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[9177] Re:アメリカ分裂のシナリオ?返信 削除
2008/11/15 (土) 01:41:27 東トルキスタン

▼ 徳翁導誉さん
略伝完成おめでとうございます。神楽さんもお疲れ様でした。
音楽は聴けるようになりました。対応ありがとうございます。

佐藤賢一が『アメリカ第二次南北戦争』という、まんまの小説を書きましたね。
いや、かなり娯楽性というか、独特の風刺が強いのですがw
さわりだけ読んだのですが、女性大統領が誕生するのですけども2013年にダラスで
暗殺されてしまいます。後任の副大統領は黒人で、彼が銃の規制を始めるところから、
連邦主義と州権主義、KKK、カトリックとファンダメンタリストなどの
昔から内在していた対立がわらわらと顕在化して・・・という筋書きでしたね。
私が読んだ感想は、ちょっと対立軸が古すぎるなぁ、っていうことで
リアリティが薄かったように思いました。戦時下なのにあっけらかんとしすぎのようにも。

しかし、ミリシアやNRA、そして国内に流通している銃火器などの存在は
一旦火がついたら本当に火薬庫となりそうですね。
黒人大統領が生まれたとは言え、エマニュエル・トッドが指摘したように、
黒人の市民への統合はまだまだのように感じます。
もちろんヒスパニックを始めとする、英語を解せない層も重大な問題でしょうし。
ブランチ・ディヴィディアンや人民寺院のようなカルトの芽もあるかもしれません。
あとはモルモン教団が再蜂起とかw(ありえないと思いますが)

南北戦争以降で国を割る危機と言えば、30年代初頭と50年代から60年代ですかね?
前者は映像の世紀でマッカーサーが革命前夜のようだと語っていましたし、
後者でもアフリカンの独立など過激派が横行して、現代のストリートギャングにも
影響を与えていますね。現代でそれが国家の分裂までエスカレートするとすれば、
それらが複合的に問題を深化させて、常に最悪の方向に進む、ということでしか生まれないかと。


[9213] Re2:アメリカ分裂のシナリオ?返信 削除
2008/11/26 (水) 19:29:37 徳翁導誉

> 佐藤賢一が『アメリカ第二次南北戦争』という、まんまの小説を書きましたね。
佐藤賢一も、立ち位置がよく解らない人ですよね(笑)。
基本的には歴史小説家なんでしょうけど、
大学院で歴史を学んだだけあって、普通に新書で歴史啓蒙書を書いたりもしてますし。

「歴史書」と「歴史小説」って、一般的には似たようなモノと思われがちですが、
解らない部分は、学術的に何も書けない歴史書と、
解らない部分こそ、自由に書きたい放題の歴史小説とでは、
根本的な立ち位置が、完全に異なりますからねえ。
歴史小説家でありながら、歴史書のように書けるのは陳舜臣くらいで、
歴史家でありながら、歴史小説のように書けるのは宮崎市定くらいですかねえ?
少なくとも、私が読んできた範囲では。

ちなみに、集英社新書から出ている佐藤賢一の「英仏百年戦争」は、
日本語で書かれた百年戦争の入門書としては、かなり良い出来ですよ。
まあ、そもそも「日本語で百年戦争を」という書籍自体が少ないですが(笑)。
文庫クセジュの翻訳モノもあるんですが、あそこの翻訳は少々読み辛いですしねえ。
って、アメリカ第二次南北戦争とは何の関係もない話に・・・・


> 南北戦争以降で国を割る危機と言えば、30年代初頭と50年代から60年代ですかね?
> 前者は映像の世紀でマッカーサーが革命前夜のようだと語っていましたし、

ボーナス・アーミーの件ですかあ。
う〜ん、正直言ってあれは、マッカーサーの妄想と暴走と言った印象が・・・・
あの事件って、世界恐慌によって職を失った退役軍人たちが、
第一次大戦の恩給前借りを求めて野営デモを行っただけなのに、
「共産主義者による陰謀」という思想に取り憑かれたマッカーサーが、
「デモを解散させろ」と指令を出した政府の思惑を上回り、武力鎮圧をしてしまった出来事ですし。

> 後者でもアフリカンの独立など過激派が横行して、現代のストリートギャングにも
> 影響を与えていますね。現代でそれが国家の分裂までエスカレートするとすれば、
> それらが複合的に問題を深化させて、常に最悪の方向に進む、ということでしか生まれないかと。

「公民権運動」とは、文字通り「アメリカ国民としての公民権」を求める運動であり、
まあ確かに、「独立」を訴えるような過激派も一部に居たのは事実でしょうけど、
それが本当に、実を結ぶほどの数が居た訳ではないですからねえ。
その当時の日本で言えば、「60年安保闘争」がありましたけど、
「三無事件」みたいなのもありましたが、
本気で「政府転覆」なんて考えていた層は、現実性のないほどの数でしたでしょうし。

とは言え、如何にそれが実現性に乏しくても、
実際に過激な行動を起こされれば、国民も少なからずその被害を受ける訳で、
本来ならば、注視しなければならない事象ではあるんですけどね。
そういう観点からすると、田母神問題が起きるような「体質」というのは、
現状では笑い話になっても、実は結構な大問題だったりしますし。
って、また、アメリカが割れるという話とは何の関係もない話に・・・・

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