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[22425] ロボットとAIが普及した近未来返信 削除
2019/5/29 (水) 20:40:31 徳翁導誉

> せっかく令和という新しい時代が始まりましたし、
> ここらで「AIによって人間の仕事はなくなるのか?」を中心に
> 少し未来の予測をしてみたいと思います。
>  (中略)
> ここからは私の予測ですが、将来はこういうロボットは
> どんどん人間の労働を奪っていくのではないかと思っています。
> 例えば清掃という仕事がありますが、将来はペッパー君の後継の清掃ロボットが時給50円で
> あちこちのビルの清掃を担当するようになるのではないかと。
>  (中略)
> 本当にあと10年もしないうちにペッパー君が人間の多くの労働を奪ってしまうのではないでしょうか。

結論から言いますと、ロボット自体は大して脅威では無いと思いますよ。
そもそも、こういうのは技術力ではなく、「費用対効果(コスパ)」で決まる話です。

清掃に関して言えば、別にペッパー君の後継機でなくても、
既にルンバなど、お掃除ロボットと呼ばれるモノは存在します。
では、ルンバが登場したから、清掃員の求人が無くなっているかと言えば、
現実的には、そのような事は起きていません。
何故かと言えば、現状のルンバの清掃能力は、
求人で求められているレベルに、まるで達していない為ですね。
もちろん、巨額の費用を投じれば、そのレベルに達するロボットを作る事も可能でしょう。
でも、そこまでやるなら、時給900円くらいで人を雇った方が、ずっとお得な訳です。
人間の持つ汎用性というのは、驚くほどに高度ですし、
一方でペッパー君は、そんなに高性能では無いですからねえ・・・・
「あと10年もしないうちに」というのは、さすがに無理だと思います。
(障害者や高齢者の為だけでなく、ロボットの為にも、バリア・フリー化は重要・笑)

とは言え、技術は進んでいき、価格も安くなっていくモノですから、
十年後は無くても、数十年後には有り得る話かも知れません。
ですが、それ自体は、今までも人類は数多く経験してきている事ではあるんです。
例えば、ちょうど現在放送中の大河ドラマでも扱われていましたが、
明治から大正になり、自動車が普及すると、人力車の車夫は仕事を失っていきます。
しかし、人を運ぶ仕事は無くなりませんから、新たに運転手という仕事が生まれます。
要するに、新しい技術の登場で、失われる仕事がある一方、新しい仕事も生まれると。
もっと言うと、機械が人間の仕事を担うようになった大変革こそ、
200年前に始まった「産業革命」だった訳です!!
そして人間は、手仕事から、その機械を使うという仕事をするようになりました。
つまり、現在の私たちがいる世界は、
既に、ロボットにより古い仕事が奪われた世界であり、
また、ロボットと共に仕事をする世界な訳ですね(製造業など特に)。

一方で、これから拡大するであろうAIに関しては、また少し事情が異なります。
従来の産業用ロボットも、人間に出来ない事を行ってきましたが、
何もそれは、機械が普及する以前から、事情は同じだった訳です。
速く荷物を運ぶなら、人力よりも馬を用いた方が良かったですし、
重い荷物を運ぶなら、人力よりも牛を用いた方が良かった訳で、
言ってしまえば、牛馬が機械に取って代わっただけの話でした。
しかし、AI(人工知能)というのは、人類が何よりの武器としていた頭脳の分野です。
人類よりもスピードがあったり、パワーがあったりする動物はいっぱいいますが、
人類よりも賢い動物はおらず、そうした存在は今まで地球上に居ませんでした。

例えば、人力車みたいに直接、人が車を引かなくなっても、
馬車を動かしたり、自動車を動かしたりする人は必要だった訳です。
ですから、ある仕事は無くなっても、また別の仕事が現れましたが、
これがAIによる自動運転が実現すると、そこに人は必要なくなります。
つまり、本当の意味で、人の仕事を奪うとしたら、
それは自動車という機械の登場ではなく、自動運転というAIの登場です。
頭のないロボットには、操縦士という人間の頭が必要になりますが、
頭をもつロボットには、それこそ人間が必要ありませんからねえ・・・・
ロボットの進出が社会に脅威を与えるとすれば、それはAI搭載のロボットです。
でもまあ、仮に事故を起こしても、AIに法的な責任は問えませんので、
自動運転が登場してから当分の間は、運転は自動化されても、
同乗責任者という仕事として、人が乗るかも知れません。
こうすれば、とりあえずは新しい仕事が生まれますけど、
そんな無駄な仕事が無くなるのは、時間の問題でしょうね。

