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[9304] Re8:農業について返信 削除
2008/12/14 (日) 16:14:08 徳翁導誉

> > > 南アラル海
> > 水不足が問題化しているのは確かなのでは?

> 問題が存在しているとは思いますが、クリティカルな時期は過ぎつつあり、乗り越えられない話ではないでしょう。

これは北アラル海の話なんですか?
それとも南アラル海の話なんですか?
引用元がバラバラなのですが・・・・
まあ、どちらにしても、
アムダリヤの方は、相も変わらず水の引き合いが続き、
シルダリヤの方も、水の引き合いが始まろうとしているのに、
どうして、そこまで言い切れるのでしょうか?

> > 維持していくので精一杯
> 水位は順調に回復していて、近くアラリスク港まで水位が達する見込みだそうです。

ここでの「維持」とは、取水量や収穫量の話です。
大アラルへの流出を堰き止めたのですから、
シルダリヤからの流入が続けば、湖面水位が回復するのは当然の事かと。

> > 独立時の生産力には
> 問題の根幹が旧ソ連のムチャクチャなので、適正な水準を探っていると言った方が適当では。

大きかったのは、社会主義から資本主義への移行の混乱ですね。
まあその分、ウクライナの黒土地帯などに対しても、
近年は、ヨーロッパ企業の進出が激しくなってますが。
ウクライナというのは、これからの欧州情勢のかなりのキーですよね。

> >年間降水量が500mm未満、途中で蒸発量してしまう量も多い
> http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/nouson_sinkou/141211syo_iin/siryou-4.pdf
> グレートプレーンズは広大ですから、分かっているだけで年間6〜8Km3の涵養があります。殆どないと言える量ではないと。

同じデータを元にしても、違う印象を抱くのですから、
これはもう「感じ方」の違いというしかないかと。
ただ、130万km2と広大なグレートプレーンズで、年間に6〜8km3という涵養量、
そしてオガララ帯水層が4000km3と言われるのを考えますと、
既に使われた水量が「50%」で、1年に補充されるのが「0.15〜0.2%」であり、
「ほとんどない」という表現が、そこまで不適当だとは思いません。
それと、再度言うようですが、「ほとんどない=ゼロ」ではありません。
「ほとんどない」は相対的な単語であり、「ゼロ」のような絶対的な単語ではないのですから。

> >アメリカ農業の根幹であるプレーリー
> オガララ帯水層に依存する耕地はグレートプレーンズ8州のうち500万ヘクタール、全米の5%程度を根幹とは言い切れないのでは。

面積的に言えば、確かにそうですが、
小麦の生産量は37%、トウモロコシは12%、穀物全体では15%を生産しています。
十分に「根幹」と言える割合だと思いますが。
と言いますか、たった5%の耕地でこれだけの生産量を誇ると言う事は、
裏を返せば、耕地面積だけで一概に、
収穫量や農業効率を語れない事を、如実に現していると思いますけど?
耕地を放棄するにしても、コストの高い所や収穫率の悪い所から始める事も多いでしょうし。

> > > ブラマプトラ川ダム?
> http://www.recordchina.co.jp/group/g19087.html
> ソースと言える物がこれしか見当たらないんですが、UPIは統一教会系の会社に買収されてますよね。
> この系統の人たちの意見を鵜呑みにするには抵抗があります。

私が見たのは、NHK-BS1での欧州メディアの報道だったと記憶しています。

> > 黄河の断水日数だけで見ると、明らかに事態は深刻化しているように思うのですが。
> 黄河は1999年以来断流していないです。(これは根本的な改善と言うよりも、小手先のテクニックの結果にも見えますが、深刻化とは言えないでしょう)
> 南水北調が稼働すれば、更に緩和するでしょう。

再度聞きますけど、で、実際問題、
毛沢東の時代に比べて、今の方が水問題は緩和されているんですか?

> > 中国が先進国並に牛肉を食べ出せば
> 既に中国の肉類消費量は日本を越える水準です。増加の余地、速度共に限界はもう見えてます。

「肉類」ではなく、「牛肉」の話をしているんですよ。
現在、中国で消費されている肉類の多くは、豚肉や鶏肉です。
同じ1kgの肉を作るにしても、牛肉は1.5〜2倍ほど穀物を消費します。
更に、魚を食べる日本の肉消費量は、先進国の中でもかなり低いです。
1人あたりで、アメリカは日本の4倍、欧州は日本の3倍食べますからねえ。
一方で中国は、魚よりも肉を食べる文化です。
経済成長が進めば、更に肉消費量が増える可能性はあると思いますけど?

