| > いやはや、ご無沙汰しております。将棋について熱い文章を目にしたので出てきてしまいました。
どうも、ご無沙汰してます。
> > 名人への挑戦権を賭け、1年に渡り行われたA級順位戦の最終一斉対局。
> > 通称「将棋界の一番長い日」が、先週の金曜日に行われましたが、
> > いや〜、今年は過去に例がない程の激しい1日になりましたねえ!!
> > そして、1年半前に始まった「将棋ソフト不正騒動」も、これで1つの区切りが着いたかも?
> > あの騒動は当時、ここの掲示板でも結構話題として扱ってきましたので、
> > 一段落という意味でも、記録がてらに、少し書き残しておこうかと思います。
> > http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=s20420#20420
> > http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=r20677
> 「将棋界の一番長い日」、ほんと今年は盛り上がりましたね!
> 私もリアルタイムで深夜遅くまでチェックしていましたよ。
> 結果に関する感想は徳翁導誉さんと全く同じです!ほんと、将棋の神様はいるんだなと思いました。
> これぞまさに現代の忠臣蔵。天網恢恢疎にして漏らさず。
> 下手なドラマや漫画よりも現実の将棋界のほうがはるかにダイナミックでスリリングです。
まあ、もしもドラマや漫画でこんな脚本を書いたら、
編集者に余裕でダメ出しされるくらい、有り得ないほど理想的な展開になりましたからねえ(笑)。
フィクションであれば、「ご都合主義すぎる」と一蹴されそうなモノが、
「事実だから仕方ない」となる所こそ、ノンフィクションの醍醐味なのかも知れません。
> 以前に紹介した「不屈の棋士」が発刊されたのはわずかに2年前。
> 思えばそこから遥か遠くの地に来たような気がします。
> あの本では「千田六段の特異性」がクローズアップされましたが、
> 翌年には時の名人がPONANZAに負けて人間vs将棋ソフトに完全に決着がつき、
> そして今やどの棋士も多かれ少なかれ将棋ソフトを駆使するようになって
> 千田六段が先進的というのではなくむしろ平均に埋もれてしまっているような最近です。
その当時、ほのぼのさんは↓と、おっしゃってましたものねえ。
> > > 個人的に興味を引き付けられたのは、自己の棋力向上を将棋ソフトに賭けている千田翔太のコメントです。
> > > 将棋ソフトが人間の棋力の向上に役立つかという命題について、
> > > 千田五段が5年以内にタイトルを奪取できればyes、そうでなければnoということができるのではないでしょうか。
> > > このような観点でみると、千田五段の今後の動きには目が離せませんな。
あれから2年も経たない内に、今やソフトを使わないと棋士も戦えない時代となり、
根本的な「棋力の向上」に繋がっているかは、現状だとともかく、
少なくとも「研究の成果」を活かす為には、既に必要不可欠な存在になってるように思えます。
ちなみに、千田六段が今後タイトルを獲得できるか否かは別として、
あの時の命題の答えは、もう「yes」という事で宜しいのでしょうか?(笑)
> 将棋ソフトを使いこなすのに年齢は関係なく、中年棋士でも研究にソフトを活用すれば
> 年による衰えをカバーできているのではないかと思います。
今回の混戦化も、これ↓の影響なんですかねえ?
> > > 最近思うのが、近年の将棋ソフトの進化は「トッププロの棋力の平準化」を招いているのではないかということです。
まあ他の世界でも、大きな技術革新が広まった後には、
全体的に実力が底上げされて、レベルの平均がアップする事が多いですから、
その変化の度合いで言うと、上位陣よりも中位・下位の方が実は影響が大きいのかも?
スポーツ界で言えば、頂点に立つような選手の能力の高さは、今も昔も大差ないのでしょうが、
それより下に位置する選手達のレベルが、技術革新により上がった事で、
トップの選手も、昔のように簡単には勝てなくなる状況が、よく見受けられます。
って、そこを考えると、藤井六段の凄さが更に際立ってきますね(笑)。
> むしろ、将棋界の一番長い日で三浦九段に負けてB1級に落ちた渡辺棋王のほうが
> 最近のソフトを活用した研究の流れについていけてないような。
私程度の棋力では、その真相を判断できるレベルには無いのですが、
そういった話は、しばしば耳にしますね・・・・
あとやはり、あの件による精神的な疲れも、意外と大きいんじゃないですかねえ?
