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[21983] Re:【雑談】思考実験 宇宙進出後の社会・歴史返信 削除
2018/11/29 (木) 21:05:42 徳翁導誉

> > > ふと思い付きで投稿、意見いただければ幸いです
> > > 人類が宇宙に進出し、数々の惑星に入植するようになった時代。
> > > 人類社会の構造はどのように変化するのだろうか?
> > > という思考実験です。

> > 意見があればとのことなので、自分も考えたことがあるので書いてみます。

では、私も(笑)。

> > > 筆者は、宇宙人は未発見で、人類が無数の星に移住している、という状況を想定しています。
そもそも論として、いまいち前提が解らなかったのが、
「無数の星に移住」の範囲が、どの程度で想定されてるのか?
という所ですね。
太陽系の内なのか? 近隣の恒星間なのか? この銀河の中なのか?
銀河群や銀河団まで行くのか? 更にもっと広大な範囲なのか?

その範囲が広がれば広がるほど、知的生命体との遭遇確率は上がりそうですけど、
まあ、その辺りの話は置いておくとしても、
ワープとか、光の速度を超えるとか、そうしたSF的ギミックを用いない場合、
それこそ「物理的な距離」があやふやなままでは、深い思考実験は難しい気がします。


> > > 予測1 世界の一体化が崩れ、人類社会は再び分裂する
> > >
> > >  古代といわれる時代、人類は世界各地に文明を作りながらも、
> > > それぞれの文明が独自に発展し、影響を与え合うようなことはほとんどありませんでした。
> > >  それがモンゴル帝国の時代から世界の一体化と呼ばれる動きが始まり、
> > > ヨーロッパの大航海時代を経て、現在では世界の一体化が完全なものになっています。
> > > 海の向こうのトランプ大統領の動向を、遠く離れた我々が注視しているのはまさにその良い例でしょう。
> > >  このような世界の一体化は、科学技術の向上による、移動時間的な意味での地球の縮小が原因でした。

いや、科学技術の向上により、確かに「移動時間」も短くはなりましたけども、
地球上の距離感を縮めたのは、何より「通信時間」の短縮です。
経営の4大資源として挙げられるのが「ヒト・モノ・カネ・情報」で、
通信技術の発展により、カネと情報の速度は著しく向上しましたが、
ヒトとモノに関しては、やはり物理的な制約がある為に、そこまでではありません。

また、古代においては、カネも情報も、ヒトが伝達するものでしたから、
モノはもちろん、カネや情報の速度も、ヒトの移動速度と同等でした。
ですが、ヒト・モノと、カネ・情報とで大きく異なるのが、
前者は相当数の人が移動しないと、社会的に大きな影響を及ぼせなかったのに対して、
後者は例え少数の人であっても、大きな影響を与える事が可能だったという点ですね。
解りやすく言えば、古代の日本などが、まさにそれで、
大陸から、軍隊が攻め込むには遠い一方で、文明が入って来るには近い距離にありました。

で、これは何を言いたいのかと言うと、古代の文明であっても、
独自に発展したのでは無く、かなり相互に影響し合っていたという事ですね。
もちろん、ユーラシア大陸と南北アメリカ大陸みたいに、
海で大きく隔たれていれば、そこに交流などは生まれませんでしたが、
地続きであるユーラシア大陸では、恐らく想像されてる以上の交流がありました。
インド、ペルシャ、メソポタミア、オリエント、エジプト、ギリシャ、ローマなんて、
それこそ相互の影響無しには、各文明を語れないくらいですからねえ。

そして、この事は、現代における始めの話にも繋がるんです。
確かに現代の社会では、カネや情報が全世界で瞬時に伝わります。
その影響力たるや、絶大なもので、まさに地球が小さくなった感覚です。
だからと言って、ヒトやモノの移動には、厳然として物理的な障壁が存在します。
鉄道や飛行機の登場により、それらの移動速度も格段に上がりはしましたが、
情報の速度に比べれば、歴然とした差がありますし、
経済的コストの事情も相まり、イメージほど地球は小さくなっていません。
実際、新幹線通勤する人など極一部ですし、日本の貿易の99%は海上輸送です。
日本国内ですら、そうなのですから、世界全体で考えれば尚更の事です。

それに何より、根本である「一体化」と「分裂」の定義が、
どう具体的に想定されているのか、どうもハッキリ解りません。
私たちは、地球上の人類の事は、何でも把握している気分になりますが、
今年の夏にも、今まで未確認だった部族を、アマゾンで発見したばかりですし、
世界の距離が近くなったからこそ、自国第一主義や反グローバリズムも吹き荒れています。
この現状は、はたして一体化なのでしょうか? それとも分裂なのでしょうか?

