[▲前のスレッド]

[18846] 新作投下返信 削除
2014/3/13 (木) 22:11:24 R・グループ

どうもお久しぶりです。
新作動画を作りましたので、もし興味があればぜひぜひ宜しくお願い致します。

「防潮堤」
http://www.nicovideo.jp/watch/nm23067622


[18857] 防潮堤と防災について考える返信 削除
2014/3/14 (金) 19:58:38 徳翁導誉

> どうもお久しぶりです。
> 新作動画を作りましたので、もし興味があればぜひぜひ宜しくお願い致します。
> 「防潮堤」
> http://www.nicovideo.jp/watch/nm23067622

う〜ん、1本の動画を作るのが大変な事は、私も十分に知ってますし、
当たり障りのないコメントにしようかどうか悩んだのですが、
相手がR・グループさんですから、ここは敢えて正直に感想を述べますね!
動画だけならそこまででも無いですが、この紹介文↓も込みだと、個人的に違和感を覚えました。
> > この動画は故和村幸得村長の教訓を未来に伝える動画です
> > Q.自然の猛威、歴史的大災害には人間は抗う術はないのか?
> > A.そんなことはありません。何かを成し遂げようという本当の志があれば、不可能なことなどないのです。


今週の火曜で、あの震災から丸3年が経過した訳ですよねえ?
これがまだ震災直後であれば、普代村の防潮堤の話も、美談という側面だけで語っても良いと思いますが、
あれから3年が経ち、復興への道を1歩1歩進めていかなくてならない時期に、
未だその側面だけで語るのが適切なのかと、私は個人的に思うんですよ・・・・
もちろん、津波の被害を軽減させる上で、防潮堤というのは重要な手段の1つです。
ですが、防潮堤だけで津波が防げるという単純なモノでもありません。

実際に今回の津波における普代村の防潮堤の件を見てみると、
まずは、太田名部漁港は北東側に開いており、南東側から襲った津波の威力が削いだのが第一点、
続いて、台風対策で頑強に作ってあった二重の防波堤が、津波の威力を更に削いだのが第二点、
そして第三点目に、この高さ15メートルの防潮堤が太田名部の集落への直撃を防ぎ、
最後に、集落の西側を流れる大沢川へと、防いだ水をうまく逃がせたのが第四点です。
確かに普代村の奇跡において、防潮堤が果たした役割は、決して小さくありませんが、
しかし、残る3点にも目を向けずに奇跡と語る事に対して、私は危機感を抱くんです。

何故ここまで厳しく言うかというと、震災前に「田老の防潮堤」が担った神話の役割を、
震災後は「普代の防潮堤」が担わされる構図になりつつあるように見えるんですよ。
万里の長城の異名を誇った、あの田老の防潮堤は、今回の津波でどうなったでしょうか?
田老での成果と失敗を踏まえず、次は普代に挿げ替えるだけでは、本当の意味での防災になりません。
防潮堤の再建計画が進もうとする昨今、住民の意向・地形低条件・地域の状況などを考慮せず、
とにかく高い防潮堤の建設を目指す人たちによって、この「普代村の奇跡」という美談は、
表面だけ切り取って神格化され、既に他の意見を強引に押し切る大義名分と化しつつある現状です。
酷い実例だと、宮城県の村井知事などは、震災前から耕作が放棄されていた無人島の農地を守る為、
20億円を掛けて防潮堤を築こうとし、異論や反論は一切受け付けませんでしたからねえ・・・・
(さすがにこの件は国側からも注意を受けて、再検討する事になったらしいですが)
普代村を例に出し「全住民が反対してもやる」という言動を、和村村長はあの世でどう見てるでしょう?

