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[19750] Re2:* No Subject *・・・憲法草案について返信 削除
2015/11/29 (日) 10:51:54 伊豆大島のキョン




▼ 玉川権中納言さん
> 私の草案の一部内容を言ってしまうと…、
>
> 確かに行政権は強めかもしれません。一応天皇は第一章第一条で、
> 「日本帝国の神聖不可侵、三権の総攬者にして日本国民統合の象徴たる、世襲の元首」と規定され、

ということは主権者は天皇ですかね。主権者としての天皇の性格も国家法人説(≒天皇機関説)的に考えるか
否かで解釈上運用は変わりそうですね。司法権や立法権に関しての天皇はどういう位置づけなのか気になります。
> 第一章第九条では、緊急時のみの勅令発布を認めました(但し、国会の事後承認必須)。
確かにこういう規定があると行政権は強いと言えるかもしれません。ところで、ここに言う勅令はいわゆる独立命令
としてのものでしょうか。そうではなく法律の委任に基づく勅令と言う者がどう扱われるのかが気になります。
> そして、第二章と第五章では、天皇の下において、フランス流の半大統領制を採用しました。
> 大統領(任期四年、五連続再選まで可能、皇族不可)は外交と防衛を、
> 首相(民間人でも可能とします)以下、内閣は内政一般を担当する、という感じです。
>
> 第四章の立法でも、実は、衆議院、参議院、勅撰院の三院制になっています。

勅選院の扱いが気になりますね。三院制というのは世界にあまり類例がないので是非とも知りたいです。
> 第三章の人権関係では、労働面や教育面では幾分か手厚い保障を加えましたが、
> 一部削除された権利があったりしました。

削除された規定が気になります。

私が作ったものでは国民主権なので(前文2項)、天皇の権限は現行憲法とほぼ変わりません。ただ内閣総理大臣の代わりに
征夷大将軍の任命権に変わった(8条1項、征夷大将軍位自体は征夷大将軍が藩主としての地位で代表する土地の領主を天皇が
任命するという形式で、ドイツ王が神聖ローマ皇帝になる仕組みに近いかもしれません。)。それから幕府に議会解散権が無く
なったので、いわゆる7条解散が認められなくなりました(9条)。

行政権は幕府に属し(78条1項)、幕府は征夷大将軍と幕閣で構成されるとされました(同2項)。征夷大将軍には法案拒
否権がありましたが、将軍位が実質世襲なことを考慮して国民側にイニシアチブを与える規定もあります(82条)。
幕閣は大老と老中(旧来の国務大臣に当たる)で構成され文民統制が定められています(84条)。大老は民選(85条1項)
で老中は大老が任免権を持ちました(86条1、2項)。また大老は老中の中から行政各部の奉行(主任大臣に相当)を任命
することとされていました(86条3項)。特殊ですがどちらかというとアメリカ型大統領制に近いのかもしれません。

立法権は2院制(52条)で全国を代表する衆議院(53条)と藩を代表する連邦参議院からなっていました(54条1項)。連邦
参議院は各藩の藩主と各藩平等に割り振られた議席配分(各藩1議席ずつが当初の想定)の民選議員からなっていました
(54条2項)。

人権に関しては人格権(21条)、自己決定権(22条)、プライバシー権(23条)、環境権(24条)や刑事手続き自白に関する
規定(48条)が追加されています。藩主と言う特殊身分が法定されたのでそれに合わせてか栄典的な貴族制度ができました。
貴族位は世襲されず、貴族位を受けた者のみが保持することになりました(20条)。特権は著しく憲法の趣旨にもとる差別的な
ものでないかぎりにおいて認められるが、法律によって定めなければならない(勲章も同じ)とされています。これを受けて貴族法
なるものが起草され実はそっちも全文があります(笑)。

関連条文
全文2項
我等ト我等カ先祖カ獲得シタリシ権利、何レモ其ノ淵源国民ニ有リテ、何人モ之ヲ侵ス事ヲ得ス。国家ハ国民ノ諸権利ヲ源ニ成立シタ
ルモノナレハ、其ノ主権宜シク国民ニ存スヘキニシテ政府並ヒニ国民ヲ支配シ又ハ此ノ上ニ君臨シタル何等ノ権威ハ国民ノ厳粛ナル
信託カ下ニアルヘシ。而シテ之等権威ハ国民ト正当ニ制定セラレタル憲法カ下ニ服シ行使セラレサルヘカラス。