> > >  ここで重要なのは、地球の物理的な距離は常にであり、
> > > 一方で科学技術は時間と共に進化していったと言うことです。
> > >  しかし、宇宙は無限、あるいは現在の人類が観測できないほど広大です。
> > > いくら科学技術が進歩しても、そう簡単に宇宙の端から端へ移動できるような移動手段は発明できないでしょう。
> > >  そして、人類の宇宙での移動手段が向上するにつれ、
> > > 人類はより遠方の宇宙へ資源などを求めて移住するでしょうから、人類の活動範囲は広がります。
> > >  結果、人類の活動範囲の端に住んでいる人と、その逆の端に住んでいる人とでは、
> > > その時代で最速の移動手段をもつ宇宙船で移動したとしても、
> > > 数十年、あるいは数千年かかるほど、移動時間的な意味での世界は拡大すると予想されます。

> 確かに、地球の大きさはたかたが4万キロであり、光で1/7秒で一周できる距離ですね。
> しかし、月でさえ1光秒かかり、火星では4分ほどかかるということを考えると、
> 『即時に』情報が届く時代にはならなくなると考えられますね。
> 近場でさえこれですから、アルファケンタウリやシリウス、さらに遥か彼方の星とかともなれば、
> 即時通信など不可に近くなり、文明間の伝達も遅くなるのでしょうね。

でもまあ、個人レベルで「即時に」情報が伝わる時代なんて言うのは、
それこそネットが発達した、ここ10年余りの話ですし、
テレビや電話が無い時代にしても、そう遠い昔の話ではありません。
100年・200年と遡れば、情報の伝達に数ヶ月・数年を要していた訳で、
だからと言って、そこまで極端な文明的差異を生んでいた訳でも無いと思うので、
相互通信ならタイム・ラグが致命的でも、情報伝達なら影響はそこまででも無いかも?

と言いますか、光の通信速度でさえ、それだけ離れた場所へ、
移住の為に、人が物理的に移動するとなれば、どれだけ時間が掛かるのか・・・・
これがまだ片道切符の移住で、交流もほぼ途絶えるという話ならまだしも、
次章のように「貿易」まで考慮したものだとすれば、どれだけ現実的なのか?
どう考えたって、ヒトやモノの移動速度は、情報の通信速度とは格段に劣りますし、
「物理的な距離」が離れれば離れるほど、その差は更に広がりますからねえ。

> > >  また、宇宙の環境(例えば温度とか)は多種多様であると予想され、
> > > 多様な環境は各地の人類に強く影響するでしょう。
> > > 古代の人類でも、四季のある日本と、砂漠地帯ではライフスタイルも全く異なり、
> > > それはものの考え方や宗教、文化などに強く影響を与えました。
> > > それが今度は宇宙規模で起こると言うことです。

地球と宇宙とでは、確かに環境が大きく異なる為、
宇宙移住者の文化は、地球上それと違ってくる可能性は、十分に高いと思います。
その一方で、宇宙間での違いとなってくると、果たしてどれだけ大きくなるか?
人類が別の星に降り立ち、そのまま暮らせる環境なんて、まず有り得ないでしょうからねえ。
基本的には、人類が暮らせるよう最適化された人工的なコロニー内での生活となり、
そうなれば居住環境というのは、どこも似たり寄ったりなる気がします。

もちろん、テラ・フォーミングが行えたり、遺伝子の編集で対応可能であれば、
その星独自の文化も生まれるかも知れませんが、
しかし一方で、人類の環境適応限界を考えると、
地球上の人類と、そこまで極端に異なるモノとなるかは疑問です。
逆に言えば、この地球においても、人類が暮らせない環境は五万とありますし、
人類が宇宙で最適化を行うなら、当然地球でも行える話ですから。

