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[6269] 夏季オリンピック参加国の変遷返信 削除
2008/4/23 (水) 19:59:33 徳翁導誉

最近、ネット上でこんなコピペ↓をよく見かけます。
> 中国の五輪ボイコットの歴史
> 1949年 中華人民共和国 建国
> 1952年 ヘルシンキ五輪 参加
> 1956年 メルボルン五輪 選手団が現地に到着後にボイコット(理由は台湾問題)
> 1960年 ローマ五輪 ボイコット(理由は台湾問題)
> 1964年 東京五輪 ボイコット(理由は台湾問題)■■開会式当日に合わせて核実験強行■■
> 1968年 メキシコ五輪 ボイコット(理由は台湾問題)
> 1972年 ミュンヘン五輪 ボイコット(理由は台湾問題)
> 1976年 モントリオール五輪 ボイコット(理由は台湾問題)
> 1980年 モスクワ五輪 ボイコット(理由はアフガン問題)


まあ、疑問に思う箇所もあったので、ちょっと調べてみました。
先ず、これは当たり前の事ですが、IOC(国際オリンピック委員会)に加盟しない限り、
IOCが主催するオリンピックには、出場する事が出来ません。
例えば、香港はIOCに加盟しているので、北京五輪に参加可能ですが、
マカオはIOC未加盟なので、自国開催の大会に出場できなかったりします。
で、当の「中華人民共和国」は、どうかと言えば、
1954年にIOCに加盟して、1958年に台湾問題で脱退、1979年に再加盟という流れです。

そうなると、脱退中の1958年〜1979年に行われたオリンピックは、
参加してないのは確かですが、「ボイコット」とは言えませんよね。
IOCに加盟していない以上、オリンピックに参加する資格自体が無いのですから。
ですので、1960年ローマ五輪から1972年ミュンヘン五輪までの4大会は、
「ボイコット」ではなく、「IOC脱退中」と書くのが適当でしょうね。
また、1952年ヘルシンキ五輪に関しては、
1954年に初めてIOCに加盟した訳ですから、
「参加」となってますけど、恐らく参加してないものと思われます。

あと、この部分が引っ掛かって、調べるきっかけになったのですが、
「開会式当日に合わせて核実験強行」と書いてありますけど、
開会式は10月10日で、核実験が10月16日なので、
この部分は、正しくは「大会中に核実験を実施」でしょうね。
「強行」というのも客観性に欠く表現で、却って情報伝達を阻害するモノですし。
結局、中国がボイコットした大会って、
現地で台湾チームと揉めて帰国した1956年メルボルン五輪と、
日本もボイコットした1980年モスクワ五輪の「計2回」となりますね。


で、調べたついでに、地図にして視覚化してみました。
http://www.geocities.jp/flash_okiba4/olympic/olympic1.html
http://www.geocities.jp/flash_okiba4/olympic/olympic2.html
(置き場としては、企画コーナーに突っ込んであります)
こうやって並べてみると、「オリンピック」という1つの競技大会が、
時間の経過と共に、世界中を巻き込んでいく事を感じられ、
いろいろ言われる「平和の祭典」という呼び名も、「決して悪くはないな」と思いました。

「平和の祭典を開催するのに、平和的でない中国は相応しくない」という意見もありますが、
であればこそ、オリンピックを開催する意義もあるんじゃないですかねえ?
実体がどうであれ、オリンピックとは、
平和である事を祝う大会では無く、平和であろうとする運動の大会です。
常態として平和である国に大会を限定するのであれば、
エケケイリア(オリンピック休戦)の理念にも、反する事に繋がるでしょうし。

また、現在問題となっている聖火リレーに関してですが、
今までの聖火リレーなんて、単なるイベントに過ぎませんでした。
それが、中国が世界に威信を示そうと、史上最長の聖火リレーを行った事で、
世界中にチベット問題と中国国内の問題を伝え広め、
更には、聖火リレーが通過する各国の対応さえ、如実に描き出しています。
未だかつて、これほど意味のある「聖火リレー」は有ったでしょうか?
知らない事により「平和」だと勘違いしているよりも、
知った事から導かれる「混乱」の方が、真の平和への近道でしょうからねえ。

そう言った意味では、「知る」と言う事は重要なモノなのですが、
それを日中で比較した場合、考えさせられる面もあります・・・・
確かに、情報の量も、その自由度も、
日本と中国とでは比較にならない程、日本人の方が恵まれているでしょうね。
中国の方は、情報統制や情報操作も行われているそうですし、
今回の聖火リレーに関しても、抗議運動などはほとんど報道されていないとか。

しかしその一方で、仏系スーパーへの不買運動を行っていると言う事は、
新聞やテレビでは、フランスでの抗議運動をほとんど伝えない状況下で、
自ら情報を得て、それを伝え広めているって事になりますよねえ?
それって何気に、現体制下の中国に於いて、かなり大きな意味を持つように思います。
その一方で、容易に情報を得られる日本の環境にありながら、
上記のようなコピペを簡単に精査する事も無く、貼っていく人の多さは、
情報の量や質を別として、情報に向き合う姿勢を考えた場合、
ひょっとしたら中国人の方が、日本人よりも真摯なのでは?とも考えさせます・・・・
って、日本人気質と中国人気質を比べた場合、昔からそうなのかな?(笑)

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