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[23698] ファスト化されるオタク文化?返信 削除
2021/9/22 (水) 19:48:23 徳翁導誉

> > > 私としては、今後中国がますます伸びていく中で、日本のオタク文化が中国に輸出され、
> > > それを土台に新しい文化が海の向こう側で生まれるのを非常に楽しみにしていました。
> > > 日本のサブカル、オタク文化もアメリカの影響が根本にはありますから、
> > > 経済大国の地位がアメリカ→日本→中国と移っていく中で、
> > > 中国ではどんな文化が誕生するのだろうか、というのは非常に期待していたんですよね。

> > 恐らく、そこまで目を見張るほど「新しい(異なった)作品」は産まれ難いかと?
> > これは中国産だけでなく、韓国産にも言える事でしょうけど、
> > 日本と中国・韓国とは、ただでさえ文化的に近い上に、
> > アニメやマンガに関しては日本の影響を多大に受けている為、
> > 以前にも言いましたけど、「日本サブカルの分家」的な感じだと思うので。

> いえ、私個人としてはむしろそんな目新しい文化の誕生を望んではいませんよ。

う〜ん、この辺りは、世代間の差とかも関係してくるんですかねえ?
それこそ私が子供の頃は、TVゲームであったり、深夜アニメであったり、
様々なネット・コンテンツなどが、新たに姿を現した時代でしたし、
それらが切り開かれていき、新たなタイプの作品も次々と登場してたので、
どうしても、その時の感覚と比べてみてしまう所はあるかも知れません・・・・
それこそ、ここで挙げたゲーム・アニメ・ネットなんて、
旧トルコ担当さんから見れば、見慣れたド定番のオタク分野でしょうけど、
私からすると、それらが「目新しい文化」だった黎明期や成長期を知ってると。

言うなれば、想定評価と絶対評価との差なのかな?
全くの更地である新分野だと、その時に作られたモノが80点であっても、
そもそものベースが0点なので、衝撃度としては80ポイントある訳ですよね。
で、その分野が成熟し、技術の方も発展して、90点のモノが作られた場合、
絶対評価としては、80点よりも90点の方が高評価となる訳ですが、
80点を経験した上での90点だと、相対的な衝撃度としては10ポイントになってしまうと。
しかも後発組の場合、その分野の歴史が長くなれば長くなるほど、
それまでに登場した95点や100点のモノとも比較される為、やはり衝撃面では劣ってしまうと。

いや何も、私は後発作品それ自体を否定した訳では無く、
懐古主義によって、絶対評価さえ歪めてしまう考えは更々ありませんし、
例えば鬼滅ブームのように、その世代世代における「リアルタイム性」というのは、
非常に重要な要素であり、その立ち位置で相対評価が変化するのも重々承知しています。
ですが、それと同時に、新分野が切り開かれていく時に生ずる「圧倒的な熱量」というのも、
私の記憶の中には色濃く残っているので、その衝撃を求めてしまう面は、一方でありますね。

> せいぜい、オタクじゃない人から見ればどっちも一緒じゃん、と言われる程度のもので十分です。
> むしろ全然違う文化が発展してしまえば、私が入っていかないでしょうし。

そういう意味では、今回の中国の規制は、そんなに影響は無いかも知れませんよ。
別に中国政府にしたって、アニメ産業やゲーム産業を潰したい意向な訳では無いですし、
それどころか、国策レベルで産業育成している面もあります。
それこそディズニー的な大作主義の作品は、日本よりも却って将来性があるかも?
まあ、投じられた予算額や、関わった公権力の度合いに応じて、
作品内容が無難となり、健全化されてしまう傾向は、どうしても現れるでしょうけど、
そうした面での規制は、程度の差こそあれ、日本や欧米でだって生じてる訳で、
現状で、そこが別に気にならないのであれば、大した問題じゃないんじゃ無いですかねえ?
少なくとも、そのレベルの話であるなら、「文化の消滅」とはならないはずです。
ちょうど今週、中国で「ユニバーサル・スタジオ北京」が開業してますし(面積はUSJの2倍!)。