確かに、湯水の如く予算があるなら、大規模な防潮堤の再建計画も良いかも知れませんが、
実際にはそうは行かない訳で、方針として防潮堤の計画を最優先するあまり、
街の再建計画や、避難道路の整備など、地元住民の意向を後回しにしている現状は、
どこに重点を置いて、誰の為の計画なのか、解らなくなりつつあります・・・・
「まずは防潮堤ありき」ではなく、防潮堤を込みでの「街の復興・防災」計画でしょうに。
どんな動画を作るかは個人の自由ですので、これ以上の事は私から申しませんが、
このタイミングで、そうした神話化の流れを助長しかねないのは、正直どうかとは感じました。
動画自体は良いにしも、せめて紹介文だけは、もう少し配慮したモノの方が良いように私は思います。
「美談は美談で良いじゃないか」という考え方も、私の中で無い訳では無いのですが、
やはり現在進行形の問題であり、将来の生命や生活に関わる事ですから、慎重になってしまいますね。
せっかくの新作なのに、お気を悪くされたら申し訳ないです・・・・


[18858] Re:防潮堤と防災について考える返信 削除
2014/3/14 (金) 20:48:09 R・グループ

▼ 徳翁導誉さん
いえいえ、とても参考になりました。
しかし、極論をすれば、私はとても冷めて人をみている人間です。

今、防災なんて口にしている人は、本気で防災する意識あるのか?
と思っています。
発生してから対処を叫ぶなんてのは誰でもできます。
今ならたいして反論もでないでしょう。
防災対策などキレイ事を唱えれば金も仕事も稼げます。

でも、次に必要なのは津波対策とは限りません。
それが何なのかは、ちゃんと強い意志で、その次に必要な何かを見極めている人にしかできません。

そして、それを言ったらそんなものが必要なのかと批判を受けることでしょう。
だって必要かどうかわからないものなのです。

終わった防災なんてどうでもいい話です。死んだ人間は生き返らない。
次がある? "次に必要なこと"が津波対策かどうかはわかりません。

私は防災は、今すぐには必要のないと思っています。
次の日本の危機は津波ではない別のモノが来ると思っているからです。
でも昨今の防災ブームではそれは受け入れがたいでしょう。
「防災なんて差し迫った危機ではない」と言えば、ヘンな目で見られる事は確実です。

「未来を救う決意ある人」と「未来を救う決意ある人を装っている人」
を見極めるのは至難の業です。
でも、少なくとも和村氏は「未来を救う決意ある人」でした。
そういう決意のある人は、どうやっても防げそうにないような強大な猛威だって
防ぐことができるのです。

防潮堤が村を守ったのではなく、和村さんの志が村を守ったのです。
これは普代村の人々も言っています。※広報ふだい、などで確認

というわけで、後半部分の曲はまどか☆マギカのMagiaを使用しています。

前半部分の曲はサマーウォーズを使用しています。
実はこれには湾曲的な皮肉を隠しています。

サマーウォーズのネタバレになりますが、
あの映画は、
"原発に人工衛星をぶつけて破壊しよう"というテロリストから
小さな村の村人が強い意志と知恵を絞って守る。
というストーリーです。

これを聞けば、この普代村の事例を何の事例に対しての皮肉として計算しているかわかるかと思います。

小さな村で、村長が志で不可能を可能にする事もあれば
大きな組織で、絶対に守になければならないモノを守れなくて壊してしまう愚もあるのです。

そういうのは歴史の必然です。
今後も幾多あるでしょう。

でも、和村氏のような紹介したい事例が増え、
逆に今回皮肉られるような事例が減って欲しいとは
物事に対していつも冷たい私でも思う限りであります。


[18869] 防災における神話化の功罪返信 削除
2014/3/21 (金) 06:04:17 徳翁導誉

> いえいえ、とても参考になりました。
> しかし、極論をすれば、私はとても冷めて人をみている人間です。

逆に私は、根本は凄く感情的に走りがちな性格なので、
出来る限り「冷静であろう」「考えよう」と努力しているタイプですね。
少しは成長したのか、単に年を取っただけかは解りませんが(笑)、
昔に比べれば、感情で先走る事も幾らか抑えられるようになったと思います。

