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[23537] Re:日本の文化環境についての現状認識返信 削除
2021/3/31 (水) 19:23:39 徳翁導誉

> 色入り返信したいことはあるのですが、ひとまず主論の方で気になった部分だけ先に返信します。
> 全体的な返信は5日くらい待ってください。

了解です。
と言いますか、別に急がなくても大丈夫ですよ。
所詮は雑談なので(笑)。


> ええと、管理人さんの認識では、現在の日本から文化の多様性が失われているということなのでしょうか?
う〜ん、あまり話を単純化すると正確性を損なうので、出来れば避けたかったのですが、
伝わらなければ意味が無い為、多少の誤解は恐れず、もうザックリと言っちゃいますね(笑)。

「日本から文化の多様性が失われていくか?」という問いに関しては、
日本もそうですけど、恐らくは世界的に、そうなる可能性が高いかと思います。
理由は主に、以下の3点。

1.グローバル化と新自由主義経済による画一化
  世界中どこに行っても、マクドナルドがあり、スターバックスがある。
  そしてショッピングモールに行けば、名の知れたチェーン店ばかり。
  それなりの値段で、それなりの商品を買えるのは、確かに便利なのは事実です。
  ですが、こうした画一化は、多様性を損なう一面も持ち合わせていますよねえ?
  また、データ重視の無難な商品開発も、似たモノばかりを生み出します。

2.少子化&人口減少と中間層の喪失
  この点に関しては、既にある程度、同意を得ていると思うのですが、
  やはり文化を育むには、その土壌となる絶対的な人の数が不可欠となってくる以上、
  人口の減少は大きいですし、推進役を担う若者層の急減は特に痛手となります・・・・
  (20歳人口で見ると、25年前は200万人、現在は120万人、25年後は80万人)
  しかも中間層の喪失により、個々人から余裕が失われていくとなれば、
  1人あたりが育む文化の絶対量も、減少していくのは明らかですよね?

3.社会のデジタル化と非寛容化
  デジタル技術そのものには、広く繋がっていく機能が備わっており、
  ネットの普及は、異なる他者間の相互理解を深めると思われてましたが、
  現実を見ると、逆にヘイト的な言論は強まり、幾つかの塊を生んだ感じです。
  得られる情報にせよ、生み出される作品にせよ、その数自体は増えても、
  それは塊の中での話で、中身は似たり寄ったりばかりになってないでしょうか?

> 選択肢の豊富さ、という点では考えるまでもなくこの30年というのは大きく進歩したと思うのですが。
その「選択肢の豊富さ」というのは、数の事ですか? 幅の事ですか?
「考えるまでもなく」との事ですけど、改めてキチンと考えてみましょうよ。

例えば、書籍の出版点数(売り上げ冊数では無いですよ)で見てみると、
90年代までは右肩上がりで来た所が、00年代で停滞し、10年代からは落ち出しました。
(誤差はあるものの、他の分野も大体、同じ様な年代傾向があると感じています)
要するに、新刊の数は年々減っている訳で、その点では選択肢が少なくなってます。
また、停滞し始めると、作りたい本より、売れる本を作る割合が増していき、
下落し出すと、その勢いは尚更加速していった為、実質的な選択肢は更に狭まりました。
そして売れ方も、売れる本と売れない本の差が極端になって行ったんですよね。
こうした消費者の志向は、マンガ単行本の売れ行きや、週刊誌の苦戦を見ても解るかと?

また、全体的なイメージで言うと、以前にも言いましたが、こんな印象↓
> > > > 今や、限られた狭い選択肢の中に、細かい選択肢が多数ある感じでしょうか。
> > > > ミクロな視点からすれば豊かでも、マクロな視点では貧しく映る世界です。

この場合も、仮に数自体は増えていたとしても、幅の方は狭まったと言えるでしょう。
以前、旧トルコ担当さんも、
「無限にグローバルか、無限にローカルかしかなく、中間がない」
と、おっしゃってましたよねえ。
この文章を、上記の引用と同じ様な内容として捉えていたのですが、
それは勘違いだったのでしょうか?