> リンの問題が大きいなら、何故生産国はOPECの様なカルテルを作って国際価格を管理しないのでしょうか。
> 生産国自身がリンの価値に幻想を持っていないからでしょう。

中国、アメリカ、モロッコの3カ国で、全世界の70%近くを産出し、
その中国やアメリカが自国用に囲い込み、輸出をしていないのが現状なんですが・・・・

> 既に実験室レベルでは、天然鉱石に比べて10倍程度のコストで人工リン鉱石が作られています。
> 商業的に大量生産すればコストは更に下がるでしょう。

紙やプラスチックのリサイクル事業が、採算レベルに達してますか?
人工リンにしても、原理はそれと似たようなモノですよ。
どうやったて割高になります。
「金さえあれば何とかなりますけど」とは、つまりこの事を言っている訳です。
人類の科学技術力とは、現実的に結構なレベルにありますけど、
コスト面と見合わせれば、多くの事は実行できるレベルにはない。
ですから、「あれも有る」「これも有る」と言われても、
技術的には可能でも、多くの場合はどうしても金の問題が付きまとう。
淡水化とかでも「コストは更に下がる」と言われましたが、原理的にどうしても限界があります。
基本的には、「通常価格」よりは割高に為らざるを得ないんです(通常価格が高騰すれば別ですが)。
その辺の事を、どこまで織り込んで語っておられるのでしょうか?

> > 石油が1ヶ月途切れても人間は死にませんが、
> > 食料が1ヶ月も途切れれば人間は死にますし・・・・

> それはあまり意味の無い仮定です。石油が止まったとするなら、流通が止まって消費者は飢える事に変わりはありません。

餓死する人数も、変わりはありませんか?

> > 食料を輸入する先進国と買い争うのは厳しいですし
> これも上と繋がりますが、この価格で買えないのでは、自国で生産しろと言っても無理です。

それは何故ですか?

> > しかし、その国が輸出をストップしたら
> 国内の農民なら、自らの収入を犠牲にしても国内に食料を出してくれる、なんて保証はありません。
> 今回の食糧価格高騰では、自国の需要を無視して輸出に回したからこそ輸出制限が必要になりました。
> 日本でも食糧難の時代には、農家は法を無視して売り惜しみ、闇に流して利益を得ました。

で、国外へ出回らなくなるのと、国内で出回らなくなるの、
どちらが確率的に高いのでしょうか?
また、他国から出回らせるようにするのと、自国で出回らせるようにするの、
どちらが確率的に高いのでしょうか?

> > アメリカは、「相手国の胃袋を握る」
> 世界でもこれだけアメリカに依存しているのは日本だけと言っていいですが、日本の場合は日米同盟が外交の基軸なので、進んで胃袋を人質に出している面はありますね。

詳しくは知りませんけど、韓国なども似たようなモノでは?
また、胃袋を握る戦略としては、冷戦期にはソ連に対してやってましたね。
って、例えば小麦の輸出入で見た場合、
日本の輸入元は、アメリカが56%、カナダが22%、オーストラリアが21%で、
世界全体の輸出量では、アメリカが22%、カナダが12%、オーストラリアが12%ですから、
日本の地勢を考えれば、ある程度妥当な数値と言えなくもないですけどね。
1000万トン以上輸出している国って、後はフランスとアルゼンチンですし。

> > 極端から極端に振れているような感じも
> 従来の、人口増加率を基点にした計算で人口爆発と予測されていましたが、減り続ける人口増加率や急速に進む少子高齢化を説明出来なかった事から、人口学が急速に発展した事が要因でしょう。

「人口学が急速に発展」って言えるんですかねえ?
私には、その時々の要素で計算し、その時々に変化が生じるので、
50年先、100年先の予測となると、その差が大きくなっているだけに見えるのですが。
まあ、人口の増加率なんて、そう簡単に解るモノでもないでしょうしね。
言うなれば、天気予報みたいなモノかと。
観測技術や計算能力も上がりましたが、的中率はあまり変わってませんからねえ。

> > バァーと増えての繰り返しだと
> 社会が成熟すると、育児・教育コストの高騰、財産分割を嫌う、人生の意義を子供を産み育てる事以外に見つける、等従来の生命体としての原則を外れる問題が見つかりました。
> 野生動物でも、一定数を割り込むと自力で種を保つ事が出来なくなる事がありますが、人類はどうなるでしょうかねぇ。

人間とは、人間が思っている以上に動物だと私は考えています。
まあ、こればかりは理屈じゃないですよね。
例えば、明確な根拠はなくとも、
人間はまた大きな戦争をやると、私は確信してますし、
敢えて根拠を言えば、「人間だから」としか言いようがないですからねえ。

> > > 科学的・統計的に大きくない問題を必要以上に心情的に煽る事に違和感を感じます。
> > > 問題意識を持つ事も不要、とは言いませんが、
> > > 政治的・経済的思惑で操作され易い問題ですから、数歩後退した醒めた視点も必要と考えます。

> > まあ確かに、思惑があって煽る層がいるのも事実でしょうけど、
> > 別に私は、煽るつもりはありませんよ。
> > では逆に、その「大きくない問題」と言い切れるだけの、科学的・統計的な根拠は?

レスして貰えませんでしたが、恐らくはこれが今回の話の根幹なのではないですか?
「大きくない問題」と規定する所から、tristarさんの話が始まっているように感じますが、
本当にそう言い切れるほど、確たるモノがあるのでしょうか?
何と言いますか、「投資家」の話を聞いているみたいな感覚を受けます。
失礼を承知で言えば、煽る立場とは逆に位置する経済的思惑に立脚した意見のように聞こえるのです、私には。

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