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[23502] Re:百合文化史の話&秋葉原通り魔事件の影響返信 削除
2021/2/26 (金) 14:47:09 旧トルコ担当


久しぶりの返信とても面白かったです。
やはりこう、年上の方と話すのは浅はかな知識がバレそうになったりして怖くはありますが、自分には無い視点が得られてとても刺激的です。

▼ 「場の喪失」とお客様化について

> > で、まあここでは日本の経済事情や資本主義の置かれている状況については主題からずれるので置いておくとして、
> いやいや、そこは根本原因なので、そこを置いてしまうと、
> 結果として表面化したモノのみを語る事になっちゃいますよ!?
> と言いますか、そもそも「ビジネス化とお客様化」の話から始まったのでは?
> まあ、旧トルコ担当さんが、そちらの話題が良いのでしたら、別に私は構いませんが。
>
> で、その場合に私が何より言いたかったのは「場の喪失」なんです。
> ただしコチラの話も、ここまで説明して上手く伝わってない所を見ると、
> これ以上に言葉を労しても、進展は無いのかも知れません・・・・
> ただであえ、「有ったモノが無くなった」感覚を、
> 「初めから無かった」世界しか知らない方に伝えるのは、ただでさえ難しいのに、
> 「いやいや、今でも有るよ」という前提で捉えられてる気がするんです。
>
> そして結局の所、この後の「新しい文化」という話にも繋がるのですが、
> それを指す言葉の定義というか、サイズ感が、あまりに異なり過ぎていて、
> まずはそこを認識してもらえないと、上手く会話として成立しないと思いますし、
> 何でしたら、私の方が旧トルコ担当さんの話題に合わせちゃう方が早いのかも知れません。


多分としか言えませんが、私は「初めから無かった」世界しか知らないので、管理人さんの言う「場の喪失」というのは理解できていないと思います。
で、その私でもかろうじてコレじゃないかな、と思えるのがプラモデルなので、よろしければプラモデルを例に説明してもらえないでしょうか?
私の雑な認識だと、昭和の時代には町のプラモデル屋さんというものが存在して、そこは単にプラモデルを売買するだけの場所ではなく、プラモデルのファン(おたく)が集まるコミュニティだったと。
それが(90年代くらいからでしょうか?)、町のプラモデル屋さんは徐々に衰退していってビックカメラみたいな店舗でプラモデルが売り買いされるようになった。
もちろん、今でもビックカメラなりAmazonなりでプラモデルを買おうと思えば買えるのですが、プラモデルの「場」であった町のプラモデル屋さんは消滅し、お客様だけが残った。
「場の喪失」というのはこんな感じなのでしょうか?
私としては町のプラモデル屋さんをほとんど知らない人間なので(それでも小学生の時に親と車に乗ってプラモデル屋さんに通っていた経験はあります)、いやプラモデルファンのコミュニティならSNSでプラモデルファン同士交流すればいいし、別にプラモデルファンの集う町のプラモデル屋がなくなっても「場」はあるじゃん。と思うのですが。どうでしょう?
これ以外だと私の知っている範囲では、ゲームセンターなんかも「場」だったのでしょうか?
80・90年代にはSTGファンがスコアを競ったり、格ゲーファンが対戦をしたりでにぎわっていたそうですが、これも(90年代後半くらいからかな?)衰退を通り越して消滅しかかっています。
ただこっちは本格的に行ったことがないので、具体例で説明されても理解できるかどうか自信がないです。

