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[22627] ドイツとユダヤ人返信 削除
2019/9/12 (木) 20:17:02 徳翁導誉

> > you tubeで我が闘争の解説動画を作りました。
> > 調べるうちに第1次世界大戦後、ドイツ南部のバイエルンで
> > レーテ共和国が出来てユダヤ人が首相になっていたんですね。
> > レーテとはソビエト、評議会の意味です。

一応、このサイトの「赤い嵐オンライン:WW1戦場」では、
http://tokuou.s500.xrea.com/cgi/ww1_red_storm/ww1.html
亡命政府として、「バイエルン・ソビエト共和国」の国名で入れてますね(笑)。
http://tokuou.s500.xrea.com/cgi/ww1_red_storm/ichiran.cgi

> > プロイセン中央政府と対立し、最終的には崩壊しました。
> > ちなみにヒトラーはドイツのバイエルン部隊に所属していました。
> > そういったことを知ると歴史に対する認識も変わりますね。

そもそも論で言うと、ドイツは歴史的に長らく、いくつもの小国に分裂していて、
宗派も異なれば、方言の差も大きく、立地的に様々な民族が混ざり合ってますから、
私たちの想像するより以上に、ドイツ人の民族意識というのは希薄だという根底があります。
また、第一次大戦の敗戦で崩壊したドイツ帝国にしても、その中身は国家連合体であり、
帝国の枠組みの中に、プロイセン王国も、バイエルン王国もありました。
誤解を恐れずに言えば、江戸の幕藩体制のまま近代国家になった感じに近いかと?
ドイツ帝国陸軍にしても、実態は構成各国陸軍の寄り合い所帯でしたし、
逆に言うと、この大戦を経る形で、ドイツ国民の意識統合が進んだ格好でした。
ヒトラーにしたって、バイエルン出身どころか、元々はオーストリア国民ですからねえ。
(ヒトラーがドイツ国籍を取得するのは、首相就任のわずか2年前)

なので実際の所、同床異夢と言いますか、それぞれに思惑があった訳ですね。
ベルリンの新政府としては、これを機に国家の統合を進めたかったですし、
バイエルン人にしてみれば、プロイセンによる支配など言語道断であり、
いっその事、再独立を願う声さえ少なくありませんでした。
そんな中で、ロシア革命(ソ連誕生)に刺激された欧州中の左翼インテリ層は、
敗戦国を中心に、各地で新政権の樹立を目指して動き出し、
バイエルン住民も「反プロイセン」という動機から、その流れに乗ったと。
保守的な土地柄ですけど、右とか左とか言う以前に、独立志向が高いんですね。
で、そんな不安定な状況に付け込んだのが、ヒトラーやナチ党だった訳で、
彼らの方は、バイエルンの独立には興味がない・・・というか反対の立場だったと。
ただし、反新政府は共通しており、混乱した社会情勢も都合が良かったんです。
(様々な思惑が絡んだ、同床異夢の連合体という意味では、昨今だとN国党がそうかも?)

> > ナチスを支持した人はバカだと思っていましたが、
> > 自分の国に移民が政権作ったら確かに恐怖は感じるでしょう。
> > だからといってナチスは支持しませんが・・。

> ユダヤ人は移民ではないのでは?
> れんほーが都知事になっちゃったくらいの話ではないでしょうか。

というか、東アジア的に言えば「客家(ハッカ)」に近いかと?
確かにルーツを辿れば移民ですけど、数百年に亘って居住していれば、
少数派ではあっても、余所者とまでは言えない所でしょうし、
ユダヤ人に関して言うと、移民よりも異教徒という面が大きかったかと?
逆に言うと、改宗&改名しちゃえば、民族的な違いなど ほぼ解らないので。

あと、確かに政治活動をする人間には、ユダヤ系も多かったですけど、
別にユダヤ人だけで集まって活動していた訳でもなければ、
ユダヤ人の為の政権を作った訳でもありません。
あくまで彼らはユダヤ系ドイツ人であり、政権はドイツの左翼政権なんです。
例えば、昔作ったスエズ運河の歴史動画↓に登場する
https://www.youtube.com/watch?v=honKY6lcSbY
英国首相ディズレイリはユダヤ人ですけど、
大英帝国にユダヤ人政権が出来た訳ではありません。

