【ドラマ】 江 姫たちの戦国
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徳翁導誉
【採点:
35点
】
2011/12/29(木) 13:06
2011年に放送された50作目の大河ドラマ。
平均視聴率 17.7% 最高視聴率 22.6%
いや〜、本当に酷かった(笑)。
ここまで出来が悪いのは、2003年の「武蔵」以来でしょうかねえ。
「大河50作目」という記念すべき作品がこの出来って、正直どうなの?
そう言えば武蔵も、NHKテレビ開局50周年の記念作品でしたっけ。
これは、失敗の許されない記念プロジェクトが故に、
無難にまとめようとして、却って失敗してしまう典型例を、
NHKは2度続けて起こしてしまったって事なのかも知れません。
まず何が駄目だったかって、1にも2にも脚本の酷さですね。
視聴者に合わせて現代的な価値観で表現するのも、まあ別に良いでしょう。
ドラマですから、ある程度は創作的な部分が加わるのはあまり気にしません。
従来通りのステレオ・タイプな人物設定でないのも、大いに結構だと思います。
戦国時代が舞台だからと言って、必ずしも派手な合戦シーンが必要とも思いません。
大河ドラマは男を主役にしろとか、ホームドラマは嫌だとか、そう言うのも有りません。
(まあ流石に、10歳未満の時代まで主役に演じさせる問題ありと思いますが・笑)
よくあるそれらの批判部分は、個人的には結構どうでも良いのですが、
根本的に、「ドラマとして単純につまらない」と言うのが致命的ですよねえ・・・・
現代的な価値観・・・と言より、脚本家自身の価値観で戦国時代を描く為、
時代背景に合わず、ドラマ的に破綻している部分が目立ってしまいますが、
そもそも、仮に舞台を現代へ置き変えたとしても、これじゃあ駄目ドラマでしょ?
政治や戦争は適当にナレーションで済まし、ホームドラマを主題にするのは良いのですが、
親、姉妹、夫、子供、家臣などとの心の触れ合いや葛藤も細かく描かれず、本当に表面的。
おかげで、心情を台詞で説明するオンパレードになるも、
ドラマ的に背景がキチンと描かれてない為、本当に説明だけで終わり。
簡単に人の命が失われる戦国の世なのですから、現代モノに比べれば、
幾らにでも濃厚に、そうした心の部分を描けるはずなんですけどねえ・・・・
と言うか、この時代による劇的性や悲劇性が、却ってドラマとしての破綻を増大させた気も?
同じ姫様でも、幕末の大奥などと違って、戦国では戦乱の世の壮絶さを隔絶できませんし。
まあ現代的感覚で描くのは結構ですが、現代では有り得ない戦国の悲惨さと整合させられず、
現代と戦国のズレが生じる度に、登場人物の主張をコロコロと変質させて対応させるので、
もう、何がやりたいのか、本当に意味不明で終わっているんですよねえ。
状況に応じて主張が変化するとかではなく、帳尻合わせの為に唐突にですから・・・・
「戦さは嫌にござりいます」と「天下太平の世をつくる」の定番台詞を、
都合よく使い回しただけで、ストーリーに整合性が付く訳では無いですしね(笑)。
本作の脚本家である田淵久美子は、確かに「篤姫」では良い仕事をしたかも知れませんが、
だからと言って、原作まで任せて必ずうまく行くかと言えば、それはまた別の話ですからねえ。
最初に書いた通り、NHK側があまりに「無難さ」にこだわった為、
成功した脚本家の原作・脚本をそのまま映像化して、そのまま酷い作品に仕上がったと・・・・
その結果、主役の江役を演じた上野樹里も、夫の徳川秀忠役を演じた向井理も、
作品自体が酷過ぎるあまりに、演技下手な役者のように映ってしまいましたが、
まあ若い役者なので、そりゃ演技もまだまだな所はあるでしょうけども、
しかし、そこまで酷評される程、酷い役者とも思えないんですよねえ・・・・
何かこの辺も、彼らの当たり役であった「のだめ」と「ゲゲゲ」みたいに演じさせればと言う、
悪い方向での無難さ意識が、更に輪を掛けて作品を駄目にした気はします。
そう言った意味では、役者陣は本当に不幸だと思いますよ。
テレビで一番目立つ所に居る役者の出来は、脚本や演出の出来に左右されるのですから。
少しやり過ぎなくらいコミカルな秀吉を演じた岸谷五朗も、
いつも通りに存在感ある演技で家康役を務めた北大路欣也も、
個々のキャラとしては、それなりに良かったとは思います。
大地康雄が演じた柴田勝家も、決して悪く無かったですし、
豊川悦司の信長も、賛否はありそうですが個人的にはアリかと。
でもまあ、「全体的にもう少し各々キャラのバランスを合わせろよ」とは思いましたが(笑)。
とは言えその辺も、何も役者だけで合わせるモノでは無いですからねえ。
大河にはだいたい、ダメな作品でも「存在感の光る脇役」が1人2人は居るものですが、
今回の作品にはそれすら無かったのは、やはりその辺のバラバラさも影響している気がします。
ただドラマの後半は、宮沢りえの演じる淀殿の存在により、多少は話が締まったかと。
と言うか、こう言う作りにするなら、浅井三姉妹をやるにしても、
素直に長女の淀殿を、主人公に据えれば良かったのでは?
最後に息子・秀頼と共に大坂城で散る悲劇性は、ドラマとしても構成がしやすいですし。
それをわざわざ、殺す側の徳川家の嫁である三女・お江を主役にした以上は、
徳川家内部でのゴタゴタとかも、しっかり描くつもりなのだろうと思いましたが、
それらの部分も、駆け足であっさりと終わったり、ナレーションで済ませたりですからねえ。
本当、何で江を主人公にしたのかさえ、意味不明に終わった大河ドラマでした。
まあそれも、これが通常の3ヶ月ドラマとかでしたらまだ、
「つまらない作品」の一言で片付いていたのかも知れませんけど、
大河と言うのは丸1年かけて続く為、それだけ酷さがドンドン積み重なって行ったんですよねえ。
1年に及ぶ大作のシナリオ制作と言うのは、それだけに書き手の能力を物凄く要求します。
だからこそ、ちょうど同時期に「渡る世間は鬼ばかり」の最終シリーズが重なった事で、
「個人的には好みでは無いが、やはり橋田壽賀子って凄いんだなあ」と再認識させられました(笑)。
同じ1年モノのホームドラマを、しかも10年分も脚本を書き続けての、あの人気ですからねえ。
って、最後に少し脱線してしまいましたが、この作品の評価は、
「武蔵」級の酷さとは言え、まだ役者陣に少し救いはあったかな?と言う事で「35点」に。
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