▽ 2011/2/19 (土) 16:12:05 ▽ 徳翁導誉 |
| > > クライマックスを盛り上げようとすると、畳の上で死んだタイプは難しいですね(笑)。
> > 日本人は「忠臣蔵」に代表されるように、義を通して非業の死を遂げる話が好きですし、
> > そうなると、石田三成とか、真田幸村とか、大河の題材に適している気がします。
> どんなドラマでも基本的に「善玉」というイメージがある真田由紀村や楠正成などと違って、
> 「悪玉」に挙げられることが多いけど、実は義理には厚く、公正あろうとした(とも思える)石田三成。。。良いと思うけどなぁ。。
その点、主人公である直江兼続の親友って設定である事もあり、
「天地人」での石田三成は、かなり扱いが良かったかと。
戦国無双や小栗旬のお蔭で、女性の三成ファンも急増したとの噂ですし(笑)。
でもまあ、そうした流れを作る上での下地としても、近年、
三成の悪玉イメージと言うのは、かなり払拭されて来たように感じます。
そもそも「三成=悪玉」って言うのも、江戸幕府のイメージ戦略に拠る部分と、
秀吉人気のとばっちり(悪い部分は三成の所業)の部分が大きいですからねえ。
で、「どの辺が転換点だったのかなあ?」と考えてみると、
ここでも思い浮かぶのが、司馬遼太郎なんですよねえ・・・・
人気作の1つである「関ヶ原」で、司馬が描いた三成像は、
「融通は利かない律儀者」という、それまでの悪玉イメージとは異なるモノで、
特に、TBSが開局30周年記念として、正月に3夜連続でドラマ化した際、
原作通りの三成像を、しっかりと描き切りましたからねえ。
日本のテレビ史に語り継がれるこの名作ドラマで、
こうした三成像が描かれた事は、やはり大きかったように思います。
とは言え、悪玉イメージが取り払われつつあるとは言え、
やはり三成と言うと、どうしても陰気なイメージはありますからねえ(笑)。
陰気な主人公と言うのを、大河で1年間も見続ける事を考えると、
そこは準主役的なポジションに留めておき、
「島左近」あたりを主人公にした方が、三成を真っすぐに描けるかも?
島左近が主役なら、主である石田三成だけでなく、
最初に話題にした松永久秀との絡みも、しっかり有りますしね。
三好・松永との抗争、筒井順慶への忠義、柳生石舟斎との交流などあり、
陪臣として信長・秀吉に仕え、最後には三成に仕えて関ヶ原に散ると・・・・
改めて考えてみると、島左近って結構、大河ドラマ向けの題材かも?
ちなみに、前述のドラマ「関ヶ原」では、島左近を三船敏郎が演じてましたね。
あの三船が演じた為、かなり存在感のある島左近でした(笑)。
> そういう意味では「花の慶次」の三成の書き方は好きですね。(原作(「一夢庵風流記」)の方は読んだことが無いのですが。。)
えっ、「花の慶次」での石田三成って、
律儀者であり、冷徹に見えて泣くシーンとか人間味があるものの、
その一方で、かなり小者臭がする描かれ方だったような・・・・
まあ、「豪傑こそ正義」みたいな世界観のマンガでは、
ああした扱いになるのも、致し方ないかも知れませんが。
> てか、もう「花の慶次」で良いんじゃない?とも思ったり。。
実写ドラマ化するなら、その前にまずはアニメ化が先かと。
と言うか、あの迫力を実写で出そうと言うのは、結構難しい気も・・・・
個人的には以前より、花の慶次のアニメ化は希望してるんですけどねえ。
パチンコのCMで流れてた頃には、「アニメ化もあるんじゃ?」と、
少し期待していたんですけ、結局されなくて残念。
って、パチンコ用のテーマ曲とPV映像↓はキッチリ作り込まれてます(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=F28IiybteqY
http://www.youtube.com/watch?v=fUbe4_IAY-Q
まあ、「蒼天航路」のアニメ化みたいに、失敗する可能性はあるでしょうが、
とりあえず制作されない事には、成功も失敗も無いですからねえ。