▼ 文化について

> ですが、こと「新しさ」という事になると、やはり時代性が大きく関わってきます。
> 手塚作品に劣らぬ作品は、それこそ数多く存在するでしょうけど、
> 日本の漫画・アニメ界を切り開いたのは、やはり手塚治虫ですから、
> 文化としての新しさで言うと、どうしたって後続のクリエーターは敵わないんです。
> それと同じ様な話で、TVゲームの普及や、ネットの普及などを経験している以上、
> 百合アニメの変化というのが、そのインパクトと同レベルかとなると・・・・
> いや別に、変化が無いと言っている訳でも、作品的にダメだと言っている訳でも無く、
> 私が思い浮かべる所の「新しい文化」と呼ぶには、不十分だというだけの話ですね。
> アニメに関して言えば、子供向けではない深夜アニメの登場とか覚えていると、
> その辺りは新しい文化と言うよりも、傾向とか新要素くらいの言葉が適当な気がします。
>
> 文化というのは、幅や時間や厚みを持った、もっと大きな枠組みのモノであり、
> キツイ言い方になってしまいますけど、そもそも「新しい文化は無限にある」だなんて、
> そんな小さな意味合いで「文化」という概念を、少なくとも私は捉えていません。
> 例えば無数に存在するのは、文化を構成する個々の作品とかであって、
> 文化自体が、決して無数に存在している訳では無いでしょうからねえ。


申し訳ありませんが、この辺の規模感については正直よくわかりません。
多分管理人さんは私よりもより高い位置から色々な現象を見渡せているのだと思いますが、私自身まだまだ勉強不足なので、科学技術の発展や社会形態みたいなより具体的なものならばまだわかるんですが、文化とは何か?(傾向やブームとは何が違うのか)みたいな抽象性の高い話には全くついていけないんですよね。
投げやりに返信しているとかではなく、本当にその視点から言われるとどうしようもないんですよね。

なんとなく、文化が発展するのは貧しさが背景にあるような気はしています。
例えば日本は島国で魚がたくさん取れたから魚料理の文化が発展したわけですが、これはつまり魚以外の食材(例えば肉なんか)が手に入りにくかったからこそ色々な魚の食べ方が発展したわけで、これが最初から現代みたく肉でも魚でも菓子でも保存し放題であれば、ここまで魚の食べ方が発展しなかったと思うんですよね。

▼ 百合について

その上で(文化が分からないと言った上で)百合について言えば、もちろんセーラームーンも転換点ではありますが、同程度にマリみても転換点だと思います。
管理人さんが「ゆるゆり」や「ごちうさ」、「きんモザ」等の作品が挙げられている辺り、もしかしたらアイマスやラブライブ、艦これ等の流れが目に入ってないような気がするのですが、どうでしょう?(気づいていればすみません)
もちろんオタクの世界に初めて百合を持ち込んだのはセーラームーンなんですが、やはりマリみて以降の流れがなければ、今でも百合は大きいお友達と、きらら系・難民系の範囲に限定されていたと思います。

▼ 宮台真司と大塚英志について

> 宮台真司は何とくイメージがありますけど、大塚英志はちょっと解らないなぁ・・・・
> って、宮台の方も別に詳しく知っている訳では無いのですが、
> 少なくとも、あの人自身はオタクなんですか?
> 個人的な認識では、あくまでも「社会学者」として、現状のオタク文化を研究しているだけで、
> ターゲットとする客層は、彼と同年代である50〜60代のオジサンがメインでしょうから、
> それを踏まえた上で、社会学者としての論説的に「違うなぁ」と感じているのか、
> はたまた、単に若い世代のオタク層として「違うなぁ」と感じているとのでは、
> 話が大きく変わってくると思うのですが、一体どちらなのでしょう?
> もし後者の話でしたら、同じ対象物であっても、それぞれ異なる立場や視点から見ているので、
> その見え方が大きく異なっていたとしても、それはそれで当然とは言えるかと思います。


後者の単に若い世代のオタク層として「違うなぁ」と感じている、というだけなのでまあ言われてみれば当然ですよね。
オタクという主語が大きすぎるのが問題なのでしょうが、まあその辺はマーケティング上オタク第1世代は〜みたいなことにならないのも理解できます。

