【書籍】 大唐帝国
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徳翁導誉
【採点:
90点
】
2007/9/22(土) 13:22
日本を代表する東洋史家・宮崎市定の著作。
大学者でありながら、その文章は面白くて読みやすく、
氏の著作はどれもお薦めなんですが、
その中でも個人的にお薦めなのが、この「大唐帝国」ですね。
この作品、題名こそは「大唐帝国」となっていますが、
元々は、河出版「世界の歴史」シリーズの一部として刊行された為、
唐王朝自体の記述は割と少なく、
三国志の時代から始まり、晋・五胡十六国・南北朝・隋・唐を経て、
五代十国で終わる、中国中世700年間の通史となっています。
しかし、そう言った構成であればこそ、
三国志の後、中国がどう言った歴史を辿るのかが把握でき、
五胡十六国や五代十国と言った、三国志とはまた異なる動乱期も学べるので、
三国志から中国史に興味を持ち、これから勉強したと言う方には、
まさにお薦めの一品だと思います。
ただし、限られたページ数で、広く歴史を扱う為に、
どうしても、1つ1つの出来事は簡単に触れるだけになっており、
その辺をマイナスとし、90点を付けてみました。
まあ、これは通史の宿命なので、仕方の無い事でしょうけれども。
ちなみに、「大唐帝国 中国の中世(中公文庫)」と、
「世界の歴史7 大唐帝国(河出文庫)」は、
出版社が違うだけで、中身はほぼ同じ内容です。
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