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[9284] Re7:農業について返信 削除
2008/12/10 (水) 19:39:18 tristar

▼ 徳翁導誉管理人様
> > 南アラル海
>水不足が問題化しているのは確かなのでは?

問題が存在しているとは思いますが、クリティカルな時期は過ぎつつあり、乗り越えられない話ではないでしょう。

>維持していくので精一杯
水位は順調に回復していて、近くアラリスク港まで水位が達する見込みだそうです。

>独立時の生産力には
問題の根幹が旧ソ連のムチャクチャなので、適正な水準を探っていると言った方が適当では。
水を大量に必要とする綿花・稲から、小麦への転換が進んでいるそうです。
綿花の国際価格も低迷してますしね。

>年間降水量が500mm未満、途中で蒸発量してしまう量も多い
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/nouson_sinkou/141211syo_iin/siryou-4.pdf
グレートプレーンズは広大ですから、分かっているだけで年間6〜8Km3の涵養があります。殆どないと言える量ではないと。

>アメリカ農業の根幹であるプレーリー
オガララ帯水層に依存する耕地はグレートプレーンズ8州のうち500万ヘクタール、全米の5%程度を根幹とは言い切れないのでは。

アメリカの耕地面積は、20世紀前半をピークにずっと減らしてきました。
http://www.maff.go.jp/kaigai/gaikyo/z_america_2.htm

アメリカでも環境保全に名を借りた生産調整が行われています。
http://www.maff.go.jp/primaff/koho/seika/review/pdf/1/primaffreview2001-1-7.pdf

日本からすれば考えられない事ですが、殆どは灌漑を行わず、天水のみで農業が成り立っています。
もちろん単純にいきなり再稼動可能とは言いませんが、オガララ帯水層に関わり無く大きな生産余力を持っていると言って問題ないでしょう。

> > ブラマプトラ川ダム?
http://www.recordchina.co.jp/group/g19087.html
ソースと言える物がこれしか見当たらないんですが、UPIは統一教会系の会社に買収されてますよね。
この系統の人たちの意見を鵜呑みにするには抵抗があります。
対中国戦略にインドを取り込みたい人達のお話に見えますが、穿ち過ぎですかねぇ。

>黄河の断水日数だけで見ると、明らかに事態は深刻化しているように思うのですが。
黄河は1999年以来断流していないです。(これは根本的な改善と言うよりも、小手先のテクニックの結果にも見えますが、深刻化とは言えないでしょう)
南水北調が稼働すれば、更に緩和するでしょう。

>中国が先進国並に牛肉を食べ出せば
既に中国の肉類消費量は日本を越える水準です。増加の余地、速度共に限界はもう見えてます。

先進国並み、とは言わなくても中国くらいの水準なら、そんな無茶な投資を行わずとも達成できるでしょう。
逆に言うと、その程度の投資さえ呼び込めない価格なんですよ。

水と言っても、世界の3/4は天水農法で、灌漑が必要なのは乾燥地帯と稲等の特に水を必要とする作物です。
リンの問題が大きいなら、何故生産国はOPECの様なカルテルを作って国際価格を管理しないのでしょうか。
生産国自身がリンの価値に幻想を持っていないからでしょう。
既に実験室レベルでは、天然鉱石に比べて10倍程度のコストで人工リン鉱石が作られています。
商業的に大量生産すればコストは更に下がるでしょう。生産国も、チリ硝石の轍を踏みたくはないですからね。

>石油が1ヶ月途切れても人間は死にませんが、
>食料が1ヶ月も途切れれば人間は死にますし・・・・

それはあまり意味の無い仮定です。石油が止まったとするなら、流通が止まって消費者は飢える事に変わりはありません。
肥料や農機具が無くなれば同じ規模で生産を続けるのは不可能でしょう。
金銭が途切れれば、社会は大混乱に陥ります。
例を挙げてもキリが無いですが、どれもこれも社会の構成要素として欠かす事の出来ない機能があります。
食料だけあれば生きられる世界ではありません。

>「貧しくても食える」よう、まずは自給を基本に置くべきかと(特に食料は)。
上と繋がりますが、食糧問題を貧困の問題と言うのは、社会が農業を支えられる基盤を持っているか否かです。
土地も農機具も必要ですし、生産しても流通させなければなりません。
農民に農業のノウハウを提供する事も必要ですし、対価無しに農産物を国内に配布しろと言っても無理ですから、報酬も用意しなければなりません。
貧しければ食えない、理不尽な事ではありますが、人類は解決する手段を持っていません。

>食料を輸入する先進国と買い争うのは厳しいですし
現在の食糧価格は概ね適正に思えます(まだ下がるんだろうけど)。
これも上と繋がりますが、この価格で買えないのでは、自国で生産しろと言っても無理です。

>>金銭の力を過大、或いは過小評価していると思います。
>全く正反対の意味じゃないですか!?

金銭は何でも出来るのに農業だけ、と言うなら過大評価ですし、金銭は食べれられないし車も走らせられない、と言われれば過小評価だと。
何れにせよ、金銭の価値に誤解があるようなニュアンスに聞こえました。

>今年の食料価格高騰で、輸出の禁止や制限
この様な異常事態が発生する可能性はありますから、ある程度の自給や備蓄、供給源の多様化を否定するつもりはありません。

>しかし、その国が輸出をストップしたら
国内の農民なら、自らの収入を犠牲にしても国内に食料を出してくれる、なんて保証はありません。
今回の食糧価格高騰では、自国の需要を無視して輸出に回したからこそ輸出制限が必要になりました。
日本でも食糧難の時代には、農家は法を無視して売り惜しみ、闇に流して利益を得ました。

>アメリカは、「相手国の胃袋を握る」
世界でもこれだけアメリカに依存しているのは日本だけと言っていいですが、日本の場合は日米同盟が外交の基軸なので、進んで胃袋を人質に出している面はありますね。

>全世界が先進国になるのですか?
なったら本当に人類は滅亡するかも知れません(苦笑)

>極端から極端に振れているような感じも
従来の、人口増加率を基点にした計算で人口爆発と予測されていましたが、減り続ける人口増加率や急速に進む少子高齢化を説明出来なかった事から、人口学が急速に発展した事が要因でしょう。

>バァーと増えての繰り返しだと
社会が成熟すると、育児・教育コストの高騰、財産分割を嫌う、人生の意義を子供を産み育てる事以外に見つける、等従来の生命体としての原則を外れる問題が見つかりました。
野生動物でも、一定数を割り込むと自力で種を保つ事が出来なくなる事がありますが、人類はどうなるでしょうかねぇ。

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