> ちなみに、例えば、ここで挙げた両名に関して、
> 「違うなぁ」と感じさせた書籍とかは、実際にどんなモノがあるのでしょうか?
> 正直、私自身は両名に関して詳しく知らないので、具体的な著書名をいくつか挙げてもらえると、
> それを読む事で、私の方からも、もっと詳しい返信が行えるかと思えます。


いやいや、私自身もきっちり読んだわけではないので、そこまでされなくても結構ですよ。

▼ 秋葉原通り魔事件の影響

> 秋葉原で通り魔事件が発生したのが2008年。
> 麻生政権による児童ポルノ法の改正案が同じく2008年で、
> 石原都政による青少年健全育成条例の改正が2010年でしたか。
> あの事件1つが、大きく時代を動かしたという事はありませんけど、
> 時代変化のスピードを加速させたという意味では、影響が無かった訳ではありません。
> では何が変わったかというと、一言で言えば、アニメや漫画の「健全化」ですね。
>
> 元々、日本のサブカルというのは、エロ・グロの要素を含んでいたのですが、
> 90年代後半に拡大した深夜アニメは、その放送時間帯もあって、エロ要素が強く、
> 普通の作品でも不必要にパンチラがあったり、エロゲ原作の作品も珍しくなかったり、
> パンツ・アニメと言っても良い、ド直球な作品も多かったんですよね。
> そうなれば当然、コスプレイヤーの衣装も性的に過剰な露出へと進み、
> 秋葉原の地元住民が眉を顰めるほど、歩行者天国が無法化していたりもしました。
> それと同時に、2005年のドラマ「電車男」の放送を境に、オタク以外の人たちも入ってきて、
> 秋葉原が観光地化され、オタク文化が一般的にも広まり、海外輸出の面で注目され始めると、
> こうした従来のエロ・グロ要素というのは、排斥の対象となり始めます。
> オタク側の視点からすると、世間から蔑まれつつも、今まで育んできたサブカルの文化が、
> カネの匂いを漂わせ始めた途端、政治や経済が乗り込んできて、健全化を唱え始め、
> そして、それを一気に進める格好の大義名分となったのが、この「通り魔事件」でした!!
>
> そもそもは、不良たちがオタクを恐喝する意味だった「オタク狩り」という言葉が、
> 警察官がオタクに職務質問を行い、点数稼ぎに連行する意味合いに変わったのも、
> ちょうど、この事件が転換点だったと言って良いと思います。
> 気弱なオタクという存在は、不良にも、警察官にも、格好のターゲットだったと(苦笑)。
> 石原都政の東京浄化政策により、警察官も過剰なノルマが課せられ、
> 事件以前からあった事はあるのですが、人権も絡むので派手には行えなかったものが、
> あの事件を契機に大義名分を得て、大手を振って行われるようになりました。
> まあ、「もののけ姫」で喩えますと(笑)、
> シシ神が討たれる前と後で、同じ森でも様相が一変してしまったように、
> あの通り魔事件の前と後で、オタク文化が健全化されたって感じかも?
> 人を寄せ付けぬ森が、人の手により管理されるようになったように、
> オタク文化も資本や権力に管理され、「サブカル」という呼称も合わなくなったかな。
>
> 考えてみると、アニオタとネトウヨの親和性が高まったのも、丁度この頃かも知れません。
> それまでは「サブカル」と言うくらいなので、反体制と言うか、非権力な文化背景があり、
> クリエーター層まで行くと、明確に左寄りな人が多かった印象があるのですが、
> この健全化の中、表現規制に反対する声と、「石原閣下!麻生閣下!」という声に2分され、
> (規制反対派は必ずしも、パンツ・アニメに肯定的だった訳ではありませんでした)
> そして、健全化と経済化、右傾化や政治家の波に飲み込まれていった感じでしょうか・・・・
> もちろん、全てが全てそうなったという意味ではなく、全体の傾向としての話ではありますが。
> ちなみに、百合や萌えというのも、直接的なエロ表現が制限された為に、
> 発展した1つの表現手段かも知れません(日本のAVや風俗が独自進化したのと同じ要領で・笑)。


なるほど、そういう時代があったんですね。
私はそういう時代を全く知らず、むしろコミケなんか行けばパンチラなんか比べ物にならないほどのエロ・グロ本が売ってるのを見ているので、表現規制なんかは規制側に多少同情的だったりしたのですが、時代が違えばこうも違うんですね。
なんとなく90年代後半のアニメはパンチラが多いみたいな話は聞いていましたが、アニメにエロシーンが昔はそんなにあったんですね。

あと、「百合や萌えというのも、直接的なエロ表現が制限された為に、発展した1つの表現手段かも知れません」ということですが、これは違うと思いますよ。
08年時点では既にエロゲの衰退は顕著でしたし、エロゲもエロよりも売りはシナリオでしたから(だからこそラノベの台頭でエロゲが衰退してしまうわけで)。
(と言いつつエロゲに関しても管理人さんの突っ込みが来ると怖いのですが、エロゲには詳しくないんですよね)

▼ 鬼滅ブームの話

> う〜ん、何なんでしょうかねぇ?
> この「ズレてるなぁ」と感じさせる、違和感の正体は・・・・
> ぶっちゃけた話、最近テレビとか視聴されてますか?
>
> もちろん今の時代、SNSを始めとしたネットでの口コミが、
> 大きな流行の波を生むのは、一面では事実ですけど、
> 逆に言えば、そうした要素があるのは既に大前提な世界な訳で、
> 今回の鬼滅ブームという社会現象は、そのレベルで収まる話じゃないんですよね。
> そうした現状は、アニメとかに詳しくないオジさん・オバさん層でさえ、
> ニュース番組やワイドショーなどを介して、結構把握されてると思うのですが、
> ネット頼りだと情報は溢れてるものの、気を付けないと却って視野が狭くなる事もある為、
> 何だか旧トルコ担当さんが、そこに陥っちゃってる印象を受けるんですよね。
>
> 女性ファン層とか、SNSによる人気拡大とか、決して間違っている訳では無いのですが、
> それは今で言うと、「呪術廻戦」に見られるような人気の分析であって、
> 社会現象になった鬼滅ブームの担い手は、やはり小学生なんですよ。
> 子供たちに人気となり、それが子供たちの間に留まらず、家庭内でも広がる事で、
> 親世代や祖父母世代にまで拡大した為、これだけの大きな現象になっている訳です。
> 実際、人気が爆発した程には、Twitterでの呟き件数増えていないのも、
> 基本的に小学生は、SNSを利用してないですからね(要するにリアルな口コミがメイン)。
>
> で、ここまで爆発的なヒットになった原因は、
> 新型コロナによる外出自粛が、大きく影響していたのは事実なのですが、
> その前提として、コロナ禍以前より、小学生の間で鬼滅人気はジワジワと広がっており、
> それが「何故か?」というのが、私の理解できていない部分であると。
> 鬼滅人気の第1波はアニメ終盤の頃で、その頃の人気を支えたのは、
> 若者層であり、女性ファン層であり、SNSがそれを支えたのも確かなのですが、
> そこから小学生へと人気が波及して、第2波が発生した流れが掴めてないんですよね。
> 若者層がお兄ちゃんでとか、女性ファン層がお母さんでとか、そういった流れだとしても、
> それでは何故、他のアニメでは同様の事が起こらないのか?の説明が付きませんし。


テレビはほとんど見ていませんが新聞は読んでいるので、オジさん・オバさん層でさえニュース番組やワイドショーなどを介して、結構把握されてる、というのは共通認識として持っています。
で、はじめは管理人さんはあまりオタク方面とかそっち系に詳しくないのかなーと思っていたので、いや鬼滅は小学生人気だけじゃないですよ、ということでいろんな例を出したんですけど、この辺は私なんかよりもよっぽど詳しくて正直管理人さんの疑問にはあった答えられません。

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