[スレッド全体]

[20481] 歴史ゲームと歴史if話&「不屈の棋士」の続編?返信 削除
2016/11/4 (金) 19:32:42 徳翁導誉

▼ シミュレーション・ゲームの思考ルーチン
> > う〜ん、そのうち将棋ソフトとかも、とにかく強さを求める時代から、
> > 如何にプレイヤーを気分良くさせるかの時代へ、次第に移って行くのかなぁ?

> これは確かにその通りですねえ。
> 最近の信長の野望とかはよく知らないのですが、昔の信長の野望は
> コンピュータの思考に穴がいろいろあったからこそ、
> 弱小大名でもテクニックを駆使して天下を取れるという楽しみがありました。
> 信長の野望や三国志のような戦略シミュレーションゲームで
> コンピュータの思考が強くなりすぎてしまうとゲームとしてはつまらなくなってしまいますね。
> まさに、ゲームではプレイヤーの満足度を向上させるAIが求められてきそうですな。

私も同じく、最近の「信長の野望」や「三國志」は未プレーですけど、
少なくともプレーしていた段階のコーエー・ゲームは、
シリーズが進むごとにシステムは複雑化し、その事で逆に思考ルーチンは弱体化して、
それを補う為にコンピューター勢力をチート処理させた事で、プレイヤーを萎えさせてましたね。
(コンピューター大名だけ、兵数が急激に増えたり、兵糧が全然減らなかったりとか)

まあ、その新システムで別の面白さが加わってるなら、ゲームとして個人的にアリだと思いますけど、
戦略ゲームを望むPCユーザーは、Paradox社などの海外製ゲーム(洋ゲー)に流れたと思います。
(ただし洋ゲーはシビアなので、姉小路で天下獲りみたいな遊び方が出来ないモノも多いですが・笑)
って、そういうプレイヤー層はそもそも、「天下統一」の方が好きだったりしましたし、
信長の野望シリーズだと、第6作の「天翔記」(1994年発売)をNo.1に挙げる層ですから、
コーエー側から見ると、メイン・ターゲットからは離れた客層なんだと思います。

ちなみに、手応えある1人用の戦略ゲームを作ろうとした場合、
そういうプレーを好む層にとって、興醒めするチート処理は厳禁ですから、
強い思考ルーチンを作れるシステムを考えてから、ゲームを作る方法があります。
ここの自作ゲームですと、「どきどき南北戦争」がそんな感じの作りです。
http://www.geocities.jp/kingo_chuunagon/civil_war/civil_war.html
計算力がモノを言うシステムにすると、やはりコンピューターは強いですからねえ。
今回の○×ゲームにしても、絶対に負けさせてくれませんし(苦笑)。

▼ 真田丸と、大坂の陣
> > という事で、真田丸の撮影が終了したらしいです。
> > 今回のメンツなら、今度こそ大坂方が勝てそうかなぁ?(笑)
> > ・・・って、そんな冗談を言ってるくらいなら、
> > 無意味な○×ゲームなど作ってないで、こっちのゲームを作れって話ですけどね。
> > ゲーム上であれば、それこそ作中の昌幸の策だって、実現する事が可能ですし。

> いやはや、今週の「軍議」は面白かったですね。

はい、大坂の陣が好きな私としても、かなりテンションが上がった回でした!!
おかげで今週は、大坂の陣のゲーム案とか、ちょっと考えちゃいましたしね(笑)。

> たしかにあの浪人5人衆なら結構やってくれそうですが、
> 最後の最後に淀君というどんでん返しが待っていました。

この返信を読んで閃きましたけど、今までは「豊臣vs.徳川」のゲーム案しか考えてませんが、
プレイヤーは秀頼となり、淀殿の干渉や、牢人衆の独断専行を制御しつつ、
どれだけ大坂城の命脈を長く保つ続けられるか?というゲームも、結構面白そうですね。
また多人数ゲームであれば、5人のプレイヤーが牢人5人衆をそれぞれ担当して、
誰が一番「功名」を挙げられるかを競うゲームにするのも、意外に面白いと思います。
互いに功名心に走り過ぎると、却って大坂城の落城を早めたりもするでしょうし(笑)、
寄騎として与えられる武将なども、当たり外れがあるので、その点も展開を面白くするかと?

