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[19685] Re5:竹島・尖閣・北方領土返信 削除
2015/10/23 (金) 19:29:59 徳翁導誉

> > 一旦は国境問題を解決させており、解決に至らなかったのは日本だけ・・・と言うか、
> > そもそも日本側が全く乗り気でなく、解決以前に交渉すらまともに進みませんでした・・・・
> > 小泉政権あたりで本気に交渉してたら、今頃、北方領土が日本に帰ってきてた可能性が高いかも?

>  これ、本当ですか?

「これ」が何を指すかは解りませんけど、とりあえず、
2000年にプーチン政権が誕生して以降、ロシアの国境画定はこんな感じです。

 2003年 条約批准に慎重だったロシア側を動かし、リトアニアと国境画定
 2004年 中国と係争地の面積等分で国境画定(ロシアは中国に実効支配地を割譲)
 2005年 政府間交渉で国境画定に合意するも、エストニア議会の反対で流産
       政府間交渉で国境画定に合意するも、ラトビア議会の反対で流産
 2007年 EU加盟を優先するラトビアが大戦前の領土要求を放棄し、国境画定
       ノルウェーとバレンツ海の一部国境を面積等分で合意
 2010年 ノルウェーとバレンツ海の全国境を面積等分で画定
       アゼルバイジャンと面積等分&海洋資源の共同利用で国境画定
 2012年 ケルチ海峡のウクライナ領有承認&両国による共同管理で合意
 2014年 エストニアと現状維持&相互要求放棄で国境画定
いつ頃だったか忘れましたが、カザフスタンとも河川国境の中州を面積等分したと記憶してます。

そして北方領土の問題も、橋本首相はエリツィン大統領と川奈合意に達して、
小渕首相は事務方折衝を頻繁に繰り返し、森首相は沖縄サミットでプーチン大統領と信頼関係を結び、
一方でロシア側も、プーチン政権が領土問題を完全解決すべく、各国と国境画定を進めてましたから、
長期政権となりつつあった小泉首相との日露首脳会談は、かなり期待されてたんですよ・・・・

> > > > 竹島・尖閣は怪しいですよね。地図を持ってきて、固有の領土と・・・。
> > > > 一歩間違えれば、もう片方は主張の余地が無くなりそうです。

> > 日本側からすると難しいのは、尖閣と竹島とでは立場が逆転する事であり、
> > 竹島での日本側の主張は、尖閣での中国側の主張に通じてしまい、
> > 尖閣での日本側の主張は、竹島での韓国側の主張に通じてしまいます。
> > 竹島と尖閣でダブル・スタンダードな主張を、いつまでも続けていてもねえ・・・・

> どこがダブルスタンダートですか?

そのまま前述の引用通りですよ。
日本側は竹島も尖閣も是と主張しますが、尖閣と竹島とでは立場が逆転する為、
尖閣で是とした主張は竹島だと非になり、竹島で是とした主張は尖閣だと非になるという事です。
「竹島には領土問題が存在するが、尖閣には領土問題が存在しない」など、その端的な例かと。
もちろん、日立場的に本国政府が建前上そう主張するのは十分理解できますし、
現状を維持するだけならそれで構わないのですが、それだと問題解決には全く繋がりませんよね?

> > ただし国際司法裁判所に持ち込んでも、前回「竹島は7:3、尖閣は6:4」と書いたように、
> > 必ず日本側が勝訴できると、確信を持って言うことは出来ないと思います。
> > まず最初に重視されるのが、譲渡や交換などの「条約」ですけども、
> > 日本はサンフランシスコ講和条約で、朝鮮や台湾などの植民地を放棄しましたが、
> > 千島列島のように直接明記はされていないものの、そこに尖閣や竹島が含まれるか?ですよね。
> > 日本がソ連に「歯舞・色丹は千島列島でなく、根室半島に付属」という主張を通したように、
> > 「竹島は欝陵島に付属」とか、「尖閣は台湾島に付属」という主張も、出来なくはありません。
> > でもまあ、竹島の方は講和条約の草案段階で明記されていて、最終案では削除ですから、
> > これを根拠に判決が出る可能性は相当低いと思いますけど、
> > 下関条約で日本に割譲された「台湾及び付属島嶼」に、
> > 尖閣諸島も含まれていたと解釈されてしまうと、尖閣の方は無くはありません。

