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[23683] まさかの小池総理誕生?(+世界の科学アカデミー)返信 削除
2021/9/7 (火) 20:57:21 徳翁導誉

予想大会の宣伝用に、スレッドを上げる意味も込めて、
珍しく私の方から、政局の話題をつらつらと(笑)。

「衆院選2021予想大会(マニア版)」
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「衆院選2021予想大会(Lite版)」
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いや〜、衆議院選挙を前にして、自民党の総裁選がゴタゴタしだしたと思ったら、
急転直下、なんと菅総理の総裁選不出馬という事態に!!
まあ可能性としては、全く想定した無かった展開では無かったものの、
確率的には相当低く見積もっていたので、やはり驚きではありました。
派閥内で意見が割れ、細田派や麻生派が自主投票となった場合、
総裁選で現職総理が敗れる可能性は、十分に有り得そうだなとは見てましたけど、
まさか、戦う前に敗れる急展開となろうとは・・・・

ただ一方で、こうした展開になったからこそ、後出し的に言えるのかも知れませんけど、
岸田陣営としては、「二階おろし」の勝負手を打つタイミングが早過ぎたかな?
やはり勝負の手札は、ギリギリで出すのが最も効果的なのであって、
相手が対応できる余裕を与えると、切り替えされる余地が生まれてしまうと。
まあ、とは言え今回の場合は、そこで菅総理の対応が自滅的であった為、
戦う前に敗れる「不出馬」という結果を導いたのでしょうけど、
その結果、総裁選は乱戦模様を呈し、岸田勝利の確率さえ大きく減じさせた気がします。
個人的には、岸田総理の誕生というシナリオも、決して悪くないと思ってるものの、
正直、この辺の喧嘩の弱さが、「公家集団」と揶揄される宏池会の欠点なのでしょうね。

それとは正反対に、機を見るに敏な野心家が国会の外に1人(笑)。
その存在こそ、タイトルにも書いた小池都知事だと思うんですよねえ。
今まで、二階幹事長の持っている「小池カード」というのは、
強力ではあっても、使える機会がほぼ皆無な手札だと感じていたのですが、
まさか、まさかの展開で、使えそうな状況になりつつある気がするんです!!
(詳しく知らないですけど、自民党総裁って国会議員しかなれないルールはあるのかな?)

菅総理の不出馬となった事で、二階おろしを切り出した岸田陣営は勿論、
二階幹事長に批判的だった3A(安倍・麻生・甘利)が、別の候補者を応援するとなると、
(って、安倍政権の後半4年間を下支えしたのも、二階幹事長だったんですけどね・苦笑)
このままでは、反二階な総裁が誕生する可能性が俄然 高い訳で、今後の展開次第では、
座して死を待つよりも、小池カードという博打に打って出てくる可能性が出てきた気がします。
それこそ現職の自民党幹事長なのですから、小池都知事の電撃復党を処理できる立場ですし、
二階派は47人の国会議員を抱えているので、20名の推薦議員を揃える訳無いはずです。
そして、いったん候補者となれば、小池アレルギーを持つ人も自民党内には多いでしょうけど、
「選挙の顔」として考えると、小池支持の若手議員や一般党員の票は一定数集まると思うんです。

で、小池都知事の側から考えても、東京五輪が終わった現在、
東京都知事の職に、今更未練などは持っていない印象を受けますし、
となると残るは、昔からの願望である「日本発の女性首相」の座しかないと・・・・
それこそ展開的には、都知事の職を辞して、国政復帰した石原元知事に似てるのかな?
あの時も、わざわざ維新の肩書きを背負ってまで、80歳の高齢で国政復帰を果たしたのは、
自公で過半数に達しなかった場合、維新も連立に加わっての首相就任を狙っての事でしたし、
都知事より上を目指すとなると、もうターゲットは首相の座しかありませんからね。
という事で、首相の座を狙う為には、小池都知事も再び国会議員に戻る必要があり、
これにはタイミングの問題が関わってくる問題なのですが、まさに今回の機会はドンピシャ!!
前回の衆議院選挙で試みた、新党結成からの首相就任というシナリオは、
記者の質問にまんまと釣られて、「排除」発言で自爆した上に、
そもそも達成が困難なミッションであった為、時間や資金の問題も考えると、
「自民復党→総裁就任→首相就任」というシナリオこそ、成功確率が最も高いルートであり、
その為にも、総裁選と衆院選が重なる今回は、まさにベストなタイミングであると!!