> まあ信繁の提案通りに打って出た場合でも、相手は野戦で百戦錬磨の家康のこと、一旦は京から脱出して
> その後に返り討ちにあっていたような気がしますが。

まあ現実的に見た場合、十数年の不遇を囲い、失う物など何も無い浪人たちの方が、
平和を享受していた藩士たちに比べて、戦意は高かったでしょうけど、そこはやはり烏合の衆。
大規模な作戦行動を実行する事自体、かなり困難だったと思います・・・・
実際、冬の陣を経た後の夏の陣でさえ、大坂近郊での行軍にも難渋してますからねえ。
その点、戦意の面では劣っても、組織として出来上がっている藩士たちの方が得意だったかと。
この辺の違いを表現できれば、ゲームとしても面白いかな?と考えていました。

でも一方で、籠城側に待つべき援軍が存在せず、攻城側に背後を襲われる可能性が無い場合、
籠城策を採用しても、ジリ貧になって行くのは、目に見えているのも事実だと・・・・
家康の寿命が尽きるのを期待して、籠城戦に徹するのも他力本願すぎますし(実際失敗)、
かと言って、打って出るのもあまりに博打すぎて、こちらも成功は望み薄。
う〜ん、そうなると本当、どちらにしても手詰まりなんですよね。
逆に言うと、晩年を迎えても尚、周到な計画を進め得た家康の凄さが見えてきます。
だからこそ、豊臣勝利のシナリオを描く場合、家康の死or病臥を計算に入れて、
出来るだけ長期戦に持ち込むのが一番なんですけど、
その為には、単に大坂城へ籠るだけでなく、畿内の制圧して要塞化するのが理想でしたし、
少なくとも、瀬田と宇治の橋を焼き払い、大和郡山城を落とすくらい、出来れば良かったかと。

▼ 仮想歴史if小説
> > 「もしも現代まで大日本帝国や満州国が存続していたら?」というif設定は、なかなか奥が深いですよね?
> > でもまあ個人的には、「もしも日露戦争でロシアが勝利していたら?」というif設定の方が、
> > 前者よりも更に東アジア情勢が混沌としてそうで、妄想のネタとしては好みだったりします(笑)。
> > って、この辺の時代はまさに激動なので、格好のifネタは幾らでも転がっていますが。
> > (幕藩体制が存続したまま、激動の近代に突入していたら?というifとかも、妄想を掻き立てます)

> ほんと、このあたりはいろいろなifのストーリーができそうですし、
> 本屋には第二次世界大戦前後の歴史ifの小説とかがいろいろあって
> 私も檜山良昭とか一時期はまっていたころがありました。

「ご無沙汰な創作活動×長文癖の再発=仮想歴史if小説の執筆?」
なんて公式が、突如として思い浮かびました(笑)。
まあ流石に、今更いきなり小説を書くとかは無理でしょうけど、
if設定のお題を決めて、仮想年表を作るくらいであれば、手軽な遊びとして面白いかも?
その仮想年表を元に、妄想地図とか作るのも少し楽しそうですし。

> 今でも印象に残っているのが1989年発刊の「大逆転!太平洋戦争を阻止せよ」という本でして、
> この本の中では主人公が第二次世界大戦前の日本の首相に就いて
> 太平洋戦争を回避するというシミュレーションゲームに挑戦するのですが、
> 現在のリベラルな思考で1回目に挑戦するとすぐに陸軍に暗殺されてゲームオーバーになるという、
> なかなか刺激的な本でした。
> 今はやりのVRもいち早く取り入れていますし(笑)。
> 2000年代に入ってまどマギを始めとするいわゆる「ループ系」のアニメやラノベが人気ですが、
> この本は隠れた「ループ系」の名作だと思います。

