| > シルエットはニコニコ向きではないという判断です。
> ニコニコではシルエットを使用している解説動画はほぼまったくなく、アイコンが多いのです。
> ですのでローマの鍵もニコニコにアップする際はすべてなにかしらの絵をつけています。
ただ、例え同じニコニコ動画という枠組みの中にあったとしても、
ニコ利用者の標準的価値観と、歴史好きの標準的価値観とが、
必ずしもイコールという訳でもないですからねえ。
まあその辺は、どちらに比重を置くかという話になりますけども。
> > > > どうでも良い話題なのですが、
> > > > R・グループさんは、NHKの「名将の采配」とか見てます?
> > > 最近テレビはほとんど見ていません……
> > > でも、勧められれば是非とも見てみたいですね。
> > 残念ながら、昨日が最終回でした・・・・
そうそう、オススメというのでしたら8月下旬にこれ↓があります。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/yotei/index.html#080106a
「奇跡の映像 よみがえる100年前の世界」というBBC制作のドキュメンタリーで、
文字通り、100年前の映像やカラー写真があふれており、
NHK-BSが見られるのであれば、決して見て損はない番組・・・と言いますか、
どちらかと言って、コアな歴史好き向きの番組です(笑)。
オスマン帝国崩壊前のバルカン半島や、崩壊後のアラブの映像なんて、
コアな歴史好きには垂涎でも、一般視聴者が食い付く題材では無いでしょうから。
ちなみに、この番組で扱われる100年前の写真や映像は全て、
当時のフランス人実業家アルベール・カーンが、私財を投じて蒐集したモノなのですが、
彼は日本との関係も深かった為に、大隈重信の動画など日本関連のモノも多いですね。
日本関連が特に関心がとなれば、今回発放送の第10回がそうした「日本編」みたいです。
> 自分は名将であるかどうかは、
> 追撃戦ができるかどうかで見ています。
う〜ん、この辺はもう「まずは名将をどう定義するか」になって来る気が・・・・
「ロンメルは名将か否か?」とか、
「リーとマクレランのどちらが名将か?」など、
答えは名将の定義次第によって、それぞれ異なるでしょうし。
まあ、ちょっと抽象的なんですけども、
個人的な判断基準としては、「目標をどれだけ達成できたか?」だと思います。
> 最初の第一撃で勝つのは、誰かが準備してくれていてもできないことはないんです。
> でも、戦闘後の追撃戦の可否ができる判断能力は、名将の器だと思っています。
確かに、追撃戦が重要なのは否定しません。
長篠の戦いでも武田軍の戦死者は、有名な鉄砲集中運用によるモノよりも、
勝敗が決した後の追撃戦での方が、遙かに多いくらいですからねえ。
殲滅目的で考えると、カンネーの戦いみたいなパーフェクト・ゲームが困難である以上、
より実現性を高めるのなら、やはり追撃戦での成果次第となりますし。
ですがしかし、追撃戦が「効率よく相手に大打撃を与える」のに有効でも、
その可否判断が即ち、「名将」かどうかを測る最良の物差しとなるのでしょうか?
効果的に行えるかどうかは別として、大勢が決した後の戦闘である以上、
特に理由がなければ、可否判断の方は基本的にGOでしょうし、
敗残兵を追う訳ですから、「第一撃で勝つ」事に比べれば楽じゃないですか?
それに、勝敗の帰趨が決した後の戦闘であるならば、
負けた側の「撤退戦」の方が、より能力を必要とされると思いますし。
(三増峠の戦いみたいに上手く決まる例は、なかなか無いですよね)
まあ確かに、「擬退」や「陽動」もあったりするので、
追撃戦の可否判断が易しいとは言いませんけど、
そうした相手の思惑に乗せられるか否かは、どちらかと言えば、
名将の評価基準という以上に、愚将の評価基準になるような気も・・・・
あと、この擬退や陽動というのも、実は結構難しいですよね。
ヒ水の戦いみたいに、擬退が本退になっちゃう事もありますし(笑)。
って、ちょっと脱線したので話を元に戻しますと、
上記のように、条件さえ揃えば基本的にGOだと思いますので、
「追撃戦をするか?しないか?の判断力」と言いますか、
「追撃戦をしない決断力」と言う方が、より適当なのではないでしょうか?
