| > > 実際に私たちが生きている世界で既に現れている問題であり、
> ここからずれてるのかな、僕は現在の世界では、物資不足は発生していないと考えています。
う〜ん、「ずれてる」と言いますか、
私なりには、tristarさんの言わんとしている所は、
だいたい理解できてはいると思うんですが、
私が言わんとしている所が伝わっているのか?という不安が・・・・
って、まあ、それは結構いつもの事だったりするんですけどね(笑)。
私の主張って、1つの事象に対して多角的な視点から見て、
それを一定の流れを以て視点を移動させ、
その事象の全体像を捉えようとする「マシンガン撮影」みたいな見方をする上、
更にそこへ、問題点やら対処法やらを付け加えるので、
流れや視点は無視され、個々の単語だけを拾われて誤解釈されたり、
「結局、何を言いたいのか解らない」と言われたりする事が多いですので(笑)。
ですから、相手の主張に乗っかって、話を進めるケースが多くなっちゃうんですよねえ・・・・
まあ、そこまで自己主張したい訳でもないので、別にそれはそれで構わないんですが(笑)。
> > 根本的には「何が論点か」
> 長期的な物資不足が発生・進行しているか?についてがメインで、
> 現在と将来の需給関係のお話のつもりです(拡散気味ですが)
と言う事で、これからはこれをメインに語りましょうか(笑)。
まず最初に言っておきますと、
私も「必ず食糧不足や物資不足が発生する」とまで言っていません。
ただ、それが発生する可能性も「十分にありえる確率」であり、
起きるか起きないかではなく、そうした確率が存在する事自体が、
「問題」が存在するという事です。
そして、何らかの問題があったとして、その問題を解決する方法が生み出される事と、
その問題自体に対処する事とは、また違う次元の話であるという事を言っている訳です。
これからも人類は、いろいろな問題に対して様々な解決方法を産み続けて行くでしょうし、
私も理系の人間の端くれとして、そうした事を強く信じてはいますが、
しかし、そうして生み出される変革や革新というのは、「自然の流れ」に乗ったものではなく、
それがあたかも、当然の流れであるかのように前提されるべきでは無いと言っている訳です。
> 北アラル海ではダムを建設したり利水計画を見直した結果水位は回復しつつあります。
> 適切な管理と利用で効率を高めれば可能な事はまだまだ数多いとの、実例と思います。
あの〜、北アラル海の水位回復って、
南アラル海に流れ込む水を堰き止めて、つまりは南アラル海を見捨てる事で成り立っていて、
しかも北アラル海は、別名「小アラル海」とも言われるように、
元々のアラル海から見れば、10%有るか無いか程度の水量しかない部分な訳で、
数十年前と比べて数%分の水量しか保てていないモノを、成功例のようには扱えないかと・・・・
それに塩害や砂漠化の問題だって、まだまだ残されていますし。
> オガララ帯水層でも利水効率向上の成果が出始めて、地下水位低下量は年々小さくなっているそうです。
そうした対策が採られている事も知ってますが、
しかし、そもそも補充される事がほとんどない化石水を使っている訳で、
例え使用水量を半分に減らしても、使える期間が2倍に増えるというだけで、
節水するに越した事はなくとも、根本的な解決には繋がらないと思いますが?