> > >  異なる文化が生まれる一方で、移動時間的な意味での世界は広大となれば、
> > > 人類社会は地球古代のような、互いに分裂しあった社会になると予想されます。

> 10万年前に人類はアフリカを出て様々なところに移住した、
> というようなことがまた起きると考えると面白いですよね。

それでも、動物としてのホモ・サピエンスから、知性を得てヒトへと飛躍して以降は、
接触なり交流なりというのが、深まっていったのも事実ですからねえ。
移住のルートというのは、そのまま人が行き来するルートに成り得ますから。
もちろん、遠く離れた部族同士が、直接交流する事は皆無だったにしても、
モノや情報というのは、数珠繋ぎのネットワークで驚くほど遠くまで伝わります。

なので、強いて人類社会の拡散に例えるのであれば、地続きな大陸間より、
洋上の島々に広がったオセアニアへの移住が、イメージ的には近いのかも?
丸太のカヌーに乗って、海流に任せて移動するのは、
移住は可能であっても、頻繁な往来とかは困難だったでしょうから。

あと、出アフリカの話で言うと、それこそ個人的には、
ホモ・サピエンスと接触し、そして姿を消したネアンデルタール人や北京原人など、
私たち人類以外の「ヒト」の存在でして、
宇宙で言うなら、まさしく宇宙人との接触になるのでしょうが、
今回の設定では、「宇宙人は未発見」という前提なんですよね(笑)。
例えば太陽系においても、火星なり金星なりも生命が居る惑星であれば、
アポロ計画以降の人類の歴史というのも、相当に異なるものになってでしょうし。


> > > 予測2 海賊対策軍が国家を形成する
> > >
> > >  宇宙時代、惑星間貿易は莫大な富をもたらします。
> > > 地球でも重商主義がオランダやイギリスに覇権を与えましたし、
> > > 地球以上に各地で生産可能なものが変わってくる宇宙では、貿易はより重要なものになるでしょう。

大前提になりますけど、それは何故でしょうか?
どんなに宇宙が広いとは言っても、化学元素も物理法則も宇宙共通です。
地球に無くて、他惑星なら有る資源って、それほど有るんですかねえ?
複雑な有機物であれば、地球上では見られない多様な組み合わせも有りそうですが、
一方で、有機物だと保存や需要の面で課題がありそうですし、
それくらい科学技術が発展した時代なら、狙った有機物の合成も可能そう。

例えば、「小惑星は資源の宝庫」とか言われたりもしますけど、
地球はそれ以上に資源豊富ですし、絶対量の増加を求めない限りは、
技術的にも、経済的にも、小惑星で採掘して地球へ運ぶより、
地球上の資源を開発した方が、ずっと楽で安上がりなはずです。
逆に言えば、月や火星に、そうした特別なモノが存在していれば、
月に行って以降、宇宙開発が50年間も停滞はしなかったでしょうね。

あと、それこそ光の速度ですら数年も掛かる恒星間であれば、
貿易などより、どこまで自給自足で出来るかが、死活問題になろうかと。
モノを運ぶと言っても、そんな簡単な話では無いですし、
だからこそ必要な物資は、驚くほど高値で取り引きされるかも知れませんが、
それが果たして、貿易とか経済などと呼べるほど、大規模なモノになり得るかは?

> > >  しかし、宇宙空間は海賊にとっても絶好の環境です。
> > > 地球では島を拠点にし、いずれはその島ごと発見されるしかなかった海賊も、
> > > 宇宙ならば隠れ家とできる小惑星は無数に存在しますし、
> > > 広大な宇宙空間を取り締まるのは地球とは比較にならないほど大変です。

いやいや、宇宙は広大だからこそ、海賊するのも一苦労だと思いますよ(笑)。
実際の海賊だって、広い大洋上で船を襲う事なんて、まず有り得ません。
海は広大なので、襲う船を見付けるのも大変ですからねえ。
しかも宇宙の場合、海の広さなど比べ物にならず、しかも3次元ですからねえ。
海賊が流しで遭遇を期待しても、奇跡でも起きない限りは無理だと思います。

では、どこで遭遇を期するかとなると、
実際の海賊の場合は、基本的に「海峡」か「港付近」となります。
ただし港の場合は、そこの政治がキチンと機能していると、警備も厳重ですから、
統治が不完全な港でない限り、海峡が主な活動範囲となる事が多いですね。
では、宇宙空間に海峡のようなモノがあるかと言うと・・・・
宇宙は広大だからこそ、本当にスカスカな空間なんですよねえ。
小惑星は確かに無数に存在しますけど、宇宙はそれ以上にスカスカで、
小惑星に隠れる事は可能でも、そこからの襲撃が現実的かとなると?