> 今、防災なんて口にしている人は、本気で防災する意識あるのか?
> と思っています。
> 発生してから対処を叫ぶなんてのは誰でもできます。
> 今ならたいして反論もでないでしょう。
> 防災対策などキレイ事を唱えれば金も仕事も稼げます。

ただ一方で、「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるように、
こう言う時だからこそ、大きく進められる計画と言うモノもあります。
実際、東京の都市計画も、関東大震災後に後藤新平が打ち出した「帝都復興計画」が元になってますし。
とは言え、それは被害が出た後から考え始めても間に合う話では無いので、
そういう意味では、事後に関心を持ち始めるようでは遅いというのも確かでしょうね。
後藤は震災前から「都市研究会」を作り、将来的な計画を構想していたからこそ出来た話ですので。

> でも、次に必要なのは津波対策とは限りません。
> それが何なのかは、ちゃんと強い意志で、その次に必要な何かを見極めている人にしかできません。
> そして、それを言ったらそんなものが必要なのかと批判を受けることでしょう。
> だって必要かどうかわからないものなのです。
> 終わった防災なんてどうでもいい話です。死んだ人間は生き返らない。
> 次がある? "次に必要なこと"が津波対策かどうかはわかりません。
> 私は防災は、今すぐには必要のないと思っています。
> 次の日本の危機は津波ではない別のモノが来ると思っているからです。

ですが、今回の津波で多くの防潮堤や水門が壊れた以上、そのままと言う訳にも行きませんよ。
三陸地域は大きな津波が数十年に1度の確率で襲ってきますし、
それは決して、今度は数十年後に襲うという周期的な話では無いのですから。

> 「未来を救う決意ある人」と「未来を救う決意ある人を装っている人」
> を見極めるのは至難の業です。
> でも、少なくとも和村氏は「未来を救う決意ある人」でした。
> そういう決意のある人は、どうやっても防げそうにないような強大な猛威だって
> 防ぐことができるのです。
> 防潮堤が村を守ったのではなく、和村さんの志が村を守ったのです。
> これは普代村の人々も言っています。※広報ふだい、などで確認

う〜ん、政治家というのは結果が全てと言って良いような職業ですし、
「冷めて人を見る」という事でしたら、その成果で淡々と評価すれば良いのでは無いでしょうか?
別に私としても、和村元村長の事を腐すつもりは毛頭ないですけど、
防潮堤や水門が村を津波から守った事実を評価すれば良く、変に聖人君子として見る必要は無いかと。

前回も少し書きましたけど、台風対策で頑強に作った防波堤が今回は功を奏したのですが、
台風銀座と言われるような地域の漁港より立派に作ったコチラも、
防潮堤と同じく、重厚長大との批判があったそうです。
こちらの建設も「信念ある決意」の元に行ったのか、村役場の土木課出身という経歴によるモノかは、
正直私には解りませんが、少なくとも現在、譜代村が県内で3番目に借金が多い自治体なのは確かです。
まあこれだけなら、産業の乏しい過疎地は何処も公共工事の雇用に頼っていた面があるので、
別に普代村だけを取り立てて、どうこう言う必要は無いかとは思いますけど、
私が少し引っ掛かっているのは、和村村長時代に行われた「普代小学校」の移設なんです・・・・
実際に動画を作られたR・グループさんなら解るでしょうけど、かなり危ない立地にあると思いませんか?

そもそも普代村の中心部と言うのは、海岸から1キロほど内陸に入った盆地部分にあり、
その間の回廊状の土地には住宅が建てられいない一方、何故か小学校と中学校だけがポツンとあるんです。
まず最初に、何故この回廊に住宅が無いかと言えば、1000人以上の死者を出した明治三陸津波の後、
高台移転とまでは行かないまでも、海から離れた盆地へと集落が移転された為です。
つまり普代水門が作られる前から、村自体が既に津波対策を行っていた訳ですね。
ですが和村村長の時代、盆地内でも比較的安全な場所にあった小学校が、その地へと移設されるんです。
しかも普代川の水門が完成される何年も前に・・・・

