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[9213] Re2:アメリカ分裂のシナリオ?返信 削除
2008/11/26 (水) 19:29:37 徳翁導誉

> 佐藤賢一が『アメリカ第二次南北戦争』という、まんまの小説を書きましたね。
佐藤賢一も、立ち位置がよく解らない人ですよね(笑)。
基本的には歴史小説家なんでしょうけど、
大学院で歴史を学んだだけあって、普通に新書で歴史啓蒙書を書いたりもしてますし。

「歴史書」と「歴史小説」って、一般的には似たようなモノと思われがちですが、
解らない部分は、学術的に何も書けない歴史書と、
解らない部分こそ、自由に書きたい放題の歴史小説とでは、
根本的な立ち位置が、完全に異なりますからねえ。
歴史小説家でありながら、歴史書のように書けるのは陳舜臣くらいで、
歴史家でありながら、歴史小説のように書けるのは宮崎市定くらいですかねえ?
少なくとも、私が読んできた範囲では。

ちなみに、集英社新書から出ている佐藤賢一の「英仏百年戦争」は、
日本語で書かれた百年戦争の入門書としては、かなり良い出来ですよ。
まあ、そもそも「日本語で百年戦争を」という書籍自体が少ないですが(笑)。
文庫クセジュの翻訳モノもあるんですが、あそこの翻訳は少々読み辛いですしねえ。
って、アメリカ第二次南北戦争とは何の関係もない話に・・・・


> 南北戦争以降で国を割る危機と言えば、30年代初頭と50年代から60年代ですかね?
> 前者は映像の世紀でマッカーサーが革命前夜のようだと語っていましたし、

ボーナス・アーミーの件ですかあ。
う〜ん、正直言ってあれは、マッカーサーの妄想と暴走と言った印象が・・・・
あの事件って、世界恐慌によって職を失った退役軍人たちが、
第一次大戦の恩給前借りを求めて野営デモを行っただけなのに、
「共産主義者による陰謀」という思想に取り憑かれたマッカーサーが、
「デモを解散させろ」と指令を出した政府の思惑を上回り、武力鎮圧をしてしまった出来事ですし。

> 後者でもアフリカンの独立など過激派が横行して、現代のストリートギャングにも
> 影響を与えていますね。現代でそれが国家の分裂までエスカレートするとすれば、
> それらが複合的に問題を深化させて、常に最悪の方向に進む、ということでしか生まれないかと。

「公民権運動」とは、文字通り「アメリカ国民としての公民権」を求める運動であり、
まあ確かに、「独立」を訴えるような過激派も一部に居たのは事実でしょうけど、
それが本当に、実を結ぶほどの数が居た訳ではないですからねえ。
その当時の日本で言えば、「60年安保闘争」がありましたけど、
「三無事件」みたいなのもありましたが、
本気で「政府転覆」なんて考えていた層は、現実性のないほどの数でしたでしょうし。

とは言え、如何にそれが実現性に乏しくても、
実際に過激な行動を起こされれば、国民も少なからずその被害を受ける訳で、
本来ならば、注視しなければならない事象ではあるんですけどね。
そういう観点からすると、田母神問題が起きるような「体質」というのは、
現状では笑い話になっても、実は結構な大問題だったりしますし。
って、また、アメリカが割れるという話とは何の関係もない話に・・・・

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