・・・って、ここまで書いておいて何ですけど、
小池都知事の総裁選出馬となる可能性は、恐らく1割程度の低確率だと思います。
しかし、菅総理が不出馬となる以前は、0.1%も無いような確率だったと思うので、
実現性は低くても、「現実味が出てきた」だけに、一応書いておこうかなと(笑)。
総裁選は来週金曜の17日に告示なので、すぐに結果は出ますし、
有り得無さそうな展開が見られるとすれば、それはそれで政局ショー的には面白いので。
でもまあ、仮に小池出馬が無くても、これだけ総裁選が波乱を見せる展開となり、
派閥単位の争いではなく、誰が誰と組むかのタッグマッチ戦の様相を呈してくると、
政局ショーとして世間的な関心も高まり、メディアをジャックして行くでしょうから、
つい先日まで唱えられていた、「与党大敗(自公で過半数割れ)」のシナリオは、
発生確率的に、かなり減じたようには感じられます。
そういう意味では、菅総理のメガンテが、自公パーティーを救う結果になるのかな?(笑)
ただ、仮に与党大敗となっていたとしても、野党大勝で政権交代なんて事は無かったはずで、
結果的には、ゆ党的な維新や国民民主が連立参加する可能性を遠退かせた事の方が大きそう。
こうなると小池都知事としても、国民民主党を再利用して、連立参加で首相を目指すのは難しく、
69歳という年齢を考えると、「また次の総選挙で」なんて悠長な事は言ってられないはずで、
最終目標である首相の座を狙う所から逆算すれば、ここは大博打に出ても良いタイミングかと。


あと最後に、昨年、サイト管理の一時休養などがあり、
返信用に下書きしていたものの、結局は投稿していなかった
学術会議問題に関する意見文を、このタイミングで たまたま見付けたので、
菅総理への嫌味な餞別として、今更ながらに貼っておきます(笑)。
って、本心を言うと、菅政権を叩く程の関心も無く、調べたデータの公開&記録が主目的。
でもまあ、官房長官時代の辣腕ぶりも、この学術会議の任命問題も、
党内で梯子を外された事による今回の総裁選不出馬も、根っ子の部分は同じであり、
昭和的な上意下達の手法による裏表が、成功や失敗として現れただけのような気はします。

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2003年の資料なので、データとしては少し古いですけど、
各国の「科学アカデミー」を比べると、こんな感じ↓
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/18pdf/1813.pdf

日本学術会議 ※2019年のデータ※
  会員:210名(外国人ゼロ) 予算:10.5億円(公費100%) 任期:6年 報酬:年20万円

アメリカ科学アカデミー
  会員:1800名(外国人320名) 予算:215億円(公費80%) 任期:終身 報酬:なし

イギリス王立協会
  会員:1200名(外国人100名) 予算:80億円(公費55%) 任期:終身 報酬:なし

ドイツ学術アカデミー連合
  会員:400名(外国人100名) 予算:37.5億円(公費100%) 任期:終身や定年制 報酬:なし

フランス科学アカデミー
 会員:300名(外国人150名) 予算:7億円(公費60%) 任期:終身 報酬:なし

イタリア国立リンチェイ・アカデミー
  会員:360名(外国人180名) 予算:7.8億円(公費50%) 任期:終身 報酬:なし

中国科学院
  会員:630名(外国人140名) 予算:330億円(公費100%) 任期:定年80歳 報酬:年20万円

韓国科学技術アカデミー
  会員:560名(外国人60名) 予算:2.5億円(公費75%) 任期:?  報酬:?