確かに、小学校は山の斜面の高さ10メートル地点に作られたので、今回は被害を免れましたが、
県内の陸前高田や大船渡と同じ威力の津波が、もしも運悪く普代村を襲っていた場合には、
水門は持ち堪えられなかった可能性が指摘されており、その際に小学校がどうなっていたかは・・・・
その場合、和村村長の評価も今とは正反対になっていたでしょうけど、
ただこれは仮定の話ですので、今回の津波に関しては、村を守ったという評価で良いと思います。
しかし同時に、今回の結果だけを以って、必要以上に神格化するのは危険な事のように私は感じますね。

まあ、和村村長の事は置いておくとして、直近で不安視しているのは現在の普代村の事です。
今回の津波で高い評価と注目を浴びた一方、被害は他地域より軽微で復旧工事の分配額が少ない為か、
普代川に続いて、大田名部の西側を流れる大沢川の方にも水門を建設する計画が持ち上がっています。
こうした構図は、チリ津波の後に田老の防潮堤でも見られたモノです。
ですが前回も書いた通り、大田名部の防潮堤が破られなかった1つの要因として、
その大沢川に防いだ津波の水を逃せた事が大きかったのに、そちらまで水門で塞いでしまっては、
襲ってきた水が逃げ場を失い、却って被害を生み出す結果に成りかねません・・・・
重要な事であるからこそ、過大な評価よりも、冷静で妥当な評価こそが最良のように私は思います。

少なくとも「決意ある人」という事であれば、前回悪例として挙げた宮城県の村井知事も、
松下政経塾の典型例と言うべきか、住民との調整能力は皆無ですが、確固たる信念はある政治家ですし(笑)。

> というわけで、後半部分の曲はまどか☆マギカのMagiaを使用しています。
> 前半部分の曲はサマーウォーズを使用しています。
> 実はこれには湾曲的な皮肉を隠しています。
> サマーウォーズのネタバレになりますが、
> あの映画は、
> "原発に人工衛星をぶつけて破壊しよう"というテロリストから
> 小さな村の村人が強い意志と知恵を絞って守る。
> というストーリーです。

金曜ロードショーで録画した「サマーウォーズ」を、まだ見てないのに・・・・
って、テレビのHDDに何年も入れっ放しのままなのが悪いのですが(笑)。
ただ「まどかマギカ」の方に関しては、確かにピッタリな選曲だとは思いますが、
作品を知っていると、ワルプルギスの夜とオーバー・ラップする為、
却ってピッタリ過ぎるからこそ、正直言うと、これにも違和感を覚えたのは事実ですね。
あと、「湾曲的」という部分は、「婉曲的(えんきょくてき)」が正しいのでは?

> これを聞けば、この普代村の事例を何の事例に対しての皮肉として計算しているかわかるかと思います。
ただ、それこそ原発の件は、それぞれの立場に、それぞれの正義がある話ですからねえ・・・・
個人的には、原発事故の被害者に対して相応の賠償は行うべきで、
その為に電気料金が上がるのも致し方ないとは思ってますけど、
「それでは経済が成り立たない」と国や財界が考え、踏み倒しに近い状態なのも理解はできます。
現在は「原発の新設を行わず、20〜30年かけて漸次的に数を減らす」意見が大勢ですが、
これだって実際に20〜30年経てば、逆に新設する方向に変わっている可能性だってあるでしょうし。

> 小さな村で、村長が志で不可能を可能にする事もあれば
> 大きな組織で、絶対に守になければならないモノを守れなくて壊してしまう愚もあるのです。

「出来る事を確実に行う」という事であれば賛同しますが、
この「Q&A」↓は、そうしたレベルを超越した文言になっていませんか?
> > Q.自然の猛威、歴史的大災害には人間は抗う術はないのか?
> > A.そんなことはありません。何かを成し遂げようという本当の志があれば、不可能なことなどないのです。

少なくとも、現時点における人類の科学力では、自然を完全に制御できる技術は持ち合わせてませんので。

[▼次のスレッド]
INCM/CMT
Cyclamen v3.72