82条
一、征夷大シ将軍ハ聯邦議会ニ於イテ可決セラレタル法律案ニ署名スルコトヲ拒否スルヲ得。但シ、聯邦議会ニ於イテ其ノ出席議員ノ三分
ノ二以上ノ多数ニヨリテ其ノ法律案カ再度可決セラレタルトキハ、其ノ署名ヲ拒否スルヲ得ス。
二、前項ノ署名拒否権ヲ行使スルニ附、幕閣ノ過半数ノ同意ヲ得サルヘカラス。
三、幕閣ノ全員一致ニヨリテ征夷大将軍ヲシテ一項ノ署名拒否権ヲ行使セシムヘク決定シタルトキハ、征夷大将軍ハ其ノ行使ヲ拒ムヲ得ス。

21条
何人モ自己ノ品性、徳行、名声、其ノ他ノ人格的価値ニ関スル社会的評価ニ対シテ、真実ヲ公開シ、又ハ虚偽ノ事実ヲ表シ若シクハ其ノ他ノ
表現ノ方法ニ依リテ濫タリニ貶メラルルコトナシ。
22条
何人モ、他者ニ対スル具体的加害行為ヲ除ク外、自己ノ生命、身体、財産、家族ニ関スル権利、其ノ他生活様式ニ関スル権利ニ附テ自己ノ
判断ニ従ヒテ決定スル権利ヲ妨ケラルルコトナシ。
23条
一、何人モ、自己ノ私生活ニ附テ濫リニ公開セラレス。他者ノ個人ニ属スル情報ヲ其ノ意ニ反シテ収集スヘカラス。個人ニ属スル情報ハ其ノ
個人ノ管理ニ服ス。
二、何人モ、他者ノ持ツ自己ニ関スル情報ニ附テ、其ノ開示ヲ求メ、又ハ其ノ情報ノ訂正若シクハ削除ヲ求ムル自由ヲ有ス。
24条
何人モ良好ナル環境ヲ享受シ、之ヲ支配スル権利ヲ有ス。此ノ権利カ侵害セラレタル場合、国又ハ其ノ侵害者ニ対シ此ノ除去及ヒ、環境ノ改
善ヲ求ムルヲ得。
47条
一、総テ刑事事件ニ於イテハ、刑事被告人ハ、公平ナル裁判所ノ迅速ナル公開裁判ヲ受クル権利ヲ有ス。
二、刑事被告人ハ、総テノ証人ニ対シテ尋問スル機会ヲ充分ニ与ヘラレ、又、公費ニテ自己ノ為ニ強制的手続ニヨリ証人ヲ求ムル権利ヲ有ス。
三、刑事被告人ハ、如何ナル場合ニ於イテモ、資格ヲ有スル弁護人ニ依頼スルヲ得。刑事被告人カ自ラ之ヲ依頼スルコト能ハサルトキハ、国カ之ヲ附ス。
48条
一、何人モ、自己ニ不利益ナル供述ヲ強要セラルルコトナシ。
二、強制、拷問、脅迫、若シクハ精神的圧迫ニ因ル自白又ハ不当ニ長ク抑留若シクハ拘禁セラレタル後ノ自白ハ、之ヲ証拠トスルヲ得ス。
三、自白シタルコトニ因リテ不起訴トスル、又ハ起訴ヲ猶予スルコトヲ約束セラレタル後ニ於イテノ自白其ノ他任意ニ成サレタルモノニアラサル疑アル自白モ前項ト同様トス。
四、何人モ、自己ニ不利益ナル唯一ノ証拠カ本人ノ自白ナル場合ニハ、有罪トセラレ、又ハ刑罰ヲ科サルルコトナシ。

20条
一、総テ国民ハ法ノ下ニ平等ニシテ、人種、信条、性別、社会的身分又ハ門地ニヨリテ、政治的、経済的又ハ社会的関係ニ於イテ差別セラルルコトナシ。
二、有爵位者ニハ如何ナル差別的特権モ付与セラレス。
三、総テ国民ハ、法律ノ定ムル処ニ依リ、等シク其ノ勲功ニ従ヒ爵位、位階其ノ他ノ栄典、勲章ヲ授与セラル。之等ハ現ニ之ヲ有シ、又ハ将来之ヲ受クル者ノ一代ニ限リ、其
ノ効力ヲ有ス。
四、有爵位者其ノ他ノ貴族ノ制度ハ国民ノ本質的平等ノ趣旨ニ反セサル如ク努メラレサルヘカラス。
五、有爵位者其ノ他ノ貴族ノ制度ハ聯邦法ヲ以テ之ヲ定ム。世襲ノ制度ハ之ノ憲法ニ特別ノ定メアル場合ヲ除キテ之ヲ認メス。



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