【ドラマ】 花の乱

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(可もなく不可もなくで50点 最高傑作のみ100点)
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徳翁導誉 【採点:60点
2007/12/29(土) 23:18
1994年4月から12月まで放送された33作目の大河ドラマ。
平均視聴率 14.1% 最高視聴率 18.3%

長い大河ドラマの歴史の中で、
歴代最低の視聴率だったのが、この「花の乱」。
4月から始まり、9ヶ月で終わる変則放送だった事を加味しても、
主人公が日本最大悪女の1人に数えられる日野富子な上、
室町中期という馴染みの薄い時代、
そして、滅茶苦茶なストーリー(脚本)と来れば、
まあ、歴代最低視聴率も致し方なしって所でしょうね。
史実なんかも、好き勝手に改竄してましたし。

と、駄目だった所を書いていくとキリが無さそうなので、
良かった所もちょこちょこ書いてみると、
まずは、今まで扱われてこなかった室町中期に挑戦したという所ですね。
戦国時代を題材にした大河ドラマは、過去にも何本も作られてきましたが、
その戦国時代の幕開けとなるこの時代が描かれる事は無かったんですよねえ。
それがまず第一点。

続いて、そうした戦国の世を迎えようとしていた時代の
混沌とした「おどろおどろしさ」が、
幻想的な演出と音楽で描かれていた部分ですねえ。
まあ、そんな演出を取り入れた所為で、
話の方は本当に滅茶苦茶になってしまい、
「ドラマとして根本的にどうだ?」と言う部分も大きかったのですが、
「雰囲気的に魅せる」と言う面では、それなりに出来ていたかと思います。

そして最後に、脚本はダメでも役者陣は良かったですね。
特に準主役であり、応仁の乱では東西両軍の大将を務めた
萬屋錦之介の山名宗全、野村萬斎の細川勝元。
この2人は本当に雰囲気がありましたねえ。
草刈正雄の日野勝光や、奥田瑛二の一休宗純なども良かったです。
応仁の乱というのも、結構面白い題材なんですし、
これだけの役者陣を用意できたのなら、
もう少し真っ正面から描いても良かったように思います。

まあ、言い切ってしまえば「雰囲気ドラマ」ですね。
雰囲気を演出するというのは、あれで結構難しいんですよ。
って、そんな事は大河ドラマでやるべきなのかと言う疑問と、
9ヶ月も雰囲気だけじゃ持たないと言う面が確かにありますがね(笑)。
だからこそ、あれだけの低視聴率だったのかと思います。
その面だけを見て考えれば、かなり低い点を付けて然るべきなんでしょうけど、
上記の良かった三点に関しては、個人的にそこそこ比重が大きいので、
かなり甘いかも知れませんが、採点は「60点」としました。


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