[スレッド全体]

[11372] Re5:思いっきり選挙の話返信 削除
2009/6/4 (木) 19:28:17 徳翁導誉

> > 1.政権交代を常時可能とする二大政党制への移行。
> > 2.地方を300の地方単位に分割して自治を行い、地方と国家の二層構造に。
> > 3.権力が限定的な首相の権限を強化。
> > 4.政治家を官庁に送り、官僚を統制&有能な人材を有効活用。
> > 5.指導型の行政組織から、審判型の行政組織へ。
> > 6.無駄な規制を撤廃し、自由で競争力のある社会を構築。
> > 7.弱者への最低限のセーフティー・ネットを構築。
> > 8.対米従属路線から、真の日本独立路線への転換(在日米軍の縮小)。
> > 9.中国とも連携を深め、日米中の三角形構造に(ただし最重要国はアメリカ)。
> > 10.国連への重きを置き、国際貢献によって世界で認められる日本に。

> 小沢さんというか、民主自体、具体的にはどういうビジョンを持っているのか
> 全く分からなかったので、↑の10か条すごく助かりました

これはあくまで「小沢の考え」(しかも支持者でもない私が解釈した)であって、
これが即ち、「民主党の考え」とイコールという事ではないですけどね。
小沢自身は結構右寄りの政治家ですが、民主党自体は比較的左寄りの政党ですので。


> そもそもそれがどういう意味なのか分からない、というのが幾つかあります
> 2、5ですね。まあそれは後でググルとして

私なりにまとめた文章ですから、検索のコツを知らないと多分うまく調べられないかと(笑)。
と言う事で、項目2と項目5を簡単に説明してみますね。

まず、項目2の「地方を300の地方単位に分割して自治を行い、地方と国家の二層構造に」とは、
まあ簡単に言ってしまえば、「地方分権を目指す」という事です。
例えるなら、アメリカが50の州からなっているように、日本を300の州に分割しようって事です。
日本の歴史を持ち出せば、「廃藩置県」の逆パターンって事ですかね?
現在の日本は大雑把に言うと、「国家>都道府県>市町村」という三層構造で、
ピラミッドの頂点にある国(中央)から、地方へと命令や意向を出すシステムになっており、
これが現在、いろいろと問題視されている訳ですね。
中央が金と権限を握り、それを地方へ分け与える現体制だと、中央の好き勝手が許されますから。
「地方の反乱」と呼ばれ、東国原や橋下などが持ち上げられているのも、その辺が1つの理由です。

で、小沢の考えとしては、現行の都道府県も市町村も取っ払って、
日本全体を新しく300の「市」に分割し、それを小さな地方政府にしたいみたいです。
人口が均等になるように分けるらしいので、1市あたり40万人ですか。
国民への基本的なサービスは、身近な存在である市がそれぞれ行い、
そして国は、その300市の代表が集まり外交や軍事など国家単位の事のみに専念すると。
要するに、「国家>都道府県>市町村」を「国家<300市」の二層構造に変えるって事ですね。
二層構想にすることで無駄が省け、その分だけ経費削減に繋がるとも考えているみたいです。
実はこの小沢構想、現実の社会でも少しだけ実現していて、
小沢が中心となり実現させた「小選挙区制」の「300選挙区」って、この構想の第1歩なんです。
つまり小沢構想では、衆議院議員とは各300市を代表して中央へ行く1人の代表者であると。

でもまあ、個人的にはあまり賛同できないんですよね、この案は。
地方分権の方向を目指すのは、私も大いに賛成なのですが、
(基本的に、中央集権は国家中心、地方分権は国民中心の体制なので)
小沢案の「1市あたり40万人」という行政単位だと、
きめの細かいサービスを行うには大きく、逆に大掛かりなサービスを行うには小さいので、
どうも中途半端なように思うんですよねえ・・・・
個人的には、「道州制」を採用しての三層構造がベターだと考えています。
民主党内で言えば、枝野なんかがこれと似たような考えだったかな?
まあ、経費を削減し、国との関係もシンプルにしたいと言う、
小沢の二層構想案も解らなくはないですけど、
国民中心の政治をする為に地方分権をやるなら、国民の利便性を第一に優先すべきですからねえ。

