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[23884] Re5:台湾情勢への影響返信 削除
2022/3/28 (月) 22:23:35 徳翁導誉

> > コロナ禍が始まって、3度目の春を迎えちゃいましたね。
> > と言うか、欧米諸国に比べると、「もうマスク無しでOK」と切り替えるタイミングが、
> > 日本(というかアジア諸国も?)の方は、なかなかスッキリと決まらない気はするんですよね。

> むしろ日本からすると欧米人のマスク嫌いが不思議です。文化の違いと言えばそこまでですが。
> アジアでは目で表情を読み、欧米では口元で表情を読むから、欧米でマスクをしていると
> 不審者扱いされると聞いたことがありますが。

「アジアでは目で表情を読み、欧米では口元で表情を読む」というのは、その通りなんでしょうね。
その理由として、漢字は表意文字であり、ラテン文字は表音文字である為、
目で見る文字か? 音で聞く文字か?で、そうした文化の違いを生んだ・・・なんて説も聞きますけど、
実際の所、どうなんですかねえ?(あまり信じてませんが、面白い説かと・笑)

それはともかく、他のアジア諸国は解りませんが、少なくとも日本国内だと、
公的な場でサングラスを掛けたままだと、失礼だと何だとか、やはり言われると思うんですよ。
しかしアメリカの大統領とかは、普通にサングラス姿で、公的な場にも現れます。
要するに、欧米人がマスクを嫌がるのって、日本人がサングラスを嫌がるのに近い気がするんです。
これが何か別の病気が流行って、みんなサングラスをする社会とかになったら、
恐らく欧米人はそこまで気にしなくても、日本人は結構気にすると思うんですよね。
で、それはやはり、目で表情を読むか? 口元で表情を読むか?の違いから来るモノであろうと。

それこそ、ネット上の顔文字とかも、端的な例だと思いますよ。
日本だと「(^^)」って感じですけど、英語だと「:)」(※横向き)って感じですし、
目で表すか? 口で表すか?という違いが、ここでも如実に現れていると思われます。

> あと日本は国民病ともいわれる花粉症がありますが。
本来、春とはポカポカして、肯定的なイメージが強いはずなのに、
私も花粉症なので、春は何かと憂鬱な印象に(苦笑)。

> 2年前、マスクを手に入れるのに行列ができたり、30枚5000円したりしたのが遠い昔のようです。
あのマスク不足は、解ってはいるものの、結構衝撃だったかな?
需要があるのに、供給量が足りなければ、値段が高騰するのは経済的に当然として、
以前の日本の経済力であれば、買い負けるって事は無かったんです。
例えば、冷夏で「平成の米騒動」が発生した際も、何だかんだで海外米を買い付けてきて、
それをマズい、マズいと言って、大量に捨ててましたからねえ・・・・

今回のウクライナ戦争で一躍有名となった、90年前の「ホロドモール(人工飢饉)」もそうですけど、
収穫された食料が、外国で高く売れるとなれば、国内が飢えていても売るというのは、
経済的利益を優先した場合、充分に有り得る原理だったりします。
そして戦後の日本は、食糧自給率が低い一方で、経済的には豊かだったので、
この原理に乗っ取って、いざとなってもカネの力で何とかなる国だったんですよね。
しかし今回のコロナ禍では、世界規模のマスク争奪戦に勝てなかったと・・・・
これがまだマスクだから良かったものの、もしもこれが食糧の争奪戦とかだったら???
「有事の円買い」と呼ばれるくらい、今までの日本円は国際的に強かったのですが、
コロナ禍以降、それがなかなか当てハマらなくなってましたし、
ウクライナ戦の勃発後、逆に円安が加速する事となって、有事の円買い神話は終焉を迎えました。
解りやすく言ってしまえば、それだけ日本の経済的な国際競争力が落ちてしまったって事ですね。
時が経つほど経済にも影響が出てくれば、この円安は日本の食卓などを大きく直撃するかも?