あと、ドライバーなら運転という技能が必要でしたが、
同乗責任者だと、そんな技能は必要ないので、
その職に就ける人数が増える訳ですから、必然的に給料は下がります。
と言いますか、これに関してはAIやロボットに限らず、技術が進歩する事で、
初心者でも熟練者と同等の仕事や、大量の仕事をこなせるようになるので、
長い経験を積み、特別な技能を持つ者として、
優遇されていた労働者が、その待遇を失い始めます。
そうなれば、給料の高い正社員を減らして、給料の安いバイトを増やしたり、
コストの高い国内製造よりも、コストの安い海外製造に移した方が、
企業側からすると「費用対効果」が高い為、無策だとドンドンそちらに進みます。
現在の格差社会が生まれる構造というのは、こういう部分にもある訳です。

で、AIの登場により、仕事を失うであろう人たちというのは、
高度な専門知識を必要とする頭脳労働により、高給を得ていた人たち。
具体的に言うと、弁護士・開業医・銀行員などと予想されていますね。
逆の見方をすれば、社会に必要な分野ではあるけども、
担える人材の数は限られているから、その需給ギャップにより高収入だった訳で、
しかも、努力して勉強すれば誰でも進める分野だったので、今まで人気でしたが、
AIが格安で高度に頭脳労働をこなせれば、それだけに得られる利益は莫大です!!
もちろん、相場が崩れるので、弁護士・開業医・銀行員など大変でしょうけど、
その一方で、利用者側からすると、料金が下がって助かる話なのかも知れません。

また、苦しい立場になる弁護士・開業医・銀行員は多くなるでしょうけど、
全員が全員、そうなるという訳でもありません。
こちらに関しても「費用対効果」の問題で、人を使う側の人にとっては、
人を雇うよりも利益を得やすくなるので、今まで以上に儲かります。
簡単に言ってしまうと、今まで労働のピラミッドは、
「人を使う人」と「人に使われる人」の2段構造でしたが、そこにAIが加わる事で、
「AIを使う人」と「AI」と「AIに使われる人」の3段構造になるのかも知れません。
そして、現在の「勝ち組/負け組」なんて言葉が生易しく聞こえるくらい、
「AIを使う人/AIに使われる人」の格差は、歴然として開いていくのかなぁ?
ピラミッドで言うなら、上の下とか、中の上の所にAIが入り、
その層にいた大部分の人は、更に下の層へ移って、下層部の人の数が増える一方、
AIを使う最上部(上の上)の人が蓄える富の量も増えるイメージでしょうか。

・・・って、実を言うと、この辺の未来のイメージ像というのは、
幼稚園児の頃、ドラえもんが未来に帰る回を見て、漠然と思った事だったり(笑)。
あの当時は私も、AIではなく、ロボットというイメージでしたけど、
「ロボットが人間以上に働けるなら、未来の人は購入したロボットに働かせるのかな?」
「でも、ロボットは1人で何台も買えるから、お金持ちほど、お金が増えて行くよねぇ?」
というような考えを抱きながら、その回を見ていました。
ドラえもんを見ていて、そんな事を考える幼児園児って、
我ながら「嫌なガキ」だなぁ、と今更ながらに感じます(苦笑)。
ただ、あれから相当の時間が経ちましたけど、その認識が変わる所か、
却って強化される時代になっていると感じるので、ガキの考えた通りなのかも?

それと、「AI対策には、BI政策が必須だ」などと言われたりもしますけど、
極端な2極化により、下層部の人口が多数派を占めるようにでもなれば、
最低所得を分け与える「ベーシック・インカム(BI)」も無くは無いでしょうけど、
中の下や、下の上で堪えてる層が多数派な内は、まあ実現困難な話でしょうね・・・・
でもまあ、今までは先進国に独占されていた世界の富が、
グローバル化の名の下、途上国にまで分配されるように、
その結果、先進国の国民が相対的に貧しくなりつつあるのだとすれば、
もちろん、今まで繁栄を謳歌していた人たちには厳しい現実ですけど、
それはそれで、人類の1つの流れとしては、別に間違ってはいないのかも?

