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[20892] 食糧問題&市場原理に関して返信 削除
2017/3/2 (木) 23:52:59 徳翁導誉

> > > ・中国などの消費国の国内農業値の改善と難民などによる農業値低下の緩和
> > あれは今後深刻化するであろう食糧問題を表現しているので・・・・
> > 「ゲームを通して世界を知ろう」というのが、あのゲームのコンセプトである以上、
> > ゲーム的な事情でそれを緩和しては、本末転倒になってしまいます(苦笑)。
> > でもまあ、現状のシステムだと、そうした問題が理解し難いとなれば、
> > 元々あったゲーム案に戻して、食肉需要や代替エネルギーの事を表現しても良いかも?
> > (データ項目が多いと解り難いかと思い、穀物と食肉を食料として後から一括)

> この辺の事情も私知ってるつもりですよ。赤い嵐が始まったとき私いましたからね!
> ただ現状を鑑みると、少しシビアに設定しすぎているのではないかと感じてます。
> 中国の暴走をもう何度も見てますのでちょっと萎えてきたかなというのが正直な感想ですし、
> 今回は皆さんがそうだと思うんですよね(特に全体の総意というわけではありません)。
> > 食肉需要や代替エネルギーの事
> これがどんなものか分かりません!

「食糧問題」と言うと、「人口増加で食料が足りなくなる」みたいなイメージを持たれがちですが、
実はそうした単純なこと以上に、グローバルな社会における消費システムの話なんですよね。

例えば1kgの食肉を得ようとした場合、その飼育の為に消費される穀物は、
鶏肉なら4kg・豚肉なら7kg・牛肉なら11kgくらいだと言われています。
要するに、鶏であれ豚であれ牛であれ、人間が肉を食べるという行為は、
人間がそのまま穀物を食べるよりも、ずっと多くの穀物を消費している訳です。
そして農家としても、貧困層に食糧として穀物を提供するより、
富裕層の食肉用に穀物を提供する方が儲かるとなれば、当然そちらに作物を売却します。
あくまで理論上だけの話ですけど、アメリカ人が牛肉消費量を2割減らして、
その分の穀物が飢えた人たちに渡れば、地球上から餓死者は居なくなるなんて試算もありますが、
「餓死者を減らす為に、自分たちは肉食を少し我慢しよう」とは、現実的にはなりません。

そして更に穀物の争奪戦は、人間の食糧と、食肉用の飼料だけでなく、
「バイオ燃料」の原料という競争相手も出てきましたからねえ・・・・
石油というのは、地球が長い年月をかけて、太古の植物を燃料に変えたモノですから、
その工程を人の手で行えば、コストは掛かりますけど、畑から燃料を収穫する事も可能なんです。
現状では、原油価格の変動に応じて、一進一退を繰り返しているバイオ燃料ですが、
それでも長い目で見れば、普及の方向に進んでいるとは思います(核融合でも出来れば別ですけど)。
安定供給が可能なのは強みですし、何だかんだで少しずつ設備投資も進んでますので、
石油市場を脅かす程までは行かなくても、食糧問題に影響を与えるくらいの存在にはなろうかと?

で、現在問題となりつつあるのが、アジアの経済発展に伴う食肉消費量の急増なんですよね。
もちろん、その代表格は中国なのですが、東南アジアや南アジアでもその傾向は見られます。
まあインドに関しては、ヒンズー教の影響もあるので、牛肉消費の増加は限定的ですが、
それでも全世界の人口の半数を抱えるアジア東部(東・東南・南)で、
今まではあまり無かった食肉需要が膨張しており、世界の穀物流通も変わって来つつあります。

しかし、これが赤い嵐のゲーム上の話になると、
元々が第二次大戦時の世界観を表した「WW2オンライン」から始まっているので、
国家主導で供給を行う基本システムのままでは、今の世界のような「市場原理」が働き難くく、
世界各地で食糧を買い漁ってる「リアルな中国」の現状と苦労を、上手く表現できて無いんですよね。
そして結局、輸入は現実社会よりも難しいけれど、消費の急増は再現されているので、
プレイヤーがうまく立ち回らないと、どうしても手詰まりになるケースが増えると・・・・
ただ、だからと言って、生産量そのものを安易に増やしてしまっては、本題から外れてしまいますし、
やはり行うのであれば、システムの方を、リアルからゲームへと投影するのが理想だと思います。
具体的には、供給中心から需要中心への変更(関税次第で供給重視も可)したり、
更に進めるのであれば、国家プレーから企業プレーへの変更をしたりでしょうね。
特に企業プレーであれば、中国は「暴走の危険を孕む国家」から「超巨大な市場」に変わりますので。

> > > ・できれば。交易を全世界規模でできるようにする。
> > > 例えば、イギリスからインドネシアまでの貿易は事実上、諦めているので距離上の問題だけでも解決してほしい
> > > →解決法としては商都を二つ指定できるようにするなどの解決策があります。
> > > 特に領土が大きい国はひとつじゃ厳しいのではないかと思います。ロシア、アメリカなど

> > この点に関しては、「中継貿易」という事を、もう少し意識してもらい部分はありつつ、
> > それを促進させるには、解り易い仕様に変更する必要もあるのかな?と考えていたり・・・・
> > まあ、この辺を本格的に表現しようとした場合、
> > 物資は国家単位で一括管理ではなく、エリア単位での分割管理に移行させ、
> > 供給視点から需要視点へ変更(統制経済から自由市場へ)させるべきかも知れませんね。
> > (と言うか、こちらも本来のゲーム案はそんな感じでしたが、こちらもデータ削減で現状の仕様に)

> これも想像できてません!

