【マンガ】 虹色トロツキー
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神楽
【採点:
95点
】
2007/12/30(日) 04:53
安彦良和さんによる第二次大戦直前を舞台にした群像劇。
舞台は内蒙古〜満洲、上海等の、いわゆる当時の日本が占有していた地域。
モンゴル人として士官となる主人公が、陰謀や戦乱に巻き込まれていくのですが、
スパイ的な活劇シーンや、緊迫感のある戦争シーン、はてはゲリラ戦…
主人公の曖昧な過去の記憶に残るトロツキーの存在等の謎、
ソ連から追放されたトロツキーとユダヤを結びつける河豚計画の裏側や、
理想として掲げられた五族協和と現実等…様々な要素が積み込まれたマンガです。
また、歴史上の実在の人物達(石原莞爾や安江大佐など)が次々と登場するのですが、
彼等は実にリアリティある絵で再現されています。
政治劇であり、成長物語でもあり、マンガとしてはややテンポが遅い上、
最後はあっさり、あっけなく終ってしまいますが、
当時の情勢に対する考証は非常に堅実で、歴史好きにはたまらない一冊だと思います。
まぁ、辻政信辺りは若干誇張気味でありますが、見ていて面白いので、アリ(笑)
それと、安彦さんの絵はとても上手で、高レベル安定しています。
という訳で、パーフェクト!
…とは言えませんが、限りなくパーフェクトに近い傑作という事で95点です。
個人的には、終盤に登場する野田又雄中隊長が好きでした。ヽ(´ー`)ノ
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