で、それを名将の評価基準と考えた場合、
敢えて追撃しないと言う決断をして、それが大正解だった実例って、
例えばどんなのが有りますかねえ?
ここで、話は最初の話題に戻ってしまうのですが、
個人的には「名将」って、基本的に「戦術家」レベルとして定義しているので、
関ヶ原での上杉や、中国大返しでの毛利などの決断は、
戦術的にと言うよりも、政治的な思惑が働いての事でしょうし、
例えば「撃退こそ最優先」みたいに、殲滅以上の第一義目的があったり、
兵の温存や、大会戦における勝利の確定などといった理由での追撃断念も、
どちらかと言えば、戦術よりも戦略の部類の判断でしょうから、
戦史関連があまく強くない私には、
ピンと来る実例がパッと浮かんでこないんですよねえ・・・・
って、何だかこんな話題を書いていると、
以前メールでやった「世界史名将トップ10(仮)」企画案の話を思い出します(笑)。
今ちょっと確認してみたら、もう4年も前のやり取りなんですねえ。
って、そんなに前の事なので、覚えてらっしゃいますでしょうか?
自分で読んでも懐かしいくらいなので、ちょっと該当個所をコピペしてみますね(笑)。
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あとやはり、「名将」の定義って言うのが一般的に曖昧なんですよね。
一応私の中では、将である以上「戦略」ではなく「戦術」が優れた者であり、
「用兵の妙」を感じさせる人物を「名将」と考えています。
用兵の妙である以上、兵数の多寡を逆転したものであっても、
兵器の優越による勝利であれば、それは名将とは捉えません。
また、戦争芸術の時代から大量殺戮の時代へと変更を遂げた南北戦争以後は、
勝敗決定の要素として、戦術自体が入り込む余地が小さくなった事もあり、
20世紀の人物への個人的評価は、必然的に多少辛いモノとなっています。
難しいのは、兵科の革命を行った人物ですね。
既存の兵科を革命的に運用したと言う意味では、
先の「兵器の優越」に当たらないかも知れませんが、
モンゴルの騎馬など、地域間の格差があったりするのはどうなんだろうか・・・・
そもそも、順位を付ける為に名将の優劣を判断するのが難しいですよね。
自分の詳しくない時代や地域もあるでしょうし。
って、そこまで難しく考える事もないのかな?(笑)
名将の優劣は難しい問題なので、今までぼんやりとしか考えたことがなかったので、
これを機に、ちょっと真剣に考えてみますか。
1位 韓信
個人的に思い入れの強い楚漢の武将という事もあるんですが、
三秦平定、井けい口、[シ維]水、垓下とその用兵は芸術的。
最期はあれですけど、それは戦場でのことではありませんし、
戦争にあっては常勝不敗。
何より凄いのは、得意の戦法を編み出した訳でもなく、
自前の精鋭部隊もないのに、垓下以外は寡兵で撃ち破っていると言う点ですね。
敵将も章邯、陳余、龍且、項羽と名だたる者ばかりですし。
それにしても、次に挙げるハンニバルと、
全く同じ時代に、同じ大陸の両端で活躍したと言うのが本当に凄い事ですよね。
2位 ハンニバル
最も素晴らしい用兵は?と聞かれれば、間違いなくカンネーの戦いだと思うんですが、
「名将」と言う事ですので、ザマの戦いで敗れているハンニバルを2位としました。
例え敵将のスキピオも名将とは言え、兵数的には勝ってますし、
必敗と言う状況ではなかったでしょうから。
ただそれでも、カンネーは有史に於けるパーフェクト・ゲームですし、
この戦法が特に西洋では大きな影響をもたらしたのも間違えのない事実。
本当、韓信とどちらが1位でも構わないんですが、
ハンニバルはスペインを統治するバルカ家の当主として、多くの精鋭を抱えていましたし、
そう言った意味で、烏合の衆で勝ち進んだ韓信を上としました。