> 竹島の方は韓国が含めるようにとアメリカに要請したところ却下されたようです。

サンフランシスコ平和条約に関しては、過程を詳しく言いますと、
1947年の草案では、竹島が朝鮮の領土として明記され、
1949年の草案では、竹島が日本の領土として明記され、
1951年の最終案↓では、竹島の文字が条文から姿を消しました。
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19510908.T1J.html
具体的には、「済州島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮」と書かれてまして、
それ以外の小さな島々に関しては、特に明記されていないんです。
ですから、日本側は日本領、韓国側は韓国領だと解釈・主張していおり、
引用されてる前回の記述は、こうした事を踏まえた上でのモノですね。
朝鮮領との表記が削除された事を言うなら、日本領との表記も同じく削除されてます。
条文草案の作成過程や、ラスク書簡などの存在は、日本側に有利な材料だとは思いますが、
この条文だけで日本が勝訴できると断言するには、やはりちょっと弱いと思います。

> まあでも(外務省が何と言っていたとしても)サンフランシスコ平和条約が現在の主権の根本でしょうから
> それから考えると最終的にアメリカは竹島を日本領土と認識しているようですね。

前述のように、竹島に関してはサンフランシスコ平和条約に明記されていません。
アメリカ側の認識と言う事なら、平和条約の締結直前に「ラスク書簡」を出してますが、
これは米国政府が韓国政府に宛てたものであり、平和条約そのものではありません。
まあ、この書簡でアメリカは「竹島は日本領と理解」としてますので、
これまた日本に有利な材料ですけど、あくまでアメリカ一国の意見でもあります。
(別に国際司法裁判所は、アメリカの見解に従って判決を出す訳ではないです)
そしてアメリカ側としても、竹島は日本領だと思うものの、この問題に干渉する気はなく、
国際司法裁判所に付託して問題を解決するよう望んでいますからねえ。

> 韓国は戦勝国ではないはずでしょうから、 サンフランシスコ平和条約は署名してませんよね。
韓国は条約署名国に入れませんでしたので、もちろん署名はしてませんけど、
日本側は条約に縛られるけど、韓国側は条約に縛られないという事であれば、
それは却って逆に、日本にとっては不利な部分ですよね?
まあ韓国側も、そうした開き直りは多分しないと思いますが(笑)。

> サンフランシスコ平和条約に竹島放棄は明示されていないと。
巨済島・南海島・突山島・珍島なども記されてませんけど、日本領じゃないですよね?
そもそも条文には、付属する島々に関しては明記されていないんです。
韓国側は「竹島は欝陵島に付属」と主張してますから、
条文に記されていない事を以って、明白な根拠とするのは難しいかと。

> そう考えると、日本に竹島を放棄する理由はないんですよね。
> むしろ、占領されてからずっと放置してきたほうがおかしいと思います。

別に竹島の領有主張を放棄する必要は無いと思いますし、
抗議はしてるので、放置してた訳でも無いんですけど(武力行使なんて非現実的ですし)、
ただ抗議を繰り返すだけでなく、もう少し解決への筋道を見せて欲しいですね。

> > ですが尖閣の方は、1895年に編入が閣議決定されたと言っても、
> > それが公表されたのって戦後になってからなんですよねえ・・・・
> > 1月に尖閣編入、4月に台湾割譲ですから、中国側がこれらを別件と認識するのは困難であり、
> > そもそも当時の清王朝は、冊封国である琉球の日本併合(琉球処分)すら認めてませんでした。
> > 前アメリカ大統領グラントの仲裁を受け、先島(宮古諸島や八重山諸島)を清国に割譲する事で、
> > 日清両国が仮調印まで行っていた歴史的な事実もありますし(李鴻章の反対で頓挫)、
> > この琉球処分を中国側(清王朝)に認めさせたのも、日清戦争勝利の結果なんですよね。
> > しかし日本は第二次大戦の敗戦により、日清戦争で得たモノも放棄させられていると・・・・
> > ですので未だに中華民国(台湾)は、建前上だと「琉球の地位は未定」という立場です。

> まあでもサンフランシスコ平和条約から考えても最終的には日本領でしょう。

前述したように、平和条約だけでは明白な根拠に成り得ないと、私は感じてますが、
「最終的には日本領」というのは、どのような条約解釈に基づくものでしょうか?

> 中華人民共和国も認めていたようですし。
認めていないから、現状のようになっているのでは?
これは恐らく、中国で出版された世界地図で、尖閣が日本領とされた事でしょうけど、
内戦終結から10年経たない時に、戦前の地図を基に修正しただけの地図なので、
ミスと主張するのも可能ですし、そもそもこれを政府の公式見解と見なすのは無理筋かと。
それでも裁判となれば、日本側にとって多少は有利な材料になると思いますけどね。

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