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[20466] 私の好きなアニメTOP30&戦前外地の大学返信 削除
2016/10/28 (金) 22:57:32 徳翁導誉

> すみません、いろいろお返事したいのですが仕事が超多忙で時間がなかなか取れないので
いえいえ、全く構いませんよ(笑)。
こちらとしても、変に長文癖のスイッチが入ってしまい、
書いた自分ですら、「これ長過ぎるだろ?」と思ってしまう程なので、
読むだけでも負担になってないかと、正直心配になっているのが現状ですから・・・・
もしこれが、LINEやTwitterに慣れた今時のネット世代が相手だったら、
恐らく、拷問クラスの長文だと感じる気がしますしね(苦笑)。

▼ 接待AI 「○×ゲーム」
「昨今の将棋用AIは強過ぎる」という雑談から、逆転の発想が浮かび、
ならばと、極端に弱いAIを持つ接待用○×ゲームを、戯れに作ってみました(笑)。
http://www.geocities.jp/tokuou_douyo/maru_batsu/maru_batsu.html
・・・って、いざ作って実際に遊んでみると、
「勝つ事しか出来ない」というのも、それはそれで不愉快なモノですね(苦笑)。

う〜ん、そのうち将棋ソフトとかも、とにかく強さを求める時代から、
如何にプレイヤーを気分良くさせるかの時代へ、次第に移って行くのかなぁ?
勝負を楽しみたい人には、ギリギリ競った上で上手く負けてあげたり、
強くなりたい人には、指導対局をメインとした指し方をしたりとか。
この○×ゲームも、本当に接待用にするなら、適度に引き分けた方が良い気もしますし。

▼ 真田丸クランクアップ
という事で、真田丸の撮影が終了したらしいです。
今回のメンツなら、今度こそ大坂方が勝てそうかなぁ?(笑)
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/10/28/kiji/K20161028013616640.html
・・・って、そんな冗談を言ってるくらいなら、
無意味な○×ゲームなど作ってないで、こっちのゲームを作れって話ですけどね。
ゲーム上であれば、それこそ作中の昌幸の策だって、実現する事が可能ですし。


▼ 私がハマったアニメTOP30
> > そう言えば、ほのぼのさんはアニメやゲームなど、サブカル方面への関心はどうでしたっけ?
> > あまり詳しくなかった場合、バンバンと作品名を挙げて話しても、きっと困らせてしまうでしょうしね。

> サブカル方面についていえば「ライト層」といえるかと思います。
> 世間で話題になっているようなエヴァもまどマギも一通りは観ていますが、
> 徳翁導誉さんに挙げていただいた作品で全然知らなかったものも結構ありますね。

では今後は、いきなり作品名を挙げたりするのは控え目にしておきますね。
ただ、まどかマギカを見てる程なら、敢えてサブカル系の話題を避ける必要も無いかな?
あの題名に、あの絵柄ですと、こういう反応↓が一般的でしょうし(笑)。
http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=s14493#14493
(この後、曹良さんから私は「まどマギと銀英伝を教えてくれた人」扱いに・笑)

> > (もし未見でしたら、攻殻SACシリーズはオススメしておきます。私の中でも歴代6位のアニメ作品なので・笑)
> 攻殻SACシリーズは確か見たことなかったので、今度見てみたいと思います。
> そもそも攻殻機動隊も昔見たのですが、内容はだいぶ忘れてしまいました・・・
> 徳翁導誉さんの歴代1位〜5位も是非ぜひ知りたいですね!

上記リンクの雑談時に、「管理人さんのアニメランキングを一度見てみたい」と言われた事で、
その後、少し暇な時間が出来た時に、何気なく50位くらいまで考えたんですよねえ。
まあ結局、それを公表する事も無かったですし、今となっては20位前後から記憶も曖昧ですけど、
私が中学以降にハマったTVアニメのランキングを、30位まで思い出しつつ書き出してみます。

 1位 アレクサンダー戦記(全13話 1999年)
 2位 銀魂(現在316話&映画1本 2006-2010年/2011-2012年/2012-2013年/2015-2016年/続編予定)
 3位 佐武と市 捕物控(全52話 1968-1969年)  ※白黒作品※
 4位 おじゃる丸(現在1580話超 1998年-放送中)  ※特に初期作※
 5位 カウボーイビバップ(全26話&映画1本 1998-1999年)
 6位 攻殻機動隊 S.A.C.シリーズ(全52話&長編1話 2002-2003年/2004-2005年/2006年)
 7位 新世紀エヴァンゲリオン(全26話&映画1本 1995-1996年)
 8位 魔法少女まどかマギカ(全12話&映画1本 2011年)
 9位 コードギアス 反逆のルルーシュ(全50話 2006-2007年/2008年)
 10位 serial experiments lain(全13話 1998年)
 11位 頭文字D(全81話&映画1本 1998年/1999-2000年/2004-2006年/2012-2013年/2014年)
 12位 人造昆虫カブトボーグ V×V(全52話 2006-2007年)
 13位 トライガン(全26話&映画1本 1998年)
 14位 はれ ときどき ぶた(全61話 1997-1998年)
 15位 GUNSLINGER GIRL(全13話 2003-2004年)  ※旧作版※
 16位 剣風伝奇ベルセルク(全25話 1997-1998年)  ※旧作版※
 17位 一休さん(全296話 1975-1982年)
 18位 はじめの一歩(全127話&長編2話 2000-2002年/2003年/2009年/2013-2014年)
 19位 銀河英雄伝説(本伝110話・外伝52話&映画1本 1988-1997年/1998-2000年)
 20位 瀬戸の花嫁(全26話&OVA2話 2007年)
 21位 ヒカルの碁(全75話&長編1話 2001-2003年/2004年)
 22位 セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん(全48話 1998年)
 23位 あずまんが大王(全26話 2002年)
 24位 School Days(全12話 2007年)
 25位 スクールランブル(全52話&OVA4話 2004-2005年/2006年)
 26位 ベルサイユのばら(全40話 1979-1980年)
 27位 へうげもの(全39話 2011-2012年)
 28位 鋼の錬金術師(全51話&映画1本 2003-2004年)  ※旧作版※
 29位 進撃の巨人(現在25話&OVA5話 2013年/続編予定)
 30位 NARUTO -ナルト-(現在690話超&映画2本 2002年-放送中)