スウェーデン王立科学アカデミー ※平和・経済を除くノーベル賞を選考※
  会員:700名(外国人170名) 予算:14億円(公費25%) 任期:終身 報酬:なし

欧米諸国だと基本的に非政府組織なのですが、日本では国の特別機関であり、
会員も非常勤の国家公務員として、報酬を受け取ってる所が実にアジア的でしょうか。
(報酬は無しでも、交通費や宿泊費を出してくれる国は少なくないみたい)
また、公務員という身分が影響したのか、外国人会員がゼロというのは非常に珍しく、
しかも任期が終身ではなく、6年で頻繁に顔触れが替わるのは、かなり異例な格好です。
どうやら調べてみると、前身組織である戦前の「学術研究会議」の頃から、
既に任期制で、国の機関として文部大臣が所管し、内閣が推薦者を任命してたみたい。
欧米諸国の科学アカデミーが、科学者たちの自発的な活動から始まったのに対して、
日本の場合、第一次大戦の後に常任理事国となり、科学方面でも国際交流が求められ、
官主導で作られた組織という事情が、この辺りの差異に影響を及ぼしていそうですね。

ただ、絶対王政の時代ならいざ知らず、戦後以降にこうした学術界への政治介入というのは、
共産国家で聞く事はあっても、民主国家ではここ60〜70年くらい皆無な気がします(赤狩りが最後?)。
今回は中国陰謀論とか出てきて、実に反中的なのですが、その行為自体が それこそ中共っぽい(苦笑)。
中国の千人計画も、何故だか「千人会議」とかいう謎の名称で拡散されてますが、
そもそも、中国陰謀論の発端となったとされる甘利元大臣のブログも、
今ではシレッと書き換えられてるらしいですけど、これも中国人ハッカーの仕業でしょうか!?(笑)
あと、この流れだと、2001年にノーベル化学賞を受賞した野依良治博士なんて、
中国科学院の外国人会員として報酬も受けてたはずで、真っ先に標的として叩かれそうな所ですけど、
安倍内閣の教育再生会議のトップを務めていた人物でもあるので、この辺りは批判の対象外なのかな?
まあ、そもそも今回のリスト自体、安倍内閣の時に用意(忖度)されていたモノで、
それが突然の首相退任劇により、引き継いだ菅内閣が未チェックで承認した代物みたいですし、
平田オリザ学長が残っているのに、宇野重規教授や加藤陽子教授が外された所を見ると、
今回のリスト除外の選考基準も、左右の思想云々よりは、内閣の政治都合なのでしょうけど、
強制力もない学者の参考意見をスルーできない心情が、今の日本の政治課題だと言うのは・・・・
って、戦前の天皇機関説事件なども、そんな感じで暴走していったんでしたっけ。
ともかく、海外の優秀な人材を集める千人計画のような国策の方は、中共を真似しないんですね。

あと、公費負担が100%な所は少ないものの、その多くを公費に頼るのは極めて一般的であり、
50%を切る所となると、ノーベル賞絡みで寄付金や収益の多いスウェーデンくらいでしょうか?
ただこれは例外中の例外ですよね(こうした特殊財源に恵まれているのは羨ましい限り)。
橋下元市長は、アメリカやイギリスは税金が入ってないと、デマを流してましたけど、
私の知る限り、会員が会費を払う所はあっても、公費が一切入ってない所は無いはずです。
まあ、数百億円規模の米中は比較対象外にしても、英独も40億円規模の公費が入ってますから、
日本は逆に今の5倍くらい公費負担をしても、おかしくないレベルなんですよね、実は。
また、公費以外でとなると、そのほとんどは民間からの寄付になる訳ですが、
「国の税金に頼るな」と言う方は、「俺たちが寄付で支えるぜ!」という心意気なのかな?(笑)
ともかく、首相の任命拒否問題とは別に、これらは確かに改革が必要かと私も思いますけど、
年間20万円程度の手当てと引き替えに、ここまで国に干渉されるのであれば、
いっそ無報酬でも、非政府組織になった方がマシだと、多くの学者は感じているのでは?
特に、2000名を超える連携会員に至っては、ほぼ無給で権限も乏しいのに、
公務員という扱いで国から干渉を受けるのであれば、本当にデメリットしかありませんよ。

