【ドラマ】 毛利元就
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徳翁導誉
【採点:
70点
】
2007/12/29(土) 23:20
1997年に放送された36作目の大河ドラマ。
平均視聴率 23.4% 最高視聴率 28.5%
「八代将軍吉宗」「秀吉」と続いて来て、
エンターテイメント的なホームドラマ大河を完成させた作品。
とは言え「利家とまつ」ほど、壊れた出来にはなってませんけどね。
確かに、必要以上に女性陣が出張っていた印象はありますが、
「これ以上はやっちゃダメ」と言う、最後の一線だけは守られてましたし、
元就の妻役を務めた富田靖子の好演により、
そこまで鼻に付く事は無かった印象です。
その他にも、脇を固める役者陣が良かったですね。
前半部分では、弱小毛利家を囲む大内家と尼子家の2人の当主、
細川俊之の大内義興と、緒形拳の尼子経久の存在感が抜群でしたし、
毛利家の重臣たちである志道広良(中村梅雀)、桂広澄(草刈正雄)、
渡辺勝(榎木孝明)、井上元兼(片岡鶴太郎)もまた、存在感がありました。
ジャニーズからの起用であった森田剛も、
それを感じさせない程、元就の子供時代をよく演じてましたし。
多くの大河ドラマで見受けられる事ですが、
主役がまだ子役などで存在感が無く、脇役たちが目立っている時の方が、
ドラマとしては面白い事が多いんですよねえ。
大河ドラマって、変に主人公を善人にしてしまうので、
そう言った縛りもなく、まだまだ予算に余裕がある前半が、
見ていても面白いのは分かる気がします。
最後まで、こう言った作りは出来ないものなんでしょうかねえ?
で、後半なんですが、
元就が大きくなり、大内義興と尼子経久の両雄は世を去り、
毛利家の重臣たちも次々に姿を消していく。
そうなると今度は、戦国乱世を感じさせた前半の展開から一転、
ホームドラマへと変貌を遂げて行くんですよねえ。
特に元就の妻・美伊が世を去り、子供たちが成人してくると、
本来なら、権謀術数や戦争によって、毛利家が勢力を拡大していく
血みどろの戦いが繰り広げられている最中のはずなんが、
ホームドラマ色がいっそう強くなって行くんですよねえ・・・・
まあ確かに、次男の吉川元春と、三男の小早川隆景が、
毛利本家を支えていく「両川体制」があり、
それに家族愛を絡めて描こうとしているんでしょうけど、
前半の濃い展開に比べると、どうしても印象が弱くなってしまうんですよねえ。
でもまあ、後半もそれなりには楽しめる出来ですし、
佳作としてなら、充分に評価して良い作品だと思います。
と言うことで、採点の方は「70」を付けました。
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