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[9273] Re6:農業について返信 削除
2008/12/6 (土) 20:17:51 徳翁導誉

> お疲れ様です。風邪は養生するしかないですから、無理をされないようお願いします。
どうもです。

> > 当然の流れであるかのように前提されるべきでは無い
> 未来を想像する上で、過去の実績と現在のリスクを踏まえて、
> 人類が普通に活動(進歩)するだろうと考えるのはそれほど特殊な事じゃないと思うんですよ。
> 特別な技術的飛躍や、都合の良い突発事件を前提に話しているつもりはありません。

その「普通に」の基準が異なるんだと思います。
「これくらいは進歩するだろう」という折り込みで予測を立てて、行動を計画するのでは、
それこそ、「サブプライム・ローン」や「ゆとりローン」になりかねない訳ですし。

> > 南アラル海
> 南アラル海は上流域の国家利害が絡んでいて、大した対策を行えていません。
> 「干上がったら湖底の油田が掘りやすくなっていいんじゃん」等と言う話すら出ています。
> カザフスタン政府が管理に努力している北アラル海と同列には語れないと思います。
> カザフスタン側では、持続的な農業が行われていると考えていい筈です。

その事実こそ、各国間で水の争奪戦が起き、
水不足が問題となっている証左ではないのですか?
有限である淡水資源を各国で取り合えば、水は足りなくなります。
って、大アラルへの流れを堰き止めて小アラルを救おうというのですから、
見方によっては、アムダリヤ川もシルダリヤ川も、結局やってる事は同じかも?

まあ確かに、護岸工事を行ったり、取水コントロールを行うなどして、
カザフスタンが努力しているのは認めるんですが、
でも現状で、独立時の生産力には達していませんし、
河川維持の取水量を考えますと、維持していくので精一杯なんじゃないですかねえ?
その一方で、上流に位置するキルギスがダムを築いた事で、水が不足がちになり、
ロシアがカザフスタンに対し、水を輸出しようかと考えているくらいですので、
努力とかは置いておいて、こちらでも水不足が問題化しているのは確かなのでは?
と言いますか、そこまでの状況だからこそ、河川や湖の維持に必死な面もあろうかと。

> > 補充される事がほとんどない化石水
> 涵養がゼロではありません。現在揚水過剰なのは事実と思いますが、(現在分かっている涵養の2倍〜3倍程度揚水があるとか)
> 耕作放棄されて砂漠になるような問題とは思えません。

え〜と、「水不足」の話ですよねえ?
なぜ急に、「砂漠になるような」なんて話になるのでしょうか?
それと、「ほとんどない=ゼロ」ではないですし、
乾燥地帯で年間降水量が500mm未満であり(日本の平均降水量の4分の1)、
気候的に、途中で蒸発量してしまう量も多いのですから、間違った言い回しではないかと。

> 現場で関わる人たちには重大な問題ですが、日本人の心配が必要な問題ではないでしょう。
日本で消費される小麦や大豆、とうもろこし等の半分以上が、アメリカからの輸入である以上、
そのアメリカ農業の根幹であるプレーリーでの農業問題は、日本にとっても大きな問題だと思いますが?
世界最大規模の穀倉地帯なんですし。

> > ブラマプトラ川ダム?
> 具体的な話があったのかな、と調べてみましたが見つかりませんでした。
> 中国政府は南水北調を推進中で、西線でさえ問題が多く検討段階なのに、更なる費用も手間も危険性も外交的リスクも越えて強行するのでしょうか。

いや勿論、本当に実行しようという段階では無いですよ。
中国側が検討し、それを伝え聞いたインド水資源大臣が中国政府と対応した事が、
去年だか、一昨年だかに、ニュースであったと思います。
まあ、中国からすれば検討しただけでも、インドからしたら死活問題ですからねえ。

> 毛沢東の時代から南水北調は検討されてきましたが、実行不可能でした。
> 実行できる経済力と技術力を得たのですから、過去に比して水不足は進行しているのではなく、緩和されると言うべきです。

で、実際問題、
毛沢東の時代に比べて、今の方が水問題は緩和されているんですか?
黄河の断水日数だけで見ると、明らかに事態は深刻化しているように思うのですが。
まあ、毛沢東時代の無茶のツケを、払わされている面もありますけど、
水が不足しているか否かの問題とは、また別次元の話ですしね。

> > ここ20年で牛肉の消費量が20倍に
> 年率にすれば15%程度、それくらいなら世界の農業は対応してきました。
> 仮にインドがそうなったとしても中国より小規模の事ですから、対応可能でしょう。

中国が先進国並に牛肉を食べ出せば、消費量は更に5〜6倍は増えそうですが・・・・
それに、インドは小規模と言っても、元々ほとんど食べてない上に、
人口が10億人を越えているんですから、先進国の半分程度でも、並大抵な量じゃないですよ。
1人あたり1kg増えただけでも、1億人分の穀物消費量に相当するんですから。

> > 「世界市場には通常価格なら十分に買えるだけの物がある」という前提
> > もしも、全世界の人々が先進国なみの所得と嗜好を持っていたとして、

> これはよく分からないのですが、現実の需要や購買力を無視して、先進国なみの消費量を前提とした生産力、と言う事でしょうか。
> それは現実離れしているでしょう、そんな生産力を用意したところで、大量の在庫を抱えて暴落させるだけです。
> 現在の農業生産を規定しているのは、生産限界でなく市場価格です。