ただ、公費負担が半減とかになると、財源の穴埋めには苦労しそう・・・・
日本は寄付の文化が乏しい上に、日本の学者は資金集めを苦手にしてますからねえ。
全ての会員を無報酬にした所で、削れる予算額など5000万円にも及びませんし、
事務方の公務員経費4億円(年収800万円)の削減をパソナ竹中に頼めば、かなり浮くのかな?(苦笑)
いっその事、公費負担は8割(アメリカと同等)と先に決めておき、
「自分たちで集めた寄付金の4倍にあたる金額を、国側から補助するよ」となれば、
寄付金2億円で現状維持、寄付金3億円で公費負担が今よりアップとなるので、
こういう意味での成果主義を採り入れれば、学者側も頑張るかも知れません(笑)。
資金集めの良い訓練にもなりますし、広報活動や研究対象も今より国民寄りになるかも?
的外れなバッシングは論外としても、現行の学術会議が有効に機能している印象も無いので。
とは言え、社会的な研究・教育の分野というのは、やはり公費による補助が中心ですし、
ただでさえ日本は公的負担の割合が低い上、近年はそれすら削減され、更に政治介入ですからねえ。
もしも今後、「左版の安倍政権」みたいなのが誕生して、同じ様な介入を逆方向から、
例えば「自衛隊を違憲としない学者は排除」とか行った場合、
いま排除に賛成している人たちは、果たして賛成するのでしょうか?
まあ恐らくは反対するのでしょうが、それでは言動に一貫性が無く、説得力が伴いませんし、
そうした事態を招く端緒を開いたのは自分たちだと、反省する事も無いのでしょうね。
って、「強い者の味方」な層だと、一旦そちらが大勢となれば、あっさり転向しちゃうのかな?(笑)

まあ、ともかく何事でも「金は出すが口は出さない」のが理想的な在り方であって、
「金は出さないが口は出す」というのは、「金は出すけど口も出す」よりも下策であると。
もちろんチェックは必要ですけど、それと個人的な心情や損得で口出しするのは別次元ですし、
もしも今年、日本からノーベル受賞者が出ていて、この問題が世界的にも報じられてたら、
日本は国際的に赤っ恥をかいた上に、国内だけでなく海外の学者からも非難されてたでしょうね。
科学アカデミーは各国に存在しますし、今回の事はそれだけ異例な事ですから。
逆に言うと、学者側が本気で戦う気なら、国際レベルに広げちゃうのも有効な手段なのかな?
って、日本人のノーベル賞受賞者の総数は、ここ10年あまりで倍増しましたけど、
日本国内の研究環境が悪化する中で、今後はどうなって行くのやら・・・・
業績から受賞までは、平均して20〜30年のタイムラグがありますから、
これらが世間的にも顕在化してくるのは今後の話で、その時に慌てても遅いんですよね。
小泉政権の「大学改革」から15年ほど経ちましたし、目に見えるのは10年後くらいでしょうか?
2008〜2019年の11年間で日本出身の受賞者は16名もいた一方、2020年代・2030年代はどうなるか。
別にノーベル賞が全てじゃないですけど、世間的にも非常に伝わりやすい指標ですからね。
(そういう意味ではイグノーベル賞の方も、日本の研究の自由度が測れる指標かと・笑)
ともかく個人的には、表面的な種々の問題以上に、日本の競争力低下という根幹部分が心配です。

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