という事で、とりあえず30作ほど挙げてみましたけど、
実際にご覧になった作品がどれだけあり、逆に存在さえ知らない作品がどれだけあったでしょうか?
って、私もほのぼのさんと同じく、自身では「ライト層」だと考えているので、
一部の作品を除き、メジャーな作品がかなり多いと、個人的には思ってますけども・・・・
ちなみに20位前後からは、思い出しながら書いたというのもありますが、
それが無くても、その時々で、普通にランキングの変動があると思います。
進撃の巨人とかも、再放送されたNHK-BSの高画質だと迫力が違い、評価がグッと上がりましたし。

1位は鉄板で「アレクサンダー戦記」なのですが・・・好きだという人に遭った事が無い(泣)。
その為、布教活動をしようと考えた事もあったのですが、現状これだけ↓でストップ・・・・
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/9179/alexander/alexander.html
歴史・戦争・神話・宗教・哲学・数学・芸術・建築が混在する荒俣ワールド全開な作品なんですけど、
その濃過ぎる独特の絵柄が、アニメ・ファンさえ敬遠させていると(その濃さも作風には合っています)。
逆に、2位の「銀魂」はジャンプ連載中の人気作なので、好きな人も嫌いな人も多いですね。
「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」という呼び名が示すように、
品の無い下ネタに、行き過ぎたパロディー、泣かせる人情話や、劇場版並みのバトルシーンと、
作品の毛色は異なりますが、アレクサンダー戦記と同じく、多様性があってゴチャ混ぜな作品です。
どうやら私は、そうしたゴチャ混ぜ系の作品が好きみたいです(笑)。
そして、銀魂に2位の座を追われての3位が、白黒時代の時代劇アニメ「佐武と市」となります。
こちらは一転して、古くて渋い作品ですけど、歴史と人情の要素がある点が一致しているのかな?
私の中ではこの3作品が、歴代アニメの中でも群を抜いた存在ですね!!

あとは分類別に、シナリオ構成が秀逸なのが「まどかマギカ」「コードギアス」「School Days」。
普段はアニメを見ない大人にも薦められる作品が、「カウボーイビバップ」「トライガン」。
アニメ視聴に慣れてる人に薦める、コアな電脳系SFとして「攻殻SAC」「lain」。
空想世界の戦記モノを楽しめる人なら、「ベルセルク」「銀河英雄伝説」。
史実を題材にした歴史モノとしては、「ベルサイユのばら」「へうげもの」。
子供向け作品の中に潜む、哲学性を感じて好きなのが「おじゃる丸」「一休さん」。
子供向け作品の皮を被る、狂気じみた笑いの「カブトボーグ」「はれ ときどき ぶた」。
30位台なのでランキングに外でしたけど、熱い漢の物語なら「北斗の拳」「グレンラガン」。
ちなみに31位以降は、「キャプテン」や「野球狂の詩」などスポーツ系も結構多かったです。

P.S.
前回薦めた攻殻SACシリーズですが、第3作目は2011年に劇場版3Dとしてリメイクされますので、
もし視聴条件が揃うようなら、そちらの方をオススメしておきます。
3Dリメイクの効果は、正直言って限定的なのですが、
以前書いた電脳表現のイメージは、こちらの方が断然 伝わり易いと思うので。


▼ 「五色の虹の感想」の感想
> この本を読んで感じたことを一言でいうと、「人間賛歌」でしょうか。
> 戦時中や敗戦直後、在校生や卒業生は様々な窮地に立たされますが、
> そこからの「生」への執念の凄まじさに圧倒されましたね。
>   (中略)
> そして、この本を読んで痛感したのが、「青春時代を共に過ごした絆の強さ」でしょうか。
> 桑原とジョージという日本人同士の絆、ロシア人卒業生のスミルノフの日本人同期への思い、
> 建国大学卒業生の同窓会の結束の強さからも、青春時代に過ごした建国大学での日々というのは
> 卒業生の中に一番強く残っているのだなあと感じました。

「人間賛歌」「生への執念」「青春時代を共に過ごした絆の強さ」
まさに、そうかも知れませんね。
一寸先は闇という混沌とした時代に、様々な民族や思惑が交差する複雑な土地で、
己を探求し、もがき喘いだからこそ、その青春群像は誰にもまして劇的だったんでしょうね。
70年の時を超えても、やはりそこから伝わってくる熱量は、圧倒的なモノがありますし、
激動の人生が幸福だったかは解りませんが、きっと後悔している卒業生は少ない感じがしました。
まあ、言葉を重ねれば重ねるほど、却って陳腐になってしまうのが悲しい所(笑)。
その熱さにアテられても、それを表現できる言葉が見付からなければ、
「凄いな」の一言で、実は十分なのかも知れません・・・って、
本を薦めて、感想を求めておきながら、その結論は失礼だったかな?(苦笑)

> 昔学校で「満州国は五族協和を理念としている」と習ったときに、
> 日本民族、朝鮮民族、中華民族は分かるが、なんでモンゴル民族やロシア民族が入ってくるんだと
> 疑問に思っていました。モンゴル民族やロシア民族は満州とはそれほど関係ないし、
> そもそも同時の満州でどういった位置づけかも分からないままでした。
> それが今回この本を読んでモンゴル人やロシア人も建国大学で真剣に学んでいたことを知り、
> どういうバックグラウンドでモンゴル民族やロシア民族が満州と関わっていたかがおぼろげながらに分かってきました。

まあ、ある意味で、モンゴル人やロシア人が居るのも、当然といえば当然なんですけどね。
そもそも満州国の西部にあたる地域は、内モンゴルの北部にあたる地域であり、
満州国の地方行政単位として分けられた3市14省のうち、4省がモンゴル人の居住地域でしたので。
ちなみにその4省では、モンゴル人の役人が全体の6割以上を占めていました。
また、ロシア人に関しても、清王朝の故地として入植が禁じられていた満州に、漢族の住民が急増するのは、
日清戦争後に三国干渉を行った後、ロシアが鉄道の敷設権を清王朝より獲得して、
満州を準植民地として開発を始めた際に、労働力として漢族が大量にやって来たからですしねえ。
ですから、ロシア人の入植と、中国人の入植は、実はセットだったりします。
そして、ロシア革命による帝国崩壊後から、満州国建国までの10年間は、
反共活動の最前線だった事もあり、満州地域の住民構成は本当にカオスなものでした。
これで、もし本当に、ユダヤ人を受け入れる河豚計画まで実現していたら・・・更にカオスな状況に(苦笑)。