ああ〜、何か書いてたら、久しぶりに読み直してみたくなってきたなあ(笑)。
ちなみに「影武者 徳川家康」は、10年ほど前にドラマ化された事があります。
> まぁ、司馬遼太郎の「夏草の賦」みたいに、最終盤は転落。。。というのも味があって良い気はします。
> 四国征伐で敗れ、九州で敗れ、跡取りは戦死し、失意のうちに死去。
> しかも、長宗我部家自体も、関ヶ原で東軍に付こうと思ったのに成り行きで西軍に付いて改易、大坂の陣で当主戦死、直系断絶。。
ただ、同じ散るにしても、「華の有る無し」というモノがありますからねえ・・・・
そう考えると、盛親に引き継いで、大坂の陣までやるのなら良いですが、
やはり元親までですと、ドラマの構成的にキツいですよ・・・・
そこを上手く見せようとすれば、脚本家の腕が相当に要りますし。
> 「敗者から見た天下統一」という視点では、長宗我部家は打って付けのように思えますね。
言われてみれば確かに、信玄や謙信のように、
勃興途中の信長が敵側で出て来る題材は、今までにもありましたが、
天下人としての信長なり秀吉なりが、敵側で出て来るような題材は、
あまり数が無いかも知れませんね。
「独眼竜政宗」と「天地人」くらいかな?
「黄金の日日」は商人(呂宋助左衛門)なので、ちょっと違いますし。
> > って、今年の「江」の見せ場って一体何処なんでしょ?(笑)
> 「江」の見せ場は、、、無い気がしますねぇ。
> 「春日局との確執」あたりが終盤の見せ場だと思いますけど、結局負けてますしね。。
> 見せ場なら、ストレートに茶々や市を選んだ方が良いですよねぇ。
強いて挙げるなら、姉妹が敵味方に分かれる大坂の陣なんでしょうけど、
構図的には家康と長女・茶々との対決で、次女・初も仲介役として絡んで来るのに、
三女の江だけが、前線から離れた蚊帳の外なんですよねえ・・・・
浅井三姉妹をやるにしても、本当に何故、江を選んだんでしょ?
「世相」という事であれば、勝ち組だからでしょうか(笑)。
> まぁ、最終的には「苦労をしても、我慢することが大切だよ」って話にまとめるんじゃないかな、とは思います。
> 世相にも合ってますし。
そう言う作りには、多分ならないような気がします・・・・
脚本が「篤姫」と同じ田渕久美子ですし、
特に今回の「江」は、その人が原作まで担当してますからねえ。
> > あと個人的には、「毛利元就」は序盤こそ面白かったんですけどね(笑)。
> > 細川俊之の大内義興とか、緒形拳の尼子経久とか、序盤の脇役も良かったですし。
> ああ、緒方拳の尼子経久の存在感はすごかったですね。。
> 大内家の乗っ取りや、厳島の戦いも面白かった覚えがありますが、終盤はあまり覚えてないですね。。。
> ただ、最終回の「天国(?)オチ」には萎えた覚えがあります。
ですから本当、隠居して畳の上で死ぬような人物は、
ラストを描くのが難しいんですよ(笑)。
元就の次の作品である「徳川慶喜」なんかのラストも、
明治以降の話は、慶喜の趣味であったカメラ撮影の写真でダイジェスト的に紹介され、
それが大正・昭和・平成と、慶喜の死後もずっと続いて行って、
最後の最後は「平成大不況」で終わると言う演出でしたし。
他には、ラストがグダグダと言うのは、「秀吉」がそうでしたね。
まあ、ハイ・テンションな成り上がりモノの作風では、
秀次粛清とか、朝鮮出兵とか、描き辛かったのでしょうけど。
あと、「武蔵」に至っては、最終回のラストどころか、
巌流島の決闘以降、本当にずっとグダグダでした・・・・
> > > 個人的には、長州藩視点での明治維新がそろそろ観たいですね。故郷なので。。。
> > NHKの正月ドラマで「蒼天の夢」と言うのが、10年ほど前ありましたね。
> > 原作が司馬遼太郎の「世に棲む日日」で、主人公は吉田松陰と高杉晋作。
> > 吉田松陰役が中村橋之助で、高杉晋作役が野村萬斎でしたか。
> > 萬斎の高杉晋作は、かなり適役だった記憶があります。
> > 脇役も桂小五郎が阿部寛で、伊藤俊輔が高嶋政伸と、顔ぶれ的には揃っており、