題名が「新・大逆転」となってますけど、これで合ってますよねえ?
https://www.amazon.co.jp/dp/4334028039
さっき検索してみた所、市の図書館に1冊だけ蔵書があるみたいなんですが、
(長年探してた絶版本が、図書館には結構あるのを知って以降、利用頻度が急増しました・笑)
私はほぼ仮想戦記を読まないんですけど、それを差し引いてもオススメの作品でしょうか?
もしそうでしたら、今度機会があった時にでも、読んでみたいと思いますけど。

それにしても、これは単純に1つのゲーム案として考えても、結構面白そうですよね?
世界大戦を題材としたゲームだと、どうしても軍事方面のモノばかりとなりますが、
大坂の陣のゲーム話と同じく、軍部をゲーム上の障害勢力として登場させれば、
外交や内政だけのゲームでも、十分に成り立つと思うんです。
・・・って、これは、1人用ゲームで考えた事のある 幕府や王朝の存続を目指すゲーム案や、
多人数ゲームだと、WW2オンラインの5大臣分割案に通ずる所があるかも?
ちなみに5大臣分割案とは、1国を総理兼内務・大蔵・外務・陸軍・海軍のプレイヤー5名に分け、
国益より省益を勝利ポイントとする事で、外患だけでなく、内憂もリアルに表現するアイデアでした。
(日米英独蘇の5ヶ国に絞っても、真剣なプレイヤーが25人必要となる為、結局は企画倒れで終了)

でも、今回の話で思い付いたのですが、
相手国もプレイヤーにしようとするから、人数的に無理が生じる訳で、
例えばプレイヤーを日本の5大臣に限定して、他国の行動はイベントとして登場させる形なら、
多人数ゲームとしても、無理のない形に収まるんじゃないですかねえ?
陸軍大臣が勝手に武力衝突を起こして、ようやく停戦協定を結んだ外務大臣が頭を抱えたり、
大蔵大臣と外務大臣にタッグを組まれて、海軍の戦艦建造が中止に追い込まれたりと、
要するに、外患の方は今までのゲームに任せて、内憂に専念するゲームにするって事ですね。
大日本帝国が滅亡しようが、省益ポイントを一番多く獲得できたプレイヤーの勝利です(笑)。
(現代を舞台に、各国の扇動政治家となって、票集めの為に世界情勢を混乱させるゲームは悪趣味かな?)
あとはゲーム要素を強める為に、10年を1ターンとして1870年代から1940年代までを扱い、
ターンごとに世界情勢を変えて、プレイヤーが担当する大臣職も変わるのも、意外と面白いかと。

▼ 私がハマったアニメ
> > まあ結局、それを公表する事も無かったですし、今となっては20位前後から記憶も曖昧ですけど、
> > 私が中学以降にハマったTVアニメのランキングを、30位まで思い出しつつ書き出してみます。
> >  1位 アレクサンダー戦記(全13話 1999年)
> >  2位 銀魂(現在316話&映画1本 2006-2010年/2011-2012年/2012-2013年/2015-2016年/続編予定)
> >  3位 佐武と市 捕物控(全52話 1968-1969年)  ※白黒作品※
> >  4位 おじゃる丸(現在1580話超 1998年-放送中)  ※特に初期作※
> >  5位 カウボーイビバップ(全26話&映画1本 1998-1999年)
> >  6位 攻殻機動隊 S.A.C.シリーズ(全52話&長編1話 2002-2003年/2004-2005年/2006年)
> >  7位 新世紀エヴァンゲリオン(全26話&映画1本 1995-1996年)
> >  8位 魔法少女まどかマギカ(全12話&映画1本 2011年)
> >  9位 コードギアス 反逆のルルーシュ(全50話 2006-2007年/2008年)
> >  10位 serial experiments lain(全13話 1998年)