> この本によれば、モンゴル人やロシア人の卒業生は日本に対して憧れと尊敬の念を持っているんですよね。
> それに対し、建国大学の理念として「民族協和」をどれほど唱っていたとしても
> 朝鮮民族や中華民族の建国大学生は、根底には「傀儡の日本に対する敵意」がありましたね。

そして、実は最も可哀想な存在なのが、五色の虹での触れられてない「満州族」なんですよね(泣)。
満州国では、漢族と満州族を一纏めに扱う事が多く、
そうなると当然、漢族の方が人口的に圧倒的多数ですから、
当時、満州語と呼ばれたのは中国語の事で、満州人と呼ばれたのも中国人の事でした。
まあこれは、中国本土に住む中国人と、意識的に区別する為に、こうした呼び方にした面もありますが、
満州族の民族自決で作られた建前の満州国で、最も蔑ろにされた民族が満州族だというのは、
何だかとても皮肉な話の気がします・・・・
そして今や満州族は、ほとんど漢民族と同化してしまっていると。

> そういう意味では、著者も文中で触れていますが、どれほど異民族の融和を理念として掲げても、
> それぞれの民族のアイデンティティが各個人の根底にある以上、民族主義的なところから
> 完全に超越するのはどれほどの教育をもってしても無理なのではないかと思いました。

それでも、「戦争が無ければ、どうなっていたか?」とは思いますけどね。
1期生の在学中に早くも日中戦争が勃発し、そのまま太平洋戦争へと拡大して、
結局、建国大学と戦争は、切っても切れないモノでしたからねえ・・・・
そして、平時の状態が続いたまま、数十年の時を経ていった場合、
どうなっていたかは、やはり気になる所ではあります。
多民族国家という事だけで言えば、世界のほとんどの国がそうですからねえ。
後はその間に、民族を超えての統合を促す存在としての、
仮想敵なり、象徴なり、信仰なりを用意できたかどうかですかね?

> ともあれ、戦後70年を過ぎ、卒業生もほとんどが90代に入ろうとする中で、
> これだけの肉声を集めたのはとても価値あることであると思いました。
> 著者の熱意と執念には頭が下がる思いです。
> あと10年もすれば戦争時代もほとんどが鬼籍に入り、こういった満州の物語も
> 完全に「歴史」になってしまうかと思うと、このタイミングでこの本を読めたのはとても良かったです。

そうなんですよねえ・・・・
平成初頭の頃はまだ、「高齢者=戦争経験者」って感じで身近な存在でしたけど、
平成もそろそろ30年を迎えようという今では、空襲や疎開を経験した当時の子供世代すら、
かなり少なくなってきて、遠い存在になりつつあるのが現実ですので。
団塊から私たちくらいまでは、伝聞でしか戦争を知らない世代でしたけども、
今の若い子達は既に、伝聞ですら戦争を知らない世代に突入しているんですよね。
それを思うと、本当にあと少しで、あの戦争も「歴史」へと変わってしまう訳ですか・・・・
近年、日本だけでなく世界的にもバタつき出したのは、その辺の事と関連があったりするのかなぁ?

▼ 戦前外地の大学
> 建国大学は、昭和期に入った旧大日本帝国ではありえないような「言論の自由」が保証されていたようですが、
> この「言論の自由」を掲げた目的は何だったんでしょうかね。
> もちろん表向きは「民族協和」のためだったんでしょうが、当時の日本軍部がそんな甘っちょろいことを
> 大々的に認めるのもおかしいかと思いましてね。

あ〜、なるほど・・・・
満州国の歴史から順に通れば、すんなり行きそうな箇所も、
いきなり建国大学から入ると、確かに引っ掛かるかも知れませんね。
そもそも満州国というのは、関東軍が独断専行する事で生まれた傀儡国家でしたけど、
それ以前から、この地で活動してきた南満州鉄道株式会社の存在も大きなモノでした。
簡単に言えば、関東軍を父とし、満鉄を母として生まれたのが、満州国な訳ですね。
そして、当時の関東軍の頭脳こそ石原莞爾であり、満鉄を育て上げたのが後藤新平だったと。
建国時の満州国の理念というのは、この2人の思想が大きく影響していると思います。

まず石原ですが、この人自身が触れ幅の大きい人で、その毀誉褒貶の差も激しいのですが、
「白人による帝国主義を打破するには、アジア諸民族の団結が不可欠」という信念のもと、
満州国を民族協和の理想的モデルケースとすべく、いろいろと行動したのは事実です。
そして後藤ですが、満州国が建国された頃には既に故人でしたけど、
自身が元々医師だった事もあり、満鉄の創設者として「生物学の原則」を掲げ、
現地社会の文化や風習をよく調べ、それに順応する開発・経営を行う事を社是としました。
この2人ついて書き出すと長くなりますし、話が脱線してしまうので、今回はここまでしますけど、
ともかく、建国大学に限らず、満州国自体に「民族協和」という理念が源流にあり、
他民族や敵対国の事を知る上でも、学問や言論の自由がある程度保証されていた訳ですね。
その為、思想・信条・性格などに問題はあるものの能力は高い人材が、日本を離れて満州へ流れ込んだと。

ただ、満州国の生みの親は確かに、石原莞爾が率いる関東軍と、後藤の思想が生きる満鉄でしたけど、
育ての親になったのは、東條英機が率いる関東軍と、岸信介など日本からやってきた革新官僚でしたからねえ。
満州国の方針を巡って東條と対立した石原は、それが原因となって後に失脚しますし、
当初は重要な存在だった満鉄も、統治が軌道に乗ってしまえば却って邪魔な存在となり、
事業部門は次々と接収縮小され、中核であった調査部門は弾圧粛清を受け、単に鉄道運行するだけの存在に。
まあ、この辺も話すと長くなるので割愛しますけど、もうこうなってしまえば当初の理念なんて形骸化され、
当然ながら建国大学においても、時代が下るほどに、その独自性は失われていきます・・・・
そういう意味では、「当時の軍部がそんな甘いはず無い」と言うのは、その通りだった訳ですね(苦笑)。

> 思うに、この「言論の自由」は、将来に国の中枢を担うべき日本人学生が、
> 「植民地支配のツール」として、他民族の性格や習性を学ぶためのものだったのではないでしょうか。