> > >  かといって海賊をそのままにしておけば宇宙経済は崩壊しますから、ここに強力な軍隊が必要とされ、
> > > 既に金や権力を持っている集団が海賊対策の軍を設立するでしょう。
> > > この海賊対策軍は、海賊対策の費用として通行料金や護衛料金、徴税などといった形で税を集め、
> > > つまるところの国家を形成すると予想されます。
> > > いずれはこれらの国家が地域の海賊対策権=徴税権=領土を求め戦争にも発展するでしょう。

> > 私の予測は、引用して簡単に書きますと、
> > 「海賊対策軍が国家を形成する」を経由して、
> > その後「世界の一体化が崩れ、人類社会は再び分裂する」に移る、
> > というのが近いです。

> 個人的には「貿易会社が軍を保有→力を持った貿易会社が国を倒す」
> みたいな展開のほうがあったりしそうな気がします。
> 貿易が進化した近現代において、一番の力となるのは資金力であり、
> それを抑え込んだ者が時代の覇者となっています。

でも実際、長い人類の歴史の中で、そんな企業国家が存在したかとなると???
確かに現在でも、国政に大きな影響力をもつ巨大企業や、
各国政府が扱いに苦労するグローバル企業は存在しますし、
日本にも、企業城下町なんてモノは結構あります。

しかし、企業の第一目標は「儲ける」ことである事を思えば、
国家が行う「赤字でも必要な仕事」など、ビジネスの足枷にしかなりません。
だからこそ、そんな面倒事は国家に任せた方が、企業も金儲けに専念できますし、
逆に言えば、今は世界が平和だからこそ、グローバル企業も大きな顔が出来る訳です。
それでも、どうしても公権力が機能しない場合には、
儲けが出る範囲内で、自腹を切る事も有り得ますが、やはり限度があります。
だからこそ、そんな企業国家は、歴史的にも、ほぼ存在しないと。

少ない例を挙げれば、例えば東インド会社などは典型例でしょうし、
日本だと、満州国誕生以前の満鉄附属地が、それに近いでしょうけど、
結局は、帝国植民地の先鞭にしか過ぎない行程を歩みましたからねえ。
企業が開発を担った植民地が、アメリカの独立で、そのまま州に昇格したり、
ビジネスで成功したメディチ家が、登り詰めてフィレンツェの君主になったり、
有力な貴族や商人が合議制で治めた、ヴェネツィアのような例もあったりはしますが、
それらとも少し違うでしょうからねえ。

軍事力を持ち、国際的な金融や流通のネットワークをも担った
十字軍のテンプル騎士団などは、ちょっと近いイメージがありますけど、
公権力から収奪の対象にされた際には、あっさりと崩壊してますし、
18世紀、ボルネオ島に渡った華人たちの貿易会社「蘭芳公司」が、
自衛的な武装組織も保持した例があり、これが最も近いかも知れませんけど、
それにしても、清王朝の威光や、現地スルタンの後ろ盾があればこそで、
何より、どうしても規模は、小さなレベルに限定されますからねえ・・・・

企業であれ何であれ、そうした団体が行える規模には限界がありますし、
仮にそれを乗り越えて巨大化すれば、それはもう企業と言うより国そのものかと?
イスラム教の開祖であり、武装商人(敵対者に対しては盗賊)だった
ムハンマドの集団にしても、企業と見なされる事は、まずありませんしね。
・・・って、逆に考えると、それはそれで、面白い歴史の切り口かも?(笑)
イスラム教の拡大と交易ネットワークって、結構密接に繋がってますので。

