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[5322] Re3:泡の夢返信 削除
2008/2/11 (月) 19:16:55 徳翁導誉

> > 日本国の「天皇」と、満州国の「皇帝」との、明確な区分化を狙っていたみたいです。
> > 溥儀は「同じ皇帝なのだからは、天皇に仕えるように私に仕えろ」と主張し、
> > 関東軍は「天皇は皇帝よりも上」と主張したと。

> そうしてたんですか。天皇が皇帝よりも上…と。

あくまで、関東軍はそういう解釈をしたと言う事ですね。
「天皇は皇帝よりも上」と、明文化されている訳ではありません。
まあ、溥儀にも、関東軍にも、それぞれの立場があり、
自身が有利になるような解釈をした訳ですね。
例えば溥儀の来日時など、昭和天皇は東京駅のホームで出迎えましたが、
「天皇は皇帝よりも上」という考えがあれば、そこまでしないと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=hsRk27sbWEg

> 今では皇帝自体が居ないのでどうということもありませんが、
> そうすれば宗主国としての日本の立場もはっきりしてきますし、
> 当時はそう考えた方が都合が良かったんですね。

実は現在でも、似たような事があります。
外務省の正式な文章では今でも、
相手国の国王に対して「皇帝」と言う呼び名を使用しているはずです。
確か戦前だったと思いますが、
日本側は「皇帝」、相手国側を「国王」と扱った事で、
トラブルになった事があったそうなんです。
なのでそれ以降、正式な外交文章では常に「皇帝」を用いる事になったとか。
天皇を王に格下げする訳には行きませんしね。


> 溥潔は帝族じゃなかったんですか…。なるほど。。
そうなんですよ。
ですので、溥傑の妻である嵯峨浩も「流転の王妃」と呼ばれていますが、
正式には、「王妃」では無かったんですよね。
清朝の方の王妃だとしても、結婚した時には既に清朝は滅んでますし。

> 溥儀が崩御して後継者がいない→日本と同君連合とか(笑)。
> 思いっきり中世の思考回路ですね。

別に、そこまでおかしくは無いですよ。
1877年に、英国女王はインド皇帝になってますし、
1936年に、イタリア国王は東アフリカ皇帝になってます。
ついでに米国皇帝ノートンも、後にメキシコ護国卿を兼務しています(笑)。

しかし、養子の件を断ったのが本当に真実だとしたら、
そうした線は、かなり少ないでしょうね。
それよりも、大韓帝国の併合と同じ路線を取る可能性の方が高かったかと。
そもそも、満州国を途中で帝政に移行させたのも、
皇帝の一存で国の方針を決められる帝国の方が楽だからでしょうし、
満州皇帝である溥儀了解の元、「日満合邦」と言うシナリオも・・・・
そして溥儀たち満州帝族は、韓国皇族同様に「王公族」になると。
元々、満蒙領有計画からスタートし、
国際情勢から、満州国建国へ軟着陸した経緯がありますしねえ。


> > 中国国内には1000万人以上の満州民族が暮らしていますが、
> > それだけの人口があるのに、自治州すら与えられていませんからねえ。
> > まあ、清朝や満州国の滅亡、文化大革命など、
> > 旧支配者である異民族と言う弾圧される立場であった為、
> > 名前や生活習慣を中国風に変えたりと、かなり同化が進んでいるらしいですが。
> > 満州語なんかも、ほとんど消滅寸前ですし。

> そうなんですか…地図帳で中国の民族分布を見ると満州族だけ点々になっているのって、
> そういう理由だからなんですかね。

恐らく、その「点々」は「満族自治県」を現していると思います。

> 日本でたとえると、アイヌみたいな?
アイヌ民族・・・よりは多少マシなのかな?
何だかんだで中国は、1億人近い少数民族を抱えていますし、
その一方で日本は、「単一民族国家」との認識が強いですからねえ。
って、何処に基準を置くかで、見方はいろいろ違ってくるでしょうけど。


> > 実際、史実に於いても毛沢東は、
> > 外満州の割譲を、清朝による不平等条約として認めていませんでしたし、
> > 中国が正式に外満州奪還の断念したのは、2001年の中露友好条約の締結時です。

> あきらめちゃってたんですか。中国らしくない…

その代わり、ソ連崩壊後に中国人が大量に流入してますけどね(笑)。
逆にロシア人は、住み易い西へ西へと移っちゃってますし。
現状では、沿海州のロシア領有は認めざるを得ないでしょうが、
100年後くらいには、どうなっているかは分かりません。
そう言うやり方は、悠久の歴史を持つ中国人らしい方法です(笑)。

ついでに、沿海州には「高麗人」も集まってきてますね。
高麗人とは、沿海州周辺に住んでいた朝鮮民族なんですが、
日本との内通を恐れたスターリンにより、中央アジアへ追放されました。
そうした人たちが、ソ連の崩壊により沿海州へと戻り始めており、
韓国はそんな彼らを、在外同胞として扱い支援を行っています。
ひょっとしたら、「沿海州は東アジアの火薬庫」と呼ばれる日も来るかも?

