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[21312] 中国史の名将や名臣たち返信 削除
2017/9/15 (金) 19:54:15 徳翁導誉

> > 後漢時代の県数って、確か1200くらいしか無かったような・・・・
> > なので3000マスともなると、全て載せても大幅に余ると思いますよ。

> 南方は県都だけだとスカスカなのは確かなので、
> 周辺の地名が分からない場所などは例えば「□□城東部」とかいった表現になります。
> 中原の密度に合わせることを考えるとこのくらいのマスにしたいのです。

でもまあ逆説的に考えると、都市が密集せずスカスカな地域というのは、
地形の影響によって、多くの人口を養えなかったり、支配が及ばなかったりって事ですからねえ。
そう考えれば、そうした地域は無理してマスを埋めようとせずに、
敢えて空白にする事により、山脈などの地形効果を表してみるのも、1つの方法かも?

> > あと、中国本家のサイトを覗いてみたら、画質は荒いですけど、
> > 「中国歴史地図集」のサンプル地図が豊富に掲載されていたので、ついでに貼っておきます。
> > http://www.guoxue123.com/other/map/zgmap/index.htm
> > 第2冊の3が後漢(中国では東漢と表記)、第3冊の1が三国志の地図ですね。

> これは良さそうです!
> 欲しい地域が網羅されているかはまだ確認していませんが、見た感じ詳細度は求めていたものズバリです。
> 現在の地名も表記してあり比較しやすいという、願ったりかなったりです。
> これがあれば、地図を自作する必要はなくなりますね。ゲーム用にそのまま落とし込めます。
> 本当にありがとうございます!

お役に立ちそうであれば、良かったです。
ただ、値段の事もありますけど、それ以上に大変そうなのは、
中国で出版された本を、日本の「書店で買う」というのが、なかなか難しい事ですよね?
神保町まで行けば、東方書店や内山書店など、中国語の書籍を専門的に扱う書店はありますけど、
それ以外の所で、中国で発行された本を売ってる店を、私は見た事がありませんし・・・・

> > 燕に興味アリとの事でしたら尚更、宮城谷作品の「楽毅」はオススメですよ(笑)。
> 楽毅の業績自体は知っているので、正直改めて小説として読む意欲があまり起きません…。

なるほど、その人物を知る目的で歴史小説を読むのであれば、
既に知っている人物の作品は、確かに、あまり読書意欲が湧かないかも知れませんね。

> でも、戦国七雄だと燕が一番好きなのは楽毅の存在が大きく貢献していると思います。
> (燕でいうと郭隗の業績が大きいと思いますが楽毅のインパクトが強い)

「まずは隗より始めよ」の郭隗ですね(笑)。
こうした文官エピソードがお気に入りという事であれば、
唐代の「貞観政要」と、宋代の「名臣言行録」がオススメですね。
両方とも歴史的な名著ですので、既にご存知かも知れませんが、
多くの名臣を輩出した両王朝の、文官エピソードをまとめた2冊です。
中国古典の翻訳本として、昔から何冊か出版されてますけど、
一昨年、ちくま学芸文庫から抄訳版が出版されて、より手にしやすくなったかと?

> 楚漢戦争期の韓信(淮陰侯とか言われるほう)と戦国末期の楽毅は印象に大きく残ります。
> 別の時代にもそれぞれこういった怪物な人材はいると思いますが、
> 知っている時代だとこの2名が凄く大きく見えます。

楚漢の時代ですと、やはりNo.1は韓信でしょうねえ。
と言いますか、中国史上で見ても、韓信は一二を争う名将だと思います。
かなり昔ですけど、ネットの雑談で「世界史の名将ランキング」を考えた時に、
個人的に5つの項目をもうけて、各将を採点した事があったのですが、
中国史からトップ10入りしたのが、韓信(楚漢)と李靖(唐初)の2人でしたので。

一方で、楽毅の方は・・・確かに名将は名将なんですけど、
春秋戦国というのは、それこそ戦乱に次ぐ戦乱の時代でしたので、
楽毅の他にも、孫武・呉起・白起・王翦・李牧などなど名将揃いですからねえ。
もちろん個々人によって、何を重視するかで評価は上下するのでしょうが、
日本や中国のネット投票や私評を見てみても、春秋戦国の名将となると、
孫武・呉起・白起がトップ3で、楽毅はトップ5入りを争うような印象を受けます。

ちなみに本家中国では、武神として信仰の対象となってる太公望や関羽は別格として、
異民族から華北を奪還すべく戦った、南宋の岳飛が飛び抜けて人気が高い感じですね。
やはり漢民族にとって岳飛は、救国の為に戦った「悲劇の英雄」の代名詞的な存在ですし、
逆に言うと、異民族が暴れ回った五胡十六国や五代十国は、同じ動乱期でも人気薄な気がします。
結局は何だかんだで中国でも、人気は春秋戦国・三国志・隋末唐初に偏ってるイメージです。

> ちなみに燕国が好きなのとはまた別の意味で遼東には特に興味が湧く感じがしています。
以前も少し書きましたが、農耕民の住む中国大陸と、遊牧民の住むモンゴル高原の境に位置する上、
その立地から、半農半牧の狩猟民である住む満州がすぐ側にあり、
加えて、渤海に突き出した半島が海への玄関口として、対岸の山東半島とも深く結びつき、
更には、朝鮮半島の付け根でもある為、そこから朝鮮や日本とも繋がってますからねえ。
あまり意識される事はありませんけども、実は遼東と言うのは、
東洋における「文明の交差点」なんですよね!!

