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[23712] Re:ファスト化されるオタク文化?返信 削除
2021/10/10 (日) 12:36:50 旧トルコ担当

返信遅れました。

> > > > 日本のオタク文化だって、SFもファンタジーも特撮もアニメも、元をたどればアメリカにその源流が大体あります。
> > > > 60年代、70年代はまだまだ今よりもずっと国産文化が弱くて、アメリカ人の書いたSF小説を翻訳して読み、
> > > > アメリカで出版されたボードゲームを翻訳して遊び、アメリカ映画を翻訳して観て、ということが当たり前でした。
> > > > だから20年後、日本人が中国のアニメに夢中になっている姿というのは私には悪い未来像にはあまり見えませんし、
> > > > 極端に言えば早くそうなってほしいとさえ思っていました。
> > > > むしろ80、90年代以降の面白いコンテンツは皆国産という状況が異常だったと思います。

> > > 冷戦があり、ネットやLCCも無かった時代、人や情報の交流も限定的で、
> > > 今みたいに簡単に、文化や作品が国境を越えるような時代ではありませんでした。
> > > なので、日本で国産コンテンツが多かったのは、当時の日本文化が凄かったと言うよりは、
> > > 文化コンテンツの出来に関係無く、世界的にそういう社会だったんですよ。
> > > ですが、そんな中でも、冷戦下の西側諸国において、アメリカ文化の流入だけは例外的にあり、
> > > しかも、アメリカの占領統治を受け、西側で2番目の経済成長を遂げた日本には、
> > > 世界的に見ても、図抜けてアメリカ文化が流入した所はあったかと。
> > > ただ、どれほどアメリカ文化が凄くても、いつまでも輸入&翻訳だけじゃ済まないんですよね。
> > > それは言語の壁以上に、文化の違いがあるので・・・・
> > > そういう意味では、大量に流入したアメリカ文化を吸い込んだ上で、
> > > 日本文化に合わせてローカライズ出来たからこそ、日本のサブカル文化が発展したとも言えますし、
> > > 逆に言えば、直輸入そのままでは、なかなかフィットしないのも事実だと思うんですよね。

> > もともとこの文章はこの掲示板に書くために書かれたわけではないので、
> > 文化の話はオタク文化的な意味限定なんですよね。

> いや私は、ハイ・カルチャーも、ポップ・カルチャーも、サブ・カルチャーも、
> 全て境界線の無い「カルチャー」として捉え、特に区別とかしてないので、
> 話が大きくなったり、脱線したりもしますけど、だからと言って、
> 決して、「オタク文化だから該当しない」という話はしてないつもりですよ!!
>
> > オタク文化以外の、様々なジャンルであったり、
> > 日本以外の国ではどうだったのかは私は勉強してないのでよく知りませんが、
> > 少なくともオタク文化的には90年代初頭のTRPGブームを最後に、
> > アメリカの文化が日本に入ってこなくなるんですよね。

> え〜と、例えば90年代後半のアメコミ・ブームとかは、どうですか?
> X-MENとか、スポーンとか、一部界隈では流行ってましたし、
> あの時に築かれた下地が、実写版ハリウッド映画のヒットにも繋がっているかも?
> また、当時のアメコミ・ブームに付随して、日本に流入したフィギュア(ガレージキット)が、
> 後に日本アニメと混じり合って、現在の「日本のフィギュア文化」を創り出したかと。
> それまで、ソフビ人形やプラモ等はあっても、あんな精巧なフィギュアは日本に無かったので。


正直に言いますと、アメコミブームに関しては全く存じておりませんでした。勉強不足です。
言い訳をすれば、「アメコミブームがあった」という情報さえ手に入れば、そこからネットでも書籍でも通じていくらでも勉強できるのですが、その最初の情報を手に入れるのが一番難しいんですよね。
とは言うものの、フィギュア文化は存在を認知していたので、フィギュア文化史の本をもっとちゃんと読んでおけばアメコミの話も出てきたのかな?

> そういう意味では、ファスト・フードやファスト・ファッションなど、
> 昨今、世界的にも「ファスト文化」が幅を利かすようになってますけど、
> こうしたファスト化の流れは、オタク文化にも及んでくるかも知れませんね。
> と言いますか、考え様によっては、ソシャゲはゲームのファスト化かも知れず、
> サブスクの電子コミックとかも、漫画のファスト化なのかも知れません。
> 映像も、映画からテレビ、そしてYouTubeにTiktokと移ってきてますし。
> 同じように考えると、アニメも今後はどんどんストーリー性が希薄となり、
> 1話25分という従来の規格ではなく、1話5分程度の作品となって、
> その替わりに、週1配信ではなく、平日は毎日配信みたいな流れになるのかも?
> それそこ、4コマ漫画原作の萌えアニメとかは、そちらの方が合いそうですし、
> 実写ドラマにも「NHK朝ドラ」みたいな方式が、既に実際ありますからね。
> 人気YouTuberとかを見ても、動画の内容以上に「視聴の習慣化」が重要そうなので。
> ・・・って、ファスト化されたオタク文化って、もうそれは、
> オタクの為のコンテンツなのか微妙な感じもしますが(苦笑)。