ついでに余談ながら、現在の報道では、戦争中という状況もあって、
ホロドモールに関して、あたかもウクライナ人への虐殺が目的であったかのように見られがちですが、
あの飢饉って、ウクライナだけに限らず、ロシアやカザフでも大量の餓死者を出してますからねえ・・・・
外貨獲得を優先して起こった「飢餓輸出」の面は、確かにあったでしょうし、
ウクライナが粛清の対象となったのも事実でしょうけど、スターリンの粛清対象は全方向に向いていて、
ウクライナだけが、特に狙われたという感じでは無かったかと思われます。
言ってしまえば、ウクライナもロシアも等しく、革命当初はソビエト共産党に支配された側であり、
農業政策の稚拙さや、輸送や分配の能力不足によって、多大なる被害を受けたのは同じな訳で、
あの件を殊更、「ロシアの悪しきウクライナ支配の象徴」と見なすのは、少し違う気もしています。

って、話を戻すと、マスクだけでなく、当時はトイレット・ペーパーも高くなってましたね。
こちらはマスクと違って、需要は充分なはずなのに、パニック買いが起こったと。
恐らくは、半世紀前のオイル・ショック時の騒動が思い起こされての事でしょうけど、
今の時代を象徴しているのは、日本の報道から海外にも波及した事。
オーストラリアやアメリカでも、トイレット・ペーパーの買い占めが発生したのは、少し驚きました。

ちなみに、トイレット・ペーパーでは無いものの、現在はロシアで砂糖の買い占めが発生してますね。
砂糖の生産国と言われると、サトウキビが育つ熱帯地域を思い浮かべがちですが、
ロシアは寒冷地でも育つテンサイから砂糖を生産していて、実は自給率も100%を超えてたりします。
なので、そんなパニック買いする必要性は・・・とは思うのですが、
その一方で、高カロリーな砂糖は、ロシアは寒いからこそ消費量が世界有数であり、
しかも有事の際には非常食にもなる事を考えると、それだけ市民の間に危機感がある証拠なのかな?
ロシア国内のテンサイ生産地って、ウクライナとも隣接している一帯ですし。


> > もうここまで来ると、流血が少なくて済む、綺麗な決着というシナリオは、ちょっと描き難い気がします。
> 直近では、キエフは諦めて東部だけに専念とも言いますが、最初からそうしていたならとにかく、
> 今となっては言い訳っぽいですね。

でも、この作戦転換こそは、プーチンの「精神異常」説を否定する、かなりの材料になるとは思いますよ。
電撃戦による首都キエフの占領という、開戦当初の理想的な展開は実現しなかった段階で、
そうした現状をキチンと認識でき、当初の目標に固執せず損切りして、より現実的な目標へと下方修正するなど、
かなり冷静に、物事の判断できている証拠だと思えるので。

そして、幸か不幸か、転換された作戦方針というのは、
政治決着のような大きな成果を狙わず、武力で確実に支配地域を確保する路線なので、
それこそ朝鮮戦争のように、最も争いが長く続くシナリオではあるものの、
その反面、これは市民の犠牲が、かなり少なく抑えられるシナリオでもあります。
(あくまでも、このままでは死者の数が10倍100倍と膨れ上がる展開だったのと比べて、という意味で)
まあ別にプーチンも、人道的な観点から、可能な限りウクライナ国民の犠牲を減らそうとか考えてる訳では無く、
ロシア軍の消耗を可能な限り減らしつつ、占領統治の負担も減らすのが狙いだろうとは思いますが、
これによって、核戦争や第3次世界大戦が勃発する危険性は、かなり後退したといって良いと思いますよ!!
この戦い方を選んだのであれば、基本的には通常兵器での戦争に止まりますし、有り得ても化学兵器までかと。
あとは・・・アメリカ側が、変にプーチンを追い込むような、下手な対応を打たない限りは。
逆に言うと、ロシア国防省が わざわざ会見までして、
作戦転換を表明したのは、アメリカに対するメッセージな気がします。

東部2州の独立承認から、ウクライナに対する全面侵攻の開始まで、2日間の時間差がありまして、
この間に起きた事というのは、米露の外相会談が取り止めとなり、首脳会談も白紙化した事であり、
まあバイデン政権の立場として、そういう選択をした事自体は充分に理解できるものの、
その一方で、ここで交渉打ち切りとならなければ、プーチンも東部2州に留めた可能性はあったんです。
それでもロシア側が、2州の完全掌握(開戦以前は半分程度)を目指せば、武力衝突はあったでしょうし、
西側陣営の読みとしては、「仮に戦争はあっても、その程度」という考えだったはずです。
言ってしまえば、この2州におけるドンバス紛争自体、既に8年も続いていて、1万人以上の死者を出しており、
それが過熱化し、グルジアの南オセチアや、モルドバの沿ドニエストルみたいな地域が、また1つ増えるだけだと。