「三浦九段は疑われても仕方なかった」というpdf資料を、昨年の最終局前日に作成できるくらい(笑)、
PCを使える人だからこそ、ネット上で自身への批判や中傷を目にする事は恐らくあったでしょうし、
その結果として、PC使用を避けるようになって、ソフト研究が後手となった可能性もあるかも知れません。
(一方で、同じく当事者だった久保王将が無影響なのは、ネットを使わないからという噂が・笑)
でもまあ、もし本当に精神的にヤラれているのだとしたら、こうした場合、
本人に直接よりも、子供が学校で嫌な思いをして・・・ってダメージの方が大きい気がしますね。
だからと言って、1年半前の騒動が起きる直前、竜王戦前のインタビューで渡辺棋王は、
米長会長なき今、将棋界の置かれている現状と、棋士としての自らの立場を考慮しつつ、
「早めに一線を退き、連盟を取り仕切っていくような今後も、既に覚悟している」
みたいな事を語ってましたけど、まだ33歳ですから、さすがにその選択は早過ぎるでしょうし・・・・
来期のB級1組の顔触れを見ても、1年でA級に戻ってくる確率は高そうですし、
降級により一定の禊ぎは済んだ見なされれば、ここから復調する事も十分に有り得そうかと。
ただ、一棋士としての復権はともかく、将来の会長候補という点では、どうなんですかねえ?
永世竜王という実績や、マスコミや支援者への対応力、そして年齢面を考えると、
黙っていても10年後20年後には、長期政権を築いていた可能性が高かったと思いますけど、
例の騒動を起こした事で、コチラに関しては、そう簡単な話では無くなったような気がします。
あの件も、強い自負心と使命感が生んだ結果だったのでしょうが、結局は暴走となりましたし・・・・
って、「この構図は最近も何処かで見たなぁ?」と思ったら、相撲界と貴乃花親方ですね(苦笑)。
> そして、やはり藤井六段は凄まじい才能ですね。今年、来年あたりにはタイトルを取って、
> 数年先には複数タイトルが当たり前という羽生竜王と同じ道を歩むかと思います。
五段から六段になるまで速かったですけど、
今度の竜王戦で2連勝すれば、すぐにも七段ですからねえ(笑)。
七番勝負や本戦トーナメントでの連勝条件ならまだしも、
今やってるのは予選5組でのランキング戦ですし、連勝する可能性はかなり高そう。
早めにタイトルや挑戦権を獲得し、段位で呼ばれる事も無いまま、
九段まで行ってしまう展開も考えてましたが、それ以上に昇段のスピードが速い!!
半年あまりで四段から七段まで駆け上がった例って、過去にあるのでしょうか?
ただ、七段から八段へのスピード出世となると、竜王タイトルを獲るしか無いので、
これ以上は、なかなか難しい所でしょうけど、今の勢いであれば有り得ない話では無いのかも?
もちろん大変でけど、一方で下剋上が起こりやすいのも、竜王戦の特徴ではありますからねえ。
って、四段で竜王位を獲得し、いきなり八段という展開も少し見てみたかったのが正直な所(笑)。
> そういう意味では、羽生竜王には順位戦プレーオフを勝ち抜いて名人を奪取してもらいたいのですが、
通算100期目の記念すべきタイトルを、名人位奪還で飾れれば、ストーリー的には理想ですしね!!
そして、竜王名人として竜王位の防衛戦に臨み、その挑戦者が藤井六段改め七段ともなれば、
先日の一番長い日に勝るとも劣らない、出来過ぎた展開をやはり期待してしまいます(笑)。
師弟対決ですら、一般ニュースで大きく扱われるくらいなので、
竜王戦で「羽生vs.藤井」の七番勝負ともなれば、注目度はその比では無いかと?
この前の公式戦初対局の時ですら、NHKでこんな番組↓が作られました程ですからねえ。
「プレーバック2.17 羽生善治vs.藤井聡太 最強の極意」
https://www.youtube.com/watch?v=RaWT-ZTU_n8
あと、こうして一般報道でも将棋が扱われる時、コメンテーターとかが真顔で、
「AIも強いらしいが、羽生さんや藤井くんなら勝てるんじゃ?」
と、冗談抜きで語ってるケースを、意外とよく見掛けるので、
直接対決を避けた選択は、思いのほか最善手だったのか?と思わなくも無かったり(苦笑)。
ファンはまだしも、世間一般というのは、やはりその程度の認識に留まるモノでしょうね。
羽生さんと国民栄誉賞を同時受賞した、囲碁界の井山七冠に対しても、
「AIも強いらしいが、井山さんなら勝てるんじゃ?」というコメントを目にしましたし・・・・
(DeepZenGoに敗れてたり、あの柯潔を国際棋戦で破ったりは、世間的に全く認識されてないと・泣)
そもそも、国民栄誉賞の時に初めて、井山さんの名前を知った人も多い気がします。
羽生さんにしても、七冠独占が20年以上前ですので、若いと知らない人も珍しく無さそう。
身近な例だと、昨年結婚した弟の奥さんは、羽生さんの事を知らなかったんですよね。
> 現在プレーオフ3連勝中の豊島八段にも頑張ってもらいたいところです。
私としても、電王戦に登場した棋士は応援したい気持ちが強いですね!!