いやあ、ファスト化については既に私が同じことを指摘してたと思うのですが。

[23586] ネット時代の超ローカル文化と雑談 より抜粋
> > > あまり詳しくはないのですが、最近の音楽はサビから始まるなんていうのも、
> > > サビが始まるまでとりあえず聞いてみようという人が減ってきたからだと思いますし、

> > 「最近の音楽」と言いますか、その歴史は音楽界でも何度も繰り返されてる感じですね(笑)。
> > まあこれは音楽に限らず、顧客の数が増える「大衆化」を迎え、
> > ツカミやインパクト、解り易さなどを重視する「陳腐化」が起こり、
> > そして飽きられて沈んでいき、また時間が経って盛り上がり始めるサイクルを辿ると。
> > ですから、サビから始まる曲自体、カラオケ・ブームによりCDが馬鹿売れした90年代にも、
> > カラオケでの盛り上がりを重視して、やはり同じ様な傾向は見受けられましたし、
> > もっと言うと、縁遠いと高尚と思われがちなクラシック音楽の世界でさえ同様で、
> > 実はベートーベンというのは、そうやって大衆人気を得た人なんですよね!!
> > 「ジャジャジャジャーン」で始まる交響曲第5番「運命」など、ツカミ狙いの典型例です(笑)。

>
> まず、時間感覚の変化の要因は商業主義の浸透というよりも、スマホが要因だと私は考えています。
> 音楽を例にするとわかりやすいと思うのですが、
> かつて巨大なコンサートホールでクラッシック音楽が演奏されていた時代、人々はその場にふさわしい適当な服装をわざわざ着て来て、ホールまで歩いて(あるいは馬車などで)音楽を聴きに行きました。
> そういう時代の音楽というのは、演奏時間も数十分とか、下手すると数時間のような、長い曲ばかりだったわけですよ。
> なぜならば、ホールに行くのにも変えるのにも、それなりの時間と手間を使って、聴きに行き、なおかつ嫌いな曲がかかっても個人の好みで別の曲を演奏しろ、とヤジを飛ばすわけにはいかなかったからです。(強いて言えばホールを出て次の曲までタバコを吸っていることはできたのでしょうが)
> しかしそれがレコードの時代になると、別にホールまでわざわざ音楽を聴きに行く必要がなくなり、さらに気に入らない曲を無理に聞く必要もなくなったわけです。
> それでもまだレコードは何よりも値段が高かったわけですが、しかし現在はスマホによってその手間やコストというのがほぼゼロになってしまったんですよね。
> その結果、人々は少しでも気に入らないとその曲を全部聞き終わる前に別の曲の動画に切り替えてしまいますし、曲を聴く体勢も寝っ転がってパジャマのまま聴くようになったわけです。
> なので、「最近の音楽はサビから始まる」と。
>
> あるいは映像を例に例えるのであれば、
> 映画は当たり前のように2時間とか上映時間がありますが、それがテレビ番組になると30分番組が増え、YouTubeになると10分の動画や、TikTokだと15秒になってしまうと。これも、どれだけ手間がかかっているかが動画時間を決定しているわけです。
> 映画館に30分の映像を見に行こうとはあまり思いませんし、逆にYouTubeで2時間見ないと面白くない動画というのはウケないんですよ。
> 小説もそうですね。なろう小説をいくつか冒頭だけ読んでもらえればわかるのですが、ネット小説というのは特に最初のほうは展開がめちゃくちゃ早いんですよ。
> 当然ながら、最初の数ページで何かないと、続きを読んでもらえないからこそ、そうなるわけです。
> ネットコミュニケーションも同じです。ネット接続が高かった時代には、掲示板の書き込みを読み込んだらネット接続を切って、オフラインで返信を書くからこそ、遅いけど濃いやりとりができたわけです。
> それがツイッターのように140文字になると、感情的なやり取りに終始してしまうと。
>
> で、何もスマホが変えてしまったのはこういったコンテンツの時間間隔だけでなくて、現実の時間感覚そのものを変えてしまったと思うんですよね。


私が思うに、ファスト化の原因はスマホだと思うんですよね。
スマホって、家にいるときは皆、寝っ転がって使ってると思うんですよ。
ゲームも、家庭用ゲーム機がメインだった時代というのは、テレビにゲーム機をつなげて、座ってゲームをするので、1時間2時間とゲームに集中できました。
しかし、これがスマホゲームになると、寝転がってゲームをするので、そもそもその姿勢では集中できる時間って30分が限度です。
その30分でユーザーを楽しませないといけないから、スマホゲームはどうしても薄味になるしかない。

YouTubeもそうですね。
寝っ転がってYouTubeを見て、しかもYouTubeは次のおすすめ動画がどんどん表示されるから、ユーザーは少しでも退屈に感じたら、すぐに次の動画へ移ってしまう。
そして今やYouTubeすら拘束時間が長すぎて耐えられない人たちが、今度はTikTokの15秒動画を見るようになる。

