重山諸島)を清国に割譲する事で、
日清両国が仮調印まで行っていた歴史的な事実もありますし(李鴻章の反対で頓挫)、
この琉球処分を中国側(清王朝)に認めさせたのも、日清戦争勝利の結果なんですよね。
しかし日本は第二次大戦の敗戦により、日清戦争で得たモノも放棄させられていると・・・・
ですので未だに中華民国(台湾)は、建前上だと「琉球の地位は未定」という立場です。
そして最後は「歴史的な領土権原」になるのですけど、
竹島も尖閣も洋上に浮かぶ無人島であり、航路上の目印や避難先になっていて、
存在は認識されていたり、古地図に記載されていたりしたものの、
どこの国が領有していたとかは、正直言って断定できないと思います。
古地図を持ち出して無意味とは言いませんが、裁判上の証拠としては最下級なので、
どちらかと言えば、国内向けのアピール材料という側面の方が強いですね。
国際法がどうのとか、歴史的にこうのとか言うより、視覚的でずっと解り易いですから(笑)。
ただ、ここまでやっても決定的な判断材料に欠くとなると、
日本は敗戦国であり、朝鮮・台湾は植民地であったという事実が、
五分五分な状況だと、判決に影響してこないとも限りません・・・・
前回、条約面から完全に不利な択捉・国後を「2:8」としたのも、
クリミアなどの件で、現在のロシアは国際社会的に不利な立場にある事を考慮しました。
判決を下すのが国連機関の人間である以上、いくらか空気感にも左右されるであろうと。
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