ですが、現実的には、これだけ大規模な戦争が始まってしまい、
しかもプーチンの方はプーチンで、これほどの損害をロシア軍に出してしまった以上、
開戦以前の東部2州だけでは、収まりが着かない状況になってますし、
そうなると、更に何らかのプラス・アルファな成果が無いと、政権基盤が揺るぎかねません。
で、2014年時に示された「ノヴォロシア連邦」案↓では、
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/79/2014_pro-Russian_unrest_in_Ukraine.png
東部2州の他にも、沿岸部を中心とした6州が、勢力圏の目標範囲として示されており、
首都キエフを含むウクライナ北部は、元々の構想にも含まれてなかった地域なんですよね。
そういう意味では、あまりに大きな目標を新たに加えてしまった結果、今回の苦戦があるかも知れず、
逆に言うと、8年前にあった当初の目標に戻ったとも言えます。

ただし現状では、8年前にドネツク州やルガンスク州と共に、
分離独立工作を仕掛け、そして失敗したハリコフ州が、今回の戦争でも未だ落ちておらず、
ドニエプル川の西側にあるオデッサ州やミコライウ州も、なかなか手が付けられず、
しかも先日、ロシア軍の大型揚陸艦を沈められたあっては、この西側の2州は諦めるかも知れません。
それでも、既に大部分を掌握したヘルソン州とザポリージャ州は、クリミアを繋ぐ陸路でもある為、
ロシア側としても、ここは絶対に手放さないでしょうし、それを死守する為に兵力を集中させつつ、
可能であればハリコフ州も手に入れるというのが、プーチンにとっても最低ラインだとは思うんです。
逆に言えば、それをゼレンスキー側にも認めさせる・・・のは無理でも、一時停戦のラインとして示す為には、
キエフへの侵攻や包囲は仮に断念しても、プレッシャーを与えるべく、兵を完全に引きはしないでしょうね。

> 経済制裁も収まらないだろうし。
こちらに関しては、プーチン政権が終わらない限り、まず無理じゃないですかねえ?
仮にここでロシア軍が全面撤退した所で、西側諸国が制裁を解くとは思えませんし、
体制は変わらずとも、せめて看板だけでも変わってもらえないと、なかなか難しい気がします。


> > > > > ・ロシアの弱体化
> > で、これは少ない情報からの推測・・・と言うか、邪推に近いですけど、
> > ドローン兵器や電子戦が幅を利かす、「新しい時代の戦争」に突入している可能性も?

> 戦争が科学技術を飛躍的に伸ばすというのはよく言われますが(あとエロも(笑))、

AIやVRなどの技術を、エロ市場を用いて、どう発展させるか?なんて話題も、
別に私は嫌いじゃないですよ(笑)。

> 今回は科学技術の方が戦争の姿を変えたかもしれません。各国の軍組織からしたら格好の研究材料でしょうね。
とは言え、現状では「軍事技術」の範疇を超えていないのも、また事実。
これが更に、ドローンや無人運転トラックなどで、兵站輸送が行われるようになったりすれば、
運送業界やタクシー業界にも、技術革新の大波が襲うかも知れませんし、
占領統治における住民管理とかで、中国のデジタル監視技術が進化するかも知れませんが。

ただ、まあ「ロシアの弱体化」という話で行くならば、科学技術の話より先に、
ドルの替わりに人民元を使い、アップルの替わりにファーウェイを使い、
YouTubeの替わりにTikTokを、VISAの替わりに銀聯カードを使って、
モバイル決済はアリペイで行い、中国製の自動車に乗り、中国製の兵器を用いる・・・という、
「中国経済圏の拡大」の方が、直近では有り得そうなシナリオですかねえ?
ロシアは1億4000万人の市場なだけでなく、中央アジアを挟み込み、EUと隣接する訳で、
西側諸国の経済制裁が、却って中国にはビジネス・チャンスと為りかねない可能性もあるんですよね。

また、ロシア支配下にあるウクライナ地域の復興は、中国企業が担うかも知れませんし、
ウクライナの人工の4分の1にあたる、1000万人以上が流出した人口も、
中国人を送り込んで埋め合わせしちゃえば・・・なんて言うのは、あまり見たくは無い展開かな。


> > > > > ・純軍事的要素
> > > > > 最近は中国海軍がアメリカ太平洋艦隊を上回ってきているという話もありますし。

> > > > いや、それはさすがに無いかな(苦笑)。

> > 少なくとも現時点では全然ですし、将来的な話としても相当困難です。

> まあ中国海軍が日米を上回るのを望んでいるわけでは全然なく、単に心配しているだけなので、
> アメリカがずっと守ってくれるなら重畳というところです。

アメリカがずっと守ってくれる・・・かは、解りません(苦笑)。
結局の所、アメリカが守るのは、あくまでもアメリカ自身の国益であって、
日本を守る事がアメリカの国益に繋がるなら守りますし、そうならないなら守りません。
同盟関係だの何だのと言っても、所詮は紙の上の話であり、最後は損か?得か?で決まる事なので。
例えば、米中が同盟を結んで、日本は中国に売り渡されるなんて事も、絶対に無いとは言い切れないと。