この考え方はまさに、後藤新平の掲げた「生物学の原則」「文装的武備」に通ずるモノですね。
満鉄の初代総裁に就任する以前、後藤は台湾の民政長官として、
現地民の性格や習性を徹底的に調査させ、彼らの反発を招かぬよう、状況に合わせた統治で成功を収め、
満州ではそれを更にレベルアップさせて、中国&ロシアの調査・研究・交流を推し進めていきました。
建国大学に先立つこと20年、ハルピンに日露協会学校(後の満州国立大学ハルピン学院)を作り、
そこで日本人にはロシア語を、ロシア人には日本語を教え、互いに交流させたのも、その一例ですね。
この学校は第1期生として杉原千畝を輩出するのですが、まあこんな校風ですから、
日本軍からは共産主義者の巣窟として警戒され、ソ連からはスパイ養成所と見なされ、
そして戦後は、GHQからソ連シンパと見なされて、卒業生たちは苦労する事に・・・・

ただ、外地の大学というのは、建国大学やハルピン学院に限らず、やはり個性豊かな部分があります。
ロシアについて学ぶなら、東京や大阪の外語大などより、日露協会学校の方が有益だったのと同様、
中国について本気で学ぶなら、やはり現地にある上海の「東亜同文書院」が有名でした。
こちらは後藤とは関係なく、東亜同文会というアジア主義の民間団体が建てた私立学校で、
日本に留学した中国人を対象とした「東京同文書院」も同時に作ったり、
北京・天津・漢口などにも、後に同様の学校を建てたりしました。
そして終戦後、日本に引き上げる教職員の受け皿として作られたのが、現在の愛知大学だったりします。
また、1人の教育者が北京の貧民街で女子教育を行うべく建てた「崇貞学園」という学校もあり、
こちらも戦後、日本へと引き上げて再び作られたのが、現在の桜美林学園となっています。
他には、日本軍の仏印進駐後、こちらは国策的に建てられたサイゴンの「南洋学院」があります。
逆に、植民地で活躍する人材を育てるべく、東京に作られた学校が拓殖大学ですね。
拓殖学というのは、今風に言い換えれば植民政策学の事ですから。

でもまあ、国策で外地に作った大学と言えば、やはり「京城帝国大学」と「台北帝国大学」ですよね。
現在ではソウル大学校・台湾大学として、韓国・台湾の最高学府となってますけど、
帝国大学時代は、他の外地の学校と同様、現地に住む日本人子女の為の学校という側面が強く、
だからこそ、朝鮮人や台湾人の優秀な学生は、逆に日本内地の大学へと進学した訳です。
植民地支配を支える現地人官僚を育成すべく、植民地に大学を作ったイギリスなどと比べると、
やり方として中途半端と言いますか、当時から続く学歴主義の要望に応えただけの印象も・・・・
「東アジアは文化的に教育熱心」とは、よく言われるものの、
結局それって、学歴が立身出世に結び付いてるからであり、
学習の中身が伴わないなどと苦言が呈されるのも、全てはそこに遠因がある気がします。
それでも日本は研究など成果を残せるのは、質の高い職人や趣味人を生み出す文化的土壌がある為で、
目先に走った国際化や専門化などの大学改革は、却って競争力を低下を招く恐れが・・・って、
このまま続けたら、脱線して「日本の教育事情」の話になりそうなので、ここらで打ち止め(笑)。
しかし本当、多様性があった戦前の大学教育の実例をしっかり見つめ直して、
日本の教育の在り方を考える事は、とても有益なやり方ではないかと、個人的には考えています。

で、満州の大学事情に話を戻しますと、建国大学やハルピン大学の他には、
実を言うと、最高学府の建大よりも上の存在として、「大同学院」という学校がありました。
(同校の卒業生としては、独立後の韓国で大統領や首相を歴任した崔圭夏が有名)
ただし学生は基本的に若手の役人で、満州国を主導する官吏の養成する所でしたから、
一般的にイメージされる大学というよりも、今で言うと政策研究大学院大学とかに近い感じかも?
末期になると、建国大学の卒業生も、この大同学院へと進む仕組みになった為、
「役人になる為に建国大学へ入った訳じゃない」という学生からは、かなり反発もあったそうです。
イメージし易いよう例えると、建国大学は京大で、大同学院は東大大学院って所でしょうか?(笑)
まあ実際、初代学長の作田荘一を始め、建大には京大からやって来た教授も多かったですしね。
また、奉天には「満洲医科大学」があり、当時の中国大陸では最先端の医療が学べる場所だったので、
日本の敗戦後、中国共産党に接収されると、ここが中国医科大学となります。
他にも、最先端の科学技術が学べる場所として「旅順工科大学」があり、
こちらはソ連軍が満州に侵攻すると、アメリカが原爆開発を成功させた直後だった事もあって、
まず最初に、ここの研究者たちを押さえに掛かったそうです(ドイツ人研究者ほど役立ちませんでしたが)。

最後に、ここまでは日本が満州に作った大学を紹介しましたけど、
珍しい例として、満州が日本での大学設立に貢献したなんて事もありました。
それが、立命館大学の理工学部ですね。
学祖である西園寺公望との繋がりから、満州国皇帝の溥儀が、立命館大学に多額の寄付を行い、
それを元手に立命館は、現在の場所へとキャンパスを移転して、理工学部の前身となる学校も作りました。
ですから、その学校の名前は「立命館日満高等工科学校」となったそうです。
つまり、日本と満州の協力で誕生した立命館の工科大学って意味ですね。
ちなみに当時の立命館は、学生たちが禁衛隊という私設部隊を組織して京都御所の警備にあたったり、
東條と対立して軍を追われた石原莞爾を講師として迎え、大学で国防学の講座を開設させたり、
その一方で、共産主義者だとして京大を追われた教授陣も招き入れるなど、いろいろと興味深いです。
こうした校風が、立命館アジア太平洋大学の開設にきっと繋がっているのでしょうけど、
もしも世が世なら、満州国内にも新たな大学を作っていたかも知れませんね(笑)。

> それでは反乱等のいざというときに適切な対応を取ることができない。
> そこで、言論が自由となる場で、朝鮮民族や中華民族等の学生に本音を吐かせることにより、
> 日本人学生が他民族の国民性を肌で実感できる場が建国大学だったのではないでしょうか。
> 日本が敗戦しなければ建国大学の卒業生はおそらく満州で権力の中枢を握ることになったのでしょうが、
> その際に建国大学で学んだ他民族の国民性が植民地支配の際に役立つことになったと思います。

