| 浦和 0 - 1 ミラン
個人的な感想としては、あまりに順当すぎるほど順当な試合だったと思います。
ミランに実力以上の差を見せつけられる事もなく、
かと言って、浦和が実力以上のモノを発揮した訳でもなく。
Jリーグが開幕して15年あまりでここまで来たと言う面を見れば、
これは確かに凄い事なんですが、
でもまあ、現在の実力差的には言えば、
まさに「まあ、こんなもんでしょ」って感じの内容でした。
「善戦」かと言えば・・・・何だかそれも違うような気がします。
ここ2大会の準決勝で、リバプールが3-0、バルセロナが4-0でしたので、
ミラン相手に1-0と言うのは、凄いような印象を受けますけど、
「結果的に勝てば良い」と言うのがイタリアのサッカーですからねえ。
イタリアとの試合って、格下の相手が善戦したように見える事も多いですが、
ガッチリ守り、相手に攻めさせておいてのカウンターと言う戦術が多いので、
イタリア相手には、とにかく勝たないと意味が無いんですよねえ・・・・
しかも内容的には、1-0と言う結果以上に、
トラップ・パス・スピードと、根本的な所で大きな差を見せつけれました。
プレスに行ってもボールを取れず、最終ラインは下がり、
ボールを取っても攻め上がることが出来ない。
更に浦和側は中2日と言う事もあって、
途中からミランに良いようにやられましたからねえ。
でも、自分たちがやりたいサッカーが出来なかったとしても、
ミラン相手と言う事を考えれば、結果的には良い方向にあったのかも知れません。
自陣へと追い込まれる事でゴール前からスペースが消え、
決定的な場面にまで陥る事が、そこまで多くはなかったですからねえ。
ピルロのパスにしても、カカのドリブルにしても、
前方にスペースがあってこそ、有効に効いてくるモノですし。
結局、後半23分に失点を喫したのも、
浦和側の良い時間帯で、攻める為に前掛かった所をカウンターでしたからねえ。
ただ、ポンテと田中達也が居れば、
もう少し良い勝負が出来たかなあ?と言うのが心残りでしょうか。
ドイツで活躍していたポンテならば、
ミラン相手にでも、ある程度はキープが出来たでしょうから、
あそこまで押し上げられないと言う事も無かったでしょうし、
押し込まれた側が得点を狙うには、やはりカウンターですからねえ。
永井とワシントンは、そんなにカウンターがうまいと言う訳でも無いですし、
前線からの守備というのも、達也ほどじゃないですからねえ。
しかし本当に、地力の差だけは見せつけられた試合でした。
ああ言った相手に対し、これからの日本サッカーはどう立ち向かっていくのか?
やはり世界のトップクラスと真剣勝負をする事で、
そう言った課題を意識し、問題点が浮き上がってきますよねえ。
そう考えれば、このような試合は凄く価値があると思います。
日本の場合、地理的条件から、なかなかこう言った試合は出来ませんし。
こう言った試合を重ねる事で、日本サッカーが目指すべき方向性と言うのも
見えて来るんじゃないですかねえ?
最終ラインを高く保ち、前線からはチェイシング。
こうしてコンパクトな形にして積極的にプレスを掛け、
高い位置で奪った所をショートカウンター。
これがうまく行かない相手に対しては、ラインを下げてしっかり守り、
相手を前掛かりに引っぱり出してからカウンター。
後は、セットプレーと個人で打開できるオプションも・・・って感じでしょうか?
よく言われる事で今更って感じもしますが、やはりこの道なんでしょうね。
体格的に劣る日本としては、組織力と持久力、
そして俊敏性で勝負するしかないないでしょうし。
それと、欧州や南米では、こう言ったレベルのチーム同士が、
常に切磋琢磨する状態にあるので、
それに少しでも近付こうとするならば、
やはり国内リーグのレベルを上げていくしかないでしょうね。
出来れば、周辺諸国のレベルも上がってくれれば申し分ないのですが、
流石にそればっかりは、日本の力でどうこう出来る問題でも無いですし。
1-0と言う結果。
結果以上の歴然とした実力差と日本サッカーの可能性。
世界への窓口を開いた一戦。
何となく、1998年フランスW杯アルゼンチン戦と
イメージが被るんですよねえ。
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