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[21613] Re3:七国大戦(団体戦) 参戦者求む返信 削除
2018/4/16 (月) 00:38:53 呂翁

戦場は最終盤を迎えているように見えた。
四国はすでに地上から姿を消し
残る三国の一つも他の二国の共同作戦によって、滅亡を待つばかり
両国は天下の主を決める、最後の戦いに向け動き出していた。

両雄の一方は前回快進撃を見せながらも、味方の大量離反により敗れ去った男であった。
男は前回実行の途中で断念することになった、同盟国を出し抜く秘策の改良版を実行することで
兵力、版図ともに大きく優位に立っていた。

男は武将数でも優位に立とうと、滅亡する国の遺臣を取り込もうとする。
しかし、男はその戦いには敗れた。
男と覇を競い合う相手国を率いているのは、誰あろう男に戦場での基礎を叩き込んだ
師、その人であった。

武将数で優位に立った師であったのが、攻勢の手を緩めることはなかった。
男の国の武将一人を調略し、寝返らせることに成功したのだった。

またも、男は味方の離反によって敗れ去るのかと思われた。

だが、今度の男は取り乱すことはなかった。
そりが合わない人がいることは仕方のないこと
そして敵は、人心掌握においては到底かなわないことを身をもって知る師である。

本当の戦いはここから
今すべきことはこれ以上余計な離反者を出さないために、行動することである。

男は評定にて、これまでの戦いへの感謝を述べ
そして、これからも変わらない結束を求めた。
その演説は、決して驕ることなく誠実なものだった。

士気に満ちたの男の国からはこれ以上
敵がいくら労力を割こうとも、離反者が以後出ることはなかった。


男が率いるは頼もしき4将の5部隊8万
敵方、師率いるは12部隊6万

男は武将数の差こそ広げられたものの、兵力と都市数の優位を守り切った。


男の号令を合図に最後の戦いの火蓋が切って落とされた。

男たちは兵力の差を活かし、正攻法で敵領を席捲する
だが敵軍はまともに戦おうとはせず、男たちから逃げ回りつつ
隙を見つけて、男たちの手薄な都市を落としていった。

敵軍が始めた戦法は、配下武将数の差を大いに活かすものだった。
奪われた拠点の奪還に追われる男たちと
奪還が遅れた拠点でしっかりと部隊の再編を行う敵軍

両国の兵力差はじわりじわりと縮まっていった。


”このままではいけない!!”
男たちは対応策を練り始めた。

敵軍は経験豊富な将が率いる兵力6千ほどの都市急襲6部隊と
経験の浅い将が率いる兵力回収6部隊に分かれていた。
時折後者を補足して撃破することがあるものの、戦局に影響を与えることはできていなかった。
そして補足に失敗し続け、兵力と練度を蓄えた部隊が新たに7部隊目の強襲部隊に加わり始めた。

猶予はなかった。
男たちは前者の強襲部隊の中で、特に目覚ましい戦果を挙げ続けている
師の本軍に狙いを定めた。

執拗な索敵により、男たちは師の潜伏地域を狭い地域に絞り込み
仲間の一人がとうとう師の本軍を補足、撃破することに成功した。

大功を挙げた男は、他の4人の仲間たちと比べて経験が浅く
自己の働きに不満を持っていたが
謙虚に教えを乞う姿勢から、仲間たちに愛されていた。
そんな彼が挙げた金星に、仲間たちはこぞって祝福をし
本人も自信を得ることができたようであった。


大きな勝利を手にした男たちは
残る都市急襲6部隊から裏切り者の部隊に狙いを定めた。

今度は師の時ほど時間はかからなかった。
そして今度も標的部隊撃破の功を上げたのは、
師本軍撃破で勢いに乗る彼であった。

大いに沸き立ち、勝利が近づきつつあることを意識する男たち

だが、敵軍の反撃がすでに始まっていることに男たちは気付いてはいなかった。


翌日目にした光景を男たちは疑った。
連続して殊勲を上げた彼の部隊が、一夜にして壊滅していたのである。

無理もない
彼が二度目の殊勲を上げたことは敵によって仕組まれていたからであった。

敵は残った強襲6部隊のうち、5部隊を彼の部隊の周りで
攪乱を行わせることで半ば計画的に彼に発見された。
そして1部隊が撃破されたのを合図に、残りの4部隊が彼に襲い掛かった。

男たちの部隊は開戦時には、全員1万5千以上でそれぞれの兵力に差はあまりなかったが
立て続けに強襲部隊を撃破した彼の兵力は他と比べて大きく減らしてしまい
強敵はそこを逃さなかった。

そして敵軍は彼らの敵の目の前の失敗からも学んでいた。
彼を襲った4部隊は反撃の被害も、部隊の行動力をもしっかりと分け合い
男たちの軍が駆けつけてくる前に、迅速な撤収に成功
4部隊とも継戦能力を維持し攪乱戦に戻っていった。


敵軍はさらに攻勢の手を緩めない
彼は敵軍によって、最重要攻撃対象に設定されてしまい
復帰するたびに、戦力としてろくに成長することも許されず撃破されていった。

誰も彼を責めはしなかった。
だが彼はみるみる気落ちし、活動を鈍らせていった。

国を率いる男も、再起がため彼を再び勇気づける必要性を知っていたが
男は彼に届く有効な言葉を持ち合わせてはいなかった。


戦力を大きく減らした、男の軍を尻目に
圧力の減った敵軍は、戦力を整え縦横無尽に戦場を駆け巡る。

男たちが壊滅に追い込んだ、師と裏切り者の両部隊も
再び都市強襲が可能なほどに回復していた。

更に味方主力部隊が、また一人撃破されるに至って男は敗北を悟った。
兵力差は当に逆転していた。


男の脳内に、今回喫したいくつもの失策がよぎる。
だがこれがまごうことなき、男の現在の実力であった。

だが仲間たちは気落ちし、活動が鈍りながらも結局最後まで共に戦ってくれた。
前回の散々な末路を思えば成長を実感することができた。

男は仲間たちに感謝を述べる。
記憶の中にあるかつての師の労いと比較し、己のぎこちなさに苦笑するも
帰ってきた温かい言葉に、心が通じ合えたことを実感する。


全力は出せた。
それでも及ばなかったという事実は、男に他の強者との間に広がる差を
ぼんやりとではなく、はっきりと感じさせてくれた。

少しずつでも、差を埋めていこう。
決意を新たにした男は、自分自身の新たな武器の模索を始めていた。


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とまあ、このように
七国大戦は2回、3回と参加を重ねていくことで面白さが増していくものである。

ゆえに一度参加したことがある者も、もう一度参加してみるといい

戦場はきっと、以前とは違った顔で待っているであろう。

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