ただ、寝食を共にして一緒に学ぶ学友同士なのに、その同床異夢ぶりは凄いですけどね(笑)。
日本人や朝鮮人など、同じ民族同士であっても、個々人の立場や信条でもそれぞれ異なりますし。
この辺は、同じく建国大学を扱ったコチラの方が、詳しかったかと。
『満洲 建国大学物語』
https://www.amazon.co.jp/dp/4562035269/
それと、満州国の事を知ろうとした場合には、コチラが一番メジャーでしょうね。
『キメラ 満洲国の肖像』
https://www.amazon.co.jp/dp/4121911385/
まあ個人的には、もっとライトな気分で読めるコチラも、好きな1冊ではあります。
『満洲鉄道まぼろし旅行』
https://www.amazon.co.jp/dp/416765637X/

・・・と、また本の紹介情報に脱線してしまいましたけど(笑)、
確かに、こうして満州の地で様々な民族と触れ合う事で、
日本人の学生が、他民族の事を肌で実感するのは、植民地支配の為に役立つ経験であるのと同じく、
他民族の学生も、日本人の事を肌で実感するのは、現地協力者となる人材を育てる上でも重要なんですよね。
将来の満州国を指導する建大卒業生には、日本人学生だけでなく、他民族の学生も含まれているのですから。
特に朝鮮人に関しては、内地や半島では2等国民として蔑まれていますけど、
満州国やアジア居留地だと、現地民は3等国民としての扱いを受けていて、
2等国民の朝鮮人は「準日本人」として扱われる為、日本人以上に立場が複雑だったりします。
それは台湾人も同じで、しかも彼らは大陸の中国人と同民族ですから、事情は更に複雑だったり・・・・
だからこそ、歴史的な善悪や功罪などを抜きにして妄想すると、
「もしも現代まで大日本帝国や満州国が存続していたら?」というif設定は、なかなか奥が深いですよね?

でもまあ個人的には、「もしも日露戦争でロシアが勝利していたら?」というif設定の方が、
北海道や対馬はロシアに割譲かなぁ?とか、琉球はイギリス傀儡国として再独立かなぁ?とか、
満州や朝鮮までロシアが併合すれば、世界のパワーバランスも大きく変わるよなぁ?とか、
そうなれば第一次大戦や共産革命は起きたのかなぁ?とか、その方が日本は地味に平和かなぁ?とか、
前者よりも更に東アジア情勢が混沌としてそうで、妄想のネタとしては好みだったりします(笑)。
って、この辺の時代はまさに激動なので、格好のifネタは幾らでも転がっていますが。
(幕藩体制が存続したまま、激動の近代に突入していたら?というifとかも、妄想を掻き立てます)

その一方で、妄想を楽しむifネタとしてだけでなく、グローバル化する現代社会において、
これから外国人たちとどう接していくべきかの指標が、少し前の歴史に眠っているのも事実なんですよね?
戦後70年が経ち、日本人の島国意識も随分と元に戻ってしまいましたけど、
それ以前の日本というのは、大陸にも国土を領する多民族国家だった訳ですから・・・・

▼ 「中華民族」「日本民族」という単語
> 当時の朝鮮や満州のような植民地では(満州もあえて植民地と書きます)、朝鮮民族や中華民族は
> 支配層である日本民族に従うしかなかったが、それだけではかれらの国民性を知ることができない。

満州国は日本の植民地と言って良いと、私は思いますよ。
傀儡国家が植民地で無いのなら、英領インドや仏領インドシナも植民地では無くなりますしね。
まあ個人的な定義としては、「施政権を外国に握られている国家」や、
「本国と同等の権利や、特別な自治権を持たない地域」が、植民地だと考えています。

その事よりも少し気になったのが、「中華民族」という単語ですね。
言葉狩りみたいになるのは嫌なんですけど、現在の中国共産党政府は、
チベットやウイグルなど少数民族への同化政策を正当化する為、中華民族という単語を用いてますから、
個人的には、漢民族を指す言葉として中華民族を用いるのは、ちょっと抵抗感がありますね。
もちろん、周辺から流入した異民族さえ中華文明のもとに同化させて来たのが、中国の歴史ですから、
「漢民族とは中華民族である」という考え方も、決して間違いだとは思いませんけども・・・・

でもまあ、そんな事を言い出したら、「日本民族」なんて単語も、
大和民族に琉球民族、場合によってはアイヌ民族まで含んでしまう言葉ですし、
戦前においては、更に朝鮮民族も含んだ場合もある事を思うと、
中華民族という用語について、日本もアレコレ言える立場ではありませんがね。
先週、別のスレッドでも語った事ですが、特に琉球民族に関しては、
多くの日本人や、当の沖縄県民ですら、それをほぼ意識しない程まで同化が進んでますから、
一昨年、「沖縄の人々の先住民族としての権利(伝統・文化・風習など)」を保護するよう
国連から勧告を受けた事に対して、面食らってしまった所までは私も理解できます。
しかし、「先住民族はアイヌの人々だけ」「国連は勧告を撤回すべき」という政府見解や、
「分断工作を放置するな」「尖閣の天然資源を守れ」といった自民党内の声は、やはり問題ありかと。
こんな態度では、チベットやウイグルにおける中国の行為を、批判する資格さえ失うと思います。
先日の警察官による「土人」発言問題にしても、それで今すぐどうこうは無いでしょうけど、
少なくとも、既に忘れかけられていた民族の違いを、再び思い出させるくらいの影響はあったかも?

▼ 建国大学と国連大学
という事で、現代の日本に建国大学のような存在を復活させるべく、
私案として持っているのが「国連大学の拡充」ですね。
国連大学というのは、半世紀ほど前に当時の佐藤政権が懸命に誘致して、東京の青山に作られた
文字通り「国連」の管轄する大学なのですが、今までは国連の研究機関としてシンクタンクの側面が強く、
学生を受け入れるようになったのも2010年からで、現状でも200名弱の大学院生しか居ません。
ですので、この国連大学という枠組みを、日本国政府はもっと積極的に活用し、
各国の将来を担うエリート層を集め、日本での学生生活を満喫させ、多くの知日派を育てたいんですよ!!
今まで国連大学には教育部門が皆無だったからこそ、白紙の状態から自由に新たな仕組みを作れますし、
国連の名を利用する事で、優秀な講師や学生を世界中から集められるはずで、
既存の日本の大学を無理やり国際化させるより、こちらの方が遥かに有効的だと思います。
国連に分担金を多く払ってる事を嘆く前に、国連を如何にうまく利用するかを考えるべきなんです。
短期集中講座とかでしたら、世界の著名な人物とかも、講師として続々と日本に呼べそうですしね。
そもそも、海外から多くの人を呼ぶ要素として「ビジネス・観光・留学」の3つがあり、
前の2つは頑張っていますけど、やはり留学は言葉の問題があって難しい以上、この裏技しか無いかと?