> > 今考えると、そのまま大河にしても遜色なかったかと思います。
> そのキャストはすごいですね。。観てみたい。。
どうやら、DVDは出ているみたいですよ。
http://www.amazon.co.jp/dp/B0015KCX2M
あと、NHKのドラマに拘らず、長州主役のドラマと言う事であれば、
バブル期に日本テレビが、紅白歌合戦に対抗すべく巨額の製作費を投じた、
伝説の年末時代劇スペシャルで、「奇兵隊」をやった年がありましたね。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005HP9V
って、「奇兵隊」を始め、「田原坂」や「五稜郭」など人気を博しましたけど、
中でも一番人気だったのは、新政府軍が敵役の「白虎隊」でしたが(笑)。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005HP9S
> > ちなみに伊藤博文は・・・個人的には凄く見たいですが、まあ無理でしょうね。
> 伊藤博文は終盤がデリケートな領域に入ってますからねぇ。。
でも、「坂の上の雲」の伊藤博文が描けるなら、
普通に大河でも、出来そうな気もするんですけどねえ。
作中でいきなり、「今でも高杉さんに怒られる夢を…」とか、
「恐露病とも言われる対応は四ヶ国艦隊砲撃の記憶が…」とかやられても、
ドラマの前段階でそれらが描かれて無い訳で、感情移入するのも難しく、
ならばいっその事、幕末から順に追って描いてくらないかなあ、と。
韓国統監時代にしても、その中身をキチンと描いていけば、
韓国から必ず反発はあるにしても、伊藤の評価が変わるキッカケになるかも?
出来る事なら、韓国で放送しても恥ずかしく無いほど、
真面目に作り込んだ作品が理想ですね・・・って、そう言うのは、
本当に「断固たる決意」が無いと、作れないモノだと思いますし、
今の大河班に、それだけの覚悟があるかと言えば、正直難しいと思うので、
やはり無理なんでしょうけどね・・・・
> 坂本竜馬、勝海舟、徳川慶喜、西郷隆盛、高杉晋作、吉田松陰、新撰組と、
> 実は最終的には「負け組」な方々が美化されてドラマで贔屓にされるのも、その辺の理由からでしょうかね。
負け組と言うか、道半ばで倒れた方が、奇麗なままで居られますからねえ。
勝者となり権力を手に入れれば、現実的にどうしても、汚れざるを得ないですし。
例えば坂本龍馬なども、維新後も生きて疑獄事件でも起こせば、今の評価は無いですし、
逆に後藤象二郎が大政奉還の直後にでも暗殺されていれば、今頃きっと稀代の英雄扱いかと。
それと、「美化」という側面で見るのであれば、
敗者などより勝者の方が、その度合いが絶対的には高いんじゃないですかねえ(笑)。
歴史と言うのは、どうしても「勝者による記録」になり易いですから。
> > > 国盗り物語は完全にファンタジーなので昨今の大河で題材にされるか否かは微妙ですが、
> > 「ファンタジー」とまで言ってしまうのは・・・・
> うろ覚えなのですが、道三編の半分くらいは「油問屋との掛け持ち」的な話で、
> とりあえず「油問屋の女将が良い女だった」という話だった気がするんですよね。。。
> それはそれで面白かったので好きなのですが、さすがに「ファンタジー」な感じだったな、、、と。
現代で例える事自体、ちょっと違うのかも知れませんけど、
夫が国会議員として東京で働き、妻は地元で家業を任されるって感じですよねえ?
情報だ、カネだと、商人と政治家は利益が被る要素が多いですし、
まあ作り話は作り話として、その事は置いておくとしても、
「ファンタジー」と言うより、「フィクション」と言う方が適当な気がします。
一般的にファンタジーと言いますと、魔法が使えたり、怪物が出てきたりと、
同じ架空の創作物であっても、幻想的な作品に用いるのが主ですからねえ。
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