また、これは前回した話の繰り返しになってしまいますけど、
今後このまま、中国や韓国のサブカル産業が成熟化され、量産化されて行けば、
その中から誕生する名作は増えて行くでしょうし、それは日本のサブカルが源流にある以上、
日本とは異なる文化を下地に持つ、中国や韓国だからこそ生まれた名作と言うよりは、
その名作が、たまたま中国産だったとか、たまたま韓国産だったとなる気がします。
言い換えるなら、今までなら日本だけでしか生まれた名作が、中国や韓国でも生まれる反面、
それが中国産や韓国産である必然性はなく、従来通りに日本産である可能性はあると。
要するに、東京と大阪との違い・・・よりは大きいにしても、
国は違っても、同質的な文化の枠組みの中で、作品の方も画一化されていく気がするんですよね。


> > > 日本のオタク文化だって、SFもファンタジーも特撮もアニメも、元をたどればアメリカにその源流が大体あります。
> > > 60年代、70年代はまだまだ今よりもずっと国産文化が弱くて、アメリカ人の書いたSF小説を翻訳して読み、
> > > アメリカで出版されたボードゲームを翻訳して遊び、アメリカ映画を翻訳して観て、ということが当たり前でした。
> > > だから20年後、日本人が中国のアニメに夢中になっている姿というのは私には悪い未来像にはあまり見えませんし、
> > > 極端に言えば早くそうなってほしいとさえ思っていました。
> > > むしろ80、90年代以降の面白いコンテンツは皆国産という状況が異常だったと思います。

> > 冷戦があり、ネットやLCCも無かった時代、人や情報の交流も限定的で、
> > 今みたいに簡単に、文化や作品が国境を越えるような時代ではありませんでした。
> > なので、日本で国産コンテンツが多かったのは、当時の日本文化が凄かったと言うよりは、
> > 文化コンテンツの出来に関係無く、世界的にそういう社会だったんですよ。
> > ですが、そんな中でも、冷戦下の西側諸国において、アメリカ文化の流入だけは例外的にあり、
> > しかも、アメリカの占領統治を受け、西側で2番目の経済成長を遂げた日本には、
> > 世界的に見ても、図抜けてアメリカ文化が流入した所はあったかと。
> > ただ、どれほどアメリカ文化が凄くても、いつまでも輸入&翻訳だけじゃ済まないんですよね。
> > それは言語の壁以上に、文化の違いがあるので・・・・
> > そういう意味では、大量に流入したアメリカ文化を吸い込んだ上で、
> > 日本文化に合わせてローカライズ出来たからこそ、日本のサブカル文化が発展したとも言えますし、
> > 逆に言えば、直輸入そのままでは、なかなかフィットしないのも事実だと思うんですよね。

> もともとこの文章はこの掲示板に書くために書かれたわけではないので、
> 文化の話はオタク文化的な意味限定なんですよね。

いや私は、ハイ・カルチャーも、ポップ・カルチャーも、サブ・カルチャーも、
全て境界線の無い「カルチャー」として捉え、特に区別とかしてないので、
話が大きくなったり、脱線したりもしますけど、だからと言って、
決して、「オタク文化だから該当しない」という話はしてないつもりですよ!!

> オタク文化以外の、様々なジャンルであったり、
> 日本以外の国ではどうだったのかは私は勉強してないのでよく知りませんが、
> 少なくともオタク文化的には90年代初頭のTRPGブームを最後に、
> アメリカの文化が日本に入ってこなくなるんですよね。

え〜と、例えば90年代後半のアメコミ・ブームとかは、どうですか?
X-MENとか、スポーンとか、一部界隈では流行ってましたし、
あの時に築かれた下地が、実写版ハリウッド映画のヒットにも繋がっているかも?
また、当時のアメコミ・ブームに付随して、日本に流入したフィギュア(ガレージキット)が、
後に日本アニメと混じり合って、現在の「日本のフィギュア文化」を創り出したかと。
それまで、ソフビ人形やプラモ等はあっても、あんな精巧なフィギュアは日本に無かったので。

あと、これはネット文化ですし、プラットフォーム型なので、
旧トルコ担当さん的には、オタク文化に含まれないかも知れませんけど、
ニコニコ動画やmixiなども、今ではYouTubeやFacebookに飲み込まれちゃってますね・・・・
そして、ニコニコ動画に見受けられたオタク性って、YouTubeだと乏しい気がします。
って、同じネットであればオンライン・ゲームの方が、話題的に より適当なのかな?

