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[20531] 千田五段の躍進、井山六冠vs囲碁ソフト、羽生さんがが叡王戦で出場した理由返信 削除
2016/12/1 (木) 00:46:51 ほのぼのさん

すみません、多忙モードが続いているので、AIがらみで今週興味をもった記事の紹介のみで・・・

●千田五段、あと1勝で棋王戦挑戦者へ
http://www.shogi.or.jp/match/kiou/42/honsen.html

いやあ、千田五段がここまで躍進するとは思いませんでした。あと1勝でタイトル戦挑戦者に名乗りをあげます。
決勝はおそらく佐藤名人が相手になると思われますが、相手が2勝しなければならないのに対し
千田五段は1勝すれば挑戦者になれるので千田五段がかなり有利ですね。
ソフトから学ぶというメソッドでここまで短期間で棋力が上がるってのは、千田五段の学習法が素晴らしいことの証でしょう。
今までは千田五段について正直半信半疑なところもありましたが、ここで挑戦者になれるとトップ棋士の仲間入りですな。

●井山六冠、来春にAIと対局へ
http://www.sankei.com/life/news/161129/lif1611290038-n1.html

趙治勲名誉名人と電王戦で対局した「Deep Zen Go」と井山六冠が対局するという夢のような企画ですね!
半年弱で「Deep Zen Go」がどこまで力を伸ばすことができるかというところも興味があります。
囲碁の世界ではトップ棋士が積極的にソフトと戦うということで、ソフトを異物扱いして敬遠してきた将棋の世界と違って
とても好感が持てます。

●羽生さんが叡王戦で出場した理由は?
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/ai/101800007/?i_cid=LfBn-00007kaF

非常に長い対談ですが(part6まであります!)、羽生さんのAIに対する造詣の深さを知ることができるという意味でも、
大変読み応えのある記事です。この対談だけでも1冊の本にしていいくらいですね。「不屈の棋士」と並ぶ傑作になるでしょう。

棋士vs将棋ソフト関係で最も興味のあったところを以下に一部紹介。

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――羽生さんは、第1回の叡王戦にはエントリーされませんでしたが、現在、第2回の叡王戦にエントリーされて、
トーナメントに参加されておられます(編集部注:残念ながら10月14日に開催された本戦準決勝にて敗退)。
ご自身としては、何か、心境の変化があったのでしょうか。

羽生:叡王戦であるか、電王戦であるかは関係なく、将棋の世界がかなりAIの影響を受け始めているということは言えます。
若い人たちは特に、そういうものを使って分析に利用するなどの傾向が、本当にここ一、二年の大きな傾向なので、だんだん、
そういうことが棋士として求められる能力の一つになってくるというふうに変わってきていると思うんです。

――将棋界が、これまで経験したことのない状況に直面しているわけですね。

羽生:ただ、それは、今までも何回かあったことでもあります。データベースができたときには、データベースをいかに
うまく使いこなすかということが非常に大事になりましたし、インターネットが出てきたときには、インターネットを
いかにうまく使って練習するかっていうのも大きな課題になりました。そういう点で、今度はソフトというか、
プログラムが出てきて、そのプログラムをいかに上手に有効的に使っていくかということを、特にこれからの若い世代の人たちは、
すごく求められるようになると思っています。

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――では、1997年に当時のチェスの世界チャンピオンがIBM製のスーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」に負けて、
今年の春、囲碁の欧州チャンピオンがGoogleのAI「アルファ碁」に負けたように、将棋でも、トップ棋士が近いうちに
AIに負けてしまうのは、必然ということなのでしょうか。

羽生:将棋に関して言うと、チェスや囲碁とは、ちょっとちがう歴史があるんです。

――どのようなちがいですか。

羽生:チェスも、囲碁も、ハードの力とデータの力に重きを置いて、大資本の企業がコンピュータのソフトを
開発して強くしてきたという背景があります。一方、将棋の場合は、幸か不幸か、これまで専門のコンピュータの
ソフトの開発に巨大資本が入ってこなかった。プログラマーの人たちが個人で一生懸命がんばって、
細かい評価のところを修正したり、あるソフトのケースではプログラムをオープンにするなどして、進化させてきました。
そういう意味では、極めて“ガラパゴス的な進化”を遂げてきたと思っています。また、探索部分はStockfishという
チェスのオープンソースを使っているプログラムが多いです。

――大企業が莫大な資金を投入してソフト開発が行われたチェスや囲碁と、個人の志で開発された将棋では、条件がちがう?

羽生:たとえば、チェスの例で言うと、今では800万局くらいのデータベースがあります。それほど多くのデータベースがあれば、
コンピュータが序盤で不利になることは、ほぼ、ありません。要するに、考えなくてもデータベースにそって確率的に
手を選んでいけば、それほど不利になることは、まず、ないのです。

――そうなんですか。

羽生:あと、チェスの場合、残り7枚のエンドゲームのデータベースは、もうすでにオートマチックにできているので、
7枚の局面になれば、人間でもコンピュータでも、考えなくても、常に100%で指せる。ですから、800万局のデータベースと
最後の7枚のデータベースがあるだけで、コンピュータは「グランドマスター」くらいの実力をすでに持っているうえに、
さらに飛び抜けた計算能力も持っているので、とんでもない実力のものが現れている……そういう現状と比較したら、
将棋の場合は、コンピュータのソフトにとって、まだ難しいところがあると思っています。



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