まず最初に、物資を「国家単位の一括管理」から「エリア単位の分割管理」へと言うのは、
例えば食糧であれば、現状のシステムだとアメリカ国民は、
ロサンゼルス市民やシカゴ市民も、首都ワシントンに貯蓄された食糧を消費するイメージですが、
これを変更して、ロサンゼルス市民はロサンゼルスに貯蓄された食糧を消費するイメージですね。
(完全にエリア管理だとプレイヤー負担が多くなるので、隣接都市からの補給もアリ)
そして現状だと、貿易をするには商都ニューヨークに食糧を輸送しなければなりませんが、
管理をエリア単位にする事で、各都市から各都市へ輸送を行う事が出来るようになると。
つまり、東京からロサンゼルスに食糧を送るのであれば、太平洋を渡るだけで良いですし、
これなら本国から遠く離れた飛び地なども、貿易中継地としての有効度も上がる訳です。

続いて、「供給視点から需要視点へ」というのは、
例えば現状だと、中国国民が消費する物資は、中国国家の貯蓄物資からのみ消費されますが、
ここへ更に、中国国内の「日本の貯蓄物資」や「アメリカの貯蓄物資」なども加えます。
上述のエリア管理であれば、各都市ごとに各国の物資倉庫があるイメージでしょうか?
(初期にあった「各都市の特権国」設定というのは、実はこの雛形に近い感じのモノでした)
そして中国国民は、物資の値段や品質に応じて、需要分に相当する物資を消費すると。
まあ簡単に言えば、国産品や各国から輸入品の概念が出来る訳ですね。
なので、現状では消費された物資量に応じて、その国に収益が入るようなシステムですが、
このシステムですと当然ながら、物資が売れた量に応じて、各国に収益が分配されます。
こちらも簡単に言い換えれば、貿易赤字や貿易黒字みたいな感じです。
こうする事で、人件費・輸送費・関税費などを、よりリアルに体現できるようになると思います。

また、解り易さ重視で纏めてしまった物資項目の復活(再分割)ですが、
例えば現状ですと、石油は油田から産出させれば、そのまま燃料として使える仕様ですけど、
原案では、産出した原油を「精製」しなければ、燃料としては使えない仕様でした。
こうして段階が1つ増えると、産油国でも先進度の低い途上国であれば、
精製コンビナートの建設を先進国に頼んだり、原油を他国へ輸出したりとなります。
もちろん手間は増えるのですが、経済ゲームとしては、こちらの方が面白いかも?
前述の食糧に関しても、現状の「食料」から、穀物と食肉に再分割させれば、
食肉を生産するのに穀物を消費しますし、穀物から燃料を生産する事もできるので、
従来どおり、食べるための穀物輸出だけでなく、穀物を食肉や燃料に変換する事も可能と。
現状は一纏めになってる「製品」も、例えばそこから「衣服」を分離させ、
「綿花→生地→衣服」という工程を表現すれば、諸条件に応じた各国の得意分野も分かれると。

でもまあ、これをいきなり現代版でやると、要素も多過ぎて理解し難いでしょうから、
まずは大航海時代や帝国主義時代などで、物資を絞った方が解り易いかも?とは考えています。
例えばこれなら、欧州からアフリカへ武器を輸出して部族間の戦争を激化させ、
そこで生じた戦争捕虜を奴隷としてアメリカ新大陸に輸出して強制労働に従事させ、
新大陸で生産された農作物を欧州へ輸出するという、「大西洋三角貿易」も表現できますし、
植民地インドで綿花を大量生産して、それを産業革命の起きたイギリス本国で加工し、
その海軍力によって市場を開拓すると共に、商品を世界で売り捌き、
貿易赤字になればアヘンを輸出という、「大英帝国プレー」も可能になります(笑)。
それに近世や近代が舞台であれば、いま現在ほど商工業が複雑化してませんので、
かなりシンプルに、こうした世界観を表現できそうですからねえ。

ちなみに、これらの時代で企業プレーを行う場合には、
各プレイヤーは「東インド会社」のオーナーになるようなイメージでしょうか?
所属する国の王から特許状を得る事で、その国の植民地を開発したり、
時には武力を用いて所属国の植民地を広げたり、遠方で新たな市場を開拓したり、
同国所属の会社と権力争いをしたり、他国の商船を襲ったり、辺境国の内戦に介入したり。
・・・って、大航海時代と帝国主義時代の間に存在する
こうした時代には、世界史的に何か適当な名称があるんですかねえ?
一応、PC内ファイルの戦場名では「英蘭戦争」と仮称してありますが・・・・

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