> 1位〜30位を興味深く見させていただきました。
> 全然知らなかったもの(アレクサンダー戦記、カウボーイビバップ)、
> 名前だけは聞いたことがあるもの(おじゃる丸)等、いろいろありますね。

まあ、アレクサンダー戦記はWOWOW放送のアニメでしたからね。
ただ、ご存知ないという事でしたら、「カウボーイビバップ」は普通にオススメですよ。
前回も少し書きましたけども、このTOP10の中だと、
気兼ね無く誰にでも薦められるアニメは、この作品くらいです(笑)。
マトリックスで主役を務めたキアヌ・リーブスも、カウボーイビバップのファンで、
自身を主演にハリウッド映画化すべく、資金集めに奔走し続けている程ですから。
って、そう言えば、アニメの話題に脱線したのも、このマトリックスがキッカケでしたね(笑)。

> 印象としては、漫画が原作のアニメが多いような気がしました。
> 1位〜30位で挙がっているもので原作が漫画であるものは
> だいたいその原作の漫画を読んでいるのですが、私の場合はこういうケースはアニメは見ないんですよね。

いや、自分で言うのも何ですけど、マンガ&ラノベ原作付きのアニメが多い状況の中で、
オリジナル原作の作品や、原作付きでもシナリオがオリジナルな作品が、かなり多い方ではないかと?
TOP10だと、6本がオリジナル作品で、3本が原作付きでも別物な作品で、
原作マンガをそのままアニメ化している作品は、この中では銀魂くらいだと思います。
そして、この銀魂に関しても、「アニメが完成版」と言われるくらいに出来が良いと(笑)。

まあ正直な所、原作マンガを読んでる作品は、私もマンガ支持の作品が多いです。
それは当然と言えば当然の話で、アニメ化されるくらいのマンガは基本的に面白い訳であり、
そしてマンガとアニメではフォーマットが異なる以上、原作の魅力を全て出せる訳ではありません。
しかし一方でアニメは、色が付いて、音も付いて、キャラが動いて、しゃべる。
それは確実に、マンガでは得られない、アニメ化される事で生まれるプラス要素ですからねえ。
このプラス要素をふんだんに活かした上で、原作の魅力も出来うる限り損なわないよう努力し、
更には原作の欠点や不足箇所が修正されたりすると、時に原作を超えるアニメも生まれます。
超えるという表現がアレでしたら、アニメ化により新しい価値を生み出したとでも言いましょうか?
ともかく、マンガ原作でTOP30に入ってる作品の半分くらいは、こうしたアニメ作品ですね。
(残りの半分は、原作が未読だったり、原作には劣っても面白い作品って感じです)

> ちなみに最近読んだ漫画では「僕だけがいない街」が面白かったです。これも確かアニメ化されているはず
私は未見ですけど、アニメ化もされてますし、実写映画化もされてますね。


▼ ゴタゴタの最中でも、竜王戦は進む
> > 実際に映像で見た訳では無いのですが、どうやら竜王戦の第2局で、
> > 三浦九段の差し替えで挑戦者となった丸山九段が、勝勢になって迎えた終盤、
> > 渡辺竜王が不正と訴えた「1手ごとに離席する」行動を取ったらしいですね(笑)。
> > 第1局にしても、以前の渡辺×三浦戦の棋譜をなぞる様な事をしたそうですし、
> > なんかこう、トンデモない盤外戦術が行われている印象です(苦笑)。

> ははは、丸山九段と渡辺竜王は過去にも「質問三羽烏」の因縁がありますからね(笑)。
> http://kishikawa.doorblog.jp/archives/31237270.html
> この「質問三羽烏」の因縁が今の三浦九段の件にもつながっているわけで・・・
> まあ竜王戦の丸山九段は全てが故意ではないとは思いますが、
> それでもこの微妙な情勢のときに思い切ったことをやってきますね。

