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[9269] Re5:農業について返信 削除
2008/12/6 (土) 01:49:30 tristar

▼ 徳翁導誉管理人様
お疲れ様です。風邪は養生するしかないですから、無理をされないようお願いします。

>「十分にありえる確率」であり、「問題」が存在するという事です。
僕も問題が何一つ存在しない、とは言いませんが、「現在不足していて更に加速する」する程の問題とは思えないんですよ。

>当然の流れであるかのように前提されるべきでは無い
未来を想像する上で、過去の実績と現在のリスクを踏まえて、人類が普通に活動(進歩)するだろうと考えるのはそれほど特殊な事じゃないと思うんですよ。
特別な技術的飛躍や、都合の良い突発事件を前提に話しているつもりはありません。

>南アラル海
南アラル海は上流域の国家利害が絡んでいて、大した対策を行えていません。
「干上がったら湖底の油田が掘りやすくなっていいんじゃん」等と言う話すら出ています。
カザフスタン政府が管理に努力している北アラル海と同列には語れないと思います。
カザフスタン側では、持続的な農業が行われていると考えていい筈です。

>補充される事がほとんどない化石水
涵養がゼロではありません。現在揚水過剰なのは事実と思いますが、(現在分かっている涵養の2倍〜3倍程度揚水があるとか)
耕作放棄されて砂漠になるような問題とは思えません。
現場で関わる人たちには重大な問題ですが、日本人の心配が必要な問題ではないでしょう。

>ブラマプトラ川ダム?
具体的な話があったのかな、と調べてみましたが見つかりませんでした。
中国政府は南水北調を推進中で、西線でさえ問題が多く検討段階なのに、更なる費用も手間も危険性も外交的リスクも越えて強行するのでしょうか。

毛沢東の時代から南水北調は検討されてきましたが、実行不可能でした。
実行できる経済力と技術力を得たのですから、過去に比して水不足は進行しているのではなく、緩和されると言うべきです。

>ここ20年で牛肉の消費量が20倍に
年率にすれば15%程度、それくらいなら世界の農業は対応してきました。
仮にインドがそうなったとしても中国より小規模の事ですから、対応可能でしょう。

>「世界市場には通常価格なら十分に買えるだけの物がある」という前提
>もしも、全世界の人々が先進国なみの所得と嗜好を持っていたとして、

これはよく分からないのですが、現実の需要や購買力を無視して、先進国なみの消費量を前提とした生産力、と言う事でしょうか。
それは現実離れしているでしょう、そんな生産力を用意したところで、大量の在庫を抱えて暴落させるだけです。
現在の農業生産を規定しているのは、生産限界でなく市場価格です。

>この世の事はほとんど、金さえあれば何とかなりますけど、
>私にはどうしても納得できないんです・・・・

それは金銭の力を過大、或いは過小評価していると思います。
金銭は(この話の流れで言うなら)産業と産業を繋ぐ便利な道具に過ぎません。

>食糧供給なんてモノは、世界規模なんかで考えるモノではなく
僕は、食物だけを神聖視する事に違和感を感じます。
例えばコンビニ弁当の廃棄が問題になったり、ドリフターズがパイを投げるコントが問題になったりしました。
それだけの物で飢餓に苦しむ人々をどれだけ救えるか、みたいに語られるじゃないですか。
でも、徹底的に節約して食物の無駄が無くなったとしましょう。それらの物が他に回るのか、と言えばNOです。
需要が減った分市場価格が下がり、コスト競争力の弱い発展途上国の農業が圧迫されるだけです。
経済的な裏付けと分離するのが正解、とは思えないんですよ。

金銭がそんなに万能か、と言われればNOと言うしかありません。が、農業問題に限っても、金銭は最も有力なツールです。
経済的な範囲で増産が無限に可能だと言えるデータは持っていませんが、市場経済と自由貿易による農業生産が限界に近い・達したと言えるデータも無い筈です。

>地産地消
農業の多面的機能や安全保障等を全て否定するわけではありませんが、水資源、気候、経済力等様々な差のある世界で同列に並べて自給と言うのは・・・
「幾ら金が掛かるかわからない」からこそ、コストの安いところに重点投資する方が効率的です。
それに、農産物が手元に届くまでの、「栽培・収穫」のみを取って地産地消と言っても、水資源(上流国とか、海水淡水化にしてもエネルギーとか)、リンやカリ等農業に関わる様々な要因を海外に依存しては、根本的な変化とは言えないと考えますし、それらを全て各国内でやれと言うのは更に非現実的です。

>楽観的な「下位推計」の部類に属するモノでは?
http://www.stat.go.jp/data/sekai/02.htm
中位推計を持ってきています。
二宮書店のデータブック、40ページ将来人口の項目にも、90億7500万人/人口増加率0.38%とあります。

低位推計に至っては2045年に77.5億人をピークに減少へ転じるとしています。

社会が安定し成熟するに従い出生率は低下します。
現在世界人口の増加率は1%を割る寸前で、高位推計ですら増加率は更に減少傾向と予測しています。
飢餓の発生している地域の方が人口増加率が高く、需要の増大や供給の限界はあったとしても人口の抑制要因にはなりません。

>何の要因もない限り、人口というのは増加し続けて
こちらの方こそ楽観的に見えます。先進国は人口減少に対して特効と言える対策を打ち出せていません。

>楽観的に問題に対処しては
科学的・統計的に大きくない問題を必要以上に心情的に煽る事に違和感を感じます。
問題意識を持つ事も不要、とは言いませんが、政治的・経済的思惑で操作され易い問題ですから、数歩後退した醒めた視点も必要と考えます。

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