> > ちなみに、海賊対策軍が形成した国家同士が争う話を考えたことがあります。
> > 銀英伝とかガンダムとかの知識の影響を強く受けていますが。

私もSF関連の知識には疎いので、あまり言える立場では無いのですが、
銀英伝やガンダムなどは、SFの世界観を借りているだけの作品なので、
SFファンからすると、その設定は「・・・」って感じみたいですからねえ。
下手な話、ミニスカJKが主人公で、ももクロが主題歌を歌った
「モーレツ宇宙海賊」の方が、SF設定的に評価が高かったりも(笑・私は未見)。
あと、こちらはアニメではなく小説でけど、
完全版・全5巻が昨年完結した、谷甲州の「航空宇宙軍史シリーズ」などは、
その設定のリアルさが、SFファンから評価されていると聞きます(同じく未読)。

って、そう言えば思い出しましたけど、
官さんは以前の雑談で、「小説は苦手」との事でしたが、
銀英伝やガンダムの話が出ると言うことは、
同じ創作系でも、アニメは大丈夫だったんですね(笑)。

> ハイリスクとはいえ、莫大なハイリターンを得られるわけですから、
> それこそ先駆者であれば天文学的な利益を生み出すことができるでしょう。
> そういった者たちがいる国は高度な発展を遂げるでしょう。
> もっとも、そういった時代の先端にいるのは、
> 人命を大胆に使える中露や、フロンティアスピリットの国民性のアメリカ、
> そして失業率が著しく高くギャンブルに飛び込みざるをえない国などで、
> 少なくとも日本ではないと思いますが(笑)

分野は違いますけど、遺伝子編集の件では、
CRISPR/Cas9の登場により、ここ数年で技術面は急速に進展しましたが、
倫理面(世間体?)から、欧米諸国が人間への応用を躊躇する一方、
法治より人治の色合いが濃い中国では、意思や研究者など個人の判断で、
臨床試験(人体実験?)を行ってますからねえ・・・・
まだ技術的には劣っていても、実証実験が行えるのは相当の強みかも?

でもまあ、こと宇宙開発の分野に関しては、
個人的に言うと、もっと中国に頑張って貰いたい気持ちはありますね(笑)。
米ソ冷戦の影響により、人類はライト兄弟の初飛行から、
わずか66年で、月面にまで人類を送り込む事に成功しましたけど、
その宇宙開発競争が、ソ連の敗北で勝敗を決して以降、
ここ半世紀ほど、大きな進展は見られなくなってしまいましたからねえ・・・・
コストもリスクも莫大なのに、得られるリターンは皆無に近いのが現実なので、
政治的なメンツの争いが終結してしまえば、
開発レースが滞るのも、致し方ない面はあるのですが、
中国が新たな挑戦者として台頭し、再びレースが始めれば、開発も動き出すかな?と。

ちなみに、世界各国による「火星植民」を妄想して、
そのゲーム案やら、小説案やらは、考えた事がありますね(笑)。
この場合、火星がテラ・フォーミング化されてた方が、
設定的に面白そうなので、そちらの方向で考えてましたけど、
近未来に時代を採るなら、有人飛行レースの方がリアルなのかな?

> まあそんな先駆者の時代も長くは続かず、
> 大航海時代ではそちらも話しているオランダやイギリスによって覇権は奪われました。
> 「私掠許可状」を使って「夷を以て夷を制す」を地で行きましたが、
> そのようなことが実際に起きてもおかしくはありませんね。

武装をして、自己の権益を守ろうとする以上、
近代までは結局、「商人と海賊は表裏一体」の存在でしたからねえ。
逆説的に言えば、公権力による治安維持が十分になった事で、
商人はビジネスだけに専念できるようになり、
それで交易が急拡大した事が、近代化に繋がったと言えるのかも知れません。

> > >  こうして形成された国家は国民国家ではなく、
> > > フランス革命以前のその地域の支配者としての国家に近い性格を持ちます。

> 重商主義国家でしょうかね。

う〜ん、私は逆だと思いますけどねえ。
人類が各星に分かれて住み出すのであれば、
同星内での交流と、他星間での交流は、著しい差が生じるでしょうから、
それこそ、同じ星の住民同士による「国民」としての一体感は、より強まると思います。
アメリカにせよ、オーストラリアにせよ、多様な人種や民族を抱えながら、
曲がりなりにも、国民国家としての共同体を維持し得ているのは、
ユーラシア大陸とは隔絶されている地理的事情も、大きく影響していると思いますし、
隔てるモノが海ではなく宇宙ともなれば、その影響は更に増すのでは無いでしょうか?


