| > > 戦前のような失敗をまた繰り返しては、同じ轍を踏むだけですので。
> > (とは言え、日本の外交下手が、そう簡単に変わるとも思えませんけど)
> 私個人としては日本外交ってまぁ、そんなに下手というほどではないと考えてます。
> 例えば、例えば冷戦期の戦略目標で言えば
> 1、中国との通称関係を通じての体制変化
> 2、ソ連には金をとられないようにほどほどにつきあう
> 3、市場としての東南アジアの開拓
> どれもまぁ、それなりに達成してるわけです。
え〜と、まず最初に、「戦前のような失敗をまた繰り返して」と書いていますように、
戦前の外交に関しては、個人的には否定的に捉えてはいるものの、
戦後冷戦期の方は、そこまで「不味い」と捉えている訳ではありません。
満点とまでは言えないものの、吉田ドクトリンは十分に及第点だと思いますし。
ただ、外務官僚出身である吉田が、そうした対米従属路線を選択した事こそ、
逆説的に言うと、「日本の外交下手」を認識していたからこそだと思うんですよ。
日本の歴代首相を見ても、外交センスを感じさせる人物は限られてますし、
それが主体性ある外交ともなれば、本当に数は限られてくると思います。
そう言った意味では、東西両陣営との距離感をうまく保ちながら、
最大利益を得ようとバランスを取り続ける高度な外交よりは、
アメリカへおんぶに抱っこの方が、楽で現実的な選択であった気はします。
しかしそれは、決して外交上手などというモノではなく、
外交下手と前提した上での、最大利益を得ようとした手段のように思えるんです。
しかしそれも、「アメリカへおんぶに抱っこで大丈夫」という状態が数十年続いた事で、
国際政治で鎬を削り合う事を忘れ、楽する事がすっかり身に染み込んでしまい、
地政的な影響で、歴史的にもともと外交が不慣れであった日本が、
世界が狭くなった現代に於いて、転換点を感じ取り、それを適切に決断できるのか?
正直言って、不安ではありますけどね。
教条的にアメリカへ従い続けて、途中で使い捨てられては堪らないですし。
> ポスト冷戦期もソ連なきあとの日米同盟の維持と世界市場へのアクセス(のための全方位善隣外交)
> には少なくとも失敗はしてないかと思いますし
> 私は世に言われるほど鈍感でも下手でもないんじゃないかなとおもってます。
アジア通貨基金構想は潰され、イランの油田開発は撤退を強いられ、
ブッシュの戦争には振り回され、北朝鮮問題では一顧だにされない・・・・
これで本当に、うまく立ち回っていると言えるんですかねえ?
日米同盟にしても、日本の重要度を自認するのであれば、
対等とまでは言わなくとも、それに近付ける努力は必要だと思いますし、
冷戦後の自由な世界市場をアメリカが支えているとは言え、
それに参加するのにアメリカとの同盟が必須と言う訳でもありません。
って、親米路線を捨てろと言っている訳ではありませんよ。
ただし、冷戦の終結後はそれまでのように、
アメリカへ従属していれば恩恵を被れた時代ではなくなった以上、
従属関係ではなく、「国と国との関係」になった方が、
日本にとって利が大きいと考えています。
「下駄の雪」と思われていては、日本は損するだけですので。
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