> が、中国が台湾を併合したがっているのは事実で、軍事力で無理なら、平和的にですが。
> 選挙で岩盤層は両翼どちらにもありますが、やっぱり香港対応で浮遊層の取り込みには
> 失敗したんじゃないかと。

そもそも論として、その浮遊層というか中間層自体が、中国との統一を望んでいないんですよ。
なので、香港の問題があっても、最初から統一を望んでいないのですから、その割合も変わり様が無いと。
変化があったとすれば、現状維持派が減って、台湾独立派が増えたりとか、
自分は中国人であり台湾人であると考える人が減って、自分は台湾人であると考える人が増えたりですね。
そういう意味では、台湾内での中国への親近感を遠ざけさせたという点では、確かにマイナスでした。
それこそ、クリミア併合やドンバス紛争が、ウクライナ国内のロシアに対する親近感を薄れさせたのと同じで。

> 池上彰さんによると、「スクランブルとか様々な嫌がらせをすることで
> 疲れさせて併合に持っていく」ということですが、そんな嫌がらせする相手に吸収される気に
> なるかなあというところ。

う〜ん、その発言を直接聞いた訳では無いので、前後の主旨は解りませんが、
それってもう、「平和的」では無い気はするんですよね(笑)。
まあ恐らくは、実際に台湾へ軍隊を派遣して、武力占領を行うような「力攻め」ではなく、
島国である台湾と、海と空から輸送路を封じてしまう事で「兵糧攻め」を行い、
降伏をさせるって意味なのかな?とは思いますけど。
で、これが現実的に可能か否かとなると・・・アメリカの対応次第かな?
アメリカが動けば、海・空軍力では中国は勝てないので、こんな方法は無理です。
そして、アメリカ軍も太平洋の向こうから来るのは大変ですが、
台湾の目と鼻の先には沖縄があり、その後ろには日本列島があるので、まあ考え難いシナリオかと。

となると、より現実的なのは、軍事力ではなく経済力による兵糧攻めですね。
市民1人あたりの経済的な豊かさで、圧倒的な差を見せ付けて、
それで相手側をなびかせる手法は、中台間では非現実的でしょうし、
そうなれば、戦略的に台湾の豊かさを削り、台湾市民を貧しくさせる。
つまりは、中国の巨大な経済力を背景に、台湾を世界市場から閉め出してしまう、
ソフトな「経済制裁」を行うようなイメージですね。
そして、更に可能性としてありそうなのは、ハードな「経済支配」の方かな?
金門島などは、まさにそうかも知れませんが、完全に中国の経済圏に取り込まれてしまえば、
別に武力を用いずとも、カネの力で準植民地化する事は可能なので。

> > > 世界終末時計、現在、最短の100秒前ですが、そろそろ動くのかな。
> > まあ、世界終末時計ってフィーリング的なモノですからね。
> > 戦後77年間で、最も核戦争の危険性が高まったのは、間違いなく1962年のキューバ危機ですけど、
> > 冷戦中よりも冷戦終結後の方が、時計の針が進むスピードが速いですし、
> > 言うなれば、政治的メッセージというか、忠告の意味合いが強い感じかと?

> 世界終末時計が割と感覚的なものというのは知ってましたが、忠告なら忠告で動いてほしいですね。

う〜ん、でも世界終末時計って、毎年1月に設定されるみたいなので、
今回のウクライナ戦争が反映されるのは、また1年くらい先の話ですね。
で、もしかしたら、その頃には既に、戦況の方も悪いながらも落ち着いてきて、
いま現在に比べれば、危機のレベルは下がってる可能性もありそうだと。

実際、前述のキューバ危機が、あまり時計の針に影響を与えなかったのは、
針が更新された後に危機が起こって、次の更新がある前に危機が終わったからですね。
また、時が経つと共に、双方の実状が明らかとなっていき、どれほどの危機だったかが解るので、
今回のプーチンの思惑も、実際はどれくらいだったか、10年後とか20年後とかに解ってくると思います。
しかし、世界終末時計というのは、そうした歴史的な正確さを客観的に示すよりも、
今その時の人々にアピールするのが目的なので、どうしても感覚的になるのは仕方無いかな?

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