で、個人的結論。
> > > 予測1 世界の一体化が崩れ、人類社会は再び分裂する
コチラに関しては、「一体化」と「分裂」の定義次第ですけど、まあ無くは無いかと?
例えば、考えやすいように太陽系のレベルで考えた場合、
人類が火星なり、木星の衛星なりに植民し、生活が営めるようになれば、
初めこそ地球主導で開発が進んでも、次第に自立の方向へと進むでしょうし、
それを地球との一体化が崩れたとか、地球との分裂とか表現するなら、
確かに、そうなる可能性は高いでしょうね。
現に史実においても、新大陸の植民地は、そうして独立し、
ある程度においては、旧大陸の欧州本国とは別の道を歩みましたから。

とは言え、その反面で、現在を「世界が一体化した状態」と捉えるのであれば、
宇宙時代の分裂というのも過渡期的な現象であり、
結局は、大きな流れとして統一化の方向に進むという見方も出来るかと?
そうなると、やはり「一体化」と「分裂」の定義になってしまうと思います。
もちろん、何光年や何億光年も離れた別の恒星や銀河であれば、
確かに分裂・・・と言うか、孤立化しそうですけど、
もう、そうなれば交流・貿易どうこうのレベルでは無いでしょうし、
そもそも、そこまで行ける技術や入植する理由があるのかも・・・・

> > > 予測2 海賊対策軍が国家を形成する
コチラに関しては、そもそもの前提として、
「宇宙海賊」と「宇宙貿易」の現実性が、どうなのか?という話になろうかと。
前述しましたように、広大な宇宙で海賊行為を行うのは至難の業ですし、
それを置いておくとしても、現在の海賊行為の大半は、
昔のように積み荷を奪う訳ではなく、身代金を目当てに人質を奪取するのが主で、
宇宙時代になったからといって、昔に戻るとは考え難いです。
その一方で、宇宙での貿易輸送に、人がどれだけ関わるかと言えば・・・・
現在も、宇宙ステーションに物資を送り届けるのに、無人機を使ってますから、
輸送船を襲って船員を人質をするような感じには、行かない気がします。

まあ、もしも宇宙で奪うとすれば、物資や人では無く、
それは情報だったり、通信機能だったりでしょうか?
それこそ、地球と火星は光の速度でも4分離れてますから、
双方向の情報のやり取りは、非常に重要なモノになるでしょうし、
それがウイルスやジャミングによって、通信が行えないとか、
機密情報が盗まれたりとかすれば、それを人質に身代金が取れそうです(笑)。
ただ、それって、イメージされてる宇宙海賊像とは、随分と異なるでしょうけど。

それと宇宙貿易に関して、これも前述しましたが、初期の開拓期を除けば、
惑星間で輸送が必要だったり、需要があったりする物資って、あるんですかねえ?
宇宙空間での輸送は楽かも知れませんけど、惑星には重力や大気がある訳ですし、
重力圏脱出や大気圏突入に要するコストに、見合う物資があるかどうか・・・・
(月面のヘリウム3にしても、重水素の核融合炉が出来ちゃえば無用かも?)
逆に言うと、月や火星を開拓する時に、物資やエネルギーを現地調達できれば、
地球から運ぶより安上がりな可能性はあるので、現地需要はあるかも知れません。
でも、それでは宇宙貿易にならないですからねえ(笑)。

で、最後に、海賊対策軍が国家を形成するか?と言えば、
恐らく、起こる順番は逆なような気がします。
つまりは、国家が形成されて、海賊対策を行うと。
宇宙の治安も大事ですが、住民にとって何より大事なのは現地惑星の治安で、
十分な規模があれば政府を作り、必要な組織を整備するでしょうし、
住民の規模が小さくても、自警団のようなモノになるでしょうから、
何はともあれ、まずは、そちらが先だと思われます。
海賊対策軍が先になるケースは・・・たぶん、中継基地としての能力が主で、
住民とかは、ほぼ皆無な場合に限られるのでは無いでしょうか?

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