結局の所、新たなフロンティア(途上国の市場)を開拓する事で、
全体のパイ(富)を増やすという経済モデルが限界に達している以上、
これからの時代は、如何に富の流れを回し続けるか?が重要な気がします。
別に全体の量が増えなくても、十分な量が回り続ければ良い訳ですからねえ。
で、それはBIにより、お金を配る事で実現するようなモノではなく、
何と言いますか、「モノに頼らない消費社会」の実現が必要な気がするんですよ。
まあ私は理系の人間で、経済とか からっきしですから、漠然としたイメージですけど、
生活必需品なんて数が限られる上、技術力の向上で生産性は更に上がるでしょうから、
そこに加えて、無駄なモノを大量に消費(享受)する社会とでも言うのでしょうか?
高度経済成長期のように、物質的な製品を大量生産・大量消費するのではなく、
文化的な価値を大量に消費し、そこに生産(創作)が伴うイメージですね。
(「モノに頼らない」は物質的なモノ、「無駄なモノ」は文化的なモノを指します)
そして、もしもBIでお金を配るなら、消費の部分ではなく生産の部分だと思うんです。
こう配った方が、お金の巡り自体は、より良く流れると思うので。

あと、ここからは完全に蛇足かも知れませんが、
人類の歴史を見た時に、人類社会の活動の流れというのは、
「ヒト・モノ・カネ・情報」という順番に進んでいきました。
ヒトが実際に移動し、そこにモノの交換が加わり、その為にカネが生まれて、
最後に、それらに更なる価値を生み出す為の情報が重要になったと。
そして現在、インターネットの誕生により、
人間は今までの実空間だけでなく、仮想空間でも活動するようになりました。
で、ネット上で生まれた活動の流れは、今までとは逆の流れのような気がするんです。
つまり、一番最後に生じた情報の流れが、ネット空間では最初に起こった訳です。

まさにネットとは「情報」をやり取りする場として生まれ、
それが今や、ビッグ・データの登場により、加速度的に重要さを増していると。
続いて「カネ」に関して言えば、政府や企業が押し進める電子マネーであったり、
国家の後ろ盾を持たない仮想通貨の登場であったりと、
キャッシュ・レス化の流れは、ネットの存在抜きには語る事が出来ません。
更に「モノ」については、これからの時代は、それこそ、
「モノのインターネット(IoT:Internet of Things)」が到来すると叫ばれてますし、
そして最後には、「ヒト」とネットが直接繋がる時代、
つまりは「IoH(Internet of Human)」の時代が来るのでは無いでしょうか?

要するに、そう遠くない未来の社会において、
人間が、ロボットやAIと対立する時代ではなく、
人間が、ロボットやAIと共存する時代すら越えて、
人間が、ロボットやAIと一体化する時代が来るような気がするんです。
技術革新が進んでいるのは、何もコンピューターの分野だけではなく、
生物の遺伝子を弄ったり、生物とロボットを組み合わせる分野でも、
同じく驚異的な進歩を見せつつありますからねえ。
私が生きている内に見られるかは微妙ですけど、これはSFの話ではなく、
人類が自らの手で、人工的に進化を遂げる時代は、もうすぐそこまで来ています。
この場合、生物としての「種(しゅ)」が変わるくらいの激変ですから、
AI社会による格差問題とか、そんなレベルではない差が生じるでしょうね。

ちなみに今年の3月、東大とカリフォルニア工科大の共同研究チームが、
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚に続く、人間6つの目の感覚として、
既にかなり退化しているものの、磁気を感じる能力の存在を発見しました。
まあ、渡り鳥とかは、この磁気覚によって方角を把握する事は知られており、
その痕跡が人間にもある事自体は、そこまで意外では無いのですが、
この感覚回路を、ネットや機械と繋ぐ上で活用できないか?と、少し思ったんです。
電気と磁気は電磁気としてセットですし、脳波は電気信号ですからねえ。
と、何だか話が大きく脱線して行きそうなので、今回はここまでに(笑)。

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