> 私は未見ですが、90年代後半になるとアメリカ映画のほうで
> 攻殻機動隊やエヴァンゲリオンに影響された作品が出てくるようになったらしく、

う〜ん、攻殻の影響を受けたハリウッド作品としては、
世界的にも大ヒットした「マトリックス」が、やはり思い浮かびますけども、
エヴァの影響を受けた映画作品って・・・アメリカに在ったかなぁ?
私が知らないだけかも知れませんけど、パッとは思い浮かびませんね。

と言いますか、国産の映画でさえ、エヴァの影響って在るのか否か・・・・
もちろんTVアニメであれば、そこそこ思い浮かびますけども、
実写映画を始め、アニメ映画ですら在るのかなぁ?
エヴァからセカイ系が派生し、そのセカイ系が一般化されてヒットしたのが
昨今の新海誠作品だとすれば、間接的に影響を与えたとも言えそうですけど。
って、その辺りの話をすると、他の作品に影響を与えたと言う以上に、
シン・ゴジラが大ヒットしたのを見ても、庵野秀明の作家性が一般的に受け入れれた方が、
実状としては強いのかも知れません(ゴジラという素材的な土台があったとは言え)。

ただ、アニメ界の中で言えば、エヴァは確実に後続に影響を与えた作品であり、
その後、ヒットする作品はあっても、変化をもたらす作品は なかなか無い気がします。
特に、ここ10年くらいは、そうした傾向が顕著なのかな?
まあ技術の進化により、作画に関しては格段に良くなりましたし、
本当にダメな作品というのは減った反面、アベレージは良いけど特出しないと言うか、
作りが無難となり、全体の作品数が増えた事で、良作の数は増えたのかも知れませんが、
傑作や怪作は、生まれ難い環境にはなっているのかも知れませんね・・・・
しかも、新たな挑戦が乏しいと、どうしても過去の傑作と比べられちゃいますし、
似たような作品が量産されると、その状況に満足する層と満足しない層に分かれそう。
もちろん、その時々で見込める需要に最適化されていくのでしょうが、
目先の利益で見れば理に適っても、長い目で見れば多様性を欠いて先細る要因になるかも?

そういう意味では、ファスト・フードやファスト・ファッションなど、
昨今、世界的にも「ファスト文化」が幅を利かすようになってますけど、
こうしたファスト化の流れは、オタク文化にも及んでくるかも知れませんね。
と言いますか、考え様によっては、ソシャゲはゲームのファスト化かも知れず、
サブスクの電子コミックとかも、漫画のファスト化なのかも知れません。
映像も、映画からテレビ、そしてYouTubeにTiktokと移ってきてますし。
同じように考えると、アニメも今後はどんどんストーリー性が希薄となり、
1話25分という従来の規格ではなく、1話5分程度の作品となって、
その替わりに、週1配信ではなく、平日は毎日配信みたいな流れになるのかも?
それそこ、4コマ漫画原作の萌えアニメとかは、そちらの方が合いそうですし、
実写ドラマにも「NHK朝ドラ」みたいな方式が、既に実際ありますからね。
人気YouTuberとかを見ても、動画の内容以上に「視聴の習慣化」が重要そうなので。
・・・って、ファスト化されたオタク文化って、もうそれは、
オタクの為のコンテンツなのか微妙な感じもしますが(苦笑)。

> オタク文化に限って言えばここ30年とそれ以前というのはだいぶ違うはずです。
> (その時代来ていないので、違うかもしれませんが)

まあ確かに、アメリカ文化の影響度という点で言うと、
その辺りの時代に、1つの転換点があったというのは、別に間違ってはいないと思います。
ただ、オタク文化における変化って、別にそれだけでは無いのでは?
同じ30年前にしたって、また別の要因による変化もあったでしょうし、
30年前だけでなく、40年前や20年前にも、同じく大きな変化はあったはずです。
逆に言うと、それまでは絶えず何度も襲ってきた変化の波が、
ここ10年ほど、あまり目立った形で現れていない事の方が、ちょっと異例でしょうか?

> あと、上記の文章では90年代以前は日本産のオタク文化が全く存在しなかったみたいな表現になっていますが、
> もちろんそんなことがないのも重々承知です。

大丈夫ですよ。
元から、そのようには読解してなかったので(笑)。

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