まあ恐らく、今回の件への抗議と、個人的な因縁と、今後への盤外戦術と、
その3つの意味が含まれた行動ではあるんでしょうけどね(笑)。
これで竜王戦の7番勝負は、第2局を終えて、1勝1敗のタイに。
現在継続中のゴタゴタもあり、今回の竜王戦は関心を持てないという意見も多いですが、
個人的には逆に却って、その発端となったタイトルの行方が気になるようになりました。
元々は渡辺優位の下馬評でしたけど、さすがに今の状況だと、普通には指せないでしょうし。

▼ 叡王戦では、前代未聞の事態が発生
叡王戦の準々決勝、開始時刻を勘違いした久保九段が遅刻で不戦敗となり、
更には、そのニコニコ動画のネット中継で公開謝罪って、前代未聞じゃないですか!?
まあ、お堅いスポンサーではないので、笑い話で済まされるでしょうけど、
だからこそ却って、これから久保九段はニコ動の無茶な企画に付き合わされそうな気が・・・・
こんな大失態を犯してしまった以上、そう簡単には依頼を断れないでしょうから(苦笑)。

この結果、不戦勝で勝ち上がった豊島七段が、準決勝で千田五段とぶつかる事となり、
ほのぼのさん的にも、望んでいた展開になってきましたね。
そして、もう一方の準決勝は、佐藤名人と竜王戦挑戦中の久保九段との勝者を、
既にベスト4へと駒を進めた羽生三冠が待ち受ける状況と、こちらもこちらで熱い展開に。
初めは「誰がponanzaと戦うのかな?」という、電王戦の予選という側面で見てましたけど、
いや〜、棋戦自体としても、なかなか面白い展開になって来ましたよね?!
このメンツであれば、誰が勝ち上がっても、電王戦は面白い一戦になりそうですし。

▼ 第三者委員会の設置と、事態収拾への道
> > 「第三者委員会の設置」とだけ聞けば、何だか一歩前進といった印象を受けますけど、
> > 本当に重要なのは、今回のトラブルをどのようにして収束させるかであり、
> > それを行うには、まずは双方が飲める着地点を想定して、そこへ至る道筋を逆算すべきでしょうから、
> > 元検事総長なんて大物を連れて来ても、それで事態が更に膠着化するようなら、全く意味が無いんですよね。
> > さ〜て、本当にこれから、どう転がっていくのやら・・・・

今回の「第三者委員会の設置」ですけど、どうやら連盟側から自主的に動いた訳ではなく、
棋士たちへの臨時説明会で、羽生さんに提案された事を受けての、受身的な設置だったんですね。
それはそれで連盟組織として考えると、実に情けない事ではあるのですが(笑)、
しかしその一方で、連盟側が「先に結論ありき」で設置するのでなければ、
この状況を打開する道が、かすかに見えてきたような気もします・・・・

要するに、今回の件で最も問題だったのは「連盟が勇み足に処分を下した」事にあり、
自分たちで下した処分を、自分たちで取り消すのは、組織の体面的に不可能という所にあります。
しかし、設置した第三者委員会が「処分は拙速だった」という見解を出してくれれば、
その意見を聞き入れる形を採って、連盟側は処分の取り消しを行う事も可能となります。
もちろん、自分たちが下した処分を正当化する為に、第三者委員会を設置するのであれば、
事態は解決どころか更なる泥沼にハマるのですが、今回は御聖断による設置らしいですからねえ(笑)。
必ずしも、この方向で進むとは限りませんけど、少なくとも、これで退却路は確保されたと思います。
第三者委員会なんて結局、依頼主の意に沿った結論しか、基本的には出さないものですし、
あとは連盟側が、事を収める為に、ほんの少しの勇気を持てるか否かですよね・・・・