インターネットの質が低下していったのも、PCからスマホへの移行が大きいと思うんです。
PCは座って使うけど、スマホは寝っ転がって使う。
寝っ転がってるから皆短絡的になって、煽りまとめサイトみたいなものばかりが溢れる。2ちゃんの時代はみな机に座ってPCで書き込んでいたはずです。

オタクの間でここ10年程イラストレーターがもてはやされるようになったのも、イラストは寝ながら見るのにピッタリだからだと思います。
アニメもテレビからネットへ大きく舵を切っている以上、時間が短くなるのはある程度避けられないと思うんですよね。

で、前にも指摘していますが、それは別に今に始まったことではなく、昔から技術革新が起こる度に起きてきたことだと思うんですよ。
現に私たちは、もう30分のオーケストラを聴くことができないじゃないですか。私も学校の課外授業でオーケストラを聞きに行くみたいなのがありましたが、途中寝てましたし。
でも昔の人たちはあれを退屈せず聴くことができたわけです。
技術革新が起きるたびに、何かを行う手間が減少して、その結果人々は長いコンテンツを受容できなくなる。
昔は音楽を聴くために、立派な服を着て、馬車に乗ってホールまで行ったから、30分の音楽を聴くことができた。
しかしそこにレコードだとか、CDだとかが出てくると、もう30分の音楽なんて聴くことができなくて、曲の時間は短くなる。
それでもCDは高かったし、高い金を出して買ったものだから何回も聞いたのですが、それが今スマホになって、少しでも気に入らなければすぐ次の曲に乗り換えられてしまう。

> > > > 私としては、今後中国がますます伸びていく中で、日本のオタク文化が中国に輸出され、
> > > > それを土台に新しい文化が海の向こう側で生まれるのを非常に楽しみにしていました。
> > > > 日本のサブカル、オタク文化もアメリカの影響が根本にはありますから、
> > > > 経済大国の地位がアメリカ→日本→中国と移っていく中で、
> > > > 中国ではどんな文化が誕生するのだろうか、というのは非常に期待していたんですよね。

> > > 恐らく、そこまで目を見張るほど「新しい(異なった)作品」は産まれ難いかと?
> > > これは中国産だけでなく、韓国産にも言える事でしょうけど、
> > > 日本と中国・韓国とは、ただでさえ文化的に近い上に、
> > > アニメやマンガに関しては日本の影響を多大に受けている為、
> > > 以前にも言いましたけど、「日本サブカルの分家」的な感じだと思うので。

> > いえ、私個人としてはむしろそんな目新しい文化の誕生を望んではいませんよ。

> う〜ん、この辺りは、世代間の差とかも関係してくるんですかねえ?
> それこそ私が子供の頃は、TVゲームであったり、深夜アニメであったり、
> 様々なネット・コンテンツなどが、新たに姿を現した時代でしたし、
> それらが切り開かれていき、新たなタイプの作品も次々と登場してたので、
> どうしても、その時の感覚と比べてみてしまう所はあるかも知れません・・・・
> それこそ、ここで挙げたゲーム・アニメ・ネットなんて、
> 旧トルコ担当さんから見れば、見慣れたド定番のオタク分野でしょうけど、
> 私からすると、それらが「目新しい文化」だった黎明期や成長期を知ってると。
>
> 言うなれば、想定評価と絶対評価との差なのかな?
> 全くの更地である新分野だと、その時に作られたモノが80点であっても、
> そもそものベースが0点なので、衝撃度としては80ポイントある訳ですよね。
> で、その分野が成熟し、技術の方も発展して、90点のモノが作られた場合、
> 絶対評価としては、80点よりも90点の方が高評価となる訳ですが、
> 80点を経験した上での90点だと、相対的な衝撃度としては10ポイントになってしまうと。
> しかも後発組の場合、その分野の歴史が長くなれば長くなるほど、
> それまでに登場した95点や100点のモノとも比較される為、やはり衝撃面では劣ってしまうと。
>
> いや何も、私は後発作品それ自体を否定した訳では無く、
> 懐古主義によって、絶対評価さえ歪めてしまう考えは更々ありませんし、
> 例えば鬼滅ブームのように、その世代世代における「リアルタイム性」というのは、
> 非常に重要な要素であり、その立ち位置で相対評価が変化するのも重々承知しています。
> ですが、それと同時に、新分野が切り開かれていく時に生ずる「圧倒的な熱量」というのも、
> 私の記憶の中には色濃く残っているので、その衝撃を求めてしまう面は、一方でありますね。


> 逆に言うと、それまでは絶えず何度も襲ってきた変化の波が、
> ここ10年ほど、あまり目立った形で現れていない事の方が、ちょっと異例でしょうか?


管理人さんの指摘も半分くらいは納得できますが、やっぱり違うんじゃないかな?という気はしますね。
ここ10年でも、VTuberやVRChatや、色々出てきていますし、文化というのは突然変化するものではなく、ゆっくり変化するものなので。
90年代、00年代の萌えなんかも、突然出てきたものではなく、80年代にすでにその萌芽はありましたし、ロボットアニメやプラモデルやらなんでも同じでしょう。
20年後から見れば「2010年代に築かれたVTuberがオタク文化の転換点だったよね」なんて言われるかもしれません。特にVRはこれからの技術ですし。

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