え〜と、あとついでに、もう1つ主権承認のネタを。
これは中国でも中華民国、つまりは台湾の事ですが、
台湾はまだ正式に、日本の沖縄領有を認めていません(笑)。
沖縄はもともと、琉球王国として中国の朝貢国でしたし、
中国が沖縄領有を認めたのは、日清戦争の敗戦後の事なので、
外満州同様、これは敗戦による不平等条約によるモノだと。
その為、台湾は大使館にあたるものを東京と那覇に置いています。
ちなみに台湾は、モンゴルの独立も正式には認めていません。

> ウラジオストク、ロシアが夢にまで見た不凍港ですからね。
温暖化が進んでいる現在はよく分かりませんが、
ウラジオストクは、冬には流氷が流れ込んできますし、
厳密な意味での「不凍港」と言うには、少し難しいですけど。
だからこそ、大連へと更に南下した訳です。
日露戦争に勝利していれば、それこそ「念願の不凍港」って感じだったでしょうね。

そう言った意味では、
「もしも日本が日露戦争で負けていれば」って「if世界」も面白いかも?
もしくは、日露戦争にすら到らない「幕府存続if」とか(笑)。


> そういやウランは輸入でしたね…というか、
> 日本はほとんどを輸出入に頼ってますもんね。やっぱり、
> 核を持ったら経済的な打撃は計り知れないと…

ウランは一応、人形峠で採れますけどね。
まあ、品質はあまり良くありませんが。

それと、核ミサイルで用いられるプルトニウムに関しては、
原子炉から輩出されたものが貯まっており、
既に日本のプルトニウム貯蔵量は、核兵器5000発分を越えています・・・・
核開発を目指す国からすれば、喉から手が出るほど欲しいでしょうが、
日本としては、処理するのに困っていると(笑)。

> 実験場のことは、盲点でした。
> そりゃあ、こんな狭い国でできる場所があるわけない…

まあ、北朝鮮も国内でやっちゃってますから、
東北地方の山中や、小笠原諸島などで出来ない事も・・・って、
現状では、まず無理でしょうけどね(笑)。
インドやパキスタンでも、周辺住民に影響が出ているみたいですし。
ちなみに、大日本帝国が続いていれば、
最初の核実験は満州北部で行い、
その後に南洋諸島での海底地下実験って感じだったんでしょうかねえ?

あと、核実験をやらずに作ると言う方法もありますが・・・まあ、やらないでしょうね。
プルトニウムを使用した核兵器には、爆縮技術が必要ですが、
日本は戦後、ほとんどそれらの研究を行ってきませんでしたし、
やはり実験を行わないと、実際に使えるのか分かりませんからねえ。
「シミュレーション実験で対応可能」なんて話もありますが、
日本には核実験に関する充分なデータやノウハウが無いですし、
「イスラエルが核実験をやらずに装備している」と言う話もありますが、
南アフリカと共同で核実験を行った可能性が高いですし。
本当に爆発するか分からない兵器を、
数十発から数百発も製造するとは、ちょっと思えませんからねえ。

> 核なんて持ったら国際的な信用もがた落ちですしね…
> 無闇に核などに頼らずに、「平和」を掲げていった方が日本の国策に良いわけですね。

「がた落ち」って程では無いでしょうけど、
核を持つ事で、国際的な発言力を強めたい国が多い中、
簡単に核を持つ事が出来るのに、敢えて持たない姿勢を強調する方が、
日本という国の場合は、プラス面が大きいでしょうからねえ。


> まあ、私は日民を通じて共産主義の主義、主張を知りましたよ。
> 共産主義や社会民主主義を調べるきっかけになりましたし。

キッカケになる分には良いんですが、
あそこで止まって、
「これが共産主義の主義か」とか思われても困るんですけどね(笑)。
私は共産主義者じゃありませんし、
真面目な口調の時でも、ネタを交えて書いたりしてましたので。

> 余談ですが、教科書には阪神淡路大震災は乗ってますけど、サリン事件は載ってませんでした。
そうでしょうね、難しい問題ですし。
安保闘争だとか、日本赤軍だとかも、
教科書にはまともに載ってないでしょ?
少なくとも、私の頃は載ってませんでした。
天災と違って、人間が大きく絡んでますし、
そうした人たちが、まだまだ大勢生きてますからねえ。
100年くらいは経過しないと、キチンと教科書に載らないんじゃないですかねえ?

ちなみに、「教科書の中の出来事」というのは、
「歴史上の出来事」と言う時のあくまで比喩ですので、
本当に載っているかどうかは知りません(笑)。

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