3位 アレクサンドロス
ハンニバルは「歴史上、1番戦争がうまかったのはアレクサンドロス、2番目は私だ」
と言ったという逸話が残っていますが、ここではアレクサンドロスを下にしました。
ハンニバルはアレクサンドロスの戦術を大いに参考にしたんでしょうが、
先進性は別として、用兵とは積み重ねて強化されるものと考えれてこうしました。
まあでも、これを極端にすると、現代の軍事が最強になりかねませんが(笑)。
エパミノンダスの斜形陣、父フィリッポス2世の長槍方陣に、騎兵の集中運用を加えた
アレクサンドロスにしてもそうですしね。
イッソス、ガウガメラ等、戦闘に関しては申し分ないんですが、
一軍の将(特に彼の場合、王ですから)なのに戦陣で突っ込みすぎです。
彼の死で一挙に戦局が変わる以上、「名将」としては若干評価を落としました。
いや、人物としてはそこもまた魅力なんですけどね。
4位 ベリサリウス
一応4位としましたが、正直言うと私は、
ベリサリウスの戦術自体を、ダラスの戦い以外詳しく知りません。
いや、ペルシャ以外にもイタリアやチュニジアで
寡兵による勝利を重ねたと言う事実は知ってますけどね。
名将の凄味が端緒に表れるのは、やはり敵将も名将と言う場合でしょうし、
彼我の詳細が分からないと評価できないと言うのが正直な所です。
(ヴァンダル王国とか詳しく知らないんですが、何か良い本ありますか?)
って、この程度の知識で名将を順位付けする事がおこがましいですよね(笑)。
インドや中東だと、戦術レベルまでは詳しく知りませんし。
まあそれはさておき、ダラスの戦いを見る限り両将ともカンネーを理解しており、
その上でのベリサリウスの勝利は「名将」と断定するに足ると判断しました。
5位 チンギスハーン
「将」と言うにはどうかな?と思いますが、戦場での指揮も多々ありますし、
スブタイやジェベなど込みの蒙古将軍の代表として、ここでは扱います。
やはりモンゴルの凄さと言えば、何と言っても騎兵と弓です。
戦術ではなく「兵器の優越」ではないかとも思うんですが、
その優越が近代兵器のような先進性から来るわけではないので、戦術の範疇としました。
全軍を騎兵で編成する事による機動性、食料や気候を軽視できる遊牧民独自の強靱さと体系、
射程距離が長く精度も高い弓による攻撃、勇猛な兵と高い機動力からなる突撃力。
凝った戦術を駆使する訳ではないですが、狩りを応用したその戦術と上記の優位性から、
あの時代に於ける半端じゃない強さは、モンゴルの個々の将を「名将」と呼べるかと。
そう考えると、エドワード3世なんかもベスト10入りさせた方が良いかな?
6位 ナポレオン
この辺になってくると、個人的な好みであったとしても、順位を付けるのは難しいですね。
三兵戦術の完成者であるグスタフ・アドルフや、
カール12世、フリードリヒ2世などでも良かったんですが、
三兵戦術を最もうまく使いこなした人物だと思うので選びました。
散兵と集結、砲撃と騎兵の有効活用は見事の一言です。
特に騎兵(機動力)の活用が上手いのは、名将の必須条件ですよね。
兵力(数と質)以上に速度が重要視されるのが、
質量と速度の2乗に比例する運動エネルギーと一致するみたいな感じで、
一応物理を専門とする私には、大変興味深いものがあります。
ナポレオンも、知名度から言えばもっと上位でも良いんでしょうけど、
ロシア遠征やワーテルローでの敗戦等がマイナス要因ですね、
戦術レベルよりも、作戦レベルでの失敗の方が大きいのは分かってますけど。
ううん、数日ほど色々考えたんですが、ここで詰まってしまいました・・・・
既に文中で出てきた将達の他にも、甲乙付け難い人物が多く、
これと言った順位が決まりませんでした。
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