そして、その校舎建設地として考えていたのが、昨今何かと話題の築地でした(笑)。
市場を豊洲に移転した後、築地市場の跡地利用案は特に決まっていないようなので、
明治初頭には外国人居留区が作られ、そこへ多くの学校が作られたという歴史的経緯もあり、
東京駅から近い都心の一等地で、環状線である大江戸線も走ってる好立地だからこそ、
目先の利益を求めて商業ビルを建てるのではなく、長い目で見た国益を追うべきだと思います。
将来エリートとなる留学生に、できるだけ多くの交流・体験をさせるのは、双方にとって利益大ですから。

あと、学生寮に関しては・・・建国大学みたいに大部屋で共同生活というのは理想ですけど、
やはり現実的には困難だと思うので、交流が生まれるよう工夫されたシェアハウス形式が妥当なのかな?
学住一体で、築地に学生寮もあった方が良いですけど、それだと手狭なようなら、
大江戸線「新御徒町駅」の駅前に、廃校した小学校の跡地があるので、そこに学生寮を建てるのも手かと。
急速な国際化が進み、アジア・アフリカの食材も揃うアメ横のある御徒町まで徒歩10分、
不忍池・寛永寺・動物園・博物館・美術館・科学館・音楽ホールなどが並ぶ上野まで徒歩15分、
日本の歴史と賑わいを満喫できる浅草まで徒歩20分、サブカルの趣都である秋葉原まで徒歩25分。
大江戸線は校舎予定の築地まで18分で、外国人の多い六本木や新宿(新大久保)へも1本で行けますし、
つくばエクスプレスの停車駅でもある為、沿線の東大・柏キャンパスや筑波研究学園都市とも繋がります。
もっと言えば、近くには東大を始め、早稲田や慶応など多くの大学がありますから、
そうした日本人学生との共同学生寮とすれば、交流も更に深まりそうですしね。

更に話を飛躍すれば、築地校舎は文系とし、筑波や柏に理系校舎を建てても良いかも?
新御徒町の学生寮からだと、どちらも電車で1本で行けますし、
理系エリートに関しては、人間同士のコネ関係を築くのとは違った、知日派の育て方がありますので。
って、まあそれなら、関西の「けいはんな学術研究都市」に、リニアの新駅が将来できる予定ですから、
理系校舎は、京都大学・大阪大学・けいはんな(京阪奈)の研究機関と連携可能なコチラでも面白いかな?
ちなみに、この国連大学の拡充という案は、
何年か前に大阪維新の会が、坂本龍馬の船中八策に倣って「維新八策」を作ると発表した際、
面白い試みだと思い、私も遊びで私案的な八策を考えてみた事があったのですが、
その第3項に「国連の常任理事国入りと、独自色ある国際貢献」として入れてました。
ついでに言うと、研究特区「つくば&けいはんな」を含む 道州制導入の項目に、
中央リニアの早期開通を含む 交通改革に関する項目に入れていました。
言い方を変えれば、国連大学の拡充というのも、壮大な日本改造妄想案の一部な訳ですね(笑)。
そして妄想案の発端の1つには、「建国大学のような学校を復活させたい」という思いがあったと。

P.S.
宣伝みたいな形になっちゃいますけど、満州話の最後に、
以前、私が作った満州関連動画の3作も、ついでに紹介しておきますね(笑)。

「そうだ 満州、行こう。」
http://www.youtube.com/watch?v=DWNFPJj3Frk
「まんしゅう!!」
http://www.youtube.com/watch?v=bS5ZGP7DIYk
「戦前外地の神社」
http://www.youtube.com/watch?v=58ko8iGwg6E

って、投稿日が「6年前」というYouTubeの表示を見てしまうと、
最近は本当に何も作ってないなぁ・・・と、改めて思わされます。


▼ 三浦九段の一件・・・と言うより、一連の将棋界のゴタゴタ
> > そもそも、不正をしたのなら処分が軽過ぎますし、不正が無ければ処分する事自体がおかしい訳で、
> > 確証の無いまま「疑わしいから」と、こうして軽率に重大な処分を下した事が全ての発端なんですよ!!
> > もちろん処分理由としては、不正の疑いではなく、「休場届けの不提出」という事になってますけど、
> > 三浦九段の主張通り、竜王戦に出場するつもりであれば、休場届けなんて出す必要が無い訳で、
> > こんな理由では案の定、休場すると言った言わないの水掛け論に陥ってしまっています・・・・
> > 良い悪いは別として、連盟側もやるならやるで、やり方が凄く中途半端なんですよね。

> このときはまだ連盟はソフトランディングを図ろうとしていたんでしょうね。
> しかし既報の通り三浦九段が徹底抗戦を決め込んだことで、連盟、三浦九段のどちらかが(あるいは両方が)
> 致命的な傷を負うことになってしまいましたね。

本当にソフト・ランディングを図るのであれば、休場の理由を「病欠」にしておけば良かったんですよ。
病気が理由なら世間は誰も騒ぎませんし、その後で疑いが晴れれば、回復したとして復帰させられますから。
これなら三浦九段の名誉にも傷は付きませんから、悔しくても、疑われた自分も悪いと納得させて、
3ヶ月休場という連盟の処分に、大人しく従っていた可能性は十分にあったと思うんです。

しかし、直接の処分理由では無いとは言え、「不正疑惑」がその発端だと言われてしまった以上、
連盟側は処分内容からソフトだと考えていても、三浦九段側からすればハードどころか撃墜に近い訳で、
こうなると自らの棋士生命を守る為には、抗戦する姿勢を示して立たざるを得なくなります・・・・
三浦九段は口下手で、少しオドオドしている感じの人なので、
連盟側は恐らく、ソフトな処分だから大人しく決定に従うだろうと考えていたのでしょうが、
不正疑惑と言われた状態で処分に従う事は、実質的に「不正確定」となる事まで理解してなかったのでは?