「無限にグローバル or 無限にローカル」というのは、ニュアンス的には何となく解るんですよ。
数学的に言うと、無限よりも「極限」と言う方が適当でしょうけど、
まあともかく、そこを高校数学で表すとすれば、
lim(n→+∞)で収束するのが、グローバル化の産物であり、
lim(n→-∞)で収束するのが、ローカル化の産物というイメージなのであろうと。
そして、ここで言うローカルとは、何も物理的な地域などのコミュニティーに限らず、
趣向など精神的に繋がるアソシエーションも含めた、局所的ネットワークの事を指していて、
逆にグローバルとは、市場原理に基づく資本主義で繋がった、
普遍的な、超巨大ネットワークの事を指しているんだろうなと。
私も詳しくは知りませんけど、これは柄谷行人が唱える「交換様式」説に近い話なのかな?
(日本人なのに、台湾の若きIT大臣オードリー・タンの著書から、この説を知りました・苦笑)

「世界史の構造」
https://www.amazon.co.jp/dp/4006003234

って、まあ小難しい話は別としても、現在の世界の状況を見る限り、
グローバル化とローカル化の2極化と言うよりは、
元々あったローカルが衰退して、グローバル1極の時代になってませんか?
ローカルを守っていた物理的な障壁は、グローバル化の波に押し流され、
新たに生まれたネット上のローカルも、デジタル化の一般普及が襲い掛かられ、
2極化という現象は、グローバルの中での「持てる者と持たざる者」として現れている。
そして戦後の日本は、1億総中流と言われたように、失われた中間こそが最大の武器だったと。

> しかし選択肢が膨大に増えすぎた結果、お互いが何をしているかが見えにくくなっていき、
> 自分の好きなもの以外が見えにくくなった。
> そういう話ではなかったのでしょうか?

膨大に増加したのは、選択肢と言うよりもデータ量かな?
で、その膨大に増えたデータが、実際に選択肢たり得るかとなると・・・・
例えば本は減りましたけど、それ以上にネットの文章は格段に増えました。
とは言え、本の情報に負けない文章が、ネット上に実際どれだけあるでしょうか?
テレビや新聞が扱わないニュースも、ネットなら大量にあります。
でも、マスメディアに負けない報道内容が、実際どれだけあるでしょうか?

もちろん、ネット上にだって有益な情報はたくさんあります。
しかし、一握りの玉があるからと言って、石コロばかりの玉石混淆を、
単純に「選択肢が膨大に増えた」とは、ちょっと言えないのが本音ですね。
食べ物の例え話をしたのも、一言に選択肢が増えたと言っても、
「ラーメンのスープやトッピングの種類が増えた」という程の話に思えたからです。

あと、「お互いが何をしているか見えにくい」とか、
「自分の好きなもの以外が見えにくい」というのは、確かにあると思います。
でもそれって、何も最近始まった話ではなく、昔からそうなんですよね(笑)。
それこそ一昔前までは、情報量は限られ、物理的にも制限があり、
「相手の事が解らない」「自分の事しか解らない」のは、当然過ぎるほど当然の事でした。
しかし90年代後半、冷戦終結に伴うグローバル化や、ネットの普及、格安航空の台頭など、
今まで縛られてきた制限が取り払われ、一気に世界が広がる未来が訪れたと思われたんです!!
ですけど、その後の10年間くらいを見ると、そんな未来像は夢破れたんでしょうね・・・・

そういう意味では、00年代の後半くらいから、先祖返りと言いますか、元に戻ったとも言え、
「お互いが何をしているか見えにくい」「自分の好きなもの以外が見えにくい」という現象も、
ここ十数年くらいで見れば新たな傾向でも、もっと前から見れば変わらぬ傾向なんでしょうね。
ただ違うのは、昔は「やろう」と思っても無理だった状況から、
今では可能だけど「やらない」事を選んだという感じでしょうか?
せっかく民主化しても、新たに得た自由を持て余し、再び独裁を望む構図に近いのかな?
そういう意味では、選択肢自体が増えた側面も確かにあるのですが、
それを選択肢として使えてる人など、現状では極一部に限られてると思いますし、
選択肢が急増したから、そうした現象が生まれたというのは、ちょっと違うかな?と思ってます。

> > > 最近ネットで百合と女装に関して雰囲気わかってもらえる感じの書き込み見つけたのですが、
> > > 今検索してみたら消えていたので、保存してたぶん勝手にアップして共有しておきます。

> > 残念ながら、こちらのセキュリティー設定の関係なのか、
> > ダウンロードが行えなかったので、可能であれば概要とか語っていただけます?

