▽ 2008/5/31 (土) 17:59:39 ▽ 徳翁導誉 |
| > > > 諸葛亮や司馬懿は軍師で、劉備は人徳があり・・・って感じで、
> > > 三国志演義の世界観が、本当に浸透しきってますものねえ。
> > > 諸葛亮や司馬懿は名家の出身で、上流階層との人脈が深く、
> > > 逆に劉備なんかは、商人やヤクザと言った階層との人脈が深かったから・・・みたいな、
> > > そんな現実的な見方より、演義の物語的な見方の方が強いでしょうし。
> > 自分なりに本や漫画と見ていますが
> > ヤクザ上がりや盗賊系等の劉備とコーエーの様に人徳がある劉備と
> > 二つに分かれているため、どちらが本当の劉備?って思ってます。
> > 私自身、盗賊上がりの劉備を初めに見ていたため
> > コーエーで人徳のある凛々しい人物の様に出たので不思議に思ってます。
> 三国時代は有名でもあり、羅貫中の三国志演技(コーエーは三国志演義をベースに作っています)等、
> 色々な作家が色々な劉備を描いておりますので難しいのですが、史実の劉備は若い頃は余り真面目ではなく、
> 闘犬等を好み派手な服装に身を包んだ伊達男だったようです。人の世は、今も昔もあまり変わりません。
人の世で重要なのは「カネとコネ」です。
名家なんて言うのも、所詮は「カネとコネ」を維持する為の互助会であり、
その為に九品官人法が・・・なんて話をしても、つまらないですね(笑)。
気軽に読める所では、「図解雑学 三国志(ナツメ社)」なんかが結構オススメですよ。
三国志の世界を「名士」で説明する面白い本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4816329269/
で、実際の劉備はどうだったのかって事ですが、
現実的に考えて、人徳だけで駆け上がっていける程、乱世なんてものは甘くありませんよねえ?
かと言って、乱世の時代に人をまとめ、のし上がっていくのですから、
劉備にそう言った要素が無い訳ではない。
三国志演義の場合、蜀を三国の中での正統王朝として扱っているので、
その開祖である劉備を、漢王朝の開祖である劉邦になぞらえた感じで、
かなり美化し、誇張して書いてある訳です。
で、その三国志演義が一番人気ですので、
そうした「人徳」ある劉備像が、一般的には知られていますね。
では、本当に劉備がヤクザ上がりかと言えば、そう言う訳でも無いですね。
劉備の祖父は、地方で県令(県知事)を務めた人物であり、
少年期には廬植の下で学問を学んだり出来る立場に居た人間ですので。
今からは想像できないほど、身分の差が大きかった時代ですし、
やはり、そこそこの地位に無いと、成り上がる事も難しいですよね。
本当に何もない状態から成り上がったのは、中国では明王朝の朱元璋くらいでしょうか?
その代わり、劉備の側にいた関羽などはそういった人間でした。
とは言え、あの時代は「ヤクザ」と「商人」と「町の顔役」の間に、
明確な区分があるような時代では無かったですからねえ。
現代のマフィアやヤクザをイメージすると、少し違うかも知れません。
(って、現代のマフィアやヤクザも、実体は似たようなモノですが・笑)
人間が生きていく為に必要なモノに「塩」がありますが、
中国の歴代王朝は塩の販売を独占し、それで利益を得ていました。
だから、塩は王朝の財源として、かなりの高値で売られており、
逆に商人から見れば、塩を密造し、密かに売る事で、巨大な利益を得られる訳です。
特に王朝が崩壊への道を進み出すと、財政維持の為に塩の値段は跳ね上がり、
ますます塩の密売人は儲かるようになり、
塩の密売という違法行為を行う自らを守る為に、その金で武装をし始めます。
中国の歴史で、王朝が崩壊期に突入すると必ず出てくる「塩賊」とは、
こんな「ヤクザな武装商人」が巨大化していったモノです。
で、中国最大の塩湖を根城として関羽も、こうした塩の密売人だったと言われています。
その一方、諸葛亮は財政改善の為に、蜀で「塩の専売」を行っています。
密売側が権力を握る事で、今度は専売へと進んでいくというのは、面白いかも知れませんね(笑)。
劉備など、三国志の人物は出てきませんけど、この辺の事は、
「中国の大盗賊・完全版(講談社現代新書)」が、気軽に読める本の中では良いですよ。
劉邦や毛沢東といった開祖を、大盗賊として捉えていて面白い本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4061497464
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