近年で言うと、オバマ前大統領は黒人であっても、
アメリカに黒人政権が出来た訳ではないというのと同じですね。
もちろん、黒人の大統領誕生を嫌がる層は一定数で居ましたし、
そんな彼らが持つ不満(恐怖)が、トランプ政権誕生の一因になったので、
現実はどうあれ、イメージを増幅させて利用する事は可能であると。

それと、これは一般的なイメージとは異なるかも知れませんけど、
歴史的に実はドイツって、ユダヤ人に対して比較的に寛容な社会だったんです。
古くはイタリアやスペイン、近代ですとフランスやロシアなど、
ユダヤ人の排斥意識が強かった地域は、欧州各地にあるのですが、
それが最後に起きたのがドイツだったというのが、皮肉な話ではありますし、
だからこそ、ナチス以前のユダヤ人に寛容な実態が、塗り重ねられた感じかと?
特にWW1までのドイツ帝国期は、元々寛容な下地があった事に加えて、
今までは少数派だったユダヤ人も、近代国家の国民の一員として受け入れられ、
ドイツ人が民族的な纏まりを欠く中で、誰よりも忠実な帝国臣民であろうとして、
愛国心が強いユダヤ系ドイツ人が非常に多く、だからこそ各分野で活躍していました。
私が「科学の20世紀 第一章」で動画化しようとした
化学者フリッツ・ハーバーも、そんな愛国的ユダヤ系ドイツ人の1人ですね。

しかし、敗戦によって帝国が崩壊し、社会が戦後の苦境に立たされると、
少数派でありながら、成功者を多く輩出するユダヤ人は、不満や妬みの対象となり、
そこに政治的な扇動が加わる事で、恐怖や憎悪の対象へと変わっていったと・・・・
もちろん、ドイツは他の地域より寛容だったからと言っても、
異教徒であるが故の不信感や、金融業に従事する事への嫌悪感など、
決して好意的ではない感情が、元々の根底には下地としてありましたしね。
また、ユダヤ人と言っても、活躍していた層は本当に一握りの人達であって、
多くのユダヤ人は、庶民と変わらなかったり、却って苦しかったくらいですが、
ターゲットとなり被害を受けたのは主に、そうした彼らの方でした。
成功者であれば逃げる事も出来ましたが、庶民じゃそうも行きませんし、
何より、扇動された市民と同じ社会で暮らしているのも、また彼らでしたから。
・・・って、昨今の嫌韓反中な風潮を見ると、日本も決して他人事ではありませんがね。

> > ちなみにチャンネルはこちらです。もしよかったらチャンネル登録、
> > コメントお願いします。
> > https://www.youtube.com/channel/UCcJyYqKMo82qmNaaMcgYTkg

そのハンドル名ですと、とりあえずは、
「Nice boat.」とコメントしておくべきですかね?(笑)
もうあれも12年前の出来事ですかぁ・・・・
って、そんな話は置いておいて、2〜3本ほど見た動画の感想の方を。
動画の内容自体と言うよりも、どうしても作り手目線の感想になっちゃうのですが、
「ゆっくり動画」としては、少しテンポが速いし、文章も詰め込み過ぎな気がしました。
もうちょっとスッキリさせた方が、内容的にも入って来やすい感じはします。
絵の動きが少なくて、文字を読ませるタイプであれば、尚更の事。

それにしても、ゆっくり解説の動画文化って、まだ残ってたんですね!?
って、頻繁に動画を更新するYouTuberには、今でも人気の方法でしたっけ?
(ちなみに今だと、どんなソフトを使って動画を作るんでしょう?)
ニコニコ動画で流行ったのも、もう10年くらい昔の話でしょうし、
私も、こんな感じ↓のを作ったりしました。
https://www.youtube.com/watch?v=mQFWsOR872A
著書の解説系だと、石原莞爾の「最終戦争論」とかが構想案にあったかな?
動画制作は随分としてませんし、何か作ってみたい思いはあるんですけどね。

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