> >生活レベル向上による水消費量の増加です。
> 水の用途は7割農業用、2割工業用、生活用水は1割程度と言われています。
生活レベルが向上する事で増えるのは、生活用水の使用量だけじゃないですよ。
生活レベルが上がれば、農業用水や工業用水の使用量だって増えます。
と言いますか、確か生活用水の使用量以上に増えるはずです。
例えば、「牛丼1杯にかかる水は2トン」とも言いますしねえ。
> 生活レベルの向上と言える経済力があるなら、解決する方法はあるでしょう。
> 中国沿岸部では、巨大な造水プラント事業が幾つも立ち上がってるそうです。
海水の淡水化は、安全性と安定供給の面で優れているのは確かですが、
前回も書きました通り、どうしても割高となるんです。
しかも、中国の水不足は沿岸部のみでなく内陸部でも深刻です。
沿岸部で造った水を内陸部に送ると言っても、更なる費用が掛かりますよ。
経済的に豊かになれば、水道料金が2倍になっても大丈夫・・・なんてモノでもないでしょうし。
だからこそ中国も、チベットから内陸部へ水を引く事を考え、
チベットを水源として頼るインドの猛反発を買っている訳です。
> > 今までは隣国の余った穀物を安く買っていたものの、隣国の政策が変わり、食糧危機が発生する
> > FAOの報告では確か、それを「貧困の問題」
> > 私の感覚だと、これは「食糧不足」だと思うんですけどね。
> その国にとっての食糧不足であっても、世界市場には通常価格なら十分に買えるだけの物があるのですから、「世界規模の食糧不足」ではないし
> FAOは「畜産で儲けるな隣国を救え」と言う性質の団体ではないですから、貧困と言うのは普通と思います。
そもそも、「世界市場には通常価格なら十分に買えるだけの物がある」という前提が正しいのでしょうか?
もしも、全世界の人々が先進国なみの所得と嗜好を持っていたとして、
その需要を賄える程の供給が、本当に十分なほどあるのでしょうか?
そして、それ程の需要があった時、本当に通常価格なんてモノは維持されるのでしょうか?
現在は、世界市場での通常価格で購入できない層の需要はないモノと考えるので、
需要に十分なほどの食糧供給が行われており、これは食糧の不足ではなく貧困の問題。
貧困層の生活が豊かになり、その分だけ需要が上がれば、供給の方も付いてくる。
このような考え方が、どうしても納得できないんですよ、私には。
FAOは世界農地の収穫率を、欧米並の収穫率にすれば良いなんて言いますが、
現実問題として、それって本当に可能なんですか?
欧米並の設備を整えるのに、いったいどれだけの費用が掛かるのですか?
仮に世界が欧米並になり生産高が数倍に膨れ上がったとして、リンはどうするですか?
今のままなら120年保っても、需要が数倍になれば、あっという間に価格は高騰ですよ。
それに、水の供給はどうなるのか?
そりゃあ、この世の事はほとんど、金さえあれば何とかなりますけど、
では、その金の出所はどこから?
私にはどうしても納得できないんです・・・・
そもそも食糧供給なんてモノは、世界規模なんかで考えるモノではなく、
まずは地産地消を基本として考えるモノであろうと、私は思っていますし。
> インド人が肉食を始めたら、とのお話もありましたが、ライフスタイルの変化は年月をかけて進むもので、その程度の変化なら市場原理の中で農業は対応して行けると思います。
例えば中国では、ここ20年で牛肉の消費量が20倍になってますし、
外国の例を持ち出さなくても、日本の食生活を見れば、
10年20年といった単位で、かなり劇的に変化するのも解ると思いますけど?
> > また3ほど極端な所までには至らずとも、それに近いケースも皆無ではないと。
> 2に関して意見が分かれるのは仕方ないですが(先物取引のプロだって分からないんですし)
> 世界人口が90億人程度で頭打ちになる事が予想されている中で、3に近いケースとなると農業生産は全く伸びず、下手すれば減少するって事ですか。
「2050年に世界の人口が90億人に達する」という予測ならまだしも、
「世界人口が90億人程度で頭打ち」という予測は、一般的に、
楽観的な「下位推計」の部類に属するモノでは?
そもそも、人類の歴史から見て、
何の要因もない限り、人口というのは増加し続けていくでしょうし、
それが頭打ちになるというのは、需要の増大や供給の限界も要因として考慮されているのでは?
悲観的に考えすぎるのも問題ですが、かと言って、楽観的に問題に対処しては、
問題が深刻化した時に、まず解決する事が出来なくなりますからねえ。
別に私は、未来を予想して、それを当てたい訳ではないですし。
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