あの対局って、棋士側にはメリットよりもデメリットの方が大きかったはずで、
それでも敢えて対戦を受けた棋士には、やはり報われて欲しい思いがありますし、
実際に好成績を残している出場者が目立つのも、嬉しい状況ではあります。
まあ単純に、出場者には有力な若手や中堅が多かったという事もあるのでしょうけど、
一足早くソフト活用を始めた事が、今の成績に活きているのであれば良いんですけどね。
ただ、豊島八段に関しては、ソフト研究に入れ込み過ぎるあまり、
成績自体は良いものの、精神力を問われる大一番が苦手になってる印象も・・・・
やはり対局って最後の最後は、「人間vs.人間」の勝負ですからねえ。
ここまで迫りながら、結局は今回も王将タイトルを逃してしまいましたし、
そもそも論で言いますと、現行の将棋ソフトが幾ら強いと言っても、
基本的にコチラは「コンピューターvs.コンピューター」を念頭に作られており、
特に劣勢時の状況判断とか真似てしまうと、人間同士の対局では却ってデメリットになる事も?
平昌五輪でのカーリング競技を見ていて、改めて思い知らされましたけど、
やはり人間の行動にはミスが必須である以上、ミスを減らす事はもちろん大事ですけど、
相手のミスを誘い、自らのミスをカバーできる能力こそ、真の勝負強さのような気もしますね。
> さて、最近読んで非常に衝撃的だった本として、
> 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井紀子著)」があります。
> AIは万能ではなく、読解力に難があるというのはちょっとAIをかじった人であれば気づくことですが、
> 日本の中高校生も同じように文章を正確に理解できない人が増えているという
> ショッキングな調査結果が提示されています。
う〜ん、実際に本の内容を読んでいないので、何とも言えないんですけど、
著者の人は、AIが東大合格を目指した「東ロボくん」のプロジェクト・リーダーですか・・・・
キチンと論文とか読んだ訳では無いですけど、これまでの関連記事を読む限りでは、
将棋AIのボナンザ(Ponanzaにあらず)や、囲碁AIのZEN(DeepZenGoにあらず)のレベルで、
技術的には行き詰まっていた印象があるんですよねえ。
もちろん、明確なルールが存在する囲碁や将棋と違って、
試験問題を解くというのは、一筋縄で行かないのは解りますけど、だからこそ工夫は必要でしょうし、
海の向こうでは、米国・マイクロソフト社のAIと、中国・アリババ社のAIが、
スタンフォード大学の作った読解力テストに挑み、共に人間を上回ってる時点で・・・・
何だか、米国・Google社のアルファ碁や、中国・テンセント社の絶芸が登場して、
いきなり置いていかれた日本産のZENの記憶と被り、デジャブっぽく感じてしまいました。
アリババ社はAI開発に3年間で1.7兆円を投入なんて聞くと、無理な勝負なのかも知れませんけど、
電王手くんならぬ「東ロボ手くん」みたいな方向に進んでた時点で、研究としてどうだったのか?
ただしZENの方は、プロジェクトを続けてDeepZenGoへと進化して、
今では、絶芸と一進一退の勝負が繰り広げられる所まで辿り着けたのですが、
東ロボくんのプロジェクトの方は、後追いであっても進化を目指すのではなく、
「子供達への教育に活用」という、全く別の方向に話が飛んじゃいましたからねえ(笑)。
しかも、教育方面に関しても、「自分たちは専門家だ」と振る舞っているのですが、
本職の教育者たちからは、どうも芳しくない評価をされてるなんて話も・・・・
インタビュー記事とかを読んでみても、特に教育方面の話に関しては、
何だか決めつけや感情論に走りがちで、しかも妙に上から目線で語っており、
「自分の考えが絶対」と言いますか、「他人の考えを認識できない」タイプに感じられ、
科学者としてはまだしも、教育者を名乗るのにはどうかな?といった印象を受けるんですよね。
正直な所、個人的には、一昔前に「ゲーム脳」という疑似科学をやってた日大の森教授と、
雰囲気的に少し似通ったモノを感じてしまいます(さすがに、ゲーム脳よりマシとは思いますが)。
> 一昔前に「バカの壁」という本が流行りましたが、
父親の本棚にあるので、その気になればいつでも読めるのですが、未だに読んでません(笑)。
どうも私は性格が天の邪鬼なもので、世間一般的に流行ったモノって、
よほど食指が動かない限り、まずに触れたがらないんですよねえ・・・・
どうでしょう、今からでも内容的に読んだ方が良い1冊でしょうか?