続いて、項目5の「指導型の行政組織から、審判型の行政組織へ」ですが、
項目2の解説が長くなりすぎたので、こちらは手短に説明しますと、
要は、行政が企業へあれこれと方針を指導する(行政指導や護送船団方式)のではなく、
行政は適切なルールだけを決めて、各企業の自由競争に任せれば、
後は違反が有ればそれを取り締まるだけで、行政の役割は十分だと言う事ですね。
ある意味では、項目6の「無駄な規制を撤廃し、自由で競争力のある社会を構築」にも通じます。
ちなみに、護送船団方式の代名詞であった「金融分野」に関しては、
その後の橋本内閣による「金融ビックバン」によって、その様相も結構変わりましたね。
まあ、それが良かったか悪かったかは、個々人の考え方でいろいろと分かれますけど。


> 3、6&7、10は良い面もあれば、悪い面もある
> 上手く使えれば良い方向に行きそうですね

前回書いたように、項目6に関しては小泉がやりましたね。
まあ、項目7は置き去りになってますし、項目6の中身自体も異なりますけど・・・・
あと項目3の「首相の権限強化」は、橋本行革によって幾らか実現し、
その恩恵を受けたのが、小泉であり安倍であったと。
項目10は・・・国連常任理事国入りを目指しているのも、これの一環と言えるのかな?
前回も書きましたように、「国家の青写真」を描ける政治家は日本になかなか居ないので、
小沢が自民党を離れてから、もう15年以上経ちますけど、
何だかんだで、自民党が行う政策指針の1つにはなってますよね、その構想案は。
とは言え、構想した本人でもない人が、部分的に政策を引っ張って来るので、
形だけ真似して、その政策の「真意」が全く組み込まれていない事も多い訳ですね。


> 残りの1、4、8&9については、昔の構想だからか、いや今の時代ではちょっと……と言う感じですね
え〜と、悪いですが、それは思いっきり正反対かと・・・・
まず項目1と項目4に関しては、まともな政治家の多くが、
戦前よりずっと目指している事であり、未だに実現できていない事でもあります。
自民党にいる国会議員だって、同じ事を唱えている人はたくさん居ますよ。
今すぐにとは勿論言わなくても、「政権交代可能な仕組みは必要」と考えるのは、
民主主義を理解していない政治家とか、利権政治家とかでない限り普通の事ですし、
「官僚を使いこなす」とかは、多くの首相がこれまでも言ったりしてます。
そう言えば、現首相の麻生も就任時にそう言ってましたね(結果は真逆ですけど)。
まあ実際、官僚を使いこなす所か、官僚を御せる首相の存在自体が稀ですからねえ・・・・

それと、項目8と項目9に関しては、
「今の時代では」と言うか、「今の時代だからこそ」という面があります。
現在の常識である「アメリカ一極集中」という現象は、
冷戦終結後のわずか20年あまりの常識でしかありません。
そして今、世界は、それが変化するかも知れない転換期を迎えている。
どの程度の変化になるかは、まだ誰も分かりませんが、
アメリカの存在感が落ち、中国の存在感が上がって来るであろう事は、
まず間違えないと、一般的には思われています。

日本の立場になって物事を考えた場合、
いつまでも対米従属路線を続けるのがベストとは言い切れません。
この世界には、潜在的な存在も含めて3つの超大国が存在します。
それはアメリカ・ロシア・中国であり、3つしかないその超大国の全てと、
国境(排他的経済水域を含む)を接する唯一の国こそ、この日本なのです。
そうした困難で重要な立地にある日本だからこそ、外交戦略は大変重要で、
「今まではこれで良かったから」と、時代の変化に対応しないでいると、
多大なる厄災に降りかかられる危険性も拭い去れません。
戦前のような失敗をまた繰り返しては、同じ轍を踏むだけですので。
(とは言え、日本の外交下手が、そう簡単に変わるとも思えませんけど)

[▼次のスレッド]
INCM/CMT
Cyclamen v3.72