簡単に言えば、60億人なり、90億人なりが全員、
アメリカ人と同じような食生活が出来るほど、現状の人類に生産力があるのか?と言う事と、
仮に生産できたとして、「通常価格」を維持できるほど、生産コストが安く済むのか?と言う事です。
もっと簡単に言えば、「貧困の問題」というのであれば、
仮に全人類が貧困から脱出し、需要と購買力を満たしたとして、
本当に求めるだけの供給と価格帯が、現実的に可能なのか?と言う事です。

> > この世の事はほとんど、金さえあれば何とかなりますけど、
> > 私にはどうしても納得できないんです・・・・

> それは金銭の力を過大、或いは過小評価していると思います。
> 金銭は(この話の流れで言うなら)産業と産業を繋ぐ便利な道具に過ぎません。

いや、「過大、或いは過小評価」の意味が解らないのですが・・・・
全く正反対の意味じゃないですか!?
それと、ここでの「金」とは、言い換えれば「コスト」の事です。
例えばリンなども、コスト面を考えれば枯渇が心配でも、
コストを度外視すれば、まだまだ幾らでも埋蔵量はありますので。

> > 食糧供給なんてモノは、世界規模なんかで考えるモノではなく
> 僕は、食物だけを神聖視する事に違和感を感じます。

石油が1ヶ月途切れても人間は死にませんが、
食料が1ヶ月も途切れれば人間は死にますし・・・・

> 経済的な範囲で増産が無限に可能だと言えるデータは持っていませんが、
> 市場経済と自由貿易による農業生産が限界に近い・達したと言えるデータも無い筈です。

まあ、その両極端の中で、どの辺を想定するかの話なんでしょうね。
食糧危機を訴える(煽る)人には、後者に近い想定をするケースが多いでしょうし、
逆にFAOなどは、そこまで極端ではないものの、前者に近いと私は思います。
「世界で欧米並に生産力が上がれば」と言うのは、
論理としてはそうでも、現実としては無理があるでしょうし。

> > 地産地消
> 農業の多面的機能や安全保障等を全て否定するわけではありませんが、
> 水資源、気候、経済力等様々な差のある世界で同列に並べて自給と言うのは・・・
> 「幾ら金が掛かるかわからない」からこそ、コストの安いところに重点投資する方が効率的です。

農作物を安く作れる国で大量に育て、その国から買えば良い。
「効率」という面では、確かに私もそうだと思いますよ。
しかし、その国が輸出をストップしたら・・・・
以前挙げた畜産に転向したアフリカの国のような例もありますし、
今年の食料価格高騰で、輸出の禁止や制限を行った食料輸出のなんと多かった事か。
「世界市場で買え」と言っても、食料を輸入する先進国と買い争うのは厳しいですし、
日本ですら最近は、いろいろと買い負ける事も珍しくないくらいですからねえ。
「貧しくて食えない」から、貧困問題の解決をという以前に、
「貧しくても食える」よう、まずは自給を基本に置くべきかと(特に食料は)。
逆にアメリカは、「相手国の胃袋を握る」やり方を続けてますね。

> > 楽観的な「下位推計」の部類に属するモノでは?
> http://www.stat.go.jp/data/sekai/02.htm
> 中位推計を持ってきています。
> 二宮書店のデータブック、40ページ将来人口の項目にも、90億7500万人/人口増加率0.38%とあります。
> 低位推計に至っては2045年に77.5億人をピークに減少へ転じるとしています。

あれ?
いや〜、すみません。
調べ直してみましたら、ここ数年で、
国連の世界人口予想が、かなり下方修正されてるんですね(笑)。

それにしても、十数年前には世界規模での「人口爆発」予想をしていたのに、
この短期間で、今度は世界規模での「少子高齢化」予想ですかあ。
まあ、50年100年単位での予想が、非常に難しいのは重々承知ではあるものの、
何だか、極端から極端に振れているような感じも・・・・
冷戦期の物理学者が、核戦争の被害を少々大袈裟に予測する事で、
社会へ警鐘を鳴らしたような感じのモノもあるんですかねえ、ひょっとして?(笑)

> > 何の要因もない限り、人口というのは増加し続けて
> こちらの方こそ楽観的に見えます。先進国は人口減少に対して特効と言える対策を打ち出せていません。

全世界が先進国になるのですか?
全世界が先進国となれば、「先進」国など無くなるのでは?
と、まあ、言葉遊びは置いておくとして(笑)、
根元的には、人間だって生命体な訳ですし、
限界に達するまではバァーと増えて、
限界まで達したら、増えたり減ったり波打ちながら停滞し、
限界が上昇する変革があれば、またバァーと増えての繰り返しだと思います。
減ったら減ったで、また増えますよ。

> > 楽観的に問題に対処しては
> 科学的・統計的に大きくない問題を必要以上に心情的に煽る事に違和感を感じます。
> 問題意識を持つ事も不要、とは言いませんが、政治的・経済的思惑で操作され易い問題ですから、数歩後退した醒めた視点も必要と考えます。

まあ確かに、思惑があって煽る層がいるのも事実でしょうけど、
別に私は、煽るつもりはありませんよ。
では逆に、その「大きくない問題」と言い切れるだけの、科学的・統計的な根拠は?

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