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[20370] 第二次上田合戦、不屈の棋士、人工知能による発明・・・返信 削除
2016/9/14 (水) 23:21:48 ほのぼのさん

すみません、誤って送信ボタンを押してしまったので再投稿です。

真田丸ですが、第36回「勝負」の第二次上田合戦はどうでした?
正直いって、期待していただけにちょっと肩透かしでしたね。
いや、関ケ原の描写がほとんど無かったってのは気にならないんですよ。
真田家からすれば、関ケ原から遠く離れた上田城で戦っているわけで、
実際も関ケ原の結果を知るのはあんな感じだったと思いますし。
しかし、第二次上田合戦をあんなにしょぼく描いたのは、かなりガッカリでした。
「真田丸」にとって、大きな合戦といえば、2回の上田合戦と、あとは大坂の陣くらいしかないわけで、
本来ならば信繁にとっても大事な見せ場なわけです。
それをあんなにしょぼい合戦として描かれると、信繁が戦上手ってのも嘘っぽく感じられてしまうでしょう。

ここからは三谷幸喜批判になってしまうのですが、
三谷作品は劇作家だけあって、合戦シーンを迫力あるものにするのは
ちょっと苦手なのかなと。
密室での演劇スタイルは素晴らしいと思うのですが、合戦のカタルシスを出すことができないのは、
戦国モノを演出するにあたりちょっとどうかなと思ってしまいました。
いや、別に金をかけて大規模な合戦にすればいいというわけではないんですよ。
だけど、真田丸の合戦シーンは泥臭さが皆無で、まるで三谷作品でおなじみの密室劇がそのまま
外に出されただけのような感じがするわけですよ。
合戦はあくまで人と人との殺し合いですが、血なまぐささが感じられない。
最後のクライマックスの大坂夏の陣では、しっかりと合戦シーンを描いてほしいものですが、
どこまで期待できるやらです。
演劇スタイルの秀吉編が良かっただけに、尻すぼみにならないことを望みます。

不屈の棋士、読み終わったんですね。千田翔太五段の話は特に面白かったですね。
以前に、
「将棋ソフトが人間の棋力の向上に役立つかという命題について、
千田五段が5年以内にタイトルを奪取できればyes、そうでなければnoということができるのではないでしょうか。」
と書きましたが、今のところやっぱり答えはnoだと思います。
将棋の強さって、単純化してみると、コンピュータソフトのような「絶対的な正解」を出す能力と、
「相手に悪手を指させる」勝負強さの2つを掛け合わせたものだと思うんですよね。

コンピュータソフトのような「絶対的な正解」を出す能力に長けているのが、豊島将之七段、千田五段あたりだと
思うのですが、それだけでは彼らはタイトルを一つも取れていない。
一方、不屈の棋士でも登場する山崎八段は「相手に悪手を指させる」勝負強さには長けているが、
コンピュータソフトのような「絶対的な正解」を出す能力が多少劣るため、
これまたタイトルを一つも取れていない。
そして、「相手に悪手を指させる」勝負強さだけでは、コンピュータソフトには歯が立たないというのが、
山崎八段がソフトに完敗した今春の第1期電王戦だったと思います。
糸谷八段は、山崎八段と同じく対人間の勝負強さを持っていますが、ソフトと違って
名手も悪手も指すような波のある棋士なので、これまたソフトに勝つのは厳しいかもしれません。
2つの能力を十分に兼ね備えているのは、やはり羽生、渡辺の2人くらいしかいないような気がします。
それだからこそ、彼らはタイトルを量産できているのでしょうな。
そういう意味では、将棋って単純にコンピュータソフトが導き出す「絶対的な正解」だけを指せばいいものではなく、
ポーカーのようないわば人と人との心理戦みたいな側面も大いにある。
それだからこそ、人間同士の対局の棋譜を人を惹きつけるものがあり、
興行面で棋士がソフトに取って代られることはないと断言できるかと思います。

あと思うのは、不屈の棋士では棋士側の忌憚ない意見が披露されていますが、
ソフト開発者の方々にも同じだけの開発ストーリーがあり、主張したいことは山ほどあると思うんですよね。
今まではなんとなくソフトは異星人みたいなものであり、それを迎え撃つ正義の側の将棋棋士という
アングルがありましたが、プロ棋士を打ち破るソフトを開発し続けるソフト開発者というのも、
もっともっと評価されてもいいのではないかと思います。
囲碁の世界のAlphaGoは最先端の企業が金と人材を注ぎ込んで作り上げたものですが、
将棋の世界のソフトは、あくまで個人がその知能を駆使して作り上げた職人的なものなんですよね。
そういう意味では、同じソフトでも、AlphaGoと将棋ソフトは
いわば対極にあるといえるかもしれません。
そもそも、将棋の世界のソフトは厳密な意味では人工知能によるものではないですし。
将棋の世界ではそれほどうまみがないのかグーグルみたいな大企業が
ソフト開発に参入してきていませんが、グーグル発の人工知能によるソフトと、
人間がその英知により開発したソフトとの対戦があると、
本当に人工知能が人間の知能を超えたかどうかわかるかもしれませんね。

それはさておき、最近では将棋でも「ソフト発の新手」「ソフト発の新定石」が
話題にあげられることが多いですね。
最近流行りの「居角左美濃」は、ソフト発祥の戦略だと言われておりますが、
千田五段が去年最初に実戦で投入し、今年になってA級順位戦でも登場するなど
けっこう注目を浴びている戦法をいえるでしょう。
将棋界では毎年新手や新定石を考えた人に升田賞が与えられますが、
そろそろ「コンピュータソフト」が升田賞を受賞してもおかしくないかもしれないという状況です。
これは、ソフトは新手を考え出すことができないといわれた数年前からすると、
考えられないことかもしれません。
もしソフトが今までにない概念を発明できるとすれば、
これは将棋界だけではなく、一般社会にも適用できるのかもしれません。

日本では現在毎年約30万件の特許出願がありますが、
その大部分はマイナーチェンジによるものです。
他の技術分野の知見をそのまま持ってくることにより特許になるケースも多数あります。
このあたりとかは、コンピュータソフトとか人工知能でも将来的には可能になると思います。
そうすると、コンピュータに、過去の全ての特許出願の内容を理解させ、
そこから新しい概念を導き出すことにより新規の発明の特許出願を自動でソフトにさせるというのも、
将来起こりうるかもしれません。
小説を創り出すソフトも世の中にはあるそうですから、特許出願の書類を
自動で作るソフトが開発されてもおかしくはないでしょう。
今まではそこまではコンピュータもすることができないと思っていましたが、
将棋の世界でソフトが新手を生み出すのを目の当たりにして、認識をちょっと改めなければと思いました。

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