別に、養老孟司が嫌いという訳では無いですし、
脳科学者11名との対談をまとめた「養老孟司・学問の挑発(日経サイエンス)」や、
宮崎駿との対談集である「虫眼とアニ眼(新潮文庫)」は、悪くない1冊でしたから、
(巻頭カラーの宮崎駿が考える理想郷イラストだけでも、見る価値はあろうかと)
氏の著作を読むこと自体に、そこまでの抵抗感はありませんので。
> これからはもっと恐ろしい「同じ日本人同士で、意思疎通ができない」といった事態がくるかもしれませんね。
それは、半分正しくて、半分間違っているかも知れません(笑)。
そもそも、あの方法で本当に人間の読解力が計れるかは、まあ置いておくとして、
「意思疎通」というのは、言い換えれば「相互理解」をする事であり、
更に言うと、「相手の意思を理解し、自分の意思を理解させる」事であります。
そして、人と人というのは、例え同じ言語を使っていても、
世代差・地域差・環境差などにより、誰もが多かれ少なかれギャップを抱えてるモノです。
つまり意思疎通とは、お互いのギャップを上手く越えていく作業だとも言える訳です。
そういう意味では、意思疎通ができない人同士なんて、将来的にとか関係なく、
今の世にも、昔の時代にも、既に普通にある事でしょうし、
上述のスポーツ発展の話とかしましたけど、それはどの分野においても言える事で、
基本的に人間社会というのは、時代と共に少しずつ進化や変化をしていくモノだと思うんです。
そして、そこで生まれるズレこそが、世代間ギャップと呼ばれるモノなのでしょうが、
そのギャップ自体を、「劣化だ」「低下だ」「○○の所為だ」と断じてしまってる時点で、
もうその人は、相手を理解する事も、相手に理解させる事も、放棄しているように感じられます。
要するに、意思疎通が出来ない事態は、時代や環境では無く、その当人に原因がある事が多いと。
例えば「読解力」に関して言うと、昨今は活字離れ(読書離れ)が進んでおり、
確かに、長文を読み解く力という意味では、若い世代は少し見劣りするのかも知れません。
しかし一方で、ここ10年あまりで急速にネット利用が一般化した事により、
文字を読む機会という面で考えると、今の若い世代の方が断然高いはずなんですよね。
これを、「読書とネット閲覧とでは中身が違う」と切り捨てるのは簡単ですけど、
では果たして、読書だから内容が有り、ネットだから内容が無いかと言えば・・・・
小説とマンガの関係にしても、小説だから読解力が養われ、マンガだと無理という事ではなく、
小説だと文章だけで読み解く力が、マンガだと絵と文字から読み解く力が養われるのであり、
そこには個々人ごとに慣れ親しんだ方法の違いがあるだけで、そこに優劣がある訳ではありません。
つまり、人はそれぞれ置かれた状況の中で、それぞれに「理解の最適化」しているだけの事であり、
言い換えると、長文の読解能力が低下しているのは、長文の需要が低下しているだけとも言えると。
それに、脳が物事を理解するシステムを考えれば、文字がそのまま脳に刻まれるのでは無く、
脳が処理できるイメージへの変換が必須な訳で、そこには多様性があった方が理想だと思うんです。
長文から物事を理解するというのは、あくまで数ある手段の中の1つに過ぎず、
「若者は読解力に劣る」と安易に決めつけてしまうタイプの人は、
絵文字であったり、LINEスタンプであったり、インスタの写真であったり、
そういった若い世代の表現方法を、果たして理解できているのでしょうかねえ?