連盟は委員会の意見を聞き入れる格好であれば、謝罪を伴わなくても、処分を撤回できますし、
常務会メンバーが減給くらいの責任を負う事で、とりあえずの体面は確保できると思います。
そして三浦九段としても、連盟が処分を撤回する事で、ある程度の名誉回復は叶うでしょうし、
謹慎期間中の不戦敗を対局延期扱いで再戦とすれば、結果はどうあれ、成績面の回復も可能です。
ただ竜王戦の挑戦権に関しては、いまさら丸山九段から取り上げるのは困難でしょうから、
来期竜王戦の挑戦者決定三番勝負へのシード権を、三浦九段に与えるくらいが落とし所ですかねえ?
本来は金銭補償もすべきだと思いますが、将棋界だと、一切考慮せず終わる可能性が一番高そう?
まあ感情論だけで言うなら、渡辺竜王の道義上の責任は大きいと思いますので、
仮にタイトルを防衛した場合には、竜王位を返上させた上で一旦空位とし(渡辺竜王も予選から)、
来期の竜王戦は、予選を勝ち上がった挑戦者と、三浦九段との七番勝負で良い気はします。
しかし現実的に考えると、とにかく今回の混乱を収拾する事を最優先にするのであれば、
渡辺竜王を始めとした告発者たちには、お灸を据えた上で、不問に付すのが無難な所かと・・・・
個人的にはこれが、将棋連盟・三浦九段・渡辺竜王の三者の、傷が最も少ない落とし所だと思います。
ですので、いま一番の注目は、委員会がどんな結論を出すか(=連盟が収拾を最優先するか)ですね。
そうなると、今回の一件もしばらくは、進展なしで静観の状態が続くのかな?

あと最後に、文春砲って結局、あの2発で打ち止めなんですかねえ?
もしそうなら、そのまま竜王戦をやってた方が、ずっとマシだったように思えます・・・・
まあ勿論、もしも渡辺竜王による独占告白の記事が、そのまま変わらず載っていれば、
竜王戦の最中に、竜王が挑戦者をソフト不正使用で告発する訳ですから、
それはそれで、今とは全く別の大騒ぎになっていた可能性はありますけどね(笑)。

▼ 将棋界における羽生さんの存在感
それにしても、文春記事の即時訂正といい、第三者委員会の設置提案といい、
通常はトラブルに巻き込まれないよう距離を取ってる羽生さんですが、
将棋界がピンチに陥ると、本当に急所急所で的確な一手を指してきますよねえ(笑)。
まあ、この羽生提案による「助け舟」に、連盟側が乗るかは未だ判りませんけど、
そもそも羽生訂正が入らなければ、文春記事が既成事実化していた可能性が高かったでしょうし、
だからこそ、あの1発目の文春砲に触れた時は、私としても衝撃の度合いが大きかったです。

それまでの連盟側の対応から、恐らく「物証」は持ってないだろうと見ていたので、
物証が無いとなると、次の判断基準は「心証」の勝負になってきます。
(混乱の継続を嫌い、心証だけで死刑判決まで出す社会風土は、日本文化の負の側面だと思いますがね)
そして心証の勝負となった場合、物証が無くても連盟側が勝てる方策として、
三浦九段を擁護する棋士を1人も出させず、数名の有力棋士に連盟側の主張を援護させれば、
裁判でも、証拠として「プロ棋士の感」が通っていた可能性がありますし、
少なくとも将棋界ではファンを含めて、「クロ認定」で通っていたはずです(本当はシロであっても)。
で、その中でも羽生さんというのは、将棋界は勿論、世間的にも特別な存在ですから、
三浦九段を擁護すればシロ、連盟側を援護すればクロと、その言動は心証を左右させると思いますし、
だからこそ、羽生さん本人もそれを自覚して、一切の言動を取らない可能性が高いだろうと見ていました。
ですから、あの文春記事で、極秘会議に羽生さんが招集され、その事実がリークされると共に、
「限りなく黒に近い灰色」という私的メールの一文まで公開された時には、「勝負あり」と思うと同時に、
渡辺竜王という第一人者が、こういう強引な手法で今回の件を主導した事を知り、凄く不快にもなりました。
あの段階で、思い切って「暴走」と評したのも、こうした心情が背景にあった為ですね。

