| ご無沙汰しております。
いやあ、真田丸面白いですね。
私もいろいろ語りたくて、つい出てきてしまいました。
大河ドラマを年間通しで見ようと思ったのは久しぶりです。
それだけ、三谷脚本とかいろいろ魅力的なものが揃っていますよね。
たしかに、今回の真田丸は三谷作品としてはだいぶコメディ色を抑えめにしているかと思います。
本筋は、真田家という弱小大名がいかに戦国末期の厳しい時代を綱渡り的に生き延びていくかにあるわけで、
コメディはあくまでこの本筋部分を侵さない範囲ってのが明確になっているかと思います。
そういうわけで、意外といっては何ですが、今回は一昔前の大河ドラマの本流に当たるような感じですね。
逆に、コメディ部分がないとホント血なまぐさい話だけになってしまうわけで。
三谷さんとしても、今回は結構史実の細かい部分まで意図的に入れてきているような気がします。
シブサワ・コウの名前は私にとっても懐かしいです。
初期の頃の信長の野望とかはかなりやりこんだので、最近はゲームとはご無沙汰ですが
シブサワ・コウの名前を見て懐かしくなりましたね。
「信長の野望」や「三國志」が廃れていったのは、「光栄」が「コーエー」に名前を変えたあたりくらいかと。
「光栄」時代は、作り手のゲーム魂が伝わってくるっていうか、
ユーザーにとっての面白いゲームを目指していた気がしますが、
「コーエー」になってからは、「売れるゲーム」にシフトしていったように思います。
グラフィックとかは作品が新しくなる毎に進化していきましたが、
肝心のゲーム性はというと、むしろ作品が新しくなるにつれてつまらなくなっていったと思いますね。
まあ、歴史シミュレーションゲームで最も大事なのは「COMのアルゴリズム」でして、
ゲームが複雑になるにつれてCOMアルゴリズムが糞化していったように思います。
あと、最近のスマホゲームを見てても、短時間で手っ取り早くできるのが好まれるわけで、
内政に何時間もかけないと地盤が固まらないような歴史シミュレーションは
今の時代どうしても敬遠されるような気がします。
オンラインで対人でやるなら、シンプルなゲームほど駆け引きとかが面白いわけで、
行きつくところがオンラインのディプロマシーであったり、WW2onlineであったりします(笑)。
さて、真田丸の第1話、第2話では武田勝頼が好評だったようですが、
武田勝頼をきちんと描いた作品は漫画「センゴク」以来、真田丸が2つめかと思います。
管理人さんは既にセンゴクを読まれているかもしれませんが、「センゴク天正記15巻」の武田征伐甲州崩れ編を読むと
真田丸の第1話、第2話の面白さは倍増です。
ドラマでは尺の都合上出てこなかった仁科五郎もちゃんと描かれていますし。
この漫画では、勝頼、真田昌幸が改革者として描かれ、武田が内部から崩れたのは
改革についていけない抵抗勢力が保身のため離反したからだとされており、
勝頼は暗愚ではなくむしろ先進的な大名として印象付けられています。
勝頼の最期のときに信玄の亡霊が出てくるのも同じで、偉大な父の跡を継ぐ息子の苦悩が描かれています。
(ドラマでは信玄の亡霊は無言ですが、漫画では信玄が勝頼に語りかけています)
漫画「センゴク」は主要な武将が死ぬときはどれもドラマチックな描かれかたをしますが、
勝頼の最期も印象的でありました。
そういうわけで、武田家の滅亡に思いをはせる方はセンゴク天正記15巻だけでも読んでみるのをおすすめしますよ。
なお、天正記4、5巻では長篠の合戦も描かれていますが、
俗説の鉄砲三段撃ちではなく、敵陣に深入りした信綱、昌輝が鉄砲の「殺しの間」で
討ち取られています。このあたりは作者が現地の戦場を実際に視察して、
地形から信長ならこういう戦術を取ったであろうという推察に基づくものであるそうです。
真田家と仙石家はどうやら因縁があるようでして、
関ケ原のときに秀忠が上田城を攻めるときに仙石秀久も従軍していたそうで。
そして真田の転封のときに仙石秀久の息子が上田領に移るわけですが、
プッツンした真田信之が領国の資料をすべて焼き払ってしまったため
後にきた仙石家のものがえらい苦労したそうですね。
最近の大河ドラマでは、主人公を善として描き悪事は極力出さないようにするのが主流のようですが、
今回は「さっぱりしたきれいな大河」ではなく「権謀数術のキナ臭い大河」を見れそうで、
そのあたりも期待大です。 |
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