実際、歴史的に見ても、戦国時代に燕国が遼東を領有して以降、
基本的には、中国王朝の支配下にあった時代が多かったものの、
五胡十六国や五代十国みたいな動乱期に中国がなると、高句麗や渤海国が伸張しました。
そして何より、モンゴル系の遼王朝・モンゴル帝国や、ツングース系の金王朝・清王朝では、
万里の長城を越えて中国を支配する前段階として、長城の外である遼東の地が、
逆に長城を越えて入植した漢民族の暮らす「城外の中華」として機能しましたからねえ。
もう少し詳しく説明すると、長城の外にある中華文化圏こそが遼東であり、
勢力を伸ばした異民族系の王朝は、まずそこで中国の進んだ文化や技術を吸収し、
更には、漢民族との接し方や統治の仕方を経験する場所となっていた訳です。

しかも近現代に入ると、まずは日清戦争で日本に割譲されるも、すぐにロシアに横取りされ、
(大連という都市名も、ロシア帝国が築いたダルニーの音訳ですからねえ)
それを日露戦争で日本が奪い返し、満州国が建国されると領有権と一部の行政権を移譲。
(以前、JR東海のCM風に作った満州国のバーチャル観光PR・笑)
https://www.youtube.com/watch?v=DWNFPJj3Frk
そして日本が敗戦すると、一時的にはソ連が占領し、それが終わると国共内戦の激戦地となり、
最終的には中国共産党が内戦に勝利して現在に至るという、まさに波瀾万丈ぶりですので。

> > ですから、「なぜ嫌いなんだろう?」と深く掘り下げて考えると、
> > 思わぬ黒歴史の記憶を掘り起こしてしまうなんて事も、意外とあったりします(苦笑)。

> すみませんが意味がちょっと分かりませんでした。詳しく聞きたいです。

いや単純に、「好き」と感じるモノは、それに対する何らかの「良い記憶」が元になっており、
「嫌い」と感じるモノは、それに対する何らかの「悪い記憶」が元になってるって事ですね。
で、嫌いの根元となる理由を自らの記憶から掘り返そうとすれば、
昔の腹立たしい出来事や恥ずかしい出来事など、封印していた記憶の扉を開けてしまう事になると(笑)。

> > > > > ただ道徳が教科になったと聞いたのもあり、そういうのも絡めて
> > > > > 思想操作にならなければいいなと、一抹の不安もあります。

> > > > いや〜、やる気満々だと思いますよ(笑)。

> > > あぁーやはりそう思われますか。
> > > 「一抹」と表現しましたが、実際は強めに不安です。
> > > だからと言って、何かできる訳でもないですが…。

> > ですから、個人で何か出来る事があるとすれば、それは「意識する」事だろうと、私は思います。

> なるほど、言われてみるとそう思います。

こうして今回、道徳授業の話題が出るまで知らなかったのですが、
新しい道徳の教科書に、下町の中小企業が作った国産ボブスレーの記事が載り、
その挿し絵として、ボブスレーを作ってる町工場のオジサンたちの姿ではなく、
体験試乗する安部総理と、それを見守る国会議員たちの写真を選んだ事が、
いろいろ問題になってるそうですね・・・・

最初は「この写真選択はマズいだろう」との理由で、騒ぎになってるのかと思いましたが、
どうやら実態は逆で、これはマズいだろうと反対の声を挙げた層に対して、
「特定の思想集団が教育に介入!」と、反対活動を叩く運動が盛り上がってるらしく・・・・
で、その教科書を監修したのでも、このバッシング運動を行っているのも、
道徳の教科化を進めたのも、同じ人たちという事で、随分とキナ臭い世の中になったなぁと。
経営が苦しい中でウケるネタだからか、一部の保守系メディアまで乗っかちゃってますし。

ちなみに出版社側に言わせると、この写真の選択は、
国民の代表である首相を通して、国全体の喜びを表現しているらしいです。
でも、その理屈でしたら、もしも東日本大震災での救命活動を載せる際には、
「不眠不休で陣頭指揮を執る菅総理」とか、教科書に写真を載せるんですかねえ?(苦笑)

> こちらが知識を貰ってばかりになってしまっている感じがして恐縮です。
> こうやって雑談しているからにはお互い得るところがあってほしいものですが…。

いえいえ、ただの雑談なんですから、そんな恐縮とかしなくて良いですよ(笑)。
まあ、こういうのも「巡り巡って」の一種なんだと思いますし、
(「巡り巡って」より、「お互い様」や「情けは人の為ならず」の方が伝わりやすいかな?)
それに実際、こうした雑談する事で、私の中でもバラバラだった情報が整理されたり、
改めて考えてみる事で、思わぬ発見とかがあったりするのも事実ですからねえ。
また、知らない話を教えて貰ったり、新たな分野に関心を持つキッカケになったり、
思わぬ視点に気付かされたりなど、ここでの雑談から色々と得る機会も少なくありませんし。

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