「何にでも、ヤバイと言う」とか、「マジ卍とか、意味不明だ」などと否定するのは簡単ですけど、
彼らはそれで意思疎通が出来ている事を思えば、結局はその人も「読解力不足」なんですよね。
まあ別に、その事自体に問題がある訳では無いのですが、ギャップの存在を認識する所か、
自らの価値観を基準に定め、そこから優劣を決めつけてしまう事が、何より問題なのだと思います。
> 最近読んだ本の中で一番良かったので、もし興味あれば是非ともどうぞ。
まあ私も、実はAIよりも教育方面の方が関心的に強いですし、
人間とコンピューターの知能を融合させる事は、長らく気になってる分野なので、
(「AIとビッグデータ」と「集合知と衆愚」の関連性について、最近は少し考えたりも)
物凄く興味のある題材ではあるのですが・・・やはり著者への先入観が邪魔してしまう(笑)。
それでも、当人がどのような事を語っているのか、実際に確認してみたい思いは湧きましたし、
今すぐ読んでみたいとまでは行かずとも、「機会があれば読んでみよう」リストには入りましたね。
紹介していただき、ありがとうございました!!
お返しに何か、紹介できる本があると良いんですけど・・・最近、ほとんど読んでないんですよねえ。
まあ強いて挙げるとすれば、年末に読んだ、この1冊↓でしょうか?
「サッカーマティクス 数学が解明する強豪チーム 勝利の方程式(光文社)」
https://www.amazon.co.jp/dp/4334979335/
https://bookmeter.com/books/11989235
タイトルは文字通り、「サッカー+数学」の造語ですね。
イギリスの数学者が書いた翻訳本ですが、とくに読み辛さとかは感じませんでした。
ロシアW杯での対戦相手が決まり、代表戦もあり、サッカー気分が高まってた年末に読みました。
昨年11月の欧州遠征、12月の東アジア選手権など、日本代表の試合を見ていて、
1試合1試合では、いろいろと違和感や消化不良感が残ったのですが、
その全体を通して考え直した時に、全てはW杯本番への実験であるかのように思えてきて、
「実はハリルホジッチって、優秀な戦略家タイプなのでは?」と気になってる所でしたので(笑)。
W杯予選でも、勝負所となるホームでのサウジ戦と豪州戦では、キッチリ結果を残してましたしね。
最初は、「サッカーをチェスの要領で表現できないか?」という所から考えが始まり、
続いて、「ミスの確率を織り込んだ上で、戦術の最適化をAIで行えないだろうか?」という発想になり、
元日本代表監督のオシムは数学科の出身ですし、元U-17監督の吉武博文も数学教師でしたから、
まずは、「野球だけでなくサッカーも、意外と数学との親和性があるのではないか?」が気になって、
そんなタイミングで、たまたま見付けた1冊でしたから、なかなか興味深く読めましたね。
(欲を言うと、もう少し踏み込んだ内容を期待したものの、そこは未開拓な分野なので仕方ないかな?)
P.S.
あの後、紹介されてた「ビッグデータ・ベースボール」を一応読んでみたのですが、
やはりそれでも、私としての意見は変わりませんでしたね(申し訳ありません)。
昨シーズンのMLBで流行した「フライボール革命」とかも、そうでしたけど、
物理学を始めたキッカケが、野球が上手くなる為だった私のようなタイプからすると、
納得できる部分も多くあったものの、それは既に私も認識している事だったり、
(誤った価値観を一掃するという部分では、まさしく革命だとは思いますけどね)
また、「統計データがそう示しているから」と言って、それを鵜呑みにしてしまうのは、
「それが常識だ」とか「誰それが言った」と盲信するのと、同じ事のように思えるんですよね。
別に、膨大な統計データによって得られた結論が「間違っている」とは言いませんけど、
それはあくまで、MLBのプレースタイルを前提条件とした上でのデータである以上、
その結論が普遍的に当てはまるかと言うと、決してそのようには思えないんです・・・・
あの時に例として挙げた、昨年のWBCで見られた極端な守備位置シフトの件にしても、
打者のプライドが優先され、それでも強引に打つMLBの流儀があればこそ成り立つモノであり、
選手個人よりもチーム全体を優先する日本が相手なら、単なる穴にしかならないような気がします。
言うなれば、「やあやあ我こそは」と鎌倉武士が名乗りを上げても、
元寇で攻めてきたモンゴル兵には、そんなの関係ないって感じでしょうか?(笑)
要するに、状況に応じた適用が出来てこそ、本当の意味でのデータ活用になるのでは無いかと。
・・・って、ほのぼのさんが相手だと、ついつい語り過ぎてしまう。
久々だというのに、いきなり長文になってしまい、申し訳ありません(笑)。
|
|