> > 現在の谷川会長は、神輿としての格は十分でも、トラブルを解決する政治能力は乏しいでしょうからねえ。
> こんかいの騒動の中で谷川会長はちょっと空気すぎますね。

いや本当、会長としての存在感が驚く程に無いですよね!?
決して悪い人では無いんですけど、こうして大きな問題が生じると、やはり荷が重過ぎるのかなぁ?
これだけ無反応だと、一体どれだけ状況を把握しているかも、正直不安になりますし・・・・

> > しかし、「99.9%」の数字を専門家の意見として、真実だと他の棋士たちが信じてしまえば、
> > これは印象のミスリードに繋がりますから、かなりマズい事態のように思えます・・・・
> > もちろん、99.9%発言をしたのが千田五段であれば、という仮定の話ですけど。
> > って、そこは週刊誌の記事なので、厳密にはそんな発言をした棋士が居ない可能性もありますが(笑)。

> ここは千田五段がtwitterで完全に否定していましたね。
> そうなると千田五段以外の誰かが99.9%やっていると決めつけたのか、あるいは文春記者の先走りか・・・

なるほど、Twitterで千田五段が否定されてましたか。
羽生三冠の時もそうでしたけど、こうして本人がすぐに示せるのは、ネット時代の良さよですね。
一昔前でしたら、「羽生さんが会合に参加してたのなら」「羽生さんが限りなく黒に近いと言うなら」と、
記事の内容が鵜呑みにされ、そのまま既成事実化していた可能性が高いと思います。

ただ一方で、千田五段に関しては、「三浦九段の一致率が高い」という投稿はしていたみたいですね。
http://openblog.up.n.seesaa.net/openblog/image/chida-anlyz.png?d=a0
「4つの対局の何手目以降」という形で一致率の高さを示しても、統計的な意味は少ないと思いますが、
ネットで投稿してるとなると、例の秘密会合でも同様の話はきっと行っているでしょうし、
「99.9%」の発言者ではなくとも、私が危惧したミスリードの方は、起きていた可能性がありそう・・・・
少なくとも、不正を疑う渡辺竜王に確信を与えて、今回の暴走へと背中を押した気はします。
もちろん、単にデータを示しただけであれば、千田五段にも責任があるとは思いませんけどね。

> > > 一方、竜王戦の挑戦者差し替えという将棋連盟の処置も、このような状況では仕方ないといったところでしょうか。
> > > それこそ、竜王戦の最中やもし三浦九段が竜王位を奪取した後に、文春砲がさく裂していたら
> > > 取り返しのつかないことになっていたでしょうし。

> > いや〜、私の印象としては、その逆ですけどねえ・・・・
> > 確かに今年の竜王戦だけを見れば、途中で不正疑惑が起きるよりも、幾らかマシだったかも知れません。
> > しかし、来年以降の竜王戦の事まで考えると、私は却って状況が悪くなったように感じています。

> 文春第一弾が出たときは、私の中では三浦九段は黒に近いと思っていたので、
> うまくダメージコントロールができたのではないかと感じましたが、
> その後の状況を見ると連盟の処置は全くの悪手でしたね。
> 先週コメントを書いたときは、三浦九段の黒を示す証拠を連盟が実は握っていたと思っていましたが、
> まさか証拠が何もない状態で渡辺竜王が「三浦九段と指すくらいなら竜王位をはく奪されてもいい」と
> 連盟を脅していたとは夢にも思いませんでした。

私の方は、クロなら軽すぎるし、シロならおかしい、その中途半端な処分内容の第一報から、
「現場を押さえたり、証拠が握ったりといった、確証が無いままの処分だろうな」という印象でした。
しかしそれでも、こうして実際に処分を下した以上、恐らくは疑義を訴える棋士が十数人くらい居て、
それを無視する事も出来ない状況に至り、とりあえず目に見えた行動に出たのかと見てましたけど、
まさか1人の竜王による強い疑義を無視できず、こうなったとは思ってませんでした・・・・(苦笑)

ちなみに、まあ文春の記事に関しては、嘘は避けつつも過剰な表現を用いたり、
敢えて読者を誤解させるような文章構成にしたみたりと、レトリックの裏側が見え透いていたので、
よくある週刊誌のゴシップ記事という感想しかありませんでしたね。
それでも、それまでは「おかしくない?」レベルだった渡辺竜王の行動が、
文春にインタビュー記事が載った事で、「おかしいだろ!?」レベルには変わりましたね(笑)。
そして後に、タイトルを人質に取るような発言が露呈した事で、「おかしい!」レベルに変わったと。

> > 三浦九段の挑戦を受ける立場の渡辺竜王は、日頃から三浦嫌いを公言している事で知られますけど、
> > タイトルを争う利害関係者であり、悪感情をもつ渡辺竜王が、今回の不正疑惑の告発を自ら行い、
> > 極秘会議を開いて、それを週刊誌にリークし、更に処分を下す場に居たのは、流石にバランスを欠き過ぎですよ。
> > 渡辺竜王としては、「今後の将棋界を守る為に」という使命感からの行動だったそうですが、
> > やはり私には暴走に見えますし、これを許容してしまった事が、将棋界にとって最大の悪手だったように思えます。

> これはほんとその通りですね。今となっては、一連の流れは渡辺竜王の暴走が引き起こした災いとしか言いようがないです。

前回投稿した頃はまだ、渡辺竜王の一連の行動は、ほとんど問題視されてませんでしたから、
「暴走」という単語を用いるのは行き過ぎかと悩み、結構勇気を出して書いたんですけど、
その後、「疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪されても構わない」という渡辺竜王の発言が、
今回の三浦九段の処分に繋がったと一般紙で報じらた事で、本当に空気が一変してしましましたよね。
人気・実力ともに勝る渡辺竜王が、「渡辺か? 三浦か?」の二者択一を迫った訳ですから・・・・

でも、確かに渡辺竜王にも責任の一端はあるとは言え、一番問題なのは言われるがまま処分した連盟な訳で、
現状の渡辺叩きは、さすがに行き過ぎだろうと、今度は逆に思ってしまいます。
タイトル保持者だって、それこそ死に物狂いで防衛戦に臨んでいる以上、
疑念が生じて疑心暗鬼に陥れば、過剰な行動に出てしまう事だって十分に起こり得ます。
それは決して褒められた行為ではないものの、真剣だからこそ、致し方ない面はある訳で、
宥めるにせよ、嗜めるにせよ、抑えるにせよ、ともかく無事に収めるのが上の人間の役割であるはずです。
それなのに、その過剰な反応を唯々諾々と受け入れてしまい、しかも更に下の者を生贄に捧げるなんて、
最も責任を問われるのは、安易にそうした決断を下した連盟であるべきなんですよね。
だってこれ、訴えたのが低段の棋士だったり、訴えられたのが羽生三冠だったりしたら、
全く同じ構造・状況であっても、今回と同じ対応を執ったとは思えませんからねえ・・・・

って、それにしても、処分した直後に「また来年から頑張って」と三浦九段に言ったり、
羽生三冠から私的に受け取ったメールの内容を、週刊誌へ勝手に漏らしてしまったり、
そして上記のように、表沙汰になればマズい渡辺竜王の発言まで公表してしまったりと、
島常務は一体何を考えて、このような言動を続けているんでしょ!?
いや、本当に何も考えないまま、発言しているだけなのかなぁ?(苦笑)
それを思うと、ただただ何も語らない谷川会長の方が、まだマシなのか???

> > 三浦九段が徹底抗戦で突き進むなら、もう裁判の場で白黒つけるしか無くなりますけど、
> > その判決で黒と出れば、三浦九段の棋士生命が終わるのは当然として、将棋界も大打撃ですし、
> > 白と出ても、三浦九段の疑いが完全に晴れる訳でもなければ、所属する将棋界も存亡の危機に陥ると。
> > だからと言って裁判まで行かなれば、無駄に騒ぎ立てて、事態を悪化させただけに終わります。

> 個人的には、今の状況では三浦九段は白の可能性が高いと思っています。
> 現在、三浦九段のスマホやPCを第三者の調査機関で調査しているところですが、
> 三浦九段の2回目の反論文を見るとおそらく黒の証拠は出ないでしょうね。

こちらも私は、第一報の段階から態度は変わらず、
「シロなら良いな」とは思ってますけど、その判断は「通信履歴の開示」次第だと思っています。
通信履歴を見て、対局時間のアクセスが記録されてなければ、私はシロだと見なしますし、
開示されないとなると、「クロの可能性もあるかな?」という思いは拭えません。

携帯会社が管理している通信履歴は、データを誤魔化す事が出来ませんし、
スマホの将棋ソフトの能力では、カンニングしても、その効果は限定的である以上、
遠隔操作にせよ、外部に協力者が居るにせよ、やはり通信の有無が焦点になると思います。
対局中の通信履歴があれば、仮にそれが不正目的では無くても、
「対局中は携帯の電源を切る」というルールが既にある以上、それで裁く分には問題ないかと?
ただ問題なのは、携帯会社によっては、利用者本人であっても通信履歴を開示しない所もあるらしく、
そうなると裁判に訴え、その証拠素材として開示請求するしか無い為、
もしも三浦九段が、そこまでする事に抵抗感を覚えた場合、開示には至らないと・・・・
こうなってしまえば、後はスマホやPCの解析次第になってきますかねえ?
ただその場合は、それがどの程度信用できるかの疑義が残るので、個人的にはスッキリはしません。

> 以前から連盟の稚拙さはいろいろ言われていましたが、
> 三浦九段を呼び出したときの会議を録音していない等、ここまで無能だとは思ってもいませんでした。

この文春の記事内容↓が事実だとしたら、稚拙も稚拙なんですよね(苦笑)。
> > > 実はこの常務会について、三浦九段は録音することを要求し、連盟側も了承した。
> > > ところが終了後、一度部屋を出た三浦九段は慌てた様子で戻ってきてこう言った。
> > > 「録音に失敗したので、もう一度最初から(会合を)やり直してください」
> > > 呆れたベテラン理事が「無茶を言うんじゃない」とたしなめたという。

とは言え、この記事自体も、三浦九段を小馬鹿にしようという意図が見え見えではありますが・・・・
注意して読まないと、録音を提言した三浦九段が、自らの失敗で録音をミスった印象を受けますけど、
具体的に三浦九段がミスしたとは書いてありませんし、常識的に考えれば連盟側がミスったんですよね?
自分で録音するなら「録音を要求」ではなく、「録音の許可を要求」になるでしょうし、
もし仮に、三浦九段が録音に失敗したのだとしたら、そんな機械オンチに遠隔操作なんて可能なのかと?

そもそも前号の遠隔操作の記事自体、その使い方を教えたかのような印象を与える内容でしたけど、
注意して読むと、「そういうソフトがある」という話を聞いた事だけが事実で、
三浦九段がパソコンに疎い事もあって、簡単な説明しかしてもらえなかったのが実際のようですしね。
って、先週号と今週号とで整合性が取れてない時点で、「面白ければOK」というスタンスなのは解ります。

> 今回の騒動について連盟は公式見解を全然出していませんが、
> そういった将棋ファンを軽視するような態度を取り続けるといずれはファンから見捨てられることは必定かと。
> スポンサーである新聞社ばかり目を向けて、肝心の将棋ファンが置き去りにされている状態が続いているように思えます。
> 将棋界がファンから信用を失う可能性が高いという危機なのに、連盟や棋士たちはこの事態をどう捉えているんでしょうかね。

連盟側は昨日、調査委員長に元検事総長を立てて、第三者委員会による調査を行うと発表しましたけど、
そこで調査されるのは、あくまで「出場停止処分の妥当性」という事を聞いてしまうと、
委員会が発足する前から、舛添前都知事の時の第三者委員会みたいになるイメージも・・・・
「第三者委員会の設置」とだけ聞けば、何だか一歩前進といった印象を受けますけど、
本当に重要なのは、今回のトラブルをどのようにして収束させるかであり、
それを行うには、まずは双方が飲める着地点を想定して、そこへ至る道筋を逆算すべきでしょうから、
元検事総長なんて大物を連れて来ても、それで事態が更に膠着化するようなら、全く意味が無いんですよね。
さ〜て、本当にこれから、どう転がっていくのやら・・・・
個人的には、このままズルズルと続いて年を越し、何にも解決しないまま自動的に復帰という可能性もある気が?

P.S.
実際に映像で見た訳では無いのですが、どうやら竜王戦の第2局で、
三浦九段の差し替えで挑戦者となった丸山九段が、勝勢になって迎えた終盤、
渡辺竜王が不正と訴えた「1手ごとに離席する」行動を取ったらしいですね(笑)。
第1局にしても、以前の渡辺×三浦戦の棋譜をなぞる様な事をしたそうですし、
なんかこう、トンデモない盤外戦術が行われている印象です(苦笑)。
単純に心理戦としてだけ考えれば、凄く面白い展開ですけど、
個人的には、盤外戦術にしても少し行き過ぎな気がして、そこまで愉快ではありませんが、
それを直接喰らってる渡辺竜王の心中は、本当に如何ばかりかと想像させられます。
ただでさえ将棋ファンの間からは、かなり厳しい批判を受ける状況になってますしねえ・・・・
でもまあ、それをやる方もやる方なら、それを平然と受ける方も受ける方で、
やはりプロ棋士っていうのは、いろんな意味で常人離れしていて凄いですよね。

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