以前、「疑わしきは罰する」という方針のもと、携帯履歴や入金履歴などから
物証を得られなかった力士も一斉に追放した、相撲界の八百長事件の例を話しましたけど、
日本人力士は全員が泣き寝入りする中、蒼国来と星風の2人のモンゴル人力士は裁判に訴えます。
その結果、蒼国来は勝訴して土俵に復帰しましたが、星風は敗訴してそのまま引退・・・・
この2人の結末を分けたのは、親方が共に相撲協会と戦ってくれたか否かの違いだけでした。
親方が自分の弟子を信じ、協会を敵に回して一緒に戦い、部屋の力士たちもサポートする姿に、
多くの相撲ファンを動かされ、2万人超の嘆願署名が集まり、それが勝訴に至る心証となりました!!
って、これはこれで美談だと思いますけど、それで判決が分かれるのは、やはりおかしな話ですよね?
しかしそうは言っても、これが日本社会の現実である以上、三浦九段が窮地を脱するには、
相撲界と将棋界とでは、師弟や同門の関係性が大きく異なる事は承知してますけど、
それでもやはり、棋士仲間からの援護射撃が必要不可欠だと考えていたんです。
ですが実際に起きたのは、週刊誌のリーク情報とは言え、羽生三冠からの実質クロ判定だったと・・・・

いや本当、もしも「疑わしきは罰せず」という訂正発言が、その直後に無かったとしたら、
恐らくはクロ認定で固まり、今とは明らかに異なる状況になっていたと思います。
そうなれば、仮に3ヶ月の謹慎期間が明けても、三浦九段の復帰は現実的に困難だったかと?
そういう意味では、普段は「君子 危うきに近寄らず」を地で行く感じの羽生さんも、
本当に必要な際は行動を起こす姿勢に、改めて感じ入りました(ボビー・フィッシャーの時もそうでしたね)。
って、何かこう書いていると、キチンと歴史にケジメをつけて、将棋界が次の段階へ進む為にも、
ここはもう一肌脱いでもらって、電王戦は「羽生vs.ponanza」の一戦が見たくなってしまいます(笑)。
そして理想的な展開を言えば、2番勝負が1勝1敗で終わるのがベストですかねえ?
世間的には「羽生が負けた!!」となりますし、将棋ファン的には「羽生が勝った!!」となりますので。

▼ 「不屈の棋士」の続編?
既に御存知かも知れませんが、先日発売された本を紹介しておきます。

別冊宝島『将棋「名勝負」伝説 〜将棋界を支配する「人工知能」の猛威を徹底検証〜』
https://www.amazon.co.jp/dp/4800263506/

まあムック本ですので、将棋世界みたいに、お堅い中身では無いのですが、
特集の棋士インタビュー2本は、渡辺竜王に千田五段と、何ともタイムリーな顔触れに(笑)。
もちろん時期的に、記事自体は今回の三浦九段の一件が起きる前に書かれたモノですけど、
渡辺竜王に関しては、聞き手が例の記事を書いた週刊文春の記者でして、
しかも話題は、将棋ソフトや、将来の会長就任、挑戦者の三浦九段などに及び、
まさに、タイミングが良いんだか?悪いんだか?・・・といった感じの内容です(苦笑)。

そして千田五段の方は、聞き手が「不屈の棋士」の著者という事もあって、
そのインタビュー内容は、ほとんど本の続編みたいな感じになってましたね。
本での取材後、千田五段はNHK杯で準優勝し、更には叡王戦のponanza対策担当を務めた事で、
今回の記事自体は十数ページ程でしたが、内容的には前回よりも更に1歩踏み込んだ印象。
もし未読のようでしたら、千田五段のインタビュー記事だけでも一読の価値アリかと。

[▼次のスレッド]
INCM/CMT
Cyclamen v3.72