> https://ux.getuploader.com/dialogues_txt/download/436
> あと、アップロードミスをしてた参考資料の方を再アップしました。パスワードは「yuri」です。
> 普通のtxtファイルなので、PCからであればダウンロードできるはずです。
> ネット上の書き込みなのですが、見てみたところ元記事が投稿者により削除されていましたので、
> こういった形にしてあります。

はい、そうした事情なのは私も承知してますし、
前回に関しても、別にアップロードをミスってた訳じゃ無いと思うんですよ。
ただ最近は、セキュリティー対策が強く訴えられるようになった為、
ブラウザや設定の違いなどで、結構弾かれてしまうサイトが増えたって事ですね。
ダウンロードが伴う時などは、特に・・・・
なので、ぶっちゃけて言うと、こういう場合はメールが最も無難かも?(笑)

で、読ませて頂いたのですが・・・お手数をおかけしたのに申し訳ないですけど、
バ美肉おじさんに対して、アイドル業界で言う所の「ガチ恋勢」が居たという話が、
「百合と女装」というのに、どれだけ関係あるのでしょうか?
また、以前にも、中の人が男性のVR風俗や、オンライン・エロゲーの話↓をしてるのですから、
> > > > ただ個人的には、10年前の3DCGオンライン・エロゲー「らぶデス555」の衝撃が強かった為、
> > > > http://asitagamienai.blog118.fc2.com/blog-entry-810.html
> > > > バ美肉おじさんみたいな存在を聞いても、「そうなんだ」くらいの感じがしちゃいます。
> > > > VR風俗でも、中の人が男性だったり、アバターが非人間キャラだったもあるそうですし。
> > > > https://www.youtube.com/watch?v=DYjeynmbR4c

バ美肉においても、そうしたガチ恋勢が一定数いる事は、既に理解してますよ。
しかも今回の紹介例のように、相互的なVRチャットでの交流ともなれば、尚更の事。

と言いますか、最近はハーレム系のアニメや漫画にも、
ヒロイン群の中に「男の娘」キャラがいるのも、決して珍しくは無いですし、
その辺の感覚は何となく、伝わるモノがあるのでは無いでしょうか?(笑)
そもそもアニメ自体、声優がセル画上のキャラに「バーチャル受肉」してる世界な訳で、
中の人はオバサンだけど幼女とか、中の人の顔や性格まで思い浮かべちゃうとか、
そんな事すら慣れっこになってる層と比べても、そこまで差異は無い気がしちゃいます。
オタ界隈であれば、アニメ・キャラにガチ恋しちゃう人も、普通に居ますけど、
だからと言って、全てのアニメ視聴者が、そういった楽しみ方をしている訳では無いと。

ただ、「ボイス・チェンジャーを使っても騙し切れない」という発言↓は、前言撤回(笑)。
> > > > しかしボイス・チェンジャーとかを使っても、やはり男性の声は騙し切れませんし、
> > > > もちろん、美少女の皮を被る事で得られる快感も、確かにあるのでしょうけど、
> > > > 基本的には、メタ的に、男性でありながら美少女を演じるエンタメ要素が強い印象も・・・・

こちら↓は上記リンクと同じAbemaの別番組に、同じ方が出演されてるモノなのですが、
(2本合わせて9分未満の番宣ダイジェストなので、そこまで負担は無いかと)
https://www.youtube.com/watch?v=eYhThF_InN0
https://www.youtube.com/watch?v=dH5shI57uXo
バーチャルAV女優であり、VR風俗の嬢&経営者であるKarinさんという方は、
中の人は一応男性なのですが、番組内では「女子大生」と勘違いされて扱われてますね。
でも確かに、気付けない人も普通に居るんだろうなと、考えを改めさせられました。
まあ、よく聞けば男性声なのは解ると思うのですが、やはりキャラの見た目に引っ張られる面と、
(かき氷のイチゴ味やメロン味なども、味は一緒なのに、色の違いで結構騙されてますし・笑)
相手が女性であろうという先入観や、リモート特有の音質の悪さも良い方に作用してそう。
それに、日進月歩な技術の進歩を思うと、見分けが付かなくなるのも、そう遠く無いでしょうし。

・・・って、バ美肉の世界に関しては、女装とか百合なんて単純な話ではなく、
ネット空間における「LGBTQIA+」的な面とも、複雑に絡んでくるモノなので、
もっと本腰を入れて学んでいかないと、なかなか語れない分野かと思われます。
また、そこで百合についても触れるなら、身体性・性自認・性的指向・性表現など、
何を基準として百合とするのか、本当に厳密な定義が必要になってくるかと?
現実的には、どうしても付きまとうリアルな身体性を、
ヴァーチャルな空間でなら切り離せると点では、かなり奥深いテーマですよ、これは。
いや、でも大部分は、演じる方も、